片道アップグレード特典(エコノミー⇒ビジネス、ビジネス→ファースト)の交換には、JALやANAの場合、同一区間の特典往復航空券交換の半分のマイル数が必要です。
外資系航空の片道アップグレード特典の必要マイル数は、3分の1から同一マイル数のレンジですが、平均的には、やはり半分程度のマイル数が設定されています。
また、ANAマイレージクラブならびにJALマイレージバンクは、
エコノミーPEX運賃で年間43,000マイル程度、
エコノミー格安航空券なら年間60,000マイル、
ビジネスクラス(格安航空券を含む)なら24,000マイル程度
のフライトで、上級会員(それぞれ、「ブロンズサービス」「クリスタル」)となり、アップグレードクーポンやアップグレードポイントをもらうことができます。
ところで、アップグレードは、どの運賃/予約クラスのチケットでもできるわけではありません。
まず、格安航空券は論外。正規割引運賃(PEX運賃)でも安い価格のチケットは対象外となる場合がほとんどです。
たとえば、エコノミークラスからビジネスクラスへのアップグレードでは、
ANA国際線(日本発)の対象運賃は、Y/E/Bクラス(エコノミークラス普通運賃/ペックス運賃/ エコ割プレミアム運賃/ エコ割プレミアム ライト運賃/ エコ割スタンダード運賃/ スター アライアンス世界一周運賃など)
ANA国際線(国外発)の対象運賃は、Y/E/B/M/U/H クラス
JAL国際線の対象運賃は、 W/Y/E/B/H/Kクラス(エコノミークラス普通運賃、JALエコノミーセイバーフレックス運賃、JALエコノミーセイバープレミアム運賃、IATA PEX運賃、JALエコノミーセイバー運賃、ダイナミックセイバープレミアム、ダイナミックセイバー タイプA / タイプB など)
と規定されています。
まず、ANA国際線(日本発)の対象運賃ですが、Y/E/Bクラスというのは大変厳しい基準であり、
Yクラス(普通運賃)のほかに、
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たとえば、期間2011年4月1日~9月30日、成田-ニューヨーク間でいえば、それぞれの運賃は、
Yクラス=659,000円~
エコ割プレミアム=平日542,000円/週末622,400円
エコ割プレミアムライト=平日476,400円/週末516,400円
エコ割スタンダード=平日536,400円/週末616400円
となっています。
一方、同一期間・同一区間に設定されている
平日423,400円/週末643,400円
です。
つまり、ANAマイレージクラブのアップグレード特典を利用して、エコノミークラスからビジネスクラスへ
アップグレードするよりも、スーパービジ割28の方が割安。
しかも、区間マイル125%が積算されます。
一方、エコノミークラス(プレミアムエコノミーを含む)からビジネスクラスへアップグレードの場合は、区間マイル70%しか積算されません。
ということで、ANAマイレージクラブのアップグレード特典は、日本発チケットではほとんどメリットはありません。
ただし、国外発チケットの場合、アップグレードの対象運賃は、M/U/H クラス(エコバリューフェア、フレックスエコバリューフェア、スタンダードエコバリューフェア)も含まれますので、使う価値は十分あります。
たとえば、国外発対象運賃のなかで一番安い「スタンダードエコバリューフェア」なら、
ニューヨーク-東京間は、USD2,577.40~
で購入することができます。
とはいっても、一番安い正規割引運賃スーパーエコバリュー・フェア(アップグレード対象外)なら、
ニューヨーク-東京間は、USD1,093.40~
ですから、アップグレードは高いという事実に変わりはありません。
JALについては、国外発だけでなく日本発チケットに関しても、ANAスーパーエコバリュー・フェアに相当する、JALダイナミックセーバータイプA/タイプBまでがアップグレード対象運賃となるため、ANAよりは若干アップグレードが使いやすくなっています。
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ユナイテッド/コンチネンタル航空のアップグレードはリーズナブルです。
アップグレード対象運賃が高いのは、日系航空会社だけに限りません。
むしろ、JALとANAはアップグレード対象運賃のなかに、普通運賃ならびにその次に高いBクラスのほか、M/U/H クラス(ANA国外発の場合)やH/Kクラス(JAL国際線)を組み込んでいるので、まだましな方です。
というより、お得な方といっていいかもしれません。
ただし、本当にリーズナブルにアップグレードできる航空会社はというと、ユナイテッド /コンチネンタル 航空です。
というのも、両社は、アップグレードする場合、購入した運賃の予約クラスに応じて、Co-Pay料金(割増料金)を徴収することで、多彩な予約クラスからのアップグレードを可能にしているからです。
たとえば、ユナイテッド航空の場合、
エコノミー普通運賃からのアップグレード必要なマイル数は、ほかの予約クラスに比べて33~50%低く設定されています。
正規割引運賃のなかでは、普通運賃の次に高いBクラス(ANAならエコ割スタンダードに相当)はCo-Pay料金は無料です。
以下、M/E/Uクラスでは、日本-北米間のアップグレードの場合、Co-Pay料金は350USD
その次のH/Qクラスは450USD、その次のVクラスでは500USD、その次のWクラスは550USD、
そして、S/T/K/L/Gクラスの場合、Co-Pay料金は600USDとなっています。
この最後のS/T/K/L/Gクラスも、すべて正規割引運賃なのか、それとも一部の格安航空券をも含むのかは分りませんが、日系航空でいえば、ANAスーパーエコバリュー・フェアやJALダイナミックセーバー(タイプA/タイプB)よりもさらに安い運賃からも追加料金を払うことでアップグレードできるというのですから、じつにリーズナブルです。