前回分
ヨシ鬼のドラムセットは踏まれ粉々になるし、風来坊まで踏まれてぺしゃんこになり一切動かなくなりました。
でも……そのおかげで、ナリゾウにとうとう雷を自ら落とせる力がとうとう発動させることになります。
とにかくそのナリゾウが落とした雷で、巨大化したトレノを元の姿に戻せることに成功しますが……
トレノは倒れたままでカオス状態に……
「おい! トレノしっかりしろ!」
兄のレビンは駆け寄りトレノを起こそうとしますが、余程ナリゾウの雷の威力が凄かったらしく気を失ったままでした。
そして、黒い風来坊はナリゾウの涙でまさかの元の白い風来坊に戻りましたが……
「ヤバいよ~~、風来坊がペラペラにうっすくなっちゃった~~、はんぺんみたい……」
ナリゾウは至って真面目に言うので、ついみんな笑いをこらえます。
「膨らましてみたらどうですか?」
水神の子の周防(スオウ)が言いました。
「膨らます! なるほど!」
ナリゾウはブウブウと風来坊に息を一生懸命吹きかけますが、ぺしゃんこのままです。
「その筒みたいのところは無事ですね」
周防がマフラーのことを言いました。
「そうか! マフラーから空気を送り込んでみよう!」
風来坊にくっついているマフラーからナリゾウは息を吹きかけます。
マフラーが口より大きくてうまく息が入りません。
「ダメだ~~どうしたら? ねえ、ヨシ鬼、何とかならないかな?」
まさかのナリゾウはヨシ鬼に話をフリました!
すると、
「こっちはそれどころじゃない! ドラムセットがメチャクチャでもうライヴが出来ないんだ!」
ヨシ鬼は座り込んだままキレ気味にいいます。
「何だよそれ~~、大体さ~~、ライヴ出来ていたのは、そもそもトレノがあんたの為にいろいろやらかして頑張っていたからゲリラライヴが出来たわけだろう?
雲のクモとかのおかげだろう? それもトレノが持ち込んだものだよね?
あんたの力じゃねーじゃん! トレノにちゃんと感謝したことあるのか?
それどころか風来坊の方が雨雲たくさん持ってこれるからって、トレノをお払い箱にしただろう? 自業自得だよ」
何だか、ナリゾウは珍しく理にかなったことをヨシ鬼に言いました。
ヨシ鬼は何も言えないまま黙り込みます。
「トレノが起きたら、ちゃんと今までのことを感謝して謝るんだよ」
これまたナリゾウらしくないことを言いますが、この時は誰も彼もしんとしました。
とにかくぺしゃんこの風来坊を何とか元に戻さないと……
そうナリゾウが困惑していた時でした。
どこからか音楽が聴こえてきて……⁉
どうなる?