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高をくくる

 

 

翌日から冬合宿ということで

クリスマスに後輩の家に泊まった僕は

急いで家を後にした。

 

気持ち悪く伸びたひげをなんとかして

お風呂に入った後、合宿準備に取り掛かる。

 

合宿と言っても自分が今現在代表を務めている団体の

合宿は遊び系ではなくもっぱら運営会議を中心にした合宿である。

毎年日をまたいでのはなしあいが行われており、それをスムーズに進ませるためには

しょうがいないほどの準備が必要だった。

 

僕はこの団体に2年以上いるから、

この冬期間の反省会合宿にも2度は参加していることになる。

そうすると進行に関しても沢山ヒントを得ているはずなのだが、

どうしても過去の記憶を思い起こすことが出来ず、進行資料の作成には

手間をかけさせられた。

 

唯一の利点は今夏の合宿開催場が僕の管理している家であるということだ。

ならばその設備は十分に使うことが出来る。

TV画面とPCを接続することにも成功したし、

無駄に大きなTVがあるので、みんなの情報共有の助けになる情報を映し出すこともできる。

 

とりあえず頑張った。

あとは明日からの進行に耐えうる精神と体力が必要だ。

 

 

   

 

クリスマスの日はかねてから予定していた通り

大学に行って掃除をすることにしていた。

大学の授業も今日までらしく電車にはいつも通り学生の姿が

ちらほらとみられた。

 

僕が部室に着いたとき、まだ乱雑な部室は

前日のクリスマス会の準備がうかがえる状態だった。

なにをしようかと迷った結果、まずはPPTを作成して

無限ループ状態のスライドを作成した。

 

掃除といっても学園祭の時期に作成された大道具の撤去が

メインで、あとは細かい黒い汚れを消していくという地味な作業続きになった。

 

クリスマスに元来予定のない僕だったけれど、

まぁそんなことをしていると、部員たちと会えるからか

寂しさは少しばかり和らいだ気がする。

 

夜はそんな流れで大学の近くのお店に行くことになった。

酒の種類も豊富なのに、2000円台で済ませられるいいお店だった。

大学四年間居たのだからもっといいお店……例えばこんなお店を知っておくべきだったのだろう。

クリスマスだったからか、人はあまり多くなかった。

 

その後、下宿生の家に行き、日をまたぐことまで

時間を潰しながら談笑した。

電車はゆうになくなってしまったけれど、僕はお世話になることにした。

クリスマス感はまるでなかったけれど、

孤独ではなかったし、楽しい1日になったと思う。

恨んだり、楽しんだり、寂しくなったりと忙しい男だと思う。

未来も過去も感情が入り混じってぐちゃぐちゃしている自分は

この団体を去る時、どんな気持ちかな?

 



4年学生手話サークルに関わってきたが正直飽きてやめる人が多いのは分かる気がする。やめてなくとも、手話を学習することをやめる人は多い。

学生手話サークルに特有なのは内容に進化が見られないことだ。指導者、運営者が入れ替わる学生手話サークルにおいて、学習内容は1年経てば、また0に戻る。それまで指導していたメンバーが引退するからだ。

そして、活動内容がまた地味であることも理由のひとつではないだろうか。言語を学ぶなんて、本来たしかに派手なものはないのだろうが、あまりにも単純で地味。

学生ともなればひとつのことに執着する人は少ない。他の魅力に奪われてしまうことのほうが多いのではないか。

教える側の工夫がとても重要であることは間違いない。




クリスマスイブもクリスマスも、
最早自分の感情を全く動かさない。

そもそもクリスマスだといいつつ、一週間後には正月だと騒ぐのだから情緒のない国である。

サンタクロースは忘れ去られた一発芸人のように寂しい影を落として消える。

この日は本当に何もしなかった。
独り身で集まるような人もちらほらいるが、独り身で集まるイベントにも呼ばれないのがこのぼくだ。

雨が降っていた。
イルミネーションを見に行ったカップルはさぞ困っただろう。

僕は眠った。

  

 

 

 

ラーニングイベント「逃げるは恥だが役にも立たない」に参加した。

 

恥をテーマにした学生主体のちょっとした講座?だ。

 

この中で惹かれたのはイプシロだった。いわゆるアドリブ即興劇。

これはアイスブレイク……仲良くなる形の企画に使えそうではないか?

 

ところでこの日は団体内の世代交代イベントの日だった。

僕が去年なにやら感傷的になった記事を書き綴ったイベントである。

代表を終えたイベントであり、3年次の自分の終着点であったイベントであった。

 

プレゼント交換があるということでその用意をしなければならなかった。

700円の予算である。

僕はDaisoで箱を買った。

その中に手があったまるようで、Christmas感が出ている手袋を購入し、入れた。

あとは女性が多い団体でもあるので、入浴剤を入れた。

今自分にできる最大限の女性への譲歩である。

これがオシャレ感を出せているのかは分からないが、僕の限界であった。

 

さて、実際に起こったクリスマス会はといえば

スムーズに進行していった。

 

特に感傷に浸るような内容はなかった。

スムーズ、流れる清流のようにスムーズである。

 

プレゼントは僕が学園祭でペアを務めた3つ下の後輩へと受け渡された。

そして、僕が貰ったのも3つ下の別の後輩のものであった。

ケーキである。

しかしながら、ケーキはあんまり食べないので、

25日に学校に来た人たちで食べようと思った。

 

代表がまたしても交代した。

3年次の僕はこの彼のことを信頼していたようだが、

今の僕には彼のことが良く分からない。

きっと彼はまじめな男だから、頑張ってくれるだろうけれど。

9名の運営メンバーによる2018年度。

僕が最後に関わることになるのは追いコンだろうか。

意味のないような内容ならばもう行かなくていいし、

なにか面白いことをしてくれるならばぜひ行きたいと思う。

 

2017年度、さよなら。

  

 

 

 

個人的な激戦から一夜明けた。上半身が痛かった。

交流会司会をする僕に対して後輩が言った一言が少しだけ胸に残った。

 

「○○さんはいつまでも格好いいから嫌いです」

 

僕は僕を否定する人が大嫌いで、肯定する人の味方になる。

それが性分なのだと気づいたけれど、この後輩に対してはどう接していいのか、

ずっと僕は分からないでいる。

 

彼女との悶着は1年前に遡る。

あまり接点がなかった子だったけれど、

学園祭練習から頭角を表し始め、終盤には懐いてくれた……気がしていた。

好き、とたまに連呼するけれど、僕はそれをどうとらえるべきか分からないでいた。

好きだって色々あるだろう。

そもそも自分が好かれるなどと思ってもいなかった僕は彼女の行為を結構雑に扱った。

好きという言葉は色んな意味で用いられる。

恋愛的な意味で使われているとはあんまり思えなかったし、

信じて後でバカを見るのも嫌だったのだ。

 

しかしそれがもし真実なんだとしたら

もうすぐ卒業する僕にはなにかしらのアクションを起こした方がいいんじゃないかなと

思わなくもない。

 

漫画だとこういう時

「思いきりあとくされが残らないように振ってやるのが優しさだ」

と書かれているような気がするが

自分ならいくらなんでも好きな相手からそんな風に言われるのは

我慢ならないというか一生悪い記憶として両者の胸に残り続けるのではないかと

思ってしまう。

 

残された期間はあとたったの3か月。

そんな後輩に一体僕はなにが出来るのだろうか。

 



映画館とは因縁がある。
昔、なにかよくわからない映画をみて涙と血が止まらないように溢れてきてから、あのポップコーンの甘い匂いに彩られた空間が苦手だった。

しかしながら、大学生になって、それにも少し慣れた。

今回鎌倉ものがたりを見ることになった。同伴者の好みである。物凄い二転三転する展開だったけれど、ヒロインが美人で、強引ながらに切ないところもあった。

同伴者、泣く。
僕は、少し見入る。

梅田の夜景は、いつか3人で見たレインツリーの国のことを思い出させてくれた。

お世話になった街。
そろそろお別れ。

 

 

 

関西圏の大学が一堂に会する手話パフォーマンスイベント。

それがWith Festa……Withと呼ばれるイベントだった。

今年でこのイベントに関わるのは4回目になる。

初めてこのイベントに参加したときのことを今でも覚えている。

しかしながらそれはまるで夢の中のような出来事として美化されていた。

 

ある曇った空の下で京都に赴いた日のこと。まだ僕がデパートでバイトしていた頃、みんなで力を合わせて発表し、優勝した日のことを今でも思い出す。あの時僕はまだ1回生だった。そして、今4回生になった。自分の大学の団体では圧迫感や後輩との折り合いをつけなければならないと思い、ならば僕は主催団体側に入り込むことで後輩たちを見届けることにした。

 

その日は優勝した日と比べて晴れやかだった。このイベントは年々規模を大きくしていっている。学生内での発表会だったものがいつの間にか、取材を受けていたり、チケット制になっていたり、変わっていっている。正直なところ昔のままが僕は好きだったけれど、主催団体の活動方針的には仕方ないところもあるだろう。それに一般のお客さんを巻き込むのは良いことだと思う。

 

 受付をしてカメラ撮影をした。慣れないことではあるが、自信を持っている時の自分ならまぁまだなんとかなる。しかしながら、この後が大変だ。

 

 発表会の結果、自分の団体は優勝を勝ち取ることが出来なかった。僕の4年間は終わった。かつてあった優勝を取り戻すことは叶わなかった。だが、自分の中で優勝してほしくないともなぜか思っていた。だって僕はただここでカメラを回していただけだ。それで優勝されてもきっと僕は心から喜ぶことはなかっただろう。もう一度君たちと一緒に臨みたかったな。

 

 交流会の時間になった。発表団体から有志で参加する交流会は、発表に参加した大学生が交流しあう良い機会である。もともと僕はこれの為に来たのだ。発表会の司会をすることは叶わなかったが、交流会を口火を切る司会役をすることはできた。これも3つ下の学生のおかげである。感謝したい。盛り上げることについて協力できたのかどうかは分からないが、交流会自体も大体無事終了することが出来た。

 

 Withは、学生時代のWithは完全に終了した。もうこのイベントに関わることはないのだろう。上半身が痛んだ。自分自身を焚きつけたからだ。利き手を動かしすぎて痛んでいる。あとどれだけ手を動かすことがあるだろう。12月も半分を過ぎて、空気が冷え込んできた。色んな事が終わっていくんだ。僕は思い残すことがないようにしないといけないんだ。