建築家 田口知子の日常をつづったブログ -45ページ目

「浴槽が沈んできた」事件

1年半前に竣工した「玉川学園の家」、 4月に1年点検を行ったのですが、そのとき発覚した浴槽の沈み。今月、その手直し工事に入ることになりました。



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足元で何かが起きたのか、はたまた構造躯体が沈んできているのか?木造なのに、浴室を2階に設置して空中に浮かんでいる、なんとも美しい構造。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ ダイニング上部の浴室。


無理がたたって、躯体にゆがみがでてきたのか?と一瞬かなり深刻な気持ちになりました。そして、8月初旬、工務店さんが、浴槽エプロン解体して、中を観察しました。



建築家 田口知子の日常をつづったブログ 浴槽はCERAのMONDANE。

 中をあけてみると、躯体も防水も特に問題はなく、設置したCERAの浴槽の足がずいぶん華奢であることを発見。8mmくらいのボルトで4点をサポートしているだけで、そのひとつの金物がわずかに傾いていました。



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アクリル浴槽は、いものホーローに比べるとずいぶん軽くなったものの、人が入って100Lの湯をためれば、150KGを超える重量がかかります。デザイナーは、目に見えないこういうところを、ちゃんと考慮して設計すべきもの。あまりにたよりない金物でびっくりです。


仕方がないので、ブロックをサポートにしなおし、再設置することに・・。在来浴槽の場合、一度設置すると中を見るのはとても大変。


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このようなやり直し工事は、工務店もお客様も大変な負担です。でも、竣工後のこのような工事もきちんとやってくれる本間建設さんを、あらためて感謝です。

 

雪谷大塚の集合住宅 第5回総会~施工会社のプレゼンテーション

本日は、「雪谷大塚の集合住宅」コーポラティブハウスの組合総会が開催されました。

3社に実施図面を提出し、先週3社の見積もりが出てきました。消費税増税のひっ迫状況で工事費の上昇が懸念されましたが、意外にも射程内の価格で出てきて、本当にほっとしました。


その結果とともに、施工会社の会社としての意気込みや会社PRのプレゼンテーションを聞く、という機会です。 


本当に今回の組合員の皆様、強運な方が多いのかもしれません。今回の見積もりをいただいた施工会社は、健全な良い施工会社で、出てきた価格も妥当である、ということは、とても幸せなことだと思います。

後ろで施工会社のプレゼンをお聞きしていて、とても印象に残る会社がありました。地方の本社からわざわざ出てきた社長様の謹直さと誠実さ、モノづくりに対する実直な姿勢は、私も含め、組合員の皆様も多く心を動かされていたようでした。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 組合の総会風景


しかし、施工会社の選定というのは、見積価格のほうが一歩先に出てきてしまうのが現実のようです。


今回の施工会社の選定は、組合員の皆様の投票で決まります。

どの会社が選ばれるかはまだわかりませんが、良い選択肢に恵まれているので安心して見守っています。



LIVES 8月号に「3世帯8人家族の家」が掲載されました。

713日発売のLIVESに、昨年竣工した3世帯8人家族の家」 が掲載されました。


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「子供と暮らす家」という特集テーマで取り上げられています。この家の作品紹介の後に、「子供と暮らす家のQ&A」という4ページのインタビューも載せていただきました。過去の家づくりで考えてきたアイデアをいろいろしゃべっています。



御両親と姉妹の各世帯が3世帯それぞれ生活空間を持ち、子供書斎と階段、玄関、シャワー、浴室を真ん中の共用部に配置して、3家族のつながりと適度な距離感、プライバシーを両立させた住宅です。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 家の前で記念撮影。玄関は120cmの大型引き戸。ガラス梁の向こうは共用の階段室です。




竣工後一年たって取材に同行して、ご家族が本当に楽しそうに、非日常的な遊びごころを満載して暮らしておられる様子をみて、「ああ、こういう暮らしが、子育てする家族や、老夫婦の理想の生活スタイルなのだなあ・・。」と実感しました。

 というのも、姉妹のお子さんはそれぞれ男の子と女の子で仲良しです。二人とも小学生ですが、家に帰ってくると大人がだれか待っていてくれておやつやごはんを用意してくれる安心感。3つの家をぐるぐる回る子供はのびやかで幸せな笑顔をふりまいています。

建築家 田口知子の日常をつづったブログ  共用部にある子供書斎で、2世帯の子供が一緒に勉強します。窓の向こうはお姉さんの世帯のキッチンです。


 姉妹のご家族は、2世帯の間にあるテラスで毎週「外ごはん」を楽しんでおられるそう。パンケーキを一緒に食べたり、バーベキューやベーコンづくりなど、非日常なアウトドアライフを日常化してしまっているのが素敵です。

 お姉さんが明るく、クリエイティブにリーダーシップが発揮する人柄で、家族皆の信頼関係があることが、このような生活が成立するポイントだなあ、とも感じました。家というのは、やはり「人」がつくるもの。器(建築)のできることは限られています。

とはいえ3世帯で住む、というと大きな家に見えますが、延床面積178㎡です。プライベートと共用ゾーンを組み合わせて暮らせるので、プライベートな部分はそれぞれ45㎡程度でも、のびのび暮らせる家作りを低予算で実現することができるが可能になりました。そこは、建築家としての「技」です。


建築家 田口知子の日常をつづったブログ 妹さんの生活空間。キッチンとリビング、寝室と子供部屋を立体的に重ねて視線の抜けをデザインしています。



建築家 田口知子の日常をつづったブログ お姉さんの世帯のリビング。奥には2世帯共用のバルコニーがあります。



取材を通して、集まって住むということの魅力と可能性をあらためて再発見した一日でした。こんな素敵なご家族にめぐりあい、設計に携わることができたのは幸せなことでした。Yさん、Mさん、取材協力ありがとうございました。

 


photo by:中村晃