私の家内の車を買うため、先週の土曜日、カーディラ―を回りました。
今の家内の車は、息子のお古、しかも四駆のジープタイプで燃費が悪く、
今年車検も来ることからいい加減に買い替えようとなりました。
今乗っている車の反省もあり、買い替える車の選択のポイントは燃費、さ
らに家内の車の活用は街中が主なので、小回りのきく手軽な車がいいとい
うことで、チョイスしたのが、トヨタのアクア、ホンダのフィット、いず
れもハイブリッドの2車種となりました。
まず、ネッツトヨタに行きました。
応対してくれたのは私とたいして変わらないような年配の男性営業マン。
私個人としてはあちらの若くて可愛い女性営業マンに応対して欲しかった
のですが仕方ありません。
早速、訪問の趣旨をお伝えし、アクアの見積をお願いしました。
すると返ってきた答えは私達夫婦には意外なものでした。
「奥様の月間ガソリンは1万円くらいですね。仮にハイブリッド車で5千
円節約できたとしても年間6万円前後の削減です。ハイブリッド車はどう
しても同タイプの車より60万円前後は高くなるので10年ぐらい乗って
ようやく元が取れる計算になります。お客様の場合ですと、ハイブリッド
ではありませんが、同タイプのビッツも選択肢になるかもしれませんね」
なるほど、頭から燃費=ハイブリッドと思っていましたがそんな考え方も
あるかと納得しました。
横で家内も「知ってる人がアクアを買って、ナビやら何やら付けたら30
0万円ぐらいになって、誰もこの車、300万円もすると見てくれないと
ぼやいていたわ」
なるほど、ハイブリッドは地球には優しいかもしれないけど、家計には厳
しいか・・
そんな目線でアクアとビッツを見比べてみると、大きさはアクアが5セン
チほど長いのですが、車高がかなり低いため、むしろビッツの方が大きく
見えるし、車内も広く感じます。
車のデザインは私も家内もビッツの方がいいと一致、これで一転してアク
アからビッツに変更です。
車種が決まって次にグレード。
「1000CC、1300CC、1500CCの3タイプがありますが、どうされます
か?燃費重視ですと1500CCはないと思います。奥様の乗り方なら1000で
もいいのではないでしょうか」
これまた商売っ気抜きの適切なアドバイス。
でも家内の前でちょっと見栄が出て思わず「1300で」
営業マンにうまく乗せられたような気がしないでもないけど、なかなか誠
実な対応に夫婦共に納得でネッツさんを後にします。
次はホンダです。
すでにハイブリッドタイプは消えているのでフィットの通常車との見合い
ということになります。
出てきた営業マンはこちらは若い男性です。
フィットの見積が欲しいと伝えると、いきなり「メーカー系でお買い求め
ですか、それとも他でお買い求めですか」と聞かれます。
家内は言っている意味がわからずきょとんとしています。
私もえっと思いましたが「買う時はこちらのディラ―さんで買うつもりです」
と家内に替わって答えました。
ひょっとしてこの人、ひやかしの来客と見たのだろうか・・
そこでビッツとの見合いと伝えると、家内の車の活用度や月のガソリン代金
、何故ハイブリッドでなくガソリン車なのか等々は何も聞かず、その営業マ
ンは買う気満々の客と見て、いくつかフィットの利点を上げ始めました。
横滑り防止機能、フロントガラスのUVカットと熱線防止機能、サイドミ
ラーの凍結防止機能、トランクスペースの広さなどが主な点です。
実は乗り換えに際して家内の不安は雪道対策でした。
なんせ今の車が四駆でまったく雪道に不安がなく、かつトランクも広くゴ
ミ等も乗せやすくその2点では満足していました。
乗り換えるに際してこの点が彼女の懸念材料だったのです。
「フィットって、雪国向きの車なのね。日焼けや暑さを心配しなくてもい
いのも魅力あるわ。道理で良く見かけるはず」
「でしょ。スーパーの駐車場で一番多いのがフィットです。奥さん達の支
持を受けている証拠です」
そんなやり取りを横で見ていて、家内はどうやらフィットに心を動かされ
ているなぁと感じました。
最後に見積の提示となったわけですが、気になったのがなんとかパックと
称して8万円近いサービス料金がオンされている点です。
「これなに?」
「半年1回の無料点検、エンジンオイルの交換、さらに車検のお得割引代
が組み合わされたサービスで非常に割安で設定されています」
「それって車検もここでしてもらわないといけないわけでしょ。エンジン
オイルも家内の車の使い方だと毎回交換する必要もないし、知っているス
タンドで安くしてもらえるところがあるので抜いてください」
これに対して営業マンはなかなか引き下がらず、最後にようやく渋々、こ
のパック料金を抜いた見積提示となりました。
こちらとしてはトヨタと同じ条件で見比べたいだけで、それだけホンダの
料金が下がることになるのでむしろホンダに良かれという気持ちなのです
が営業マンのしつこい売り込みにちょっと引けました。
結局、トヨタもホンダも料金的にはどっこいどっこいで、後は翌日の日曜
日に今の車を両ディラーに持込み、下取り査定を受けてから最終判断しよ
うと相成りました。
翌日私はゴルフが入っていたので、家内が乗る車ですから最後は自分で決
めればいいよと言ってゴルフにでかけました。
ゴルフが終わって早速、家に着くなり「どっちにしたんや」
「ビッツにした」
「えっつ、なんで。下取り価格が違ったの?」
「う~ん、どちらも似たようなもの」
「だったらなんで・・」
「だって行ったらまたホンダはなんとかパックがお得だから入れ、入れと
うるさいし、トヨタはそんなことは何も言わんと下取りの評価やらちゃん
と説明してくれた。仮にホンダにしてもあの人から買いたくない」
私もその気持ち、なんかわかる気がしました。
翌日の月曜日、私が帰宅するとちょうど家内から嫌われてしまったホンダ
の営業マンが家の前にいます。
「あっ、どうもご苦労様」
「その後どうでしようか」
「ごめん、ビッツにすると言ってたよ」
がっくりと肩を落としてホンダの若い営業マンは帰って行きました。
月曜日は通常、カーデイラ―は休みです。
おそらく彼は休みにも関わらず夜の営業に出てきたのでしょう。
トヨタの営業マンは結局、我が家には来ませんでした。
でも決まったのはトヨタです。
熱意ではきっとホンダの営業マンも負けていなかったと思います。
むしろ上回っていたと思います。
能力というか、商品知識も負けていなかったと思います。
でもお客様視点というか、お客様の立場に立って考えるという点が欠けて
いたように思えます。
つまり考え方に問題があり、売る側の都合が優先されていたと思います。
稲盛さんの仕事の成果の方程式ですね。
さらにお客の反応に目が行っていない。
家内なんて私から見ても非常にわかりやすい反応をしているのですから、
プッシュのタイミング、逆に引くタイミングがわかるはずです。
ホンダの若い営業マンは売り込む言葉の選択に気が行っており、客の反応
に合わせたセルストークが出来ていない。
有意注意ができていない。
これが出来ていれば間違いなく家内はホンダで決めていたでしょう。
「営業マンは物やサービスを売るのではない。自分を売っているのだ」
昔から良く言われる営業心得を思わず思い出しました。