建築家 田口知子の日常をつづったブログ -49ページ目

雪谷大塚の集合住宅~全住戸契約が決まりました。

今年の1月に組合設立したコーポラティブハウス「雪谷大塚の集合住宅 」は、6戸すべての住戸の契約が決まり、内部の間取り、インテリアの設計(インフィル設計)を進めています。

 

 住戸内部の間取りは、今回最初の募集案の中に具体的に盛り込んでいたせいで、比較的すんなりとプランがまとまりそうで、ちょっと一安心。自分の建築は、インフィルの間取りがほとんど一意に決まってしまうスケルトンであることが、良かったのか、微妙に気になるところですが・・。(笑)おかげで設計は短時間で進み、打ち合わせもスムースです。

 どのご家族も明るく仲の良いご夫婦で、打ち合わせをしていると、生活への愛着が伝わってきて幸せな気持ちになります。そして、みなさん、よく勉強しておられるし、欲しいものがはっきりしておられることにも感心しきり。

希望の間取りやキッチンなどのスケッチも、自らのノートに整理されてスケッチをためていたり、雑誌の切り抜きをスクラップされていたり、とそれぞれの好みをわかりやすく伝えようと努力してくださっているのでこちらもイメージが膨らみます。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ-Bタイプのインフィル模型 インフィル模型は1/30で制作中。


 住まいというのは、小さなこだわりが、最終的に大きな違いを作ることもあり、ご自身のこだわりがどこにあるのか、早いうちに発見するのは大切なことです。インフィル設計者は、住まい手の小さなこだわりや、かすかな期待も聞き取って、設計をまとめる際のデザインに変換する作業は、奥深く、喜びのある仕事です。

 

幸福をつくるものは何か?を考える

 最近、環境ジャーナリストの枝廣淳子さん主催の「幸せ経済研究会」に参加している。毎月枝廣氏が提示する課題図書を読んで、会のメンバーで議論することで理解を深めよう、という研究会です。自分ではなかなか読む機会の無い本も、皆で読むのであればがんばって読んでしまう。そして言葉に出すことでそのことについて考える深さが変わる。


研究会では、「人の幸せ」と経済の関係について考えるものが中心で、そのことは自分が仕事がコミットしているテーマと共通しているので大変興味深い。建築をつくるということは、人の幸せを実現する環境を考え、それを作り上げる努力の積み重ねだからだ。


 資本主義社会の中で、モノや金を所有することが目的、国としてGDPを上げ続けることが社会の目標とされて久しい現代において、人が真に求めているものは実はモノでも金でもなく「幸福」であるということは、直感的に理解できる。経済力はそのための手段であるが、目的ではない。ある一定レベル以上のお金は、人の幸福度を比例的に上昇させるものではない、というパラドックスが存在する。一人当たり所得が1万5000ドルあたりまでは経済力と生活満足度が比例するけれど、それ以上の経済力を持ったとき、それに比例して人が幸せ必ずしも高まらず、ばらばらな結果が生まれるらしい。


 「幸福度を測る経済学」ブルーノ・S・フライ の一節によると、「幸福とは長期的に持続する「よき生活」における副産物である。」という言葉が印象に残る。よき生活とは、衣食住が満たされ、家族や地域社会での信頼や愛情を得て、自分がそこに貢献できる役割を持っている状態、という感じだろうか?「よき生活」が人に与えるものは、現在多くの人が考えるよりも、はるかに重いのではないか?ということを感じた。よき生活を持続させるために必要なもの以上の欲望を満たすさまざまな名誉、財力、権力などは、本当には人を幸せにしない、ということ。無限に加速する欲望を満たす消費活動も、過剰な競争にさらされる生活も、人を幸せにはしない。「よく生活」とは、個人が選択し、構築することのできる自由度を持った生き方の問題であると思う。

 ということは、幸福とは少数の勝者が得るような希少なものではなく、すべての人に同等に与えられる機会であるということも、重要な発見だった。

 

多くの人がよき生活を構築する、ということは、簡単ではないが、不可能な課題ではないと思う。そこに希望の種を感じとることができないだろうか?


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戸塚の2世帯住宅 竣工写真アップしました。

戸塚の2世帯住宅リノベーション工事、今回は自分で写真を撮ったので、少しピンボケですが(・・。)ゞ・・、竣工写真をホームページにアップ しました。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 玄関のそばにアトリエをつくり、階段室とつないでいます。


 

1階をスケルトンリフォームし、お嬢さんの世帯の住宅をつくることで、2階のLDKとともに、浴室、玄関、階段を兼用した2世帯住宅にリノベーションしました。


 1階はどうしても日当たりが悪く、暗い印象だったので、間仕切りを撤去して、ブレースを表し、光と風が通るインテリアにすることで、がらっと印象が変わり、明るくなりました。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 1階に新しくつくったダイニングリビング。ブレースはもとの構造体を表しています。

 2階のご両親の世帯はキッチンと浴室のみ全面リフォーム。こちらも明るい印象になりました。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 2階のご両親のLDK。キッチンを交換して、壁を珪藻土に。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 洗面とトイレを一室にして、浴室も交換しました。


 1階全面に敷設した蓄熱式床暖房のおかげで、冬の極寒日でも、家の中全体が20度くらいを保っていて、住まわれて2週間後にお伺いしたところ、思った以上の温かさでひと安心。断熱工事を全外壁面に行ったことで、家全体が快適になりました。


 いくつかダメ工事は残っていますが、工務店さんには最後まできちんと仕上げてもらって、すっきり完成させたいと思います。