地盤改良のことを書くと段々と頭に血が上ってきて、また書きたくなった。
三日連続になりました(苦笑

住宅に24時間換気システム を法制化した時は相当頭にきたが、
昨秋より施行された住宅瑕疵担保履行法 にも怒りは納まらない。

この法律、住宅建設の際に地盤調査を義務付けているので、
調査会社に依頼することから工事が始まる。
依頼できる会社は数社あって選べるわけだが、
調査のみの会社と改良工事までする会社の二つに分かれる。
安い値段で請け負ってくれるところは工事もするところである。

この工事までするところに頼むと、
頼りない試験方法(スウェーデンサウンディングか表面波探査法)に
輪をかけて益々報告書の内容が頼りなく見えてくる。

地盤改良の必要ありと出れば、調査のみの会社に頼み直すか、
違う試験方法で調査してもらうことになる。
そして結果は改良の必要なしと出る場合が多いのだ。

なんかパソコンのウイルスとウイルス対策ソフト会社のような関係に似ていて、
ジッとしていても向こうから仕事が延々とやって来るシステムになっている。

24時間換気システムもそうだが、諸々の費用はすべて建て主の負担である。
建て主を守るという法律が建て主の不安を煽り苦しめていく。

無駄な法律ばかり、もうこれ以上作らないでくれ!


(S.Tomita)

昨日のボヤキの続きになるが、「平屋建てでも地盤改良の巻」です(笑

地盤調査法のスウェーデンサウンディング試験や表面波探査試験の信頼性が低い
といっても、結果が悪く出れば地盤改良しない訳には行きません。

現場は調査結果の考察と対処法に則って作業を進めることになりました。
幸いにも大掛かりな改良まではしなくてもよく、1トン振動ローラー8走行以上で転圧し、
基礎砕石の厚さを30cm(通常は15cm)にすれば良いとのことでした。

報告書通りの対処法で十分安心は買えるのですが、
そこは負けん気の強いA社長のこと、言われた通りでは満足しません(笑

現場は4トンの振動ローラー車がピストン走行し、
101029地盤改良・転圧


報告書にはなかった砕石交じりの山土が運び込まれていました。
101029地盤改良・山土


地盤転圧後、再度この山土を敷いて転圧するという念の入れようです。
柔らかい土質に砕石交じりの土は良く効いてくれます。
101029地盤改良・山土アップ


今回、自前の山から切り出して来てくれたのですが、
こうして惜しげもなく提供してくれることに感謝したいです。

負けん気が強くて頑固者、この性格焼かれるまで変わらんといて欲しい(笑


(S.Tomita)

昨秋より住宅瑕疵担保履行法 がスタートし、
住宅建設の際は地盤調査が必要になった。
そして結果が悪く出れば地盤改良ということになる。

これだけを聞くと建主のためのように思えるが、あながちそうとも言えない。

住宅の地盤調査はスウェーデンサウンディング試験(SS試験)か
表面波探査法による試験で行うのが一般的だが、
本格的なボーリングによる標準貫入試験と比べると至って簡便な方法なので、
信頼性は高いとはとても言い難い。
それでも結果は気になるもので、改良の必要ありと出れば無視することもできず、
想定外の出費で対応していかなければならないことになる。

いまの時代はどちらを向いても保険漬け。
火災保険だけだった住宅の保険も、いつの間にか地震保険とセットになり、
そしてまた、この瑕疵担保履行法によって住宅を取得する時は
瑕疵担保責任保険 にも入らなければならなくなった。

不安を煽られれば保険で安心を買いたくなるのが人の常だが、
保険金が払われる条件をよく読むと、よほどひどい工事でもしない限り、
下してもらえることはなさそうな内容になっている。

新しい法律を作り、新しい天下り機関を生み出す。
官僚と保険会社のための法律のように思えてくる。
保険に入るのは個人の意志に任せるのが本来の姿なのではないのか。

大手保険会社の保険金出し惜しみが話題になったことを思い出す。


(S.Tomita)

kamui兄貴とkimotyさんと呑むのはほぼ半年振り。
店の名は永遠味、「とわみ」と読みます。
初めてだったけど居心地が良くて、よく喋りました(苦笑

101023永遠味

青年座で人形遣いをやっているというママさん。
映像関係の仕事に就きたいと言っていた徳大生のnaoちゃん。
接点も多そうだし気に入りました。また行きたいな!

(S.Tomita)

土・日曜日の二日間、文化の森での建築家展に参加した。

第34回建築家展

「このコルゲートパイプの家(KimotyHouse )テレビで見たよ」と
二人の方が声を掛けてくれた。
家のカタチも住人 もまさにわが道を行く強烈な個性のかたまり。
一年近く前の放映 なのによく覚えてくれてました。

KimotyHouse

いまの家づくりは贅沢になりすぎて大切なものを見失うことが多い。
「家って何なの?」そんな原点を考えながら設計させてもらったのがこの家だった。
いつまでも初心を忘れないで設計し続けたいと改めて思う。

(S.Tomita)

新しい現場が始まる。
ひろ~い敷地に平屋建ての住まいは「北沖洲の家2」以来です。

101016-1

既存家屋の解体が終わり、昨日はきれいになった土地で地鎮祭。
庭に使われていた石だけが残った。
101016庭石

大好きな堀口大學の詩が浮かぶ。

石は黙ってものを言う。直にこころにものを言う。・・・・・

永遠にときをつないでくれる石。

この大きな敷石をどう使おうか、悩みでもあり楽しみでもある。

101016-2


(S.Tomita)

今日は何と言ってもこの話題に尽きますね。

「チリ鉱山落盤事故で閉じ込められていた33人全員無事救出」

世界中の人たちが自分の家族を想うのと同じ気持で、
現場からの情報に固唾を呑んで耳を傾けた69日間だった。
全員無事救出のニュースは本当に嬉しい知らせだった。

だが、事故原因の根源は経済最優先で安全は二の次という
現場のずさんな管理体制にある訳で、これを改めない限り悲劇はまた起こる。
このような落盤事故で毎年30人ほどの作業員が亡くなっているというから驚く。

話は変わるが、仕事柄どうしても救出用カプセル「フェニックス」に
目がいってしまうのだが、
筒は高さ4m、直径50cm余りの大きさで厚さ4mmの鉄板でできていて、
筒の上下には穴の中をスムーズに移動できるように車輪を備えていたり、
人の入るところは圧迫感を与えないように、
鉄板に細かい穴をあけたパンチング仕上げにしているなど、
安全面だけでなく乗り心地も結構良さそうだ。
また、酸素供給装置や通信機器の設備機器も備えており、
メタボの人にはちょっと窮屈かも知れないが、
動く一人住まいといった感がある。
101014鋼鉄製カプセル「フェニックス」

この大きさはドラム缶を四つ積み重ねたのとほぼ同じだ。
ガキの頃、横倒しにしたドラム缶を砦にして遊んだのを思い出す。
薄い鉄板でも波型にしたり筒状にするとグッと強度を増す訳で、
安全で最もシンプルなカタチを追求すれば、
このカプセルにたどり着くのはごく自然なことでもある。

でもいざ建築になるとそうは行かないもので、色んなアドリブが付いてくる。
邪心を捨てれば筒になる。長いこと設計してるけど、
それが出来たのはたった一回 KimotyHouse だけ(笑


(S.Tomita)
最後の見学地である小倉に入った。八幡と比べると随分と活気があった。


8.北九州市立中央図書館/磯崎新/1974

全国大会の会場が北九州国際会議場と西日本総合展示場だったから、
今回は磯崎ツアーと言ってもいいくらい沢山観ることができた。
でも磯崎新といえばやっぱりこれ、30年振りの視察である。
8北九州市立中央図書館-6

まずはなだらかな階段とやさしいヴォールト屋根が迎えてくれる。
最近、全面美装したのだろうか、
銅板屋根もコンクリート壁も妙に綺麗だったのが少し気になったけど、
Lの字型に囲まれた広場はとても落ち着く。
8北九州市立中央図書館-1

8北九州市立中央図書館-2

ヴォールトの折れ曲がりのところが二層吹抜けのエントランスホールになっている。
8北九州市立中央図書館-3

ここが一番の見せ場でダイナミックな架構全体が見渡せる。
8北九州市立中央図書館-5

8北九州市立中央図書館-4

築後36年も経つのに古さをまったく感じさせないのが印象的だった。


9.松本清張記念館/宮本忠長/1998

九州では珍しい宮本忠長建築だ。小倉城に隣接する地にあるためか、
地下を取り高さを極力抑えているのが好ましく思えた。
9松本清張記念館-1

ここで一番味わいたかったのは地下のサンクンガーデン。
城の既存の石垣を取り込んだ石の広場であるが、
残念ながら今は利用されていないようだった。
9松本清張記念館-2

城の石垣に呼応するように建物の壁にも石が使われている。
厚い石を使っているので石積みのようにも見えるが、
実際はその奥にはコンクリートの壁がある訳で、
本物の石垣と比べるとやはり力強さに欠けるのは否めない。
9松本清張記念館-3

「石は貼るものではなく積んでこそ良さを発揮するものだ。
貼るんだったら床ぐらいにしろ」と誰かが言っていたのを思い出した。

とは言うものの今の基準では純粋な石積みは到底できない。
ホンマモノの建築を求めるのは無理なことかも知れない。



帰路につくため城内を抜けようとお濠に架かる木橋に差し掛かったところで
異様な光景が飛び込んできた。商業施設のリバーウォークである。
10リバ-ウォーク北九州-1

中央図書館からも見えたが、復元した小倉城がただの紙切れのように映っていた。
景観を論ずる以前の問題で、ただただ唖然とするだけ。
10リバ-ウォーク北九州-2

お口直しに光圓寺での記念写真で締めくくります。
2光圓寺-2

九州の会員さんのもてなしは良かったし、屋台でラーメン食べれたし、
最高の北九州でした。 お・わ・り。


(S.Tomita)

本当に久し振りの北九州だっだ。一日掛けて貪欲に観てきた。


1.福岡銀行本店/黒川紀章/1975

本部機能は2年前に完成した新本店ビルに移したらしいが、
30年前に観た時と何も変わらず仁王立ちで出迎えてくれた。
1福岡銀行本店-1

巨大な吹抜け下のピロティは今も市民の憩いの場として活用されてます。
1福岡銀行本店-2

脇の道路側にもこんな溜まりの場があったんだ。
1福岡銀行本店-3


2.光圓寺・柿沼守利・1994

「北九州に来てよかった」 
今回のツアーはこの建物との出会いをなくしては語れない。

最上層の黒壁(アルミのスパンドレルだろうか?) 以外は、
コンクリート打ち放しの壁だけの構成なのに、何故か日本的な奥深さを感じさせる。

2光圓寺-4

2光圓寺-1

この打ち放しの壁だけで囲われた庭の何と豊潤なことか。
2光圓寺-3


3.アクロス福岡/エミリオ・アーバンス+日本設計/1995

環境建築のさきがけ的な存在の建築、ご覧の通りよく繁ってました。
3アクロス福岡-1

3アクロス福岡-2


4.八幡信用金庫本店/村野藤吾/1971

八幡駅近くに三つある村野作品の一つ。
4八幡信用金庫本店-1

正面両脇の明かり窓の取り方が特徴の建築です。
4八幡信用金庫本店-3

4八幡信用金庫本店-2


5.八幡市民会館/村野藤吾/1958

半世紀経った今もしっかりと使われてました。
5八幡市民会館-1

5八幡市民会館-2

5八幡市民会館-3

5八幡市民会館-4

5八幡市民会館-5


6.北九州市立八幡図書館/村野藤吾/1955

八幡市民会館よりまだ3年古いこの建築も現役で頑張ってました。
6八幡図書館-1


7.北九州市立美術館/磯崎新/1974

斜面にあるので外観が非常に撮りにくい。まずは模型で確認です。
「丘の上の双眼鏡」の異名を持つ突き出した二つの展示空間が何とも強烈です。
7北九州市立美術館-1

この立地のお陰で見晴らしは抜群、遠く玄界灘まで望める。
7北九州市立美術館-2

両側の展示室に挟まれたエントランスホールは3層の吹抜け、
半層づつスキップしながら上っていく。
7北九州市立美術館-3

上り切ったところにこの大きな鉄塊のオブジェがあり、
突き出した二つの展示空間もここで終わる。
7北九州市立美術館-4

アネックスを見る。深い軒が効いてます。
7北九州市立美術館-6

7北九州市立美術館-7

二つのシリンダーを主軸に明快な動線とシンメトリープラン。
冷たいはずの幾何学建築なのにそう感じなかったのは何故?
立つ場所、場所で変わる天井の高さが強く影響しているのかも知れない。
博多、八幡、戸畑と観て、次に目指すは小倉です。つづく!


(S.Tomita)