玉川学園の家 一年点検を行いました。20140428
一年の間に植物が元気に育ち、隣の家の新築工事が始まっていました。
玄関前の植栽は、北側でも十分に元気に育つことがわかりました。少し植えすぎたかしら?
壁の塗装やシールなど、一部に補修が必要な個所があったりしましたが、おおむね問題無く、満足して住まわれていることがわかり、ほっとしました。
新築の隣家によって、西側吹き抜けの窓のモミジの借景が失われてしまったことが残念です(笑)。
が、家の中の多方向につながる吹き抜けが、光と風を満たして、明るさや日当たりには影響はないようです。
「昨日お風呂から、くっきり大きな満月が見えたので、感動しました」と奥様。
仕切りの無い浴室と洗面・家事室は、湿気が無く、からっとしていました。ほっと一安心。
「東側のダイニングの窓にはいつもS君の作品を飾っているのですが、隣の方が楽しみに見てくれるんですよ。」とか、生活を大切にされているYさんご夫婦のやさしい人柄に感動しつつ、お茶をいただいたりして、うれしいひとときでした。
ダイニングの高窓は、東側隣家の植栽が借景になっています。窓台にはS君の作品とともに、私たちが作った家の小さな模型も飾ってくださっていてうれしい限りです。
「経済成長神話の終わり」を読む~日本の未来に希望はあるか?
今週、枝廣淳子さんの定例会に参加して、著者のアンドリュー・サター氏を招いて「経済成長神話の終わり」の読書会に参加しました。
経済成長とは、一体何か?GDPの上昇が本当に意味するものは?それは本当に国民の生活を豊かにするのか?今の社会であたりまえに信奉される、「経済成長」も「GDPの上昇 」も、実態として現実の生活にはほとんど影響を与えないのに、いつまでも国の目標として掲げられている、この不思議な新古典主義経済のシステムとは?
資産家、株主、経営者だけが利益を得られる、生産性の向上や、経済成長に、何の意味があるのか?と考えさせられます。
経済において、「交換価値」と「使用価値」という区別があることもあらためて発見しました。環境問題や格差、社会的な人のつながりの希薄化。すべては、「交換価値」だけが独り歩きして、実態としての「使用価値」は存在しないで、数字としての価値だけで膨張し続ける貨幣経済のシステム。
現在の貨幣システムの欠陥が、現代社会を荒廃させる根源になっているということを、わかりやすく説明されて、目からうろこが落ちる本です。
消費者と呼ばれ、「個人」に分割されてしまった私たちは、お客様にはなれても自分の欲しい生活を作り出す自立した市民として行動する力は、弱体化しているかもしれないということに、気づかされます。
幸せとは、個人の問題であるようでいて、実は集団としての社会的目標のはずです。私たちは、自分ひとりだけで幸せになることはできない、と言ったのはアリストテレスです。
「幸福とは自分以外の人の全体の幸福によって保障され、体験されるものである。」
主観的な幸福感とは別に「公のハピネス」ともいうべき価値観を持つことが、社会、政治の運営上とても大切だし、経済はそのために機能する仕組みを持たなければならないということ。
同時に、サター氏によると、日本人は、生の魚や肉を食べる国民として、相互信頼や助け合い精神の高さは、世界に類を見ない、とおしゃっていて、意外な気もしました。私たちがあたりまえだと思っていることも、これからの時代の希望のさきがけとして、希望的事象かもしれません。
日本人が、何を考え社会を構築していくか、具体的な示唆に富んだとても貴重な一冊だと思いました。おすすめです。
木造5階建て「下馬の集合住宅」上棟見学会に行ってきました。
先日曜日の午後、小杉さん、内海さんの建築ユニットKUSの下馬の集合住宅の見学会に行ってきました。
設計期間は、 なんと2004年からで、かれこれ10年月日が経っています。大学自体の研究室の後輩でもある小杉氏がこのプロジェクトについて、OB会でお話しされていたのを聞いたのは5年くらい前だったかしら?いつ建つのですか?と時々経過報告を伺いつつ、いまかいまかと楽しみにしていました。
ついに、建築工事が始まって、上棟、ということで、私も他人事ではなく、うれしくなって、勇んで見学会に参加させてもらいました。ここまで時間がかかったのは、なんといっても、都心で木造5階建て、集合住宅という特殊な要件によるもの。2階から5階までの住空間を木造とし、主要構造部の柱、床、屋根に一時間耐火を取得するため、新たに国土交通省の大臣認定を取得という、壮大な耐火木造の実現実験でもあったからです。
そして、内部空間は、まだ床や屋根の木造が被覆されていない状態で見られました。これが床の断面ね、と素朴に感動します。柱と床の受け材には既製品の金物を使っているそうですが、スマートです。
床や柱はこれから耐火被覆の石膏ボードが貼られてしまいます。
見えるのは、横力を受けるラチス状のブレース。
水平力を伝える随所には、鉄骨の約物を使っていて、スリムに納まっていますが、大変な高技術、高コストの工事であると感じます。(笑)
なぜ、ここまでして木造?という疑問はもっともですが、海外では木造耐火建築はかなり普及しつつあります。
RCや鉄骨より比重か軽く人の手による工事が可能、木密地でも耐火建築が建設可能、環境負荷(LCCO2)が少ないなど、いろいろな意義があります。
個人の設計事務所で、ここまで新しい試みを実現したということ、長年の努力と情熱に、あらためて感動と尊敬を覚えます。
本当に、おめでとうございます。
完成を楽しみにしています。






