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「玉川学園の家」 現場レポート~外壁まわりの水仕舞


今日は、台風前の微妙な天気でしたが、玉川学園の家の現場に行ってきました。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 道路から見たところ。

外壁の断熱が終わり、防水紙の上に通気胴縁をつけたところです。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 外壁の防水紙と通気胴縁


このときの現場監理、外壁まわりのチェックは、実はとても大切な作業です。

というのは、この白い防水紙の内側に雨水が入ったら、壁の躯体である木材が腐ってしまうので、窓まわり、出隅、入隅、屋根との取り合いなど、防水紙が他の防水とどのようにからんでいるか、ひとつひとつ入念にチェックする必要があるのです。

 水というのは、思いがけない小さい隙間、防水の取り合いの部分から、毛細管現象というやっかいな性質で、するすると躯体に入ってくることができます。それを防ぐために、2重に水を止める納まりを考えるのが重要。万が一、最初のシールが切れても、内側でもう一度水を止める、2重防水が成り立っているかを考えて納めます。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 防水紙の端部、エッジの納まりが大切です。

 板金屋さんと大工さんと相談しながら、現場監督と、細かいディテールを確認して指示をしていく作業です。屋根の上で実物を見ながらスケッチを描いて考える作業なので、雨が降るとやっかいです。今日は雨が降らなくて、とてもラッキーでした。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 大工さんと板金屋さん、現場監督で皆で相談して決めます。

 室内は、サッシもついて、空間がだいぶわかるようになってきました。2階が浮いた箱の構成は、とてもユニークな印象を与えます。


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空を見上げたくなる、不思議な開放感のある家です。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 家の中を上昇していく床

 

と、内部の空間にひたっていたら、米軍の厚木基地の戦闘機の爆音に驚かされました。空いっぱいに溢れるような暴力的な騒音とはこういうものか、とあらためて感じました。今日は何かの訓練があったのか、何回も上空を横断していました。こんなに威圧的で、不快な音を日常生活に持ち込まれること、それが国家的に容認されているという事実に、急に怒りがこみ上げてきました。



建築家 田口知子の日常をつづったブログ 上空に、黒いセミのように見えるのが米軍機です。

用も無いのに、えらそうに飛ばないでほしいですよ!


スイス旅行記2011 その①~Valsの温泉施設

今年の夏休みに、友人と二人でスイスをめぐる旅をしました。ZurichからLuzern、そしてValsの温泉に泊まり、その後Bernに2泊。BernからBaselLausanneを日帰りで往復。「スイスパス」のおかげで(交通機関乗り放題)見たいものをちょっとづつたくさん見る、私のいつもの建築行脚もやりつつ、今回はゆっくりと街歩きも楽しみました。

 盛りだくさんで、写真の数が1300枚を超え、ブログをどう書けばよいか考えていました少しずつ小出しにしてぼちぼち書くことにしました。


 ということで、最初の回はVALSの温泉です。


 VALSはスイス中部にある小さな田舎街です。


鉄道を乗り継ぎ、さらにバスで山の中にわけ入った果てにある、小さな小さな街で、日本の温泉保養地のような場所です。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 山間部を赤い列車が走ります。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 鉄道から見える風景はこんな感じ。

そこに現代の建築家Peter Zumthor氏が設計した温泉ホテルTherme Valsがあります。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ Therme Valsの目前はこんな場所です。牧草地に納屋が点在する風景が絵本の世界のようです。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ こちらがZumthor氏の温泉施設。山の影になって暗いですが。


地元産の石を密実に積み上げた壁面は、重厚さとモダンが調和したとても美しい存在感を放ち、環境に自然に溶けていくような、うっとりするような建築です。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 外壁と窓のアップ。

 こちらは温泉といっても水着を着て入るもので、大人がやっと足が立つくらいの深さ。

温水プールのような感じです。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 屋外の風呂。


周辺の豊かな自然を楽しめる露天風呂や、テーマ別に花びらの風呂や洞窟風呂、音を聞く風呂、灼熱風呂(と言っても42度くらい。日本人にはここが中度良い温度。ほかの風呂は33度くらい。外に出たら寒くて風邪をひかと思いました。)など、いろいろな風呂があります。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ こんなふうに建物は半分地下に埋まっています。


中は撮影禁止なのですが、ちょこっとだけ隠し撮り。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 幻想的なトップライトと水中照明が美しい。

 トップライトが繊細にデザインされ、水面下の照明とあいまって幻想的なシーンをつくっています。ほの暗い空間の中に、水面が浮かび上がる様は、人の意識を開放しつつ、新しい空間体験へといざないます。

 自然の美しさと現代の名建築を同時に堪能できる、とても素敵な場所です。


 ここで偶然、日本の知人の建築家にお会いし、夕食をご一緒することに。やはり建築の世界は狭です・・。

「玉川学園の家」現場レポート~上棟しました!


先週、「玉川学園の家 」現場に行ってきました。


ついに上棟して、全体の大きさが出現。Yさんご家族にも確認していただきました。


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この家は、木造2階建てですが、2階は4つの箱に分かれていて、相互の隙間が抜けている、ユニークな構成です。

建坪は小さいのですが、縦の方向にスキップして上がる床と、視線が抜けるのびやかな空間性が、想像以上に広がりを感じさせてくれます。

 
建築家 田口知子の日常をつづったブログ  2階の床は真ん中に吹き抜けをもって、4つの箱が浮かんでいます。




建築家 田口知子の日常をつづったブログ ダイニングから見た2階の床

 構造的には、2階のボックスを屋根の梁から吊っているのですが、その部分には鉄骨おH型鋼を使って、長期的にも耐久性があり引張り力に強い構造になっています。

 
建築家 田口知子の日常をつづったブログ 屋根の真ん中にH型鋼が入っています。


 明快な構造と空間性を持つ建築というのは、上棟したときにインパクトがあって、清々しし気持ちになります。


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延べ面積は85㎡(25坪)の小さい家ですが、Sさんご一家も「思ったより広いですねえ」と大喜びしてくださいました。


これからがますます楽しみな現場です。