新入社員の季節になりました。

当社にも来週から2人、入社されます。

新入社員、中堅、ベテランと社歴に応じて会社の中ではいろんな立場の社員が存在するわけですが、社歴だけではなく、もう一つの区分があると私は思っています。

それは決められた仕事をこなすことが自分の仕事と思っている人と採算意識を持って、自分がどれだけ利益で組織に貢献したかと常に考えている人です。

前者はどれだけ社歴が長くなろうともプロとは言えません。

プロと言えるのは私は後者だけだと思います。

どんなに立派な仕事をしたとしても、まっかっかの赤字計上ではそれは仕事と言えません。

稲盛さんがコストを下げることこそ技術屋の役割と言いきっているように、利益を出してこそ企業で、その結果、社員の人件費もまかなわれるわけですから、常に採算意識を持って仕事を遂行している人こそプロなのです。

それは技術者に限らず、営業も、さらに間接セクションの総務等の人達もまったく一緒です。

営業は常に採算が取れる受注を目指すべきですし、総務は経費を如何に下げれるか、あるいは作業に無駄がないかと常に意識すべきです。

無駄な作業等による時間のロス、発注ミスによる仕入れコストのアップ、売上回収漏れ等の損出等々、会社に与える損出のパターンは色々ですが、それを自分の財布と同じ感覚で「とんでもない損出をした。実にもったいないことをした。みんなに大変な迷惑をかけた」というように思えるかどうかです。

当社の客先のF社は一番、価格引き下げ要求が強く、毎回、担当のSさんは泣いています。

先日は、今年6月納期の仕事を一旦、3月で絞めて請求書を出してくださいと言って来ました。

狙いは消費税アップ分の節約です。

私は感心してしまいました。

末端の社員一人一人まで少しでも仕入コストを下げようとの意識が徹底されていると感じるからです。

会社の財布も自分の財布も同じ感覚でないとできないと思います。

短期的に景気がよくて高収益になることはどの会社でもあります。

しかし、これを永続的に続けるには社員の採算意識が欠かせません。

F社はだからあれだけの企業になったのだと改めて思いました。

社員の意識改革を成し遂げた企業だけが永続的に発展する収益性の高い優良企業となることができるのです。

その意味で常に採算意識を持ってもらえるように意識付けしていくことが、経営者やリーダーの大きな役割とも言えます。

フィロソフィの「採算意識を高める」は、そういう視点で理解して欲しいと思います。

今朝は、シスケンフィロソフィの信頼関係を築くを取り上げます。

まず、読みます。

(中略)

皆さんご存知の通り、私は盛和塾福井のメンバーであり、今は世話人の一人として、活性化部会という部会の部会長をさせていただいています。

結構、色々活動しており、正直大変だと思う時もあるのですが、でも実に気持ちよく活動をさせてもらっています。

部会の役員は私も含めて5人いるのですが、いずれも社長ないしはそれに準じる役職の方々ばかりで忙しい方々ばかりです。

でも役割分担をする時でも愚痴や言い訳は一切出ません。

すべての議題が実にスムーズに進みます。

ある方は「会社の会議もこんなんだったらいいのに」とぽつり。

別の方は「このメンバーで会社やったら楽しいだろうね」

私もまったく同感と言いました。

盛和塾の活動はすべてボランテイアであり、何か仕事のメリットがあるわけではありません。

でも、みんな一生懸命動いてくれます。

それも素早く。

普通なら我の強い社長さんばかりが集まれば、だいたい意見が食い違いバラバラになりそうなものですが、決してそうはならないのです。

同じ盛和塾生として5人は価値観が共有化されており、ベクトルもあっているので、そこにはなんの違和感や抵抗がないのです。

盛和塾では塾生同士をソウルメイトと呼んでいます。

もちろん互いに意見は交わし、議論はするのですが、稲盛さんが言う考え方を互いに理解し、強い信頼関係で結ばれる家族のような関係の心地よさがここにはあるのです。

当社はどうでしょうか。

徐々に互いの絆が深まりつつあると私は感じていますが、信頼関係という点まではまだ薄いように思います。

他者からの信頼を得るにはどうしたらいいのか。

私は小さい信頼の積み重ねしかないと思います。

約束を守るとか、決めたことを守るとか、嘘をつかないとか、時間は守るとか、凡ミスがないとか、やると言ったことをちゃんとやってくれたとか、そんな些細なことの積み重ねがその人の信用となり、組織の中で一目置かれる存在となるのです。

誰でも人に認められる存在になりたいと思うものですが、大きなことをやった

から、例えばプロジェクトを成功させたとか、大きな受注を決めたといったことが信用になるわけではないのです。

むしろ大きなことより先に述べた日常における小さな事の積み重ねが周囲の信頼を集めるのです。

そのことを私も含めてみんなで肝に銘じましょう。

そして会社の中でもソウルメイトと言えるような関係になれればお互い最高に幸せだろうなと思いますし、是非、そうならねばと思っています。

今思い返しても身震いするような悲惨な大震災から今日で丁度、3年が過ぎました。


自然災害ですからしょうがなかったと言ってしまえばそれまでなのですが、私が我慢できないのは復興が順調に進んでいるとは思えないことです。

未だに仮設住宅暮らしや避難されている方々が27万人もいます。

福井市のほぼ全人口に近い数字です。

さらに福島の原発は一向に解決に向けた方向性が見えません。

普通でも廃炉にするには30年以上かかるのですから、そう簡単に解決しないことは理解できるのですが、放射能はほぼ間違いなく海洋を汚染し続けており、誰も安倍総理が言ったコントロールされているとは思っていない状況が続いています。


使用済み核燃料もプールの中に放置されています。

もし、同等クラスの地震と津波が襲ってきたら日本は終わりです。

何故、マスコミもそれを指摘しようとはしないのでしょうか。

日本のすべてを投入してでも事故処理に目鼻をつけることが最大の課題です。


その目鼻がつけばまだ被災者も国民も少しは心が落ち着くのに現状の取組みは甘くみえて仕方がありません。


五輪招致より、まず優先することがあるというのが私の正直な思いです。


会社も、地域も、国も経営という視点からみれば同じなんだと最近思うようになりました。


ベースとなるのは社員の方々、国で言えば国民への感謝の気持ちと愛情です。


これがあって初めてそれぞれのパワーが結集し、力を発揮することができる。

あまり報道されていませんが、震災後、被災地ではせっかく生き残ったのに自殺したり、体調不良で亡くなる方が後を絶たないようです。

震災関連死は3千人を超え、福島ではすでに震災の犠牲者数を上回ってします。


実態はさらに多いという指摘もあり、実際の震災や津波による犠牲者数よりも、震災後の自殺や病気で亡くなる人の数が上回るのではないかと心配している識者もいるそうです。


生意気な言い方かもしれませんし、人の痛みを自分の痛みと感じる資質が上に立つ人には要求されるように思います。


稲盛さんの大家族主義と同じような考え方が、国を治める際にも求められるのではないでしょうか。


その気持ちがあるのであれば東北をあのままにしておくわけにはいかないはずです。


東北で亡くなった方々への思いを込めて、シスケンフィロソフィの大家族主義で経営するを読みます。

先日、福井の盛和塾のフィロソフィ輪読会で「常に明るく」というのは、リーダーの必須条件ではないかと、意見が一致しました。

リーダーが暗いとチームも暗くなります。

例えから元気でもリーダーが笑顔で頑張っていると、いつの間にチームも明るくなり事態も好転していきます。

何事も明るくとらえて、前向きに明るく、笑顔で頑張ろうという姿勢が大切だと稲盛さんは説きます。

誰でもトラブルや試練に遭遇し、落ち込み、暗くなることはあります。

この時、どう気持ちを切り替えられるかです。

ソチの五輪で浅田真央さんは、ショートプログラムでひどい失敗し、森元総理にまで「あの子は肝心な時に転ぶ」と酷評されました。

森さんは問題外ですが、メンタル面で浅田選手の弱さを私も感じていました。

でも、一夜明けてフリーでは、彼女は目の覚めるような演技をして自己最高得点をたたき出し、メダルは取れませんでしたが入賞を果たします。

一晩で何があったのかは分かりませんがどちらも同じ選手であることだけは間違いありません。

要は、心の持ちようが替わったということです。

逆に言えば、心の在りようで人はどうにでもなるという証でもあります。

心を鍛えることはアスリートに限らず、私のような経営者も、あるいは管理職にある人も、そして社員の皆様にとっても実は大事なことなのです。

ジェームスアレンというイギリスの詩人は、心は庭と同じと説き、ほったらかしにすれば雑草が生い茂り、きれいに耕し種をまけば美しい花が咲くと言っている。

サッカーの長友選手は、同じヨーロッパで清武選手が壁に悩んでいた時、「いくらサッカーの練習をし、筋トレをしても、メンタルを鍛えていないとなんの意味もない」とメールでアドバイスしたそうです。

当社がフィロソフィをみんなで勉強するのも、自分達の心を鍛え、美しい心を醸成することで、経営理念にある物心両面の幸せの実現に少しでも近づこうと考えているからです。

調子のいい時は誰でも明るく、問題はありません。

人として、リーダーとして、会社としてその真価を問われるのは辛い時、苦しい時です。

から元気でも明るく振る舞い、気持ちを切り替えて困難に立ち向かう勇気を持てるかどうか。

そしてみんなのパワーを結集し、頑張れるチームや会社であるかどうか、その先に私達の本当の幸せはあるのです。

そのために最も大事な心構えを教えてくれるのがフィロソフィなのです。


連日、ソチオリンピックで湧いています。

なんと言っても男子フィギュアで羽生結弦選手が金メダルに輝いた時が日本が一番湧いたのではないでしょうか。

私はライブで見ていたわけではないですが、最初の4回転ジャンプを失敗した時、さらに3回転ジャンプで2回目の失敗をした時、本人も含めたみんな「もうダメだ」と思ったのではないでしょうか。

でも、彼はそこから脅威の粘りと不屈の闘争心を発揮し、素晴らしい演技を取り戻し、2位のチャン選手をわずかに上回って金メダルに輝きました。


失敗で腐ったり、希望を捨てていれば金はなかったでしょう。

優勝後の彼のインタビューを聞いていると、かなりメンタル面を強化しているこがうかがえます。

オリンピックには魔物が住むと言われていると問われて、彼はすかさず「それは自分の心が作り出すもの。自分の心次第」と答えています。


カナダにスケート留学中、彼は孤独な時にスマホにアップしたソチオリンピックの金メダルの写真を見ては自分を奮い立たせていたそうです。

一方で女子ジャンプの高梨沙羅選手は注目度が高すぎて可愛そうな気もしました。

でも、これもトップアスリートの宿命であり、今後はメンタル面を鍛えることが、雪辱につながると思います。


今夜から始まる女子フィギュアははたしてどうでしょうか。

技術的にはほとんど横一線でしょう。

後はメンタルの勝負です。


そして稲盛さんが言っているように「もうダメだという時が仕事の始まり」とミスしても決してあきらめないことだと思います。