上島嘉郎著「反日メディアの正体」より、印象に残ったところの紹介③
GHQが占領下の日本人に行った「思想改造」として挙げられるのが、まず「日本教育制度に対する管理政策」である。
軍国主義的・超国家主義的教育の禁止と、国際平和、基本的人権思想の教育を実践することを求めた。
特に問題なのは軍国主義とは何か、超国家主義とは何かという言葉の定義や内容をGHQによって決められていた点である。
次に「神道指令」と呼ばれるものがある。
信教の自由の確立と軍国主義の排除、国家神道の廃止、神祗院の解体、政経分離の実施などを目的とし、「大東亜戦争」「八紘一宇」「神国日本」といった言葉を禁止した。
これは公文書からメディア、教育現場へと広がっていった。
「八紘一宇」とは、日本書紀に「八紘(あめのした)を掩(おお)ひて宇(いえ)にせむ」とある。
全世界を一軒の家のように皆が仲良く暮らせるようにしたいという意味である。
これを第二次近衛文麿内閣が「基本国策要綱」に「八紘ヲ一宇トスル肇国(ちょうこく)ノ大精神」と明示した。
このことで、白人列強による従来秩序に代わる日本の新しい理念として国民に意識されるようになった。
古代の日本の理念を大東亜戦争において蘇らせたといえるが、これをGHQは危険思想と見たのである。
今日、「八紘一宇」は、どう教えられているか。
大辞泉では、「第二次大戦期、日本が海外侵略を正当化する標語として用いた」と書かれている。
GHQが当時の日本人に刷り込み、今も継続している一例であり、「日本は侵略戦争をした」として、それを疑うことがないように徹底したのである。
続いて「修身・日本歴史および地理の授業停止に関する件」という指令が出された。
「修身」とは今の「道徳」にあたり、「身を正しく修め、立派な行いをするように努める」が目的であったが、「教育勅語」を拠り所にしているという理由で停止させた。
また日本の歴史や地理は「日本神話」とのつながりがあるとして授業停止させたのである。
次が「当用漢字表の実施に関する件」と「現代仮名づかいの実施に関する件」という指令である。
漢字の制限と表音式仮名づかいを日本人に強制したものである。
占領軍にとって日本語を少しでも習得しやすいようにすると同時に、日本の言語文化における戦前と戦後を分断する狙いがあった。
この指令で、「日本語」という言葉によってつながれてきた戦前までの日本人と、戦後の日本人の精神的な連続性が断ち切られたのである。
人間は言葉でものを考えるので、言葉を変えられたと言うことは、思考そのものを変えられたのである。
このようにGHQは様々な指令を発して、日本人の思想信条やものの考え方をねじ曲げる政策を実施した。
米国の対日占領の目的は、 日本という国が二度と米国に歯向かうことがないように、日本人の精神を改造し、日本という国の徹底した弱体化をはかることにあった。
米国は日本人の強さの源泉を、祖国の歴史に対する誇りと肉親同胞や郷土に対する深い愛情の二つにあると分析した。
だから日本人を腰抜けにするには、その二つを徹底的に破壊することだと考えた。
前者に対して、今日「自虐史観」と呼ばれる歴史観の刷り込みを行い、そして後者に関しては「民主主義」と「個人の自由」の尊重を盾に「家制度」を排斥したのである。