日本人の多くは台湾の街中に溢れる漢字を見て、ホッとすると言います。台湾で使う漢字は繁体字なので、ほとんどが日本で使う漢字と同じか、旧字体の漢字です。中国語は分からずとも、漢字を見ているだけでも、大体の意味が理解できます。
しかし、中には、「これは漢字なの?」というような漢字に出会うこともあります。造語もありますが、実際、台湾の「辞海」という漢字辞典に収録されている一万二千字の中にある面白い漢字を紹介します。読み方はローマ字ピンインと声調の番号で表しました。
囧(jiong 三声)
恥ずかしくて、困った表情をしているという意味です。両眉が下がって、口が開いて、困った顔に見えますよね。
乒乓(ping―pang一声)
読み方は、「ピンパン」。乒乓球で卓球の意味です。横に並べると卓球しているみたいでしょう。
卡(ka 三声)
元は押えるという意味ですが、読み方が「カー」なので、カード(卡片)や他の外来語に使います。「信用卡=クレジットカード」「悠遊卡=台湾のMRTやバスなどのデポジットカード」「卡車=トラック」「卡拉OK=カラオケ」等。
忐忑(tan三声 te四声)
忐は心が落ち着かない様子。
忑は決心がつかない様子。二つ合わせて、心が乱れて落ち着かない様子を表します。心が上に下にと慌ただしい感じがしますね。この字を見るたび、「忍という字は難しい、心に刃を乗せるのね」という歌が頭の中で再生されます。(年齢がばれますね(笑)
飆(biao 一声)
つむじ風の意味。「飆車族」といえば、暴走族のこと。犬が三匹、風のように突っ走っていく雰囲気がありますよね。
鱻(xian 三声)
「鮮」の昔の字。元気な魚が三匹、ピチピチと跳ねているような感じがしませんか?食堂などの屋号で見かけます。
鑫(xin 一声)
屋号などに使う字で、大金が舞うような様子を表すそうです。たしかに金、金、金とずっと金運に恵まれそう。
龘(da 二声)
Wikipediaで検索した中華民国の字典にある一番画数の多い漢字(四八画)です。意味は「飛龍」で、「龖」の別の書き方。「𪚥」という龍四つの漢字もあるそうですが、ここまでいくとデザインですね。
結婚のときのみに使う「双喜」。めでたさが倍になった感じが出ています。
藤井雅恵
1968年富山県生まれのAB型。新潟大学卒業。2000年に客家系台湾人男性と結婚し、台中市へ。2003年末から、東鴻旅行社勤務。台湾のガイドライセンスを取得し、大好きな台湾のあれこれを日本の人々に紹介する毎日。台中市在住。ブログ「台湾台中おせっかい日記」。