上島嘉郎著「反日メディアの正体」より、印象に残ったところの紹介①

 


産経新聞社の月刊誌「正論」の編集長を長くやっていた著者が、常にある疑問を感じていた。


それは「日本のマスコミというのはなぜ、こんなにも偏向しているのだろうか」であった。

 

そして、その偏向の仕方は「反日」という言葉に要約できたという。

 

 

著者のいう反日とは、事実に基づかない、あるいは捏造や歪曲をもって日本人と日本の名誉をおとしめ、国益を損なう言動のことであった。


以前「アベ政治を許さない」と叫んでいた人たちの奥底には、当時の安倍政権そのものではなく、わが日本国に対する反日の視点が、憎しみや恨みといった感情すら伴って存在していたのではなかったかと思えたと言う。

 


この「反日」の源流は、いったいどこにあるのか。

 

すくなくともマスコミの世界においては、「大東亜戦争」の敗北に伴う、その後のGHQによる占領期間中の様々な政策に由来する。

 


その政策の一つに「日本の降伏後における米国の初期 対日占領方針」があった。

 

 

その究極の目的は、次の二項目である。


1 日本国が再び米国の脅威となり、または世界の平和および安全の脅威とならざることを確実にすること。


2 他国家の権利を尊重し、国際連合憲章の理想と原則に示されたる米国の目的を支持すべき、平和的かつ責任ある政府を究極において確立すること。

 

米国はかかる政府ができるかぎり、民主主義的自治の原則に合致することを希望するも、自由に表示せられたる国民の意思に支配せられざるいかなる政治形態をも、日本国に強要することは連合国の責任にあらず。

 

 


2項目めは、要するに「米国の目的を支持し、民主主義的自治の原則に合致するような政府が日本にできることを臨むが、それを日本国に強要することはしない」と言っている。

 


日本は敗戦を受け入れるに当たって「ポツダム宣言」を受諾した。

 

これはGHQ側が出してきた日本の「降伏条件」だったので、日本政府はその「降伏条件」を受け入れて降伏手続きに臨んだのである。

 

だから今日、日本人が信じ込まされている「日本は無条件降伏した」というのは、正しい認識とは言えない。

 


ポツダム宣言とは、ドイツのポツダムにおいて米国、英国、中華民国の三首脳の名で発せられた、日本に対する降伏勧告および戦後処理方針の宣言のことであり、日本軍国主義の除去、軍事占領、主権の制限、戦争犯罪人の処罰、再軍備禁止などについて規定している。

 


その中にGHQ側の条件として、日本国政府がただちに日本国軍隊の無条件降伏を宣言し、かつ右行動における同政府の誠意によって適正かつ十分な保障を提供することを同政府に対し要求するとある。

 

つまり、GHQ側が要求したのは「日本国軍隊」の無条件降伏であって、日本が無条件降伏した訳ではないことをしっかり認識する必要がある。