1978年のアルバム(その47 Thank God It‘s Friday)
1978年、Saturday Night Fever一色の中・・・
ディスコ・ミュージックなら、こちらが本家と言わんばかりに、MotownとCasablancaが、Columbia Pictures配給で作られた映画
Thank God It's Friday
「土曜日」に対して「金曜日」
そして、Donna Summer、The Commodoresという、Casablanca、Motownの看板スターが出演していることも話題に
Thank God It's Friday
勿論、サウンド・トラックがリリース
こちらは、Saturday Night Feverには収録されていないアーティストの、やはりディスコで人気のナンバーが集まり・・・
3枚組(2枚半)・・・但し、Stevie WonderのSongs In The Key Of Lifeとは違って、3枚目が30センチ・シングルという変則的スタイル
そして、Donna Summerが属するCasablancaレコードからのリリースとなりました。
日本のタイトルは、「イッツ・フライデー」と短縮形に・・・
2枚半で、4,000円でしたが、当時のLPレコードとしては、お得な方だったかもしれません。・・・
レコード1枚目A面1曲目・・・ドラムスのビートが刻まれ、ホーン
そして、Friday~、Thank God It's~
Thank God It's Friday / Love And Kisses
この映画のテーマ曲、オープニングに、色々な人が、ディスコ Zooに集まってくる・・・そこで流れています。
Love And Kissesは、ヨーロピアン・ディスコの第一人者、Alec Rupen Costandinos率いる男女混合グループ
この曲は彼の作品で、プロデュースも彼自身
フィラデルフィア・ソウル風のこのナンバー、メンバーが交互に歌い、メインの部分はAlecが歌っています。
全米No.22、全米R&BチャートNo.23
世界各国でもヒットしたようです。・・・
2曲目、Donna Summerの I Feel Loveを思わせるビートが響き・・・
After Dark / Pattie Brooks
その通り、Donna Summerの I Remember Yesterdayに参加していた・・・
この当時、Casablanca レコードと契約していた女性シンガー
ディスコ・プロデューサー Simon SoussainとSabrina Soussainの作品
プロデュースは、Simon Soussain、彼女のアルバム Our Ms.Brooksに収録
セクシーな囁き声のような歌、パーカッションもフィーチャー
全米クラブ・プレイ・チャートでは、6週間No.1を記録しました。・・・
3曲目、軽快なリズムにシンセサイザーが導入され・・・
With Your Love / Donna Summer
そう、本家 Donna Summer登場
Giorgio Moroder、Pete Bellotte、Donna Summerの作品
プロデュースは、Giorgio Moroder、Pete Bellotte
バック・コーラスも効果的に入り、ノリのいいナンバー
Last Danceとカップリングでシングル・リリースされました。
そして4曲目、スキャットから・・・そう・・・
Last Dance / Donna Summer
最初、スロー・バラードのように始まって・・・そして、ノリのいいナンバーに
映画にも、Carl役で出演している、当時、Casablanca レコードと契約していた・・・
俳優兼歌手のPaul Jabaraの作品
プロデュースは、Paul Jabara、Giorgio Moroder、Bob Esty
Donna Summer演じるNicole Simsがディスコ Zooで歌うシーンは映画のクライマックス
前述の通り、映画の愛のテーマ
シングルとして、全米No.3、全米R&BチャートNo.5、全米ダンス・クラブ・チャートNo.1、全米アダルト・コンテンポラリー・チャートNo.42、全英No.51
そして、極めつけというべき、翌年、アカデミー賞主題歌賞受賞
ゴールデン・グローブ賞主題歌賞も受賞
またグラミー賞では、Paul Jabaraが最優秀リズム&ブルース楽曲賞
Donna Summerが、最優秀女性R&Bパフォーマンス賞を受賞
Donnaは、映画のNicoleどころでないスーパースターとなったのでした。、尚、ここでは、ロング・ヴァージョンで収録されていました。
レコード1枚目B面1曲目、軽快なリズムで、ノリよく歌うのは・・・
Disco Queen / Paul Jabara
Carl役でもある Paul Jabara彼自身の作品
プロデュースもLast Danceと同じく、Bob EstyとPaul Jabara
コーラスは、どことなく Bee Geesを思わせるところも・・・
シングルとして、リリースされていました。・・・
2曲目、スピード感溢れるリズムに、コーラスが加わり・・・
Find My Way / Cameo
そう、まだ大ブレイク前のCameo
Johnny Melfiの作品で、プロデュースは、中心人物の Larry Blackmon
当時まだ若いLarryは既に貫録、パワフルに熱唱
タイトル通り、この曲は、Commodoresの楽器を運んでいるローディーのFloydが道に迷っているところに流れています。(笑)
3曲目、この映画のスペシャル・ゲスト
Too Hot Ta Trot / The Commodores、邦題は「あの娘が標的」
Loinel Richie、Milan Williams、Ronald LaPread、Thomas McClary、Walter "Clyde" Orange、William King、メンバー6人の共作
プロデュースは、The Commodores、James Carmichael
1977年リリースのアルバム Live!では新曲として収録されていました。
メインで歌うのは、Walter
映画ではFloydがなかなか Zooに楽器を運んでこないので、ヤキモキさせますが・・・(笑)
最後の方で、Commodoresのナマ演奏でコンテストが行われます。
全米No.24、全米R&BチャートNo.1のヒットとなっています。
4曲目、やはりディスコ調で始まり、タイトなギター・サウンド
Leatherman's Theme / The Wright Brothers Flying Machine
「レザーマンのテーマ」、インストゥルメンタル・ナンバー
ギタリストのArthur George Wrightが、David T. Walkerと組んで、Casablancaよりアルバムリリースしたバンド
Arthur George Wrightの作品で、プロデュースも彼自身
因みに Leathermanとは、コンテストで優勝する Chick Vennera演じるコンテストで優勝する皮づくめ服のMarv Gomezのこと
駐車場の車の上を踊りまわり、軽快なギターの音が動きを表現しています。
5曲目、軽快なビートとコーラスから・・・
I Wanna Dance / Marathon
Pete Bellotte、Thor Baldurssonの作品で、プロデュースはPete Bellotte
I Wanna Dance~のコーラス以外は、シンセサイザー中心のインストゥルメンタル・ナンバーです。
レコード2枚目A面(C面)1曲目は、軽快なビートでストリングスをバックに・・・
Take It To The Zoo / Sunshine
そう、Donna Summerのバッキング・ヴォーカルを務める Sunshine
メンバーは、Carlena Williams、Linda Gaines、Dara Bernard、 Mary Ellen Bernard、この曲は、プロデュースは、Arthur George Wright
Bruce Sudano、Donna Summer、 Joe Espositoの作品
Donnaがバックアップしていることがわかりますね。
この曲も、全米クラブ・チャートでNo.1となりました。
2曲目、ノリの良いビートが響いて、ラテン・フレーバーに・・・
Sevilla Nights / Santa Esmeralda
そう、この少し前に、やはりCasablanca レコードからリリースした Don't Let Me Be Misunderstood(「悲しき願い」)のカバー・ヒットで世界的にブレイクした Santa Esmeraldaです。
プロデュースは、Jean-Manuel de Scarano、Nicolas Skorsky
彼らのプロデューサー・チーム
そしてこの2人とキーボード奏者の Jean-Claude Petitの共作
ここでは、フラメンコ・ギターも軽快なインストゥルメンタル・ナンバー
やはりノリのいいディスコ・サウンドになっています。・・・
3曲目、軽快なピアノにストリングスが加わり、ドラマチックにコーラス
You're The Most Precious Thing In My Lide / Love And Kisses
邦題は、「素敵な出来事」、勿論、Alec Rupen Constandinosの作品
プロデュースも Alec
Fifth Dimensionを思わせるミュージカル仕立てのナンバーに
尚、Thank God It's Fridayとカップリングでのリリースとなりました。・・・
レコード2枚目B面(D面)1曲目は、ややスロー・テンポにリズムが刻まれ・・・
Do You Want The Real Thing / D.C. LaRue、邦題は「ザ・リアル・シング」
D.C. LaRue、Bob Estyの作品で、プロデュースは、 Bob Esty
この人のCasablanca移籍第1弾シングル
コーラスをバックに、悩まし気に語るような歌い方は、印象的です。
2曲目、ノリのいいMotownサウンド風に始まるのは・・・
Trapped In A Stairway / Paul Jabara、邦題は「イン・ア・ステアウェイ」
Bob Esty、Paul Jabaraの作品で、プロデュースもこの2人
軽快でポップなナンバー、最後にサックスも入り、フェイドアウトしていきます。
3曲目、やはり軽快なビートで始まるのは・・・
Floyd's Theme / Natural Juices、「フロイドのテーマ」
前述の通り、Floydとは、Dewayne Jessie演じる Commodoresの方向音痴なローディー
彼のコミカルな動きを表現したインストゥルメンタル・ナンバーです。
この曲の作曲とプロデュースが、Dick St. Nicklaus
日本でもこの翌年辺りに大ヒットしたあの Magicの・・・
意外な気がしますが、これがブレイクのきっかけだったのかもしれません。・・・
4曲目、シンセサイザー音で、当時の典型的なディスコ・ビート・・・
Lovin', Livin' And Givin' / Diana Ross
Kenneth Stover、Pam Davisの作品で、プロデュースは、Hal Davis
軽快で、自然に体が動いてくるようなナンバー
Diana自身、映画には出演していませんが、Motownを代表しての登場でしょう。
尚、シングル・リリースされた国もあり、リミックス・ヴァージョンが、この後にリリースされる彼女のアルバム Rossの1曲目に収録されました。・・・
5曲目、ピアノのイントロから、バラードと思いきや、一転、ディスコ・ビートに
Love Masterpiece / Thelma Houston
Art Posey、 Josef Powelの作品
プロデュースは、Diana Rossと同じく Hal Davis
Motownに移籍して、全米No.1ヒットとなった Don't Leave Me This Wayにも共通するポップで、ノリのいいナンバー
この曲もシングル・リリースされた国がありました。
6曲目、この面最後は・・・
Last Dance (Reprise) / Donna Summer
最後にもう1度登場
映画の方も、この曲で、まあハッピー・エンド()
最後は、R&B界のディーバ3人で、締められました。
レコード3枚目A面(E面)、この時代でのボーナス・トラックということでしょうか・・・
30インチ・シングルとして・・・
Je t'aime...moi non plus / Donna Summer
そう、「ジュ・テーム」
勿論、Serge Gainsbourgの作品で、Jane Birkinとの歌でお馴染み
このナンバーが、ディスコ・チューンに
プロデュースは、勿論、Giorgio Moroder、Pete Bellotte
Donnaは、Love To Love You Babyを思わせる、ため息混じりのセクシーな歌、そしてここでの男性の声は、Giorgio Moroderのよう・・・
インストゥルメンタル・パートもフィーチャーしたロング・ヴァージョンとなっています。
尚、映画には登場していません。・・・
CDの時代になり、最初は、数曲省略した1枚としてリリース
続いては、全曲収録で、何曲かはロング・ヴァージョンに替えた2枚組CDもリリースされました。・・・
尚、映画の方では、このサウンド・トラック盤に収録されていない楽曲も色々使われ・・・
Donna Summerは、Love To Love You Baby
(劇中では、Donnaが演じるNicoleも少し歌います。・・・)
The Commodoresは、Brick House、Easy
それぞれ登場しています。
アルバムの方は、全米最高位No.10
全米R&BチャートNo.6、そして全米ホット・ダンス・クラブ・プレイ・チャートではNo.1に
Last Danceを筆頭に、このサウンド・トラック盤収録のナンバーが色々オン・エアーされていて・・・
Saturday Night Feverには及びませんが、やはりこの時代のディスコ・ブームを象徴していると思っています。
尚、映画の方、監督は、Robert Klane、劇中、進行役となっているのは、Car Washにも出ていた ディスコ ZooのD.J. Bobby Speed役のRay Vitteでしょうが・・・
それぞれこのディスコに集まってくる人の人間模様が描かれていて、まあB級でしょうが(苦笑)色々と笑えるところもあります。
前述の人たち以外に、その後名女優となった Debra Winger
ヒット映画に色々出演している Jeff Goldblum
そして当時はまだ10代だった・・・その後、Berlinでブレイクする Terri Nunnなど・・・
意外な人たちが出演しているので、それも興味深いところといえるでしょう。・・・
Donna Summerを筆頭に、この映画に関わった人の多くは、既にもう居られません。・・・
それが40年以上の月日・・・ということかもしれません。
でもここに聴かれる楽曲は古さを感じず、それによっていつでも、1978年にタイムスリップが可能です。・・・
まだCDも、携帯電話も、パソコンも普及していない・・・
1978年というディスコ・ブームを含めた時代背景を象徴したアルバムが、この・・・
Thank God It's Friday
そのようにも思っています。
(Donna Summerに関する日記)
(1978年のアルバム その8 Live And Moreに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12601096941.html
(1977年のアルバム その83 I Remember Yesterdayに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12593810871.html
(1976年のアルバム その36 Love To Love You Babyに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12398255891.html
(The Commodoresに関する日記)
(1978年のアルバム その16 Natural Highに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12602989555.html
(1977年のアルバム その19 Live!に関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12524816212.html
(1977年のアルバム その18 Commodoresに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12522074608.html
(1975年のアルバム その86 Caught In The Actに関する日記です・・・)