建築家 田口知子の日常をつづったブログ -101ページ目
2009-07-09 13:15:17

うしろ向きに一緒にいる

テーマ:

うちの猫は、一頭飼いのせいか、私の動きを見るともなく見ていて、ちょっと部屋を移動すると、すかさずとことこついてくる。

お風呂に入ると、おもむろに後から入ってきて浴槽の脇に座ってぺちゃぺちゃとお湯を飲んですましている。トイレに入ると(洋風なのだが)足元に座ってじっと顔をみている。

 食事をしていると、隣の椅子に、後ろ向きに、つまり私にお尻を向けて座る。なんとなく気ままに尻尾をふったりして、うーん、この後ろ向きの座っていつつ、一緒にいるな、と感じる感覚がたまらなくかわいらしい。




SPACE CREATOR日記-後ろ向きに一緒にいる猫 隣の席に座る猫。ちょっとカメラを意識してしまった。

 「一緒にいる」技というのは、実は人間同士ではけっこう難しいと思う。誰かと話をしている最中でも、何か別のことを頭のなかで考えていたり、なんだかんだと批評したりしていると、その人とは一緒にいない、と感じる。本当に一緒にいる瞬間というのは、人間関係においてとても幸せな感覚を与えてくれる。なかなか意識しても難しいものだと思うけれど、できうれば、「ただ、その人と一緒にいる。」ことができる人でありたい。人の場合は、後ろ向きではちょっと伝わりにくいでしょうけど・・。



SPACE CREATOR日記-ねむり猫 私の席が席を立つとすかさず占領。あっというまに熟睡。

2009-07-03 23:00:43

阿佐ヶ谷団地に思うこと

テーマ:建築コラム

毎週金曜日は、千葉県野田市にある東京理科大の建築学科で3年生の設計課題を教えている。

今回の課題は、「阿佐ヶ谷団地の再生」だ。阿佐ヶ谷団地 は、1958年に住宅公団によって建てられた大規模団地だが、今は老朽化が進み、再開発の話が具体的に進んで、6階建ての集合住宅に建て替えられようとしている。

 そんな阿佐ヶ谷団地の調査をしてみた。本当に老朽化が激しく建替えもやむなし、というところだが、この時代特有の広い空地や植栽、児童公園など、公共のスペースを豊かに持っていて、今でも子供達が集まって遊んでいる風景になつかしい記憶がよみがえった。


SPACE CREATOR日記-阿佐ヶ谷団地 SPACE CREATOR日記

 自分も子供時代、こんな団地で育った一人だ。団地のまわりはクローバー畑や樹木が豊かで、木登りをしたり虫取りをしたり、あるときは階段を高くから飛び降りる競争がはやって、コンクリートの角で床で頭を打って後頭部がぱっこり割れた、というワイルドな記憶もよみがえる。野放しで、がさごそと怪しげな遊びを考えて近所の子たちと遊んでいたが、隣の家も下の家も、バリアフリーで、あがりこんではよく一緒におやつをご馳走になった。子供の頃の、自分が属する世界が家の外側にも広がっている安心感は、ほんのりと幸せな記憶だ。そういうのがコミュニティーの意識というものか。

 ものが乏しい時代は、お互いに物を分け合うのも、助け合うのもごく自然におこる意識で、ごく自然にコミュニティーが熟成されるのかもしれない。

 何でも買えるし持っている、今の豊かな社会でコミュニティーをつくることは可能なのか?

 豊かな時代の今の学生達が、「どうやったらコミュニティーをつくれるのか」について、必死に思索を巡らせる姿を見るのは楽しい。

 建築は、単にかっこいい器をつくればよい、という時代ではない。人と人がつながるきっかけをつくる建築、すれちがいざまに挨拶をしたくなる建築、というのは、建築の仕掛けで可能なのか?

人に影響を与える建築をつくることの難しさと楽しさに格闘しよう!みんながんばれ~!!


SPACE CREATOR日記 SPACE CREATOR日記 理科大建築学科3年

中川さんと常田君、津川君の作品

SPACE CREATOR日記 SPACE CREATOR日記 SPACE CREATOR日記
頭をかかえるのは、おなじく3年成田君と対照的にクールな寺門君。






2009-06-28 13:48:06

現場ワンダーランド

テーマ:建築のしごと

昨日は、先週上棟した「千駄木の家」 の現場に、建て主のKさんご一家が来てくださいました。小学生のお子さんのS君も一緒です。

SPACE CREATOR日記

大工さんや職人さんが、暑さいなか熱心に働いている様子を、お客さんが見に来てもらうことは、とてもよいことだと思います。

 でも、職人さんにとってらくらくと上れる足場でも、お客様にとってはちょっとした冒険です。「え?こんなところを上るのですか?」というようなラフな足場にびっくり。

長年、自分も現場をやってきたのである程度の危険な足場には慣れていますが、今回はさすがに降参しました。
SPACE CREATOR日記 SPACE CREATOR日記 見下ろしたところ


 読書好きで物静かなS君。こんなふらふらしたハシゴを上るのは初めてだったみたいです。 家族みんなの声援のなか「ひょえー、怖い!」

SPACE CREATOR日記 ハシゴをのぼるS君。ちょっと腰が引けています。

ロッククライミングをやっているような盛り上がりでした。皆さん、どうもご苦労様でした。

今度はもう少し上りやすい足場をお願いしておこうと思います。


SPACE CREATOR日記 3階のテラスからの眺め

 

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