近年「ブティックホテル」を名乗る宿が増えている。ちょっと贅沢感のある設備と美食を取り揃えているばかりか、コレクションやインテリアも顧客を引き付ける要素の一つ。今号では台北の美術館のようなブティックホテルをご紹介する。台湾風、オリエンタルモード、ヨーロピアンクラシカルが見事にコラボした夢の旅路。さあ世界一周の芸術ツアーへ!
芸術なコレクションとゴージャスな客室を擁する、前衛的なブティックホテル。市内の高級住宅街の静かな一角にあり、MRTの大安駅や信義安和駅に近い。贅を尽くした典雅なインテリア、博物館のような展示品やモダンな設計が、独特の風格を醸している。
玄関から一歩足を踏み入れると、まずロビーに掛かる大型のクリスタルシャンデリアが目に入る。チェコ製の手作りの作品だという。エレベーターのそばにはダリの青銅彫刻が二体。ホールには独特の存在感を放つ中国人作家、高孝午と陳文令の名品が座り、まるで小型の美術館のようだ。フロントから客室まで飾られている絵画もすべてオリジナル。経営母体にギャラリーを擁するため、館内の陳列品は随時交換されており、美酒と結ぶ芸術講座やアートツアーも開催している。
60の客室には最新の設備とともに、有名作家製の備品が配されている。館内のÉclat Loungeではクラシックな英国風アフタヌーンティーを提供。ホテルのおしゃれな雰囲気に浸るには最高の場所と時間だ。またビジネス客のニーズに応える会議スペースやプライベートパーティー用のGeorge Barもある。
Add:台北市大安区敦化南路一段370号
Tel:+886-2-27848888
Web:www.eclathotels.com/taipei/default-ja.html
台北バスターミナルの上階にあたる。同じビルに京站時尚広場(モール)や威秀影城(映画館)といった娯楽施設が進駐し、雨の日も娯楽やショッピング・食事があわせて楽しめる。
有名デザイナーの陳瑞憲が手がけた君品酒店は、オリエンタルビューティ、ルネサンス、フランスのルイ十四世スタイルを見事に融合した独特の美感を醸す。客室はスイートルームを合わせて286室。ほかにフレンチレストラン「雲軒」、本格的広東料理の「頤宮」、ヨーロピアンカフェ、北アフリカスタイルのバー、多機能ビジネスセンター、雄大な雰囲気の「亮」ボールルーム、四室の多機能会議場を擁する。
館内はあたかも芸術の殿堂のようだ。ロビーには、ギリシャ神話とルネサンス様式を融合した高さ2メートルに達するフロアランプが置かれており、ヨーロッパの古城と中国宮廷の要素をミックスした木製のドアが目をひく。六階の休息エリアにはシーザーとクレオパトラを描いたアンティークタペストリーが掛かり、五階の会議室と六階のビジネスセンターには等身大の四季の女神、ヘラの彫像がたつ。「亮」ボールルームはパリオペラ座からインスピレーションを得たもの。鼻煙壺と硯台をモチーフにした室内の備品も優雅で芸術的な宿泊空間を作り上げている。
Add:台北市大同区承徳路1段3号
Tel:+886-2-21819999
Web:www.palaisdechinehotel.com/zh-tw
トレンディでチャレンジ精神に富む艾美酒店は、欧州発祥のホテルチェーンならではの美感を誇る。花の都パリに産声を上げて以来、今では世界に百以上のホテルを数え、多様でファッショナブルなスタイルは、一味違った美学の世界を提供する。
2010年にオープンした台北寒舍艾美酒店は、台北101・ワールドトレードセンター・新光三越・微風・統一阪急など有名施設が林立する信義商圏に位置する。シンプルな建築スタイルに、伝統の美学を融合し、ホールや客室には、内外のアーチストの作品が飾られている。影と文字が織りなすベルギーのFred Eerdekensのアート作品、台湾・朱銘の青銅彫刻、日本人アーティストの大型インスタレーション、山水画など展示物は全館で七百点余りにもなる。ホテルライフを楽しみながら、さまざまな角度から作品を味わってみてはいかがだろう。
160室の客室とスイートルームはどれも天井が高く十分な広さで、ゆっくりとくつろぐことができる。三億円以上をつぎ込んだ3室のボールルーム、6室の多目的会議室、2軒のレストランも特筆に値する。レストランではブュッフェ、アラカルト、中華料理を提供する。また、二つの独立したハイテクワインセラーを持つバーでは、カクテルとコーヒーが楽しめる。また、愛好家のためのチョコレート専門店とギフトショップも見逃せない。
Add:台北市信義区松仁路38号
Tel:+886-2-66228000
Web:www.lemeridien-taipei.com
ホテルは多くの台湾人の作品を収蔵している。エントランス、ロビー、レストランから駐車場まで、あらゆる場所で、東洋美学にオリジナルの素材を盛り込んだ逸品を目にすることができる。ドアを入るとまず蟠龍鳳紋と虎形の紋様が迎えてくれる。天上の高さ15メートルのロビーには、「日・月・星」をコンセプトとし、円満を象徴するシャンデリアが弧を描くように掛かる。レストランにはガラスインスタレーションがあしらわれている。レストランとパブリックスペースのコレクションは台湾の有名画家、陳澄波と劉得浪の作品だ。一階は開放的なギャラリーで、駐車場には105枚の台湾風景を描いた大型の壁画があり、壮観だ。
146の客室とスイートのほか、ブュッフェ、香港式美食、和食、台湾料理、コンチネンタルと5軒の個性的なレストランを備え、顧客のさまざまな好みに対応できる。ホテル内には高規格のボールルーム、クラブがあり高級感がいっぱい。屋外温水プール、サウナもあり、快適な旅のひとときをご提供する。
Add:台北市中山区楽群二路55号
Tel:+886-2-77223399
Web:www.grandmayfull.com
半世紀以上の歴史を刻んできた円山大飯店。1952年に各国元首・海外の賓客、政界・経済界の重鎮をもてなす使命を負って建てられた。14層の建築は宮殿様式で、500の客室を有し、勇壮な外観は台北を代表するランドマークの一つだ。
昨年の大改修により、新しい命が吹き込まれた。客室空間は「四季」のイメージを設計に取り入れ、壁面もカーペットもエレガントな現代風を醸している。客室はフロア毎にそれぞれ梅、蘭、竹、菊をテーマとし、カーペットの図案でそれを表し、廊下の壁にも梅蘭竹菊の詩画が掛かる。グランドスイートルームの枕元には、画家の下絵をもとに蘇州刺繍で仕上げられた台湾固有種のアゲハ蝶や野鳥の図柄が素晴らしい。
3月に新しくオープンした円山文物館には、歴代総統主催の晩餐会で出された料理の写真・メニュー・食器・テーブルセッティングのほか、晩餐会にまつわる故事が紹介されている。蒋介石元総統と蒋宋美齢夫人が使用した家具や器具も見逃せない。
Add:台北市中山区中山北路4段1号
Tel:+886-2-28868888
Web:www.grand-hotel.org/taipei/ja-jp
文物館の休館日は毎週月曜日
文物館の休館日は毎週月曜日