「中山の家」 上棟しました。
先週の金曜日、「中山の家」が上棟しました。
クレーンで道路の電線越しに梁を移動させながら作業します。
上棟というのは、木造の場合、屋根の一番高いところにある棟梁をくみ上げる意味で、道路にクレーンを設置して作業します。1階の柱を建てはじめた日、一日で一気に上棟させるので、職人さんたちにとっては大きな行事です。
この日は大工さん7-8名(中には土工事の親方や電気屋さんもまじっていたりしますが)とにかく、みんな総手で作業していました。
下で建て主さんや監督が見守る中、梁の上をひょいひょいと渡り歩きながら屋根をくみ上げる職人の様子は、まさに晴れ舞台のようです。
そして、下で見守りながらも、「家は人が作っているのね。」という実感がわく瞬間です。
木造住宅が大工さんからハウスメーカーに主の座を受け渡している昨今、盛大な上棟式をするケースはとんと減ってしまいました。でも、上棟式で幣束を祭って、みんなで工事の節目を祝うのは、「家をつくっている 人」と「建て主」をつなぐ、よい機会だと思います。
上棟の儀式で建て主のNさん一家が建物の四隅にお酒、塩、米をまいていきます。
職人さんのためのとお祝いの席を、建て主のNさんが準備してくださいました。どうもありがとうございました。
家は買うものでなく、人が協力して、皆でつくりあげていくもの。
ITやオートメーション化が進んでしまった現代でも、建築は人の手による「一品生産的な作業」が大部分を占めるきわめてアナログな業界です。それは、建築、毎回、その場所独特の固有の場所に建つからであり、「世界にただひとつの場所」をつくる仕事だからだと思います。とても幸せな仕事だなあ、とあらためて実感した一日でした。
「下落合の家」現場レポート 土間の配筋検査を行いました。
8/1に着工した「下落合の家」 は、渡辺富工務店という新宿の工務店が施工を行っています。
この場所は、土地も関東ローム層の安定した敷地で、工務店も信頼できると思うとつい現場に行く回数が減りがち。先日「根切底検査」を行ったと思ったら、もう地中梁コンクリートの配筋が終了しています。
根切底検査は、予想通りの十分なローム層が確認され、その深さまで砂利を転厚して土台を作ります。これは根切をした8/10の写真です。
茶色く見えるのが関東ローム層です。これが出れば十分な地耐力が期待できます。
今日は地中梁と土間の配筋検査を行いました。
工務店の下請けの職人さんたちは、仕事がとても丁寧で確実なのには驚かされます。工務店によって、職人さんの質も大きく違うことがあるのです。
この住宅は木造2階建てで、配筋は「布基礎」という地中梁方式の構造です。ぱっと見たところ「ベタ基礎」のように見えますが、梁が構造になっている場合は土間コンクリートがあっても「布基礎」になるそうです。
配筋検査では、梁の主筋の本数、定着長さ、周辺のかぶり厚さなどが図面通りできているか、チェックしていきます。
もち網のような鉄筋の上を歩くのは結構疲れるものです。
とはいえ、鉄筋職人さんは炎天下の下、何10kgもの鉄筋を肩にかついで作業します。
女には絶対できない職業ってあるものだなあ、と鉄筋職人さんを見るといつも思います。
ブルーノ・ムナーリ展に行ってきました。
先日の日曜日、友人と3人で横須賀美術館のブルーノ・ムナーリ展を見に行って来ました。
ムナーリさんといえば、絵本を思う人、プロダクトデザインの神様、みたいなイメージを持つ人、いろいろですが、とにかく偉大な芸術家であり、教育者であり、デザイナーであった人です。そんな彼の作品展を、あの「横須賀美術館」で開催しているとあっては、何を置いても行かねばならぬ・・・、ということで、予定を圧縮して時間を作り、海のそばの馬堀海岸からバスで3Kmという小旅行、勇んで出かけてきました。
ムナーリさんは、すばらしいデザイナーである、と同時に、子供の創造力を伸ばす教育に、深いコミットメントがあった人です。いわく「ある人がクリエイティブな人生を送ることができるかどうかは、その人の生得の能力によるものより、子供のころに触れたもの、経験することの量、遊びの質よって決まる。クリエイティビティーは人生でもっとも貴重な財産であ」、という信念のもと、たくさんの子供の遊びを考え出し、オモチャや絵本をつくった人です。その内容、文化的レベル、どれをとっても非凡さと斬新さにあふれています。
彼はデザイナーとしても、シンプルで、美しいものをたくさんつくりました。模倣が可能な簡単な構造、軽さや楽しさ、アイデアの秀逸さなど、デザイナー、アーティストどちらの能力にも深い尊敬を覚えますが、もっともすばらしいと思うのは、彼の中にあるユーモアと遊びのセンスです。
「役に立たない機械シリーズ」「手軽に持ち運びできる彫刻」「数字が動き回って時間がわからない時計」等・・・。見ていて噴き出してしまうお茶目なアイテムの数々。ムナーリさんの生きた時代は高度成長期真っ只中、経済性と効率を追求する「機械時代」の最盛期です。機械の持つ形態や機能は大好きなムナーリさんでしたが、一方で陥りがちな「効率追求の危険性」をごく早い時期に感じ取り、真剣にその常識を覆す、ユーモアあふれる作品を作り続けた、真の意味で芸術家であったということに、本当に深い尊敬を覚えます。
作品を見終わって、「子供と芸術家は社会の財産である」ということを、あらためて感じました。
横須賀美術館についても一言。建築家の山本理顕氏の作品ですが、やわらかい空間体験がきめ細かく表現されていて、これもまたすばらしかったです。
ガラスの箱の中に、鉄板の壁を作り、ランダムな穴をあけています。
グラフィックデザイナー廣村正彰氏のサインも随所でデザインスパイスになっています。
図書館のサイン(ガラスに印刷)
館内のイタリアンレストランもレベルが高く、美術鑑賞の後で海をながめながらゆっくりワインを飲みながら語り合うのはとても大切。
一日ゆっくり楽しめる美術館です。ぜひ友人、ご家族で行ってみてください。







