文芸ソムリエ・土居豊の「世の中テイスティング日乗」
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”(再掲・山本氏にブロックされた→アニメ『涼宮ハルヒ』の演出担当だった山本寛氏の「セクハラ」”

この、グレタへのツィートの賀東招二氏

 

https://www.excite.co.jp/news/article-amp/Buzzap_60270/

 

 

賀東招二氏がこんなことをいうとは、いささかびっくり。別に好き嫌いはどうでもいいけど、環境破壊への抗議活動に真剣に取り組む10代の子をそこまで貶めていうのは、どうしてなのだろう?

グレタをディスる日本人、特に中年以上の男性の言葉には、何かしらコンプレックスや劣情の裏返しがほの見える。

国籍や性別、年齢に関係なく、グレタを嫌う人は多いのだろう。しかし、一方で熱狂的に支持する人や、今回のオーストラリア人ヨット家族のように、実際に手助けする人もいるのだ。だから、グレタと支持者の方がきっと正しい。少なくとも彼女の訴えを聞けば、自分で何か考えるきっかけにはなるはず。

にも関わらずグレタの話を聞いて何も考えずただやたらと非難したり下衆い発言をしたりする人は、やはり彼女の訴えによって自分の内部が何か揺すぶられたということだ。その自分の心を直視する勇気がないから罵詈雑言が出てくるのだ。内面を見つめてみたらいい。なぜ自分がそんなに怒っているのか?

 

それにしても、

今回の賀東招二氏といい、

以下のリブログ記事での、山本寛氏といい、

京アニのアニメ『涼宮ハルヒ』に関わった人たちが、無残な姿をネットに晒しているのが、ハルヒファン、京アニファンとして辛い。そんな姿は見たくない。作品まで、貶められた気になる。

 

 

 

名指揮者マリス・ヤンソンスを偲んで

2019年12月、惜しくも亡くなった名指揮者マリス・ヤンソンスを偲んで

 

 

 

 

以下の演奏会エッセイを、ヤンソンス追悼のため、無料公開します。

 

 

(1)エッセイ「クラシック演奏定点観測〜バブル期の日本クラシック演奏会」第29回

マリス・ヤンソンス指揮オスロ・フィルハーモニー管弦楽団 来日公演 1993年

 

 

https://note.com/doiyutaka/n/n89e792beed17

 

 

(2)エッセイ「クラシック演奏定点観測〜バブル期の日本クラシック演奏会」第8回

レニングラード・フィル 来日公演 1986年

指揮者:エフゲニー・ムラヴィンスキー(病気のためキャンセル)、マリス・ヤンソンス

 

https://note.com/doiyutaka/n/nb958bb9cf028

 

 

 

 

合わせて、上記エッセイからの引用ですが、以下、2013年のヤンソンス指揮ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団演奏会のレポートを再掲します。

 

(3)

マリス・ヤンソンス指揮、ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団演奏会

2013年11月18日(月)

東京文化会館

【プログラムB】

ワーヘナール:序曲「じゃじゃ馬ならし」op.25

ストラヴィンスキー:バレエ「火の鳥」組曲 (1919年版)

チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調op.64

 

 

 

 

 

この日の東京文化会館には、開演前、皇太子ご夫妻がいらして、満場の拍手に応えておられた。演奏中も、和やかに楽しんでおられたようだ。

その日のニュースによると、天皇皇后両陛下は、同日に公演のあったベルリン・フィルにお出でだったとのこと。

きくところによると、日本の皇室はクラシックの演奏会で、他の王室の習慣とは違って先に退出せず、ステージに向かって拍手なさる習慣だそうだ。

確かに、この夜も皇太子ご夫妻はずっと拍手なさっていた。ステージでは、指揮者のヤンソンスがコンマスと顔を見合わせ、苦笑いして困った様子だった。ヤンソンスにとっては、皇室ご臨席の初体験だったのだろうか。

 

 

 

ヤンソンス指揮のロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団の演奏だが、正直、チャイコフスキーの交響曲第5番で泣けたのは初めてだった。4楽章を聴いていて、「曲が終わってほしくない、ずっと聴いていたい」と思ったぐらいだ。チャイコフスキーで、これほどの多彩で深くえぐった演奏ができるとは!

1楽章の終結、断ち切るように終わったのが衝撃的だった。2楽章のホルンソロの奇跡のような弱音、温かい血の通った音色。耽美的なまでにすすり泣く弦セクション。終結部は、まるで曲の終わりのような静寂。3楽章は、あくまでも優美に。そして意志的な力感のこもった4楽章。ほとんど交響組曲のような、大胆なデフォルメぶり。コーダでの、弦のタテノリには唖然とさせられ、思わず手拍子したくなった。

あの響きのデッドなホールで見事なバランスを保つ、コンセルトヘボウはおそるべきオケだ。にくいまでにコントロールされており、音の絵巻を繰り広げていた。

指揮者ヤンソンスは、わざ師だ。「火の鳥」とチャイ5という、手垢のつきまくった有名曲から新たな魅力を引き出す。その指揮ぶりは、あくまでもリズムが確かで、しかもフレーズを雄弁に操る。まさしくカラヤンの後継者だといえる。

 

ヤンソンスの90年代初めの活躍ぶりは、巨匠への階段を着実に登っているというのが、今の時点から振り返ってもよくわかる。

この広告にあるように、現在のヤンソンスの十八番であるショスタコーヴィチもすでにオスロ・フィルと録音を重ねているし、ドイツ・ロマン派を得意とする片鱗は、ワーグナーの録音でもきっと明らかにしていたことだろう。公演パンフレットの解説にあったように、オスロ・フィルとマーラーの交響曲第2番を録音していたのは、現代最高のマーラー指揮者たる資格をすでに自ら会得していたということだ。

 

 

(本稿 ここまで)

 

 

 

※以下、先日行われたロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団演奏会のレポートも再掲します。文章の事実関係を勘違いしていたため、訂正したバージョンです。

 

訂正版

(演奏会評)フェニーチェ堺 こけら落とし公演

パーヴォ・ヤルヴィ指揮、ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団。

 

https://ameblo.jp/takashihara/entry-12548349374.html

 

 

※筆者にとって、大切な指揮者の思い出を綴った記事

 

クラウディオ・アバドを偲んで

https://ameblo.jp/takashihara/entry-11754770773.html

 

大フィルの10年(朝比奈隆の思い出)

https://blogs.yahoo.co.jp/akiraurazumi/7164556.html

 

 

最後に、

マリス・ヤンソンスのご冥福をお祈りします。

 

 

 

 

 

年末年始にかけて、土居豊担当講座のご案内

年末年始にかけて、土居豊担当講座のご案内

 

(1)

宮水学園「山口地域講座」

西宮ゆかりの文学

~司馬遼太郎、村上春樹、水上勉~

 

https://www.nishi.or.jp/bunka/shogaigakushu/miyamizugakuen/m-yamaguchi.html

 

2019年12月10日(火)14時~15時30分

山口ホール(山口センター1階)

西宮市山口町下山口4丁目1-8

 

 

 

(2)

近鉄文化サロン阿倍野《アニメ・マンガ鑑賞入門》

 

https://www.d-kintetsu.co.jp/bunka-salon/abeno/shinsetsu/?kouza_num=1008185

 

https://ameblo.jp/takashihara/entry-12546471017.html

 

講師:作家・土居豊

日程:毎月第1日曜日13:00〜14:30

内容

日本が世界に誇るアニメやマンガを、もっと楽しむための方法を一緒に学びましょう。テレビや映画をみたり、コミックスを読むとき、ちょっとしたコツを身につけると、その作品が一生の宝物になってくれます。本講座では、アニメ・漫画などサブカル文化に精通した講師が、作品の裏話や舞台となった土地についての知識など、作品を楽しむための小ネタを交えて、鑑賞法をレクチャーします。

 

講座詳細

第0回体験講座《京アニ作品の魅力》

12月15日(日)13:00〜14:30

第1回

1月5日(日)《京アニ作品と原作の比較》

第2回

2月2日(日)《ジブリアニメと宮崎・高畑アニメ》

第3回

3月1日(日)《P.A.WORKSの仕事》

第4回

4月5日(日)《ガンダムとサンライズの影響力》

第5回

5月3日(日)《「国民的アニメ」とは何か?》

第6回

6月7日(日)《マンガとアニメ、それぞれの魅力》

 

教材

『ハルキとハルヒ 村上春樹と涼宮ハルヒを解読する』 (大学教育出版) 土居豊 著

定価:本体2,000円 + 税

https://www.kyoiku.co.jp/?d1=21&cmd=category_search&item_id=719&_page_no=2

 

 

お申し込み方法

https://www.d-kintetsu.co.jp/bunka-salon/abeno/info/

 

受付

大阪市阿倍野区阿倍野筋2-1-40 and4階

電話 (06)6625-1771

FAX (06)6625-1770

[受付時間] 9:45~20:00

(日曜・休講日 9:45~17:30)

 

 

(3)

宮水学園「ふるさと講座」

西宮が育んだ文学

~谷崎潤一郎から村上春樹まで~

https://www.nishi.or.jp/smph/bunka/shogaigakushu/miyamizugakuen/m-furusato.html

 

2020年2月3日(月)14時~16時

フレンテホール

 

 

生駒ビルヂング読書会 村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』「かえるくん、東京を救う」「蜂蜜パイ」

生駒ビルヂング読書会11月は、忘年会を兼ねて、村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』所収の短編「かえるくん、東京を救う」と「蜂蜜パイ」でした。

11月27日(水)19時〜

生駒ビルヂング 地下図書室

講師:土居豊(作家・文芸ソムリエ)

【参加費】1000円

【場所】生駒ビルヂング 地下図書室

大阪市中央区平野町2丁目2番12号

(最寄駅:大阪メトロ堺筋線北浜駅)

※生駒ビルヂングHP

http://www.ikoma.ne.jp/

 

 

 

 

本作は、舞台化されて今年の夏、神戸でも上演されました。

村上春樹の短編の中でも、阪神淡路大震災がモチーフになっていることもあって、特に言及されることが多い作品群です。

参加者の意見は多岐にわたり、震災の体験者の方が我が事のように読んだ感想をのべる一方、「震災ネタがわざとらしく感じる」という声もありました。

「蜂蜜パイ」については、春樹自身が持つ二重性を二人の人物に分身させて書いた、という指摘もあり、春樹自身の物語として読めるという意見が多かったです。

 

 

 

 

 

 

さて、今年の生駒ビル読書会はこれで最終、次回は来年1月に、いよいよ満を持して『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を扱います。

 

偶然ながら、村上春樹読書会をやっているもう一箇所の方でも、12月に同作品を取り上げることになっており、それぞれの会でどんな意見が出るか、今から興味津々です。

 

※門戸厄神じゅとう屋の村上春樹読書会44回 兼 忘年会

12月19日(木)

課題本:村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』

 

https://www.facebook.com/events/467663944100767/

 

 

※劇評)村上春樹原作『神の子どもたちはみな踊る』舞台版

 

https://ameblo.jp/takashihara/entry-12517500077.html

 

 

”この写真のNHK報道は西日本豪雨が7月5日から始まったことを示す証拠だ”

何度でも繰り返しいう。

2018年の西日本豪雨が、マスコミ報道で7月6日発災になっているのはおかしい。

前日、5日の夜に、すでに死者が出ているのに、安倍晋三総理が自分の総裁選対策で赤坂自民亭宴会をやってたことをごまかすためだろう、としか思えない。

 

※元記事より

《どういうわけかマスコミ報道では、西日本豪雨は7月6日からになっている。間違いなく、5日から豪雨災害は発災していた。

なのにそれを隠す?

その理由は、まさにその夜、安倍首相が豪雨対応を何もせず、自分の総裁選対策の宴会をやっていたからだろうか?

そう疑われてもしょうがない、安倍政権の大失態なのだ。》

 

 

 

”大阪万博を素直に喜べない理由”

一年前に書いた記事。

この予想は、おそらく当たるだろう。この未来を変更できる要素は、まだ大阪にも、日本国にも、全く起きていない。それどころか、2019年の間に起こったことを見るにつけても、大阪だけでなく、日本全国どこでもそうなっていきそうな予想しかできない。

 

 

《大阪万博誘致に成功して、カジノ大阪も決まったようなものだろう。その結果、大阪は外資の切り取り放題になる。古き良き大阪は2025年に全て滅びる。レトロ建築も、下町も、大阪城や古墳群、史跡の数々も、再開発に飲み込まれる。

そうして出来たせっかくの未来都市だが、万博準備のとばっちりで肝心の防災対策は遅れてしまって、この先の南海トラフ地震で壊滅するだろう。》

 

 

訂正版)フェニーチェ堺こけら落とし公演 パーヴォ・ヤルヴィ指揮ロイヤルコンセルトヘボウ管

※事実関係を間違えていたため、一部、修正しました。

 

 

(演奏会評)フェニーチェ堺 こけら落とし公演

パーヴォ・ヤルヴィ指揮、ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団。

 

※公式HP

https://www.fenice-sacay.jp

 

 

 

 

フェニーチェ堺、こけら落とし公演のロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団を聴きに堺へ。パーヴォ・ヤルヴィの指揮。世界中で一番好きなオケを、初めてのホールで聴くと、いかがあいなるか。ショスタコーヴィッチの交響曲10番、ホールの音響を試すにふさわしい曲だ。

 

演奏会は、珍しく夕方5時から開演なので、早めに堺東に来て散策し、会場時間にフェニーチェ堺に到着。

 

 

だが、まだホール内に入れない。さすがにこけら落としだけあって、開場して30分近くホール内で最終調整している。

建物は意外にチープな印象だが、内装を無駄に金かけない方が時代に合っているといえる。

ホールの外には場所柄、団地や駐車場が見えて、眺望はおすすめできない。堺東駅から徒歩すぐで便利な立地はいいが、周辺がいかにも地方の町の市民会館感がある雰囲気。

だが実際、市民会館なのだからそれも仕方がない。広々したガラスの向こうに、市井の暮らしが見えて、団地の駐車場で遊ぶ子どもの姿も。ある意味、日本らしい風景だ。

 

 

 

 

 

客席に入る。内装は立派で、工夫されてる。私は4階席にいたが、バルコニーの手すりがギリギリ指揮台を隠さない角度だ。椅子は座り心地良いし、足元には足置き台がある。バルコニー席でも前の席と隙間があり、移動しやすい。

ホール内の音はおそろしくよく響く。土間席の人の声も聞こえる。

さすがにバルコニー最前列では、立つと転落しそうな感じで、高所恐怖症にはおすすめできない。

歌劇場の作りなので、4階席からも舞台がかなり近く見える。さて、ここでオケの音響がどう響くか?

舞台上のオケ配置は、今回のロイヤルコンセルトヘボウは第1と第2ヴァイオリンが対抗配置。ティンパニーが2組、離して置いてあるが、小さなティンパニー2組は前半のベートーヴェン用だった。

 

 

※以下、演奏評

 

 

フェニーチェ堺にて、パーヴォ・ヤルヴィ指揮ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団。

前半のベートーヴェンの交響曲第4番、さすがに整ったアンサンブルだ。機知に富んだ知的な演奏といえる。

ホールの響きはまだやはりドライだが、中音域までがよく響くのは、これは掛け値なしにオケの実力だろう。何しろ、ビオラがよく聴こえた。

それに、ホルンが抜群に上手い。クラリネットのプリンシパル奏者も、神技としかいいようがない。

パーヴォの指揮は、古典派ベートーヴェンを強調しているような、リズム重視で見通しのいい演奏。1楽章のリピートもあり、ラテン的、アポロン的なベートーヴェン像。

弦の対抗配置も、掛け合いが際立つ効果があり、飽きさせない。ホールのドライな響きにめげず、弦が実によく鳴っている。

 

 

プログラム後半。

ショスタコーヴィッチの交響曲10番、素晴らしいの一言だ。この難曲が、少しも難しく聴こえない。それは今時のオケなら当然なのかもしれないが、全曲通じての完璧ぶりは、これまでに聴いたショスタコーヴィッチ第10交響曲の中で一番だといえる。

 

何より、オケのニュアンスの豊かさが群を抜いている。弦の響きは、デッドなホールをものともしないで、弱音もホールの隅々まで鳴りわたる。

特筆すべきは、木管群の表現力。まさに神業の域。クラリネット、ファゴット、フルートはもちろん、ピッコロの凄みのある弱音も素晴らしい。オーボエの音色は、柔らかな中間色から鋭い叫びまで、変幻自在。

4楽章での、弦の冒頭に続くクラリネットのテーマの入りは、衝撃的なコントラストで作品の本質を抉り出した。

金管群も安定して美しく鳴る。特にホルンは、現代最高の演奏といってもおかしくない。3楽章でのホルンのプリンシパル奏者、katy woolley のソロは、これまでに聴いた第10交響曲の中で、間違いなく最高だった。強音でも濁らない響きの透明さ、弱音器を付けての不気味なピアニッシモ。また、ホルン4本のトッティが見事だ。音程も響きの色も、4本がぴたりと揃ったフォルテシモに、鳥肌が立つ。

 

※ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団プリンシパル・ホルン奏者

katy woolley

https://www.concertgebouworkest.nl/en/katy-woolley

 

 

 

パーヴォのショスタコーヴィッチの解釈は、あくまで理知的。作品の構造が透視されるようで、音楽の透明度が高い。その分、ロシア的な泥臭さを求めるリスナーには、物足りないかもしれない。だが、複雑難解なショスタコーヴィッチの交響曲が、これほどわかりやすく、明快に演奏されたのは稀有のことだ。何しろ相矛盾する要素が入り混じる楽曲だから、大抵の第10交響曲の演奏は、最後は華々しく終わっても、疑問符が残る場合がほとんどだ。

パーヴォ指揮の今回の演奏には、疑問符はない。音の全てがあるべきところに、あるべき響きで鳴らされたという印象。だから、いつもは、「こんな明るいフィナーレでいいのか?」と感じてしまうコーダも、心底納得してブラボーを叫びたくなった。

この夜のリスナーたちも、多くがそうだったようで、ブラボーの声が飛び交い、カーテンコールが繰り返された。

リスナーの熱狂に応えてなんと、アンコールを2曲演奏。

チャイコフスキーの「くるみ割り人形」からトレパーク、シベリウスの「悲しきワルツ」。

あの大曲の直後に、平気で2曲やるオケのスタミナにも驚かさせた。

もっとも、これが日本ツアー最終日だから、お別れサービスの意味もあるのだろう。

 

 

 

 

 

最後に、

フェニーチェ堺のホールについて、追加しておく。

4階席の人は、足元から空調の風が出るので、冷え性の人はご注意を。この日は、11月下旬なのに昼間暑かったせいで、冷房の風がまともに足元にきて、前半は凍えてしまった。係員にその旨伝えたら、後半、冷房を緩めてくれたようで、係員の対応は良かった。

 

 

 

 

※参考記事

2013.11.18 産経「皇太子ご夫妻がオランダの名門楽団公演ご鑑賞」

https://www.sankei.com/life/news/131118/lif1311180003-n1.html

 

前回、筆者がマリス・ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を聴いたのは、この記事の日、東京文化会館でのコンサート。ちょうど(当時)皇太子夫妻がご臨席されていた。

 

 

(土居豊の新講座のお知らせ) 近鉄文化サロン阿倍野《アニメ・マンガ鑑賞入門》

(新講座のお知らせ)

近鉄文化サロン阿倍野《アニメ・マンガ鑑賞入門》

 

https://www.d-kintetsu.co.jp/bunka-salon/abeno/shinsetsu/?kouza_num=1008185

 

講師:作家・土居豊

日程:毎月第1日曜日13:00〜14:30

内容

日本が世界に誇るアニメやマンガを、もっと楽しむための方法を一緒に学びましょう。テレビや映画をみたり、コミックスを読むとき、ちょっとしたコツを身につけると、その作品が一生の宝物になってくれます。本講座では、アニメ・漫画などサブカル文化に精通した講師が、作品の裏話や舞台となった土地についての知識など、作品を楽しむための小ネタを交えて、鑑賞法をレクチャーします。

 

講座詳細

 

第0回体験講座《京アニ作品の魅力》

12月15日(日)13:00〜14:30

 

第1回

1月5日(日)《京アニ作品と原作の比較》

 

第2回

2月2日(日)《ジブリアニメと宮崎・高畑アニメ》

 

第3回

3月1日(日)《P.A.WORKSの仕事》

 

第4回

4月5日(日)《ガンダムとサンライズの影響力》

 

第5回

5月3日(日)《「国民的アニメ」とは何か?》

 

第6回

6月7日(日)《マンガとアニメ、それぞれの魅力》

 

教材

『ハルキとハルヒ 村上春樹と涼宮ハルヒを解読する』 (大学教育出版) 土居豊 著

定価:本体2,000円 + 税

https://www.kyoiku.co.jp/?d1=21&cmd=category_search&item_id=719&_page_no=2

 

お申し込み方法

https://www.d-kintetsu.co.jp/bunka-salon/abeno/info/

 

受付

大阪市阿倍野区阿倍野筋2-1-40 and4階

電話 (06)6625-1771

FAX (06)6625-1770

[受付時間] 9:45~20:00

(日曜・休講日 9:45~17:30)

 

 

 

※講師・土居豊のアニメ関連講座&講演のご紹介

 

2017年

(報告)第1回 ハルヒ読書会in珈琲屋ドリーム

http://ameblo.jp/takashihara/entry-12268628889.html

 

 

 

2016年「長門有希ちゃんの消失」と西宮ゆかりの文学 西宮市立中央図書館講演

http://ameblo.jp/takashihara/entry-12121535230.html

 

 

2015年

「西宮徹底解剖」さくらFM生放送、お聴きいただき多謝!第4回「西宮が生んだマンガ・アニメ」〈マンガの中で西宮といえば、『ドカベン』『タッチ』などの甲子園マンガに必ず出てきます。西宮ゆかりの漫画家、アニメーターなどの作品を紹介し、西宮がサブカルの聖地になれるかどうか?考えます〉

http://ameblo.jp/takashihara/entry-11993920302.html

 

 

2014年4月12日、ラジオ関西の人気番組「青春ラジメニア」のネット配信「ラジメニ玉手箱R」を収録しました

http://ameblo.jp/takashihara/entry-11821573349.html

 

 

2014年2月、朝日放送のテレビバラエティ番組「ビーバップ!ハイヒール」に、近著『沿線文学の聖地巡礼〜川端康成から涼宮ハルヒまで』関連企画で出演

土居豊のカシコブレーン出演回

2014年2月27日(木)「鉄道で巡るアノ名作の聖地in関西 物語はこの風景から生まれた」

 

https://ameblo.jp/takashihara/entry-11784124887.html

 

 

大阪、ロフトプラスワン・ウエスト「涼宮ハルヒを語り尽くす!vol.2」土居豊トークショー報告

http://ameblo.jp/takashihara/entry-11892576049.html

 

 

2013年

KOBEぽっぷカルチャーフェスティバル「涼宮ハルヒと神戸」講演(ゲスト・アニソンシンガー井上ひかりさん)

http://ameblo.jp/takashihara/entry-11620550739.html

 

 

 

 

 

※土居豊のアニメ関連講座映像

 

2013年

『沿線文学の聖地巡礼 川端康成から涼宮ハルヒまで』 刊行記念トークショー

スペシャルゲストとして、アニソンシンガー・井上ひかり

https://youtu.be/35Qb_arb4oc

 

 

2012年

西宮文学案内秋期講座第2回「谷川流『涼宮ハルヒ』を生んだ西宮の風景」

日時:2012年10月27日

https://youtu.be/liz_0ScEE6g

 

 

2011年

西宮文学案内春季講座第3回「涼宮ハルヒと村上春樹文学~西宮ゆかりの文学を解読する」

日時:2011年7月9日

会場:大手前大学さくら夙川キャンパス

https://youtu.be/FBX8zTIuKes

 

映画評『IT CHAPTER2』& リブログ→”映画「IT」評(ネタバレありです)”

映画評『IT CHAPTER2』

 

※公式HP

http://wwws.warnerbros.co.jp/itthemovie/

 

 

1作目が、途中で終わったことからも、続編で決着をつけるのは予想していた。だが、2作目の、いわば大人編は、これまた予想していたように、1作目の完成度には届かなかった。

だが、それは必然だ。なぜなら、

一作目は、子どもたちが恐ろしい悪魔を倒す物語だから、胸熱だったのだ。

成長した大人たちが戦う場合、特にそれが映画なら、ただのモンスターパニックになりがちだ。

本作の場合、原作を読んだ人ならわかるように、子ども時代の記憶と、大人になった主人公たちの苦闘が、時間を行き来して交互に語られるからこそ、いかに子ども時代の勇気と友情と信頼が強い力を持っていたか、が感動的に伝わるのだ。

 

 

※以下、ネタバレ(原作のネタバレも含む)あり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大人になった彼らは、記憶を失っていて、そもそもITと戦ったこと自体を忘却していた。だが、子ども時代の記憶を取り戻すに従って、つまりは子どもの心が蘇るにつれて、力を取り戻し、ついには子どもの頃と同じように、敵を倒すことができたのだ。

子どもの心が悪魔を倒す物語は、児童文学の定番であり、スティーブン・キングの小説『IT』は、ホラーの体裁を借りた優れた児童文学だとさえいえる。

もっとも、本作には児童文学にはない決定的な要素があり、その要素こそ、物語の勝敗のかぎを握っていた点で、この小説は優れた文学ともなっている。

その要素とは、思春期の少年少女の持つ性的な目覚めの恐るべきパワーだ。

 

 

この辺で、原作の物語をネタバレしてもいいと思うのだが、

 

 

 

 

※以下、原作のネタバレあり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルーザーズたちがITを倒すことができた力の源泉は、「友情と信頼、勇気」といったお題目だけではなかった。仲間たちの絆を固く、強く結び合わせたのは、ヒロインの11歳の少女ベヴァリーが行なった儀式だ。その儀式とは、仲間の少年たち全員とセックスする、というものだった。

この原作の場面が、本当に、本当に感動的で、読者は自分自身の思春期の目覚めの記憶をはっきりと思い出すだろう。この場面でのキングの筆力はまさに圧巻というべきで、内容的にはモラルが問われそうな描写が、なんとも言えず胸に迫ってくる。性の目覚めは誰しも体験するはずだが、おそらくこのような理想的な性的初体験を持つことができた人は稀だろう。この共通した性体験が、仲間達の絆を結び、強力なパワーを発現させて、悪魔を退治することができたのだ。

この感動的な性描写を、今回の映画の1作目、2作目ではカットしてしまっている。残念だが、アメリカのメジャー映画では未成年の、それも思春期前期のセックスを描くことは無理なのだろう。

 

もう一つ、ネタバレを。

ITの手先となったかつての悪童ヘンリーが、映画でも大活躍する。しかし、彼一人では物足りない。原作通りに、ベヴァリーの夫・トムをヘンリーとともに恐るべき敵として出すべきだった。原作の中では、執拗に追いかけてくるトムの妄執、あれこそが大人にとっての本当の恐怖体験だからだ。

 

最後に、

前作の批評を書いた中で、時代設定を原作から大きく変えた理由について、映画2作目をちょうど現代に近い時代にしたいからではないか?と予想した。もちろん、そうなっていたのだが、それでも、やはり原作通りの時代設定の方がよかったと思う。あのノスタルジーを、映画版では感じることはできなかった。

 

 

(演奏会評)藤岡幸夫&松田華音 東京シティフィル定期演奏会

(演奏会評)藤岡幸夫&松田華音 東京シティフィル定期演奏会

 

 

 

藤岡幸夫 指揮

松田華音 ピアノ

東京シティフィル定期演奏会

2019年11月8日

東京オペラシティ コンサートホール

 

【曲目】

ヴォーン・ウィリアムズ:「富める人とラザロ」の5つのヴァリアント

 

プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番ハ長調

 

伊福部昭:舞踊曲「サロメ」

 

 

 

ヴォーン・ウィリアムズの『「富める人とラザロ」の5つのヴァリアント』は、聖書のラザロの挿話から民謡となった曲だ。作曲家はその民謡を5種集め、編曲した。弦楽合奏とハープだけで、分厚いハーモニーが奏でられる。まるで宗教曲のような格調高い響きに、心慰められる楽曲だ。

 

プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番を、ロシアを中心に活躍する俊英ピアニストの松田華音が弾く。プロコフィエフを特に愛好しているらしい松田が、ロシアのピアノ協奏曲の中で特によく知られたこの曲を、どのように弾きこなすか。

 

1楽章 アンダンテーアレグロ

 

もちろん、この曲を聴くときはピアノの入りに誰もが注目するだろう。加速感のあるあのフレーズを、ピアニストはどれだけ細かく、速く、確かなタッチで弾けるだろうか?と。

松田は、そんな俗な興味を最初の一音から吹き飛ばすように、爽快な音で弾き始める。この曲について、爽快感、という表現はあまり使われないかもしれないが、今回の松田の演奏は、まず爽快さが感じられた。つまり、何か吹っ切れたような思い切りのいい弾き方なのだ。

だが、それだけではない。再現部では、ラベルのような響きまで醸し出して、緻密に弾いた。冒頭からの勢いある直線的な弾き方だけではなく、楽曲の奥底にある情感や内面を手探りするような、正確さと構成感にこだわった演奏だった。

 

2楽章 アンダンティーノ

 

オケが提示する民謡調のテーマに対峙して、松田のピアノは幻想を感じさせる。ここに描き出される音の物語は、19世紀ロシア小説を彷彿とさせる白夜の趣きだ。オケの精妙なアンサンブルが見事に一体感を醸し出す。

 

3楽章アレグロ・マ・ノン・トロッポ

 

ここでもピアノがオケに負けない勢いで、強靭なタッチが繰り出される。しかもあくまで明晰な響きが粒立ち、立ち上がってくる。松田のピアノは、モダニズムの極致のように硬質な響きだ。全体に、とても生真面目なプロコフィエフだが、時折、例えばカデンツ部分やピアノだけで疾走するような部分で、松田はニヤリとするようなユーモアやシニカルさを垣間見せる。そういうところも、ドストエフスキーのような、ロシア小説的っぽいピアノ演奏だといえるのだ。

いくらプロコフィエフだからといって、ピアノ音楽を文学的に解釈するのはどうか?と文句をつけられるかもしれない。だが、以下の松田のインタビューを読むと、なるほど、と納得できるだろう。彼女は、生真面目で、ユーモアがあり、時にシニカル、まるでドストエフスキーに登場するヒロインのような一面を持っているからだ。人柄が演奏に出るということを考えると、松田がプロコフィエフをCD録音し、コンサートでもよく取り上げるのも当然だといえる。

 

 

※松田華音

https://www.japanarts.co.jp/artist/KanonMATSUDA

 

※インタビュー

https://www.kkbox.com/jp/ja/column/showbiz-0-1465-1.html

 

 

後半は、伊福部昭の『サロメ』。プリミティブなオケの響きと、耳に馴染みやすいメロディが曲の複雑な構成を感じさせず、時を忘れて聴き入る。エリック・ドルフィーのようなバス・クラが、ヨカナーンの呪いを表現する。バス・フルート(楽譜指定はアルト・フルート)はサロメの声で、尺八のような分厚い響きで揺らぐ少女の心を表現する。

怒り狂うヘロデ王がサロメを殺すコーダ、オケのトゥッティを飛び越えて耳に突き刺さるトランペットは、まるでサロメを貫く刃のようだった。

死と性のカオス、破滅、リズムと構成、土俗。満腹感のある演奏を、東京シティフィルは全力で実現した。

この曲は、長く実演で演奏されていなかった。藤岡幸夫は「伊福部の最高傑作の一つ」と、プレトークで熱く語った。この演奏会のプログラミングは、1曲目のヴォーン・ウィリアムズと最後の伊福部昭の対比がユニークで、藤岡自身がプレトークで語ったようにコントラストが強烈だ。

サロメと、ラザロ。バレエ音楽と、民謡ベースの弦楽曲。ユーラシア大陸の東西で聖書のエピソードを作曲家がどう料理するのか? それぞれにイメージする形の違いが面白い。

西欧近代のクラシック音楽が達成した土俗と科学の融合が、100年遅れて輸入された日本という国で、伊福部という人間の手で初めて形になった、ということができるかもしれない。

 

実のところ、この演奏会は本年屈指の好企画なのに、入りは思ったより悪かった。だが、客席の反応は熱狂的だった。つまり、現在、日本のクラシック音楽の演奏会に集まる聴衆の絶対数が足りないことは否めないが、間違いなく固定ファンはいるということなのだろう。それが伊福部昭ファンか、藤岡幸夫ファン、松田華音ファンなのかはどうでもいい。とにかく土曜日の午後、今回の刺激的な演奏会に集まった人々の心に、伊福部昭の『サロメ』が確かに根を下ろしたに違いない。クラシック音楽の未来につながる手応えが感じられた、熱狂的で親密な演奏会だった。

 

 

 

※筆者による、松田華音の演奏会評

(1)

2017-10-20関西フィル定期、藤岡幸夫指揮、松田華音のグリーグと大島ミチル新作初演

https://ameblo.jp/takashihara/entry-12321190254.html

 

(2)

演奏会評 小林研一郎指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団&松田華音

https://ameblo.jp/takashihara/entry-12355747454.html

 

 

※会場の東京オペラシティには、こんな意味不明な空間も。怪しい!

 

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