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藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

私のテーマは6つあります。
(1)ビジネス書の紹介(2)医療問題 (3)自分ブランド力
(4)名言 (5)ランキング (6)ICT(情報通信技術)
このブログでは、主に(1)~(4)を扱っています。
(5)と(6)はそれぞれ別のタイトルで運営しています。

『「リーダーの条件」が変わった』
「危機の時代」を乗り越える新しい統率力
小学館101新書 2011年9月25日 初版第1刷発行





<目次>
はじめに 能力なきリーダーしかいない日本の不幸

第1章(現状認識)
 東日本大震災でわかった「危機に克つリーダー」の条件
  [スピード]
  1週間でできない「緊急対策」は、1年かけてもできない
  [危機管理力]
  組織のイメージを最小限にする工夫と判断が必要だ
  [行動力と交渉力]
  次世代の国家リーダーに求められる「3つの条件」

第2章(対策)
 組織を元気にするリーダーシップの育て方
  [ビジョナリー・リーダー]
  世界で勝つ企業は人材育成に毎年1000億円かけている

  [中間管理職“再生術”]
  組織を動かすには「“揺らぎ”のシステム」を使いこなせ
  [新・人材教育カリキュラム]
  リーダーシップは“天与”のものではない

第3章(比較研究)
 日本が学ぶべき世界のリーダーシップ
  [イギリス・キャメロン首相①]
  弱冠43歳にしてトップに立ったリーダーはどこが凄いのか?
  [イギリス・キャメロン首相②]
  「グレート・ソサエティ」構想で活かすべき「民の力」
  [ロシア・メドベージェフ大統領]
  「結果を出す指導者」の驚くべき決断力と行動力
  [日本vs中国リーダー比較]
  国民の差ではなくリーダーの差が国家の関係を規定する

第4章(提言)
 私が「リーダー」だったら日本の諸課題をこう乗り越える
  【震災復興】
  「緊急度の掌握」ができなければ非常時のリーダー失格だ
  【電力インフラの再構築】
  原発と送電網は国有化、電力会社は分割して市場開放せよ
  【食料価格の高騰】
  世界の農地に日本の農業技術・ノウハウを売り込め
  【水資源争奪戦】
  水道事業を民営化して「水メジャー」並の競争力をつけよ
  【エコカー開発競争】
  劇的な低価格を実現し、世界市場で優位に立つ「新EV革命」
  【財政危機】
  所得税・法人税ゼロの「日本タックスヘイブン化」で経済は蘇る

おわりに 「強いリーダー」は強い反対意見の中から生まれる  
   
 

[ビジョナリー・リーダー]
世界で勝つ企業は人材育成に毎年1000億円かけている





 リーダー不在の背景には、議員連盟という

 弊害もある。私はこれまで何度も議員連盟

 が主催する「勉強会」なるものに講師として

 呼ばれているが、勉強すべき議員のセンセイ

 たちはいつも“受け身”だ。

 遅刻してきて、メモも取らず適当に話を聞き、

 終了間際に席をたって、次の勉強会に行くの

 である。

 こういうことを一日中繰り返す国会議員の

 勉強会は、カフェテリアでつまみ食いをして

 いるようなものだ。


                
(今日の名言 13  通算 532 )



 


 将来のトップを育てるというコンセプトを

 持っていないのは政界だけではない。

 経済界も同様である。

 今の日本企業の中に「リーダーシップ教育」

 はない。あるのは「職能教育」だけだ。

 たとえば、企業に入社すると、社内文書の

 書き方から始まり、入社1年目、2年目の

 教育メニューが決まっている。

 営業の部署に配属されれば、「相手と話す

 時は顔より少し下のネクタイの結び目辺りを

 見るとよい」と、ロボットでも作っているか

 のような画一的な営業教育が待っている。


                
(今日の名言 14  通算 533 )





 アメリカのGE(ゼネラル・エレクトリック)

 では「我々の将来はGEのリーダーが何人

 育つかにかかっている」という考えに基づき、

 リーダーを創る教育を徹底している。

 この人材育成のためだけにGEは毎年1000

 億円をかけている。

 売上高10兆円余の1%に相当する金額だ。

 そういう時間と労力とコストを費やして、

 次代を担うリーダーを育てているのである。

 韓国のサムスングループも毎年、売上高10兆円

 余の1%近くに当たる1000億円を人材育成

 のために費やしている。

 若い社員を毎年数百人、アジアや中東、ブラジル

 などに送り込み、現地で人脈づくりや語学力の

 向上、歴史・文化の勉強などに励ませるのだ。


                
(今日の名言 15  通算 534 )






GEは、御存知の通り発明王エジソンが作った会社です。


GEがすごい会社であることは、100数十年の歴史を
持つダウ工業株30種平均の銘柄から一度も外された
ことがないことからも分かります。


新しい会社が出ては消えるという栄枯盛衰が常である中で、
GEはどのような時代であっても輝き続けているのです。


名経営者として名高い、前GE会長ジャック・ウェルチ氏は、
世界でシェア1位か2位になれる事業しか行わない、
という方針を貫き通しました。 


GEの現在のCEOはジェフ・イメルト氏ですが、
ジャック・ウェルチ氏が数百人の候補者の中から選び抜いた、
優れた経営者です。

 
韓国のサムスングループを率いるのは、イ・ゴンヒ氏です。
イ・ゴンヒ氏は日本で生活し、日本に学んだことを著書の
中で述べています。


サムスングループは日本に学び、日本の製造業を凌駕する
ようになりました。


サムスングループの中核企業であるサムスン電子は、
投資額は、日本企業と比べ、一桁多いと言われています。


日本企業が数百億円の投資なら、その10倍以上の数千億円
相当の投資を行なっているので、日本企業が太刀打ちできる
はずがありません。

 
GEもサムスングループもリーダー育成のために1000億円
という大金を費やしていることを見ると、R&D(研究開発費)
に投資しているだけではなく、次世代のための先行投資を
行なっていることが分かります。


パナソニックやソニー、シャープなどのかつて日本を代表
する世界的な企業が凋落してしまったことに、日本人として、
とても悲しく思います。


昔の輝きをもう一度取り戻してもらいたい、と切望するのは
私だけではないでしょう。


日本企業はもうダメになってしまったのでしょうか?





以上の記事は、2013年5月18日のものです。


過去2年間で変わったことは、サムスングループの勢いが
衰えたことです。サムスングループの中核企業である
サムスン電子の主力製品、ギャラクシーシリーズが奮い
ません。


アップルのiPhone6 に大きく水を開けられています。
最新機種ギャラクシーS6は、地元韓国でも不人気で、
販売店には閑古鳥が鳴いている、という報道がなされ
ました。


ギャラクシーシリーズの販売が目標を下回っているため、
部品を供給している日本企業も苦戦を強いられています。


一方、ソニーはアップルの軍門に下り、アップルの下請け
に成り下がっていると伝えられました。


日本企業はどうしてしまったのでしょうか?


もう一度書きます。


昔の輝きをもう一度取り戻してもらいたい、と切望するの
は私だけではないでしょう。


日本企業はもうダメになってしまったのでしょうか?






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  [危機管理力]
  組織のイメージを最小限にする工夫と判断が必要だ
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第2章(対策)
 組織を元気にするリーダーシップの育て方
  [ビジョナリー・リーダー]
  世界で勝つ企業は人材育成に毎年1000億円かけている
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  組織を動かすには「“揺らぎ”のシステム」を使いこなせ
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第3章(比較研究)
 日本が学ぶべき世界のリーダーシップ
  [イギリス・キャメロン首相①]
  弱冠43歳にしてトップに立ったリーダーはどこが凄いのか?
  [イギリス・キャメロン首相②]
  「グレート・ソサエティ」構想で活かすべき「民の力」
  [ロシア・メドベージェフ大統領]
  「結果を出す指導者」の驚くべき決断力と行動力
  [日本vs中国リーダー比較]
  国民の差ではなくリーダーの差が国家の関係を規定する

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 私が「リーダー」だったら日本の諸課題をこう乗り越える
  【震災復興】
  「緊急度の掌握」ができなければ非常時のリーダー失格だ
  【電力インフラの再構築】
  原発と送電網は国有化、電力会社は分割して市場開放せよ
  【食料価格の高騰】
  世界の農地に日本の農業技術・ノウハウを売り込め
  【水資源争奪戦】
  水道事業を民営化して「水メジャー」並の競争力をつけよ
  【エコカー開発競争】
  劇的な低価格を実現し、世界市場で優位に立つ「新EV革命」
  【財政危機】
  所得税・法人税ゼロの「日本タックスヘイブン化」で経済は蘇る

おわりに 「強いリーダー」は強い反対意見の中から生まれる  
   
 
[行動力と交渉力]
次世代の国家リーダーに求められる「3つの条件」




 いま日本は未曾有の危機に瀕している。

 これを乗り越えるためには、次世代のリーダーに

 以下の3要件が必須になる。

 1つ目は、国家債務危機による日本経済のメルト

 ダウンを防ぐことだ。

 国債と借入金、政府保証債務などを合わせた

 「国の借金」は、2011年6月末時点で988

 兆円を突破して過去最大を更新し続けている。

 東日本大震災の復興国債を発行すれば、

 借金はますます膨らむ。


                
(今日の名言 10  通算 529 )



 


 2つ目は、21世紀の新しい世界地図に対応した

 新しい外交の座標軸を定めることだ。

 冷戦終結後、世界は激変した。

 アメリカの力が衰える一方で中国が存在感を

 増している。

 新興国が台頭する中、世界の国々はみんな

 新しい外交関係を構築し、今やどの国が味方で

 どの国が敵なのか、判然としなくなっている。

 にもかかわらず、日本の外交は冷戦終結から

 20年以上経っても、未だに「日米安保」を金科

 玉条とする冷戦時代のポリシーのままフリーズ

 していて全く変化していない。

 だから、どこに座標軸を置けばよいのかわから

 なくなっている。


                
(今日の名言 11  通算 530 )





 3つ目は、人材を強化することだ。

 冷戦後の世界で競うための“最終兵器”は人材

 である。人材格差=国力格差になる。

 ところが、日本の若者は意気地も能力もなくなっ

 ている。


                
(今日の名言 12  通算 531 )





BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)
という言葉は知られていますが、
今ではVITAMINという言葉で表せる
新興国があるということです。


大前さんの話を聞いてみましょう。




 いま世界ではBRICs(ブラジル、ロシア、

 インド、中国)に続く新興国として

 VITAMIN(ベトナム、インドネシア、

 タイ、トルコ、アルゼンチン、南アフリカ、

 メキシコ、イラン、イラク、ナイジェリア)

 などが注目を集めている。

 このうちブラジル、インド、インドネシアは、

 いずれも2025年までに日本を抜いて世界

 3位の経済大国になることを目標にしている。

 もしそうなったら、15年後くらいに日本は

 世界で6位か7位に転落するわけだ。






VITAMINの中のインドネシアについて、
日経ビジネス(2013.4.8号)は
『インドネシア 覚醒する「未完の大国」』
というタイトルで特集を組みました。


その一部をご紹介しましょう。


私のブログ 日経ビジネスの特集記事(2)
インドネシア 覚醒する「未完の大国」(1)
 から




 インドネシアと聞いてイメージするのは、

 バリ島やジャワ島、パプアニューギニアなど

 ではないでしょうか。

 あるいは開発途上国といったところでしょうか。

 今号の日経ビジネスはそんなイメージを払拭

 する内容です。

 今週の特集記事を読んで2つのキーワードに

 着目しました。

 「多様性(ダイバーシティ)」と「変質」です。

 まず、多様性についてお話しましょう。

 1人当りGRDP(域内総生産)の比較を見て

 みましょう。

 首都ジャカルタは1万46ドルですが、

 北マルクという地域はわずか570ドルです。

 1人当りの格差は、実に17.6倍にもなっています。

 バリは1850ドル、域内で最も人口の多い

 (4305万人)西ジャワは1880ドルです。

 
 インドネシアの人口は2億4000万人。

 日本の2倍です。

 私は、この国に注目しています。


 






以上の記事は、2013年4月15日のものです。


2年経って、「多様性(ダイバーシティ)」
という言葉は定着しましたね。


現代の事象を語る上で、重要なキーワード
です。


この2年間で大きく変貌したのは、
中国の存在感(プレゼンス)が良いにつけ、
悪いにつけ、際立ってきたことです。


領土拡大を狙い、周辺国とのトラブルが絶え
ない状況に陥っています。


軍事力の強化は米国を睨んだ政策と思われ
ますし、米中2大国で世界をリードしようと
する思惑が見え見えです。


米国も中国の脅威を感じながら、長年の日本
寄りの政策から中国に重点を置いた政策に
転換してきています。


安倍首相は、相変わらずオバマ大統領の意向
に沿った日米安保改定や、TPP交渉に向けた
姿勢を崩していませんが、米国はもはや日本
にはあまり興味がないという現実を直視すべき
です。


日米安保で、米国が守ろうとするのは日本国内
に在住する米国民であって、日本国民ではない
ことを自覚しないといけません。







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本当に役に立つビジネス書 
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の
概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>



日経ビジネスの特集記事(115)

ニトリ、銀座へ
始まった都心争奪戦

2015.07.13



テーマ

今週号の特集のテーマは

郊外型で成長してきた家具最大手のニトリが、
ついに東京・銀座に打って出た。
人口減少に加えて近づくデフレの終焉が、
小売り・外食企業を都心進出へと駆り立てる。
成長を支えてきた郊外店の将来に影が差し、
過去の勝ちパターンは崩壊しつつある。
だが、競合相手がひしめく都心部の攻略は、
一朝一夕ではいかない。
高い賃料や複雑な顧客層など、乗り越えるべき
ハードルは多い。
さらに、攻め入った先の都心も、今後10年で一気に
高齢化が進む。
都心は、企業の成長をけん引する「ラストリゾート」
なのか。
日本経済の底力を試す、壮大な実験が始まった

 (『日経ビジネス』 2015.07.13 号 P.025)

ということです。






ニトリ、銀座へ<br />始まった都心争奪戦

ニトリ、銀座へ
始まった都心争奪戦

(『日経ビジネス』 2015.07.13 号 表紙)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 PP.024-025)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13







第1回は、
PROLOGUE 日本マクドナルド、ワタミ、ヤマダ電機・・・
 閉店ラッシュが鳴らす『大転換』の号砲」
PART 1 チェーン店の革命家
 ニトリが都心を攻めるワケ」 
を取り上げました。


第2回は、
PART 2 郊外の常識を捨てろ
 “未開市場”3つの攻め方」 
を取り上げました。


最終回は、
PART 3 コンビニが見据える『超高齢化』
 10年先に希望はあるか」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

キーワード

 都心を攻める 
 未開市場 
 空白地帯 
 超高齢化 
 日本の未来 



今週号の特集のタイトル「ニトリ、銀座へ」の文字を見て、
「えっ? ニトリが銀座に出店する?」と目を丸くしました。


高級路線を維持した大塚家具との勝負に勝ったニトリは、
高品質低価格路線をひた走ってきました。


しかも、ニトリは郊外に出店し続けていました。
大塚家具は父娘の確執の末、実娘が主張したニトリ同様
の低価格路線が株主から支持され、代表取締役社長に
就任しました。


その辺りの経緯は、あなたのほうが詳しいかもしれません。


ニトリは、「空白地帯」だった都心部への出店を加速して
いくようです。郊外から都心部へ軸足を移したと言えます。




では、本題に入りましょう!


 PART 3 コンビニが見据える「超高齢化」 
 10年先に希望はあるか 

前回まで郊外から都心へ軸足を移した企業を
ご紹介してきました。


中には、ウエルシアホールディングスのように
郊外型店舗でも「10年は大丈夫」という企業も
ありますが、超高齢化や、クルマを不要とする
人たちが増え、郊外型店舗は客足が減って
きているのは確かなようです。


一方、今回ご紹介するように、都心部に集中して
出店してきたコンビニにも、新たな課題が生まれ
ています。


東京は全国の水準以上に高齢化が進んでいる
のです。「超高齢化」にどう対応していくかが、
今後の重要な課題となったのです。


「超高齢化」は避けて通れない問題です。


まず、「サークルKサンクスを傘下に持つユニー
グループ・ホールディングスとの経営統合交渉を
進めている」(P.041)ファミリーマートの動向から
見てみることにしましょう。



 今年5月13日、東京の一等地に、見慣れない

 コンビニエンスストアが誕生した。

 業界3位のファミリーマートが 開発した、

 “次世代コンビニ”の雛形だ。

 港区新橋にある御成門交差点の角地。

 通りの向かいにはローソンがあるコンビニの

 過密地帯で、「通常なら、出店は厳しい場所」

 (同社開発本部長の和田昭則常務執行役員)だ。

 ところがこの店は、1日当たりの売上高が既存店

 平均の約2倍と好調に推移している。

 「ファミリーマート+ミヤモトドラッグ御成門店」──。

 ファミリーマートとドラッグストアの宮本薬局

 (東京都板橋区)の一体型店舗である。


 入り口近くには風邪薬やコンタクトレンズ、

 店の奥には化粧品が並ぶ。平日の昼間は弁当

 などを買う会社員らでにぎわうが、午後5時を

 過ぎると近所に住むシニア層らの姿も目立つ。

 コンビニにドラッグストアの品ぞろえが加わった

 ことで、都心に潜む「買い物難民」の需要を掘り

 起こした。
 

  (P.040)



ファミリーマート 中山 勇 社長

ファミリーマート 中山 勇 社長

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 P.040)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13




中山社長はどのような意図で、“次世代コンビニ”を
導入したのでしょうか?


中山社長の言葉を交えて、コンビニの現状と課題に
ついて一緒に考えてみましょう。


あなたの住む町も例外ではない、と気づくことでしょう。


 業界全体で店舗数は5万店を超え、市場規模は

 10兆円に到達した。


 「従来型のコンビニは既に飽和状態。出店よりも

 次世代コンビニの開発へと競争の軸は移った」

 ファミリーマートの中山勇社長は、そう言い切る。


 中山社長の目線の先には、劇的に進む高齢化

 した都心の姿がある。東京では75歳以上の後期

 高齢者の人口が、2025年までに2010年比で約1.6倍

 に拡大する。そのペースは全国を上回る。

 東京は今も人口増加が続いているが、それも2020

 年を境に人口減少に転じ、2035年までに3人に1人

 が65歳以上になる。

 この先10年もすれば、「人口増」「若者層が厚い」

 という、これまでの都心の魅力は減退する。
 

  (P.041)



従来のやり方では通用しないことを、身に沁みて
感じているからこそ断言できることです。


戦略の転換が欠かせなくなったのです。



都心の高齢化は全国の水準を<br />上回る勢いで加速する

都心の高齢化は全国の水準を
上回る勢いで加速する

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 PP.040-041)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13




中山社長が描くコンビニの未来像は、どのような
ものだと想像しますか?


 「調剤薬局と融合したコンビニに高齢者が処方薬

 を取りにくる。イートイン(店内の飲食場所)で近所

 の仲間とコーヒーを飲みながらクスリが準備される

 のを待ち、ついでに高血圧対応の“健康弁当”を

 買って帰る」

 中山社長が描くコンビニの未来像だ。

 2012年から一体型店舗の開発を進め、現在までに

 ドラッグストアやスーパー、カラオケなどと共同で

 83店舗を展開する。一体型店舗は2018年度までに

 2000店まで増やし、イートイン併設店舗も2017年度

 までに2倍の6000店舗に拡大する。

 異業種と連携し、高齢者の生活を支援する拠点へ

 とコンビニを進化させることが主な狙いだ。
 

  (P.041)



では、ローソンはどのような取り組みをしている
のでしょうか?


基本的に、ファミリーマートと同様な高齢者向け
サービスを展開しています。


 6月24日、ローソンは東京・世田谷の2店舗で、

 高齢者宅向けのご用聞きサービスを始めた。

 宅配大手SGホールディングスと共同で、

 ローソン店舗を拠点に宅配・ご用聞きサービス

 を提供する新会社SGローソンを設立。

 ご用聞きの“ラストワンマイル”にかかるコストを

 宅配事業で一部吸収することで、事業化にこぎ

 着けた。

 タブレット端末を使い、玄関先でコンビニに加えて

 ネットスーパーなどの商品や家事代行業者など

 サービスの注文も受ける。

 2016年夏までに首都圏で100店舗体制を目指す。

 SGローソンの野辺一也社長は「高齢化で都心でも

 買い物弱者は増える」と見る。
 

  (P.041)



私の記憶では、小学生の頃、今から半世紀近く前
になりますが、お米屋さんが御用聞き商売をして
いましたね。


お米以外に飲み物などの注文を受けていたことを
覚えています。


最近では、牛乳配達の担当者が、高齢者の見守り
を兼ねて、御用聞き商売をしているという話を読んだ
ことがあります。


コンビニ最大手のセブン・イレブンはどうでしょうか?
セブンも同様です。
高齢化は新たな「商機」と睨んでいるのです。


 最大手セブンイレブンも、10月に始める

 オムニチャネル事業で高齢者に寄り添う。

 百貨店やスーパーなど、親会社セブン&

 アイ・ホールディングス傘下の企業の商品を、

 コンビニ店舗で受け取れたり、宅配してもらえ

 たりできるようにする。

 セブン&アイの鈴木敏文会長兼CEO(最高

 経営責任者)は、「高齢化はチャンスだ」と話す。
 

  (P.041)


コンビニと激しい競争を繰り広げている食品スーパー
も手をこまぬいているわけではありません。


ショッピングセンター丸正総本店(新宿区)のチャレンジ
をご覧ください。


 毎週木曜日の昼頃、東京の四谷三丁目駅から

 徒歩数分の住宅街に、食料品を満載した小型

 トラックが滑り込んでくる。

 2012年に四国の徳島市で始まった移動スーパー

 「とくし丸」だ。

 昨年7月にショッピングセンター丸正総本店(新宿区)

 と提携。過疎地の買い物難民向けのサービスが、

 都心に進出した。
 

  (P.042)



丸正総本店の移動スーパー

丸正総本店の移動スーパー

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 P.042)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13



こうしたサービスを始めた理由は何でしょうか?


 20mほど離れた自宅から買い物に来た82歳の

 有賀和子さんは、「先々代の社長時代から

 通ってきた丸正さんが来てくれると、本当に助かる」

 と話す。

 丸正総本店の顧客は、有賀さんのように40~50

 年前からのなじみ客が大半を占める。

 だがここ数年、足腰が弱り、店から離れていく客が

 急速に増えていた。

 これが今、東京のど真ん中で起きている「超高齢化」

 の現実である。
 

  (P.042)


「超高齢化」という現実に直面し、採算についてはあえて
横に置き、なじみ客だった高齢者に寄り添うことを選択
したのです。


 1台の移動スーパーで訪問できるのは、1日約50軒。

 曜日ごとに訪問ルートを変え、売り上げは1日6万~

 10万円。人件費を考えればもうかりはしない。

 それでも、「高齢者の負担を軽減しなければ、

 商売の基盤が揺らぎかねない」(同社の飯塚正彦社長)。
 

  (P.042)


ニトリホールディングスの似鳥社長の次の言葉は、
「超高齢化」に対する積極果敢な挑戦だ、
と私は理解しました。


 「マイナスのことばかりを考えると、そこから衰退

 が始まる。明るく太陽のように、ポジティブに考えろ」

 ニトリHDの似鳥社長は笑い飛ばす。

 ファミリーに寄り添った「郊外モデル」に代わり、

 高齢者に寄り添う次世代の事業モデルを創出できるか。

 都心が、その壮大な実験場となる。
 

  (P.042)



都心を制するには高齢者のニーズの<br />取り込みが欠かせない

都心を制するには高齢者のニーズの
取り込みが欠かせない

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 P.042)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13






ポイント

高齢者のニーズの取り込みは欠かせない

今後、高齢化は全国的に急速に進みます。
とりわけ、都心部は全国の水準を上回る
勢いで加速します。


であるならば、その現実を前にして何ができる
のかといえば、高齢者のニーズを取り込むこと
しかありません。




私見

今週の特集に登場した企業のうち、いくつかが自宅
近くや最寄り駅周辺に位置する店舗であったので、
とても親近感を覚えました。


例えば、ニトリは最寄り駅から徒歩数分の場所に
ありますし、ウエルシアは自宅から徒歩2~3分の
場所にあります。


さらに、ファミリーマートと経営統合を進めている、
ユニーグループ・ホールディングス傘下のサークルK
サンクスはウエルシアに隣接しています。


セブン・イレブンやローソンは言うまでもないでしょう。
ほとんどの地域にありますね。


今週号で紹介していましたが、ブログでは取り上げ
なかったところでは、東急ハンズが運営する小型店
「ハンズビー」も最寄り駅の商業施設に入居しています。


ガストは確かに最寄り駅に近い雑居ビルの「2階」に
ありました。1階ではありませんでしたね。


忘れてならないのは、ヤマダ電機が環状2号線沿い
にありました。ここは主力店なので閉鎖されることは
まずないと思いますが、先のことは分かりません。


今特集を読んで、「多様性(ダイバーシティ)」と
「戦略の転換」は切り離せない概念だと思いました。


都心を制し、高齢者を制する企業は、日本の未来を
制すという『日経ビジネス』取材班の考え方に諸手を
挙げて賛成します。




最後に、もう一度、今特集のキーワードを
確認しておきましょう。

キーワード

 都心を攻める 
 未開市場 
 空白地帯 
 超高齢化 
 日本の未来 







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<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の
概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>



日経ビジネスの特集記事(115)

ニトリ、銀座へ
始まった都心争奪戦

2015.07.13



テーマ

今週号の特集のテーマは

郊外型で成長してきた家具最大手のニトリが、
ついに東京・銀座に打って出た。
人口減少に加えて近づくデフレの終焉が、
小売り・外食企業を都心進出へと駆り立てる。
成長を支えてきた郊外店の将来に影が差し、
過去の勝ちパターンは崩壊しつつある。
だが、競合相手がひしめく都心部の攻略は、
一朝一夕ではいかない。
高い賃料や複雑な顧客層など、乗り越えるべき
ハードルは多い。
さらに、攻め入った先の都心も、今後10年で一気に
高齢化が進む。
都心は、企業の成長をけん引する「ラストリゾート」
なのか。
日本経済の底力を試す、壮大な実験が始まった

 (『日経ビジネス』 2015.07.13 号 P.025)

ということです。






ニトリ、銀座へ<br />始まった都心争奪戦

ニトリ、銀座へ
始まった都心争奪戦

(『日経ビジネス』 2015.07.13 号 表紙)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 PP.024-025)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13







第1回は、
PROLOGUE 日本マクドナルド、ワタミ、ヤマダ電機・・・
 閉店ラッシュが鳴らす『大転換』の号砲」
PART 1 チェーン店の革命家
 ニトリが都心を攻めるワケ」 
を取り上げました。


第2回は、
PART 2 郊外の常識を捨てろ
 “未開市場”3つの攻め方」 
を取り上げます。


最終回は、
PART 3 コンビニが見据える『超高齢化』
 10年先に希望はあるか」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

キーワード

 都心を攻める 
 未開市場 
 空白地帯 
 超高齢化 
 日本の未来 



今週号の特集のタイトル「ニトリ、銀座へ」の文字を見て、
「えっ? ニトリが銀座に出店する?」と目を丸くしました。


高級路線を維持した大塚家具との勝負に勝ったニトリは、
高品質低価格路線をひた走ってきました。


しかも、ニトリは郊外に出店し続けていました。
大塚家具は父娘の確執の末、実娘が主張したニトリ同様
の低価格路線が株主から支持され、代表取締役社長に
就任しました。


その辺りの経緯は、あなたのほうが詳しいかもしれません。


ニトリは、「空白地帯」だった都心部への出店を加速して
いくようです。郊外から都心部へ軸足を移したと言えます。




では、本題に入りましょう!


 PART 2 郊外の常識を捨てろ 
 “未開市場”3つの攻め方 

このパートでは、「未開市場が3つある」、
と『日経ビジネス』は捉えています。


今回は、具体例が豊富にありますが、
絞り込んでご紹介していきます。


「脱・ファミリー」で新天地開拓


まず、ファミレスのケースをご紹介しましょう。
ガストやバーミヤン、ジョナサンなどを展開する
「すかいらーく」の戦略をご覧いただきます。


意外な目のつけどころに唸らされます。


 東京・渋谷のハチ公前のスクランブル交差点。

 信号を待つ人の目に飛び込んでくるのが、

 雑居ビルの7階にある「ガスト渋谷駅前店」の

 看板だ。

 同ビルに1基しかないエレベーター前には時折、

 10人ほどが列をなす。

 
 ガストを経営するすかいらーくの社内では、

 同店の開発段階から懐疑的な意見があった。

 「エレベーターを使わなければ入れない店に、

 顧客は来るのか」。


 しかし、店舗開発担当の門脇滋人マネージング

 ディレクターらは「この立地でも集客できる」との

 自信を持っていた。


 2014年5月のオープン初日、関係者の心配は

 杞憂に終わった。日中でも20~30代の若者たちで

 満席となった。

 ファミリー層を中心に幅広い世代が利用している

 従来のガストのイメージを覆す光景だ。

 開店から1年たった今では、全国で1、2を争う売上高

 をたたき出している。


 この渋谷駅前店の成功を皮切りに、すかいらーくは

 池袋や新宿といった駅前で、エレベーターを使って

 昇るような「空中階」店を次々とオープンさせている。

 居酒屋の跡地が多く、面積が広めなので客席を多

 く取ることができる。
 

  (PP.032-033)



渋谷スクランブル交差点に<br />出現した「空中階」店

渋谷スクランブル交差点に
出現した「空中階」店

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 P.032)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13




すかいらーくは、もともと郊外型店舗を多く出店して
きました。ここにきて、都心部に、先述のような
「空中階」店の出店を加速しています。
戦略の転換です。


 すかいらーくの既存店舗は郊外型が圧倒的に多い。

 2570店のうち77%が郊外のロードサイドにある。

 これまではクルマを使って来店する地域のファミリー層

 をターゲットにしてきたが、今後は空中階店に代表

 されるような駅前や人通りの多い街中、ショッピング

 センターへの出店を加速していく。

 「ロードサイドはこれ以上、出店競争が過熱することはない。

 2025年に向けて、高齢者を中心に東京に人口は集中して

 いく。将来の成長には、そこでどう出るかが重要だ」と

 谷(真)社長は語る。
 

  (P.033)



エレベーターで昇る駅近のファミレスが続々出店<br />・すかいらーくが展開する「空中階」店

エレベーターで昇る駅近のファミレスが続々出店
・すかいらーくが展開する「空中階」店

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 P.032)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13




上記の話は、「多様性(ダイバーシティ)」という
言葉で説明できると思います。


言い換えれば、生き残るためには戦略転換が
必須になるということです。


戦略転換が急務の企業は多くあると考えて
います。


今までの延長線上で考えていては、早晩立ち
行かなくなる、と思います。




「売り場解体」で機動力アップ

“売り場解体”とは、穏やかでないですね。
通常の試着とは異なる、「ウェアラブル
クロージング」をご紹介しましょう。
「バーチャル試着室」です。
すぐにピン、とはきませんね?


では、『日経ビジネス』の解説を読んで
みましょう。


 客の視線の先にあるのは中堅セレクトショップ、

 アーバンリサーチが今年4月に“出店”した

 バーチャル試着室だ。

 バーチャル試着室には、高さ180cm程度の

 大型液晶モニターの付いた「ウェアラブル

 クロージング」と呼ばれる端末が置かれている。

 モニターを操作して着てみたい服を選ぶと、

 カメラとセンサーが客の体形を読み取り、

 自分に合うサイズの服を画面に映る自分の姿と

 合成してくれる。服を着たり脱いだりしなくても、

 試着している感覚を味わえるわけだ。

 商品を気に入れば、その場で同社のEC(電子

 商取引)サイトにアクセスして注文ができる。

 そのため、店側は商品を陳列したり、在庫を置い

 ておく必要がない。「これならどこにでも出店

 できる。将来は駅ナカに出店していきたい」。

 開発を担当した齊藤悟シニアマネージャーは

 そう語る。


 出店コストを抑えつつ、多くの人にアプローチ

 できる場所を確保するには、どうすればいいか。

 その答えが、バーチャル試着室だった。


 通常の店ならバックヤードも含めて500平方

 メートル程度の売り場が必要なところを、

 試着室1つ分の広さである10平方メートル程度

 まで小さくした。
 

  (P.035)




アーバンリサーチ わずか10㎡の服売り場

アーバンリサーチ わずか10㎡の服売り場

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 P.035)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13




ある意味では、苦肉の策だったのです。
狭いスペースを有効に使って、売り上げに
つなげることができたケースです。


真似をするところが出てきそうですね。
既に同様な手法を採用している企業が
あるかもしれません。




訪日客の「ホットスポット」狙う

訪日客が増加していることが報道されました。
2020年開催の東京オリンピックまでに年間
2000万人~3000万人の訪日客を取り込もうと、
国が音頭を取り、産業界が踊る構図が出来
上がりました。


『日経ビジネス』は、大阪・心斎橋にある
「サンリオギャラリー」にスポットを当てています。


サンリオと言えば、キティちゃんですが、
キティちゃんが爆買いを呼び込んでいるそうです。


 多くの訪日外国人が行き交う大阪屈指の買い物

 スポット、大阪・心斎橋に昨年、外国人向け売上高

 が前年比2倍になった店がある。

 サンリオのキャラクターグッズを扱う日本最大の

 路面店「サンリオギャラリー」だ。


 サンリオギャラリーは、多くのツアー観光客が

 バスを降りて歩く心斎橋筋商店街に面している。

 店の前の人だかりに釣られて、トランクを持ったまま

 吸い寄せられるように店内に入り、そのまま衝動

 買いしていくケースも少なくない。

 2004年のオープン当初は訪日客はまばらだったが、

 足元は売り上げの65%を占めている。


 サンリオ物販事業本部の中尾友一・執行役員は

 「訪日外国人との接触が多い関西は、出店を強化

 していきたいエリアだ」と話す。

 今や海外売上高が国内売上高を超えたサンリオに

 とって、訪日外国人は重要な顧客ターゲットだ。

 買い物時間が限られている訪日客は、訪れた場所で

 まとめて大量に衝動買いするパターンが多い。

 そのため、東京以外の都市の店でも、爆買い需要を

 取り込める可能性が十分にある。

 訪日客が集まる場所なら、どこでも“ホットスポット”に

 なる可能性を秘めているからだ。
 

  (P.037)




サンリオ 「キティ」が呼びこむ<br />爆買いの店

サンリオ 「キティ」が呼びこむ
爆買いの店

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 P.037)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13




訪日客をいかに取り込むかで勝負が決まります。
2020年までの5年間が最初の勝負期間になり、
その後の成長を占うことになるでしょう。




今まで郊外から都心部に出店を加速するケースを
ご紹介してきました。


では、郊外型の店舗がすべてダメになるのでしょうか?
そんな疑問が湧いてきますね。
本当にそうなのだろうか?


ここに一つの答えがあります。
ドラッグストアチェーンのウェルシアホールディングス
のケースを池野隆光会長の言葉を交えてお伝えします。


 あらゆる業態が都心に攻め入る中で、

 郊外のビジネスは終焉を迎えたのか──。

 その答えはノーだ。 


 一般にドラッグストアはコンビニエンスストア

 と同じく狭商圏とされる。

 ウエルシアの店舗も8割は商圏半径2km以内だが、

 この下仁田店の商圏は半径3km以上と広く、

 近所に住む人同士がタクシーに相乗りして買いに

 来る光景も見られる。

 池野会長はこうした現象を、ドラッグストアの

 “中商圏化”とみる。


 「中商圏の店では、シャンプーを数多く取りそろえる

 より、肌着やストーブ、蛍光灯など、生活に必要な

 商品をいかに幅広く取り扱えるかが重要になる」

 (池野会長)

 
 ウエルシアの池野会長は、「念のために物件の

 契約期間を従来の15~20年から最近は10年ほどに

 短縮している」と話す。同社の顧客で最も多い

 年齢層が42歳。

 この層が同社の売り上げを支えるのは、せいぜい

 10年後までと考えるからだ。
 

  (P.039)




ウエルシアホールディングス 池野 隆光 会長

ウエルシアホールディングス 池野 隆光 会長

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 P.039)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13



ウエルシア 下仁田店

ウエルシア 下仁田店

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 P.039)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13



やり方次第で郊外はまだ掘れる<br />・郊外出店に意欲的な企業

やり方次第で郊外はまだ掘れる
・郊外出店に意欲的な企業

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 P.039)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13







ポイント

郊外から都心部への流れは止まらないが、
郊外への出店も10年は大丈夫



高齢化による人口構成の激変や、若者たちも
高齢者もクルマ離れが進み、都心部への人の
流入は増えています。


ですが、10年は大丈夫だという答えが得られ
ました。ただし、条件があります。


ウエルシアホールディングスの池野会長が
指摘したように、「生活に必要な商品をいかに
幅広く取り扱えるかが重要になる」ということです。


多様な需要にいかに供給で応えるか、が問われて
います。




『日経ビジネス』はPART2の最後で、次のように
述べています。




 ウエルシアや西松屋以外にも、依然として郊外への

 出店を重視している企業はある。

 ただし、そうした判断の背景には、地域のニーズを

 きめ細やかにくみ取るしたたかさと、リスクをヘッジ

 する慎重さがある。
 

  (P.039)






今特集のキーワードを確認しておきましょう。

キーワード

 都心を攻める 
 未開市場 
 空白地帯 
 超高齢化 
 日本の未来 





最終回は、
PART 3 コンビニが見据える『超高齢化』
 10年先に希望はあるか」
をお伝えします。


ご期待下さい!





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概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>



日経ビジネスの特集記事(115)

ニトリ、銀座へ
始まった都心争奪戦

2015.07.13



テーマ

今週号の特集のテーマは

郊外型で成長してきた家具最大手のニトリが、
ついに東京・銀座に打って出た。
人口減少に加えて近づくデフレの終焉が、
小売り・外食企業を都心進出へと駆り立てる。
成長を支えてきた郊外店の将来に影が差し、
過去の勝ちパターンは崩壊しつつある。
だが、競合相手がひしめく都心部の攻略は、
一朝一夕ではいかない。
高い賃料や複雑な顧客層など、乗り越えるべき
ハードルは多い。
さらに、攻め入った先の都心も、今後10年で一気に
高齢化が進む。
都心は、企業の成長をけん引する「ラストリゾート」
なのか。
日本経済の底力を試す、壮大な実験が始まった

 (『日経ビジネス』 2015.07.13 号 P.025)

ということです。






ニトリ、銀座へ<br />始まった都心争奪戦

ニトリ、銀座へ
始まった都心争奪戦

(『日経ビジネス』 2015.07.13 号 表紙)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13




今特集のスタートページ

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(『日経ビジネス』 2015.07.13号 PP.024-025)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13







第1回は、
PROLOGUE 日本マクドナルド、ワタミ、ヤマダ電機・・・
 閉店ラッシュが鳴らす『大転換』の号砲」
PART 1 チェーン店の革命家
 ニトリが都心を攻めるワケ」 
を取り上げます。


第2回は、
PART 2 郊外の常識を捨てろ
 “未開市場”3つの攻め方」 
を取り上げます。


最終回は、
PART 3 コンビニが見据える『超高齢化』
 10年先に希望はあるか」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

キーワード

 都心を攻める 
 未開市場 
 空白地帯 
 超高齢化 
 日本の未来 



今週号の特集のタイトル「ニトリ、銀座へ」の文字を見て、
「えっ? ニトリが銀座に出店する?」と目を丸くしました。


高級路線を維持した大塚家具との勝負に勝ったニトリは、
高品質低価格路線をひた走ってきました。


しかも、ニトリは郊外に出店し続けていました。
大塚家具は父娘の確執の末、実娘が主張したニトリ同様
の低価格路線が株主から支持され、代表取締役社長に
就任しました。


その辺りの経緯は、あなたのほうが詳しいかもしれません。


ニトリは、「空白地帯」だった都心部への出店を加速して
いくようです。郊外から都心部へ軸足を移したと言えます。




では、本題に入りましょう!


 PROLOGUE 日本マクドナルド、ワタミ、ヤマダ電機・・・ 
 閉店ラッシュが鳴らす「大転換」の号砲 

閉店ラッシュがどう関連するのか、記事の概要を
ご覧ください。
都心部の変化に気づくことでしょう。


今、都心部では大きな変化が起こっているそうです。
大型チェーン店の閉店ラッシュです。
と同時に、その閉店した敷地や店舗に異なる業態
の企業が進出しようとしています。


閉店する大型チェーン店を見てみましょう。
いずれも、あなたがよくご存じの店ばかりですよ。


 業績不振の日本マクドナルドホールディングスが

 大規模な店舗閉鎖を打ち出したのは2015年4月

 中旬のこと。

 どの店舗が閉まるのか、そもそも直営店とフラン

 チャイズチェーン店のどちらなのか。全容は公表

 されていない。

 だが、一部の業界関係者はこの極秘情報を入手

 している。

 「多くが首都圏の店のようだ。『この店が』と驚く

 ような主要な駅前店も入っていた」。

 リストを見た関係者は話す。
 

  (P.026)



日本マクドナルド 131店閉鎖

日本マクドナルド 131店閉鎖

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 P.027)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13






 業態は関係ない。マックと同じく不振のワタミが

 今期中に閉める「和民」など85店程度の跡地も、

 関係者にとっては注目の的。

 秘密裏に出回る閉店リストを片手に、

 他社に先んじて出店交渉を始めようと関係者が

 走り出している。
 

  (P.026)




ワタミ 85店閉鎖

ワタミ 85店閉鎖

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 P.026)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13






 ヤマダ電機は5月末、低迷する業績のテコ入れ策として、

 名古屋南丹後通り店など46店を閉鎖。

 6月末にはさらに11店を閉じ、合わせて直営店舗数の

 1割弱に当たる57店を閉鎖した。

 一方で今秋には東京・八重洲に訪日外国人による消費

 も狙った店舗の開業を計画するなど、経営の見直しに

 着手している。
 

  (P.027)




ヤマダ電機 57店閉鎖

ヤマダ電機 57店閉鎖

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 P.027)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13




閉店する大型チェーン店はこれだけではありません。
アパレル大手のワールドもそうです。



 アパレル大手のワールドも今期中に全体の15%程度

 に当たる400~500店を閉鎖する。

 郊外のショッピングセンターに並走して出店してきた

 戦略が業績悪化の一因となっている。
 

  (P.027)



このような閉店ラッシュの背景には何があるのでしょうか?
「脱デフレ」「オンラインショップの台頭」「大量出店のツケ」
「薄利多売」などの理由はあるでしょう。


ですが、それだけでは説明できない事実があります。
なぜなら、閉店した跡地や店舗に出店しようとしている
企業があるからです。


都心部、特に銀座は地価が高く、最近、また上昇して
きたにもかかわらず、人気が高く、出店希望が多いそう
です。都心部は「ラストリゾート」なのです。



 消費者に「来てもらう」のではなく、「自ら近づく」ことを

 しなければ、一顧だにされない時代が迫っている。

 郊外型ビジネスの失速が明白になるほど、

 人口が密集し相対的にビジネスチャンスが転がる

 都心は「ラストリゾート」の色彩を強める。
 

  (P.027)



次のPART 1でニトリが都心に出店することを
決めた経緯を詳しく見ていくことしましょう。





 PART 1 チェーン店の革命家 
 ニトリが都心を攻めるワケ 

ニトリホールディングスの似鳥昭雄社長が
「都心を攻めるワケ」を語っていますので、
まずその内容をお伝えします。



 「ここ数年、東京23区に重点的に出店してきたが、

 銀座はそのど真ん中。さすがに出店を悩んだ」

 ニトリホールディングス(HD)の似鳥昭雄社長は、

 こう打ち明ける。

 今年4月、同社は銀座の百貨店「プランタン銀座」に、

 家具・雑貨販売店のニトリを出店した。

 「あのニトリが銀座に出るなんて」。

 郊外を中心に展開してきたイメージが強いニトリの

 銀座進出は、世間を驚かせた。


 「テレビCMを打ち、店を出し、『これが都会の暮らしか』

 と驚かせる。この劇場型の手法で郊外の店に消費者を

 呼び込んできた。

 ところが、5年ほど前から『買いに行きたいのに店が近く

 にない』という消費者の声が、都心を中心に増えていた」
 

  (P.028)


そのような状況にあった時、プランタン銀座から出店の
誘いがあったそうです。渡りに船だったのでしょうか?



 2011年の島根県への出店で全47都道府県への進出を

 果たした。その一方で、都心はほぼ手付かずだった上に、

 クルマ離れも進んでいた。

 そんな時、プランタン銀座から出店の誘いがあった。
 

  (P.029)



ニトリホールディングス 似鳥 昭雄 社長

ニトリホールディングス 似鳥 昭雄 社長

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 P.028)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13




プランタン銀座から出店の誘いがあって、出店することが
決定したわけですが、今までの郊外型店舗と都市型店舗
で、コンセプトを変更しました。



 既に昨年4月の消費増税前から、全商品の8割に

 上昇していた低価格帯商品の比率をリーマン

 ショック前と同じ6割に下げ、中価格帯商品の

 比率を2割から4割に戻すべく、価格を引き上げ

 始めていた。

 それを銀座出店を契機に、本来の中核顧客層で

 ある年収500万~800万円程度の消費者を呼び戻し、

 さらに収益を伸ばそうというわけだ。

 プランタン銀座店のオープンに併せて、価格帯が

 高めで、使い心地のよさと上質感を追求した雑貨

 などを扱う新ブランド「NITORI QUALITY LINE」も

 発表。

 中価格帯の家具とともに提案し、トータルで収益

 拡大を狙う。
 

  (P.030)


都心の客層に合わせて、高級感があり、高めの価格
設定にしました。大塚家具が高級路線から低価格路線
へ移行したことと比較すると、対照的です。



東京23区を攻める

東京23区を攻める

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 P.028)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13




『日経ビジネス』特集班は、都心を攻める理由を
以下の6つにまとめています。


理由1 都心への人口流入が増えている
理由2 「脱デフレ」の兆しが見え始めた
理由3 訪日外国人の数が急増している
理由4 地方に比べて所得水準が高い
理由5 人口密度が圧倒的に高い
理由6 クルマの保有率が低い


根拠となるデータを6つのグラフでお確かめください。



理由1 都心への人口流入が増えている

理由1 都心への人口流入が増えている

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 P.030)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13





理由2 「脱デフレ」の兆しが見え始めた

理由2 「脱デフレ」の兆しが見え始めた

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 P.030)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13





理由3 訪日外国人の数が急増している

理由3 訪日外国人の数が急増している

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 P.031)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13





理由4 地方に比べて所得水準が高い

理由4 地方に比べて所得水準が高い

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 P.031)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13





理由5 人口密度が圧倒的に高い

理由5 人口密度が圧倒的に高い

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 P.031)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13





理由6 クルマの保有率が低い

理由6 クルマの保有率が低い

(『日経ビジネス』 2015.07.13号 P.031)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.13






ポイント

商品の価格帯を引き上げる条件が整った

ニトリは高品質低価格という戦略をとり続けてきました。
ですが、脱デフレという追い風を受け、さらにプランタン
銀座からの出店の誘いも受けました。


そして、ついに決断しました。いざ、銀座へ。


都市部という空白地帯=未開市場を一気に攻める「時」
が来た、と似鳥昭雄社長は感じ取ったのです。





今特集のキーワードを確認しておきましょう。

キーワード

 都心を攻める 
 未開市場 
 空白地帯 
 超高齢化 
 日本の未来 





次回は、
PART 2 郊外の常識を捨てろ
 “未開市場”3つの攻め方」 
をお伝えします。


ご期待下さい!




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