こんばんわに
昨日の午後は、佐伯市へ。
おおいた遺産県南地域講座へ
割と地元に近い県南地域(臼杵・津久見・佐伯)です!
今回は、「臼杵磨崖仏」と「鷹鳥屋神社の森」について学習。
2つのおおいた遺産の概要をご紹介いたしますm(__)m
(1)臼杵磨崖仏(おおいた遺産HP)
・講師:山路康弘氏(大分県教委)
大分の磨崖仏研究者の山路氏が、臼杵磨崖仏はじめ磨崖仏の基礎知識や保存についてレクチャーされました☆
※臼杵磨崖仏の過去記事→2009年12月編
[1.磨崖仏とは]
・磨崖仏は、石仏の中の一種類である。
→・「石仏」=石で作られた仏像。独立で人力にて移動できるもの。
・「磨崖仏」=自然の崖面(転石含む)に掘られ、切り離しや移動が困難。
▽仏像はもちろん、梵字も磨崖仏対象となることも。
・文化財上では、「有形文化財(=彫刻そのものの芸術価値)」、「記念物(=史跡、石仏群など一帯・空間的価値)」の対象となる。
・日本最古の磨崖仏=近畿に集中(かつて都だった→中国大陸との交流あり)
→磨崖仏の年代特定は、木造彫刻の作風・流行をもとに行う。
[2.大分の磨崖仏]
・大分では、姫島村・津久見市・日出町以外の市町にすべて存在。
→・姫島=黒曜石地質…硬く彫りづらい。
・津久見=石灰岩地質…雨で溶けやすい。
・日出=磨崖仏の存在がない背景は不明。
⇒磨崖仏は、地質との関係あり!(後述)
▽市町別磨崖仏数(県全体で100ほどある)
・大分の磨崖仏3大地域
→「国東半島」、「大分平野」、「大野川」
・地質で異なる県内の磨崖仏
→・県北地域=薄く繊細な薄肉彫・半肉彫・浮彫(硬い凝灰角礫岩・安山岩のため)
・県中・南部=立体的な厚肉彫・丸彫(やわらかい凝灰岩のため)
▽北部の熊野磨崖仏@豊後高田
▽南部の菅尾磨崖仏@豊後大野
・大分の磨崖仏造立…平安後期~末期
→造立者…県北:仁門、中部:日羅、県南:蓮城法師の伝承
→背景…県北:宇佐神宮・六郷満山文化、中部・県南:天台宗の寺院・豊後大神氏
→特に、豊後大神氏(Ex:豊後大野の緒方三郎惟栄)の勢力が大きな背景か。
→豪族=「財力も人力もある」、「水の支配を示す(湧水・河川など)」といった権威を示す。
▽伝説の造立者3名
・国指定以上の磨崖仏→大分には8つもある!(日本最多の県)
cf:磨崖仏については、2014年過去記事(おおいた豊後大野ジオパークの磨崖仏紹介)でもご紹介。
[3.臼杵磨崖仏]
・造立年代:平安後期~鎌倉後期?(中尾五輪塔に「嘉応2(1170)年」「承安2(1172)年」の銘)
・造立者:蓮城法師の伝承があるが、豊後大神氏一族ではないかとの推論。
・文化財指定:国宝61躯…本指定29躯・附指定32躯
→・史跡:昭和9年⇒特別史跡:昭和27年
・重文:昭和37年⇒国宝:平成7年
⇒磨崖仏では日本唯一の国宝指定&4つも国指定ステータスあり(いかに国でも注目・価値が認められている磨崖仏かが分かる。)
・臼杵磨崖仏…ホキ・山王山・古園・金剛力士像などで構成。
→いちばん有名なのが、古園石仏の大日如来像。
→江戸期に地震で、首が落ちた。長らく、像の前に首を安置。
→平成に入り、首を元の位置へ修復。まもなく国宝指定へ。
→一時期、リストラ除け祈願(”首(クビ)が戻る”信仰)が流行った(笑)
▽首が落ちていた頃の風景(私は首が戻った姿しか拝んだことがない)。
・ボーリング調査で、臼杵磨崖仏周辺の地質調査
→採取された岩は、ボロボロで脆かった(骨粗鬆症状態)
→最下部には、粘土質=水を下に通さず真横に通す(=磨崖仏の足元から水が湧く→苔の繁殖や冬の凍結あり)
→臼杵磨崖仏は劣化しやすく、こまめな保護が必要
→年2回、紫外線を当てて保護。
▽ボーリング調査結果
▽保護の様子
以上が臼杵磨崖仏のご紹介です。
(2)鷹鳥屋神社の森(おおいた遺産HP)
・講師:矢野大和氏(鷹取屋神社宮司、県南落語組合口演家)
宇目町の山あいにある鷹取屋神社(地元では”たかどや”の愛称)。
(あいにく私はまだお参りしたことなし…。)
宮司であり、県南落語組合の矢野大和氏が、分かりやすく&おもしろおかしくご紹介されました♪
▽鷹鳥屋神社
[鷹鳥屋神社の概要・由来]
・標高639mの鷹取屋山にある神社。
・矢野大和氏で37代目。
→社家を守る…並大抵ではない苦労あり(養子を取った経緯もあり・生計を立てるのに苦労など)
・鷹鳥屋山へ移る歴史:
・もともと越中立山にいた矢野氏
→紀州熊野へ移った際、「筑紫(九州)へ行くように」と神告あり
→豊後国に入り大友氏に使える
→そして、日向境へ向かうよう大友氏の名。
→日向境に差し掛かった際、2羽の白い鷹に導かれ、現在の社殿のある場所へ。
→そのため、狛犬ではなく、鷹を神の遣いとしてしている。
・”鳥屋”の由来=鳥の休憩所という意味(鳥は山々で羽を休めながら渡っていく)
・祭神:イザナギ・イザナミ=生産の神。
→ただし、人々の信仰目的は、時代とともに変わる。
→ある時期は、雨の神として信仰(麓地区の雨乞いに成功したことから)
→戦時中は、戦いの神として信仰。
・森は天然記念物指定。
→保護については、とにかく自然に手を加えないこと(無為自然)が大切。
→神聖な雰囲気が漂う。
この他、神道の基礎などを学びました。
…と、以上が2つのおおいた遺産です。
磨崖仏については、馴染みがございました♪
地元、おおいた豊後大野ジオパークは、磨崖仏の宝庫!
目玉ジオサイトの一つ。
身近に磨崖仏ある生活です。
おおいた遺産でも、奥豊後大野川流域28カ所-古寺磨崖仏不動尊霊場として認定されております。
豊後大野以外でも、大分県内には各地に磨崖仏あり。
臼杵磨崖仏は、数も多く、厚肉彫で今にも動きそうなほど立体的で、立派です☆
また、国東半島の磨崖仏も、浮彫が逆に歴史や荘厳さを感じます。
大分平野の磨崖仏は、彩色艶やかですし、市街地付近にも意外と点在するのが面白いです。
磨崖仏県おおいたです!(笑)
鷹鳥屋神社は、かねてから参拝したいと思いつつも、まだ叶わず…。
(先日、同じ宇目のおおいた遺産、木浦すみつけまつりにはお邪魔いたしましたが…。)
矢野大和氏いわく、「道には迷わないように気をつけてね!」と(笑)
鷹の伝説も興味深いですし、神々しい森ともふれ合いたいですね♪
さて、おおいた遺産地域講座もこれにて終了。
(私の参加できなかった、速見地域・県西地域も行われました。)
馴染みの遺産から、まだ行ったことのない・学習したことのない遺産もあり。
講座で基礎知識をおさえる→現地で直接ふれあうと、魅力も一入かもしれませんね!
おおいた遺産は120ほどあり。
まだまだ出会っていない遺産もたくさんあり。
まずはおおいた遺産と出会いたいですし、魅力を紹介できればと思っております☆
また、みなさまもぜひ、おおいた遺産を楽しんでくださいね♪
以上、おおいた遺産県南地域講座の模様でした。
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☆HP→http://www.geocities.co.jp/takatch2002/
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