前回分
靄面弥生(モヤモ ヤヨイ)はその夜、夢を見た。
その挨拶スルーされる相手の相佐通科(アイサ ツシナ)の……
通科には弥生と同い歳の娘の菜祈(ナイノ)がいる。
菜祈がなぜか帰り弥生に話しかけていた。
「ねえねえ、有琉乃(アルノ)ちゃんのお母さん、このお花何の花かな?」
「う、梅かな?」
弥生は答えた。
「へ~~梅か~~、ねえ、有琉乃ちゃんのお母さん……」
なぜか菜祈は弥生に妙に話しかけてきていた。
……そういえばそんなことあったな。
弥生は思い出す。
でも、なぜか菜祈のお母さんは……通科は近くにいなかった。
弥生がふと視線を気にして見ると、なぜか離れたところから通科がこちらを凝視していた!
……あ、そういえばそんなことがあった。
弥生は思い出す。
そして、
……何で普通に地味な女に懐いてんだ、うちの子は!
弥生は耳を疑うが、どうやら無情にも聞こえてしまう!
……わたしは絶対仲良くなりたくないから近づかない。
な!?
弥生はだんだん言い様のない怒りというかがこみ上げてきた。
……何で娘はあんな女に挨拶すんだよっ! ふざけんなっ!
そして追い討ちをかけられる!
途端、弥生は目が覚めた!
こ、これがモヤモヤの正体、つまりは相佐通科の本音……だったんだ。
弥生は知ってしまうと、怒りが沸々と湧き出してしまい仕方なかった。
この怒り……どうしたらいいの?
今すぐ殴りつけてやりたいぐらいな気持ちまでになっていた。
そしてそんな時、思い出したのがあのモヤモヤ解消商会で……
「もう絶対、許さない! 復讐……しないと気が済まない……!」
靄面弥生は思い立つとなんと着替えをして、夜中の0時過ぎているというのに自転車を走らせた!
あのお店に向かって!
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