前回分
赤、青、緑、黄、黒の鬼達は1列に並ぶと、
「色鬼!」とみんなで叫ぶ。
次は、「氷鬼」と言って青邪鬼が腕をバッテンにクロスさせる。
「高鬼」と言って滑り台のてっぺんへ行く赤邪鬼。
「低鬼」と言って思い切り体を低くする緑邪鬼。
そして1番定番な……
「手繋ぎ(うちは繋がり鬼でした)鬼~~!」
と言って鬼達が手を繋いで走ると、なかなかな迫力で!
首領の羅門と逆鬼ごっこをしていた6、7才ぐらいの男の子は大喜びで、キャーキャー笑い叫びながら走っていた。
これらの鬼ごっこ監修は全て名二茂 鴨生であ~~る!!
男塾塾長みたいになっちゃったけど……
どうしてこうなってしまったかというと……
数分前。
「首領! 何そんな小さい子から逃げてんですか~~!?」
鬼達は戸惑いながら羅門に声をかけた。
「お、良いところへ来た! いや、さすがにオレが追いかけたら怖いだろうからな、相手は小さきものだぞ」
まーそりゃあ、そうだけど……
「人間達に復讐しなくていいんですか?」
黄邪鬼は本来の目的を言った。
「バカヤロウ! こんなわっぱ相手に復讐するわけがないだろう!
ひとりでポツンとしていたから遊んでやっているだけだ!」
羅門は声を荒げた。
「へ~~羅門さん、優しいところあるんですね~~」
鴨生はニヤニヤした。
羅門はハッとしながら、
「だからな~~このわっぱがひとりでおるからだ、それだけだ」
羅門は照れた。
え、まさかのツンデレ!?
そういえばもう辺りは暗くなってくる。
なので、
「もうそろそろお主、帰るのだ」
羅門は男の子に声をかける。
「まだ帰りたくな~~い」
まさかの羅門の足にしがみつく男の子。
ちょっとかわいい~~と鴨生は吹き出しそうになる。
「そう言われてもな、暗くなったら遊べぬぞ」
羅門は戸惑う。
「帰りたくないよ~~」と男の子は駄々をこねる。
「家まで送るよ」と鴨生。
「やだ~~誰も遊んでくれない、おうちに帰りたくな~~い」と男の子。
「お父さんは?」と鴨生。
「お仕事~~」
「じゃあ、お母さんは?」と赤邪鬼。
「赤ちゃんのお世話してる」と答えた。
もしかして……
「放置子?」
鴨生は気づく。
今までのおふざけはどこへやら、何か急にシリアスな展開になりつつあり……?
続き
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