3月17日は、JRのダイヤ改正の日だ。
今年は、車内販売の廃止&縮小の話は聞かない。
これにはホットしている。
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もうすでに、車内販売がある列車&観光列車の約9割に乗ってきたが、今回残された数少ない列車に乗ることができた。明知鉄道の食堂車に乗ってきた。
【1】明知鉄道とは
明知鉄道は、岐阜県の恵那(中央線)から明智まで走っている第三セクターのローカル線だ。
名古屋から快速で約70分の恵那駅から、昼間は1両編成の気動車が、のんびりと走っている。
この明知鉄道では、月曜日を除いて「食堂車」が運転されている。
すごく有名な観光地でもないのに、食事が出る「食堂車」が週6日も走っているわけだ。
これは驚きだ。何か魅力があるハズだ。そこで、乗りに行くことにした。
季節や曜日によって「きのこ列車」「おばあちゃんのお花見弁当列車」「寒天列車」など、食事の種類が違う。今回は「じねんじょ列車」に乗車した。「じねんじょ」は、漢字で自然薯と書き、山芋の仲間だ。
【2】気動車の車両
今回の列車は2両編成。
1両は、予約客が乗る「食堂車」。
もう1両は、地域住民が乗る一般の車両だ。
車両そのものは、どちらも大差はない。
↑上の写真が「食堂車」だ。「じねんじょ」というヘッドマークがついている。
↓下の写真が一般の車両だ。停車駅が少ない「急行・大正ロマン号」と呼ばれているが、急行料金は不要だ。
ヘッドマークは、終点の明智駅に、以前の物が展示されている。
いろいろな種類があるぞ。
【3】座席はロングシート
一般客用の車両は、ロングシートだ。(帰りに乗った車両には、ボックスシートがついていたけど。)
ふだん空いていろローカル線では、ボックスシートは4席分を1人が占領して、他の人が事実上座れなくなる傾向がある。だから、むしろロングシートの方が、メリットがあると感じる。
食事ができる「食堂車」とも呼ばれる車両も、ロングシートだ。
ロングシートにテーブルを積んで、食事をするのである。
【4】料理
「じねんじょ列車」の料理だが、箱の中身は、こうなっている。
カラダに優しそうな料理が詰まっている。
好き嫌いが多い私でも、全部食べられたのだから、よく工夫されている。
魚は、味が十分にしみこんでいて、美味しい。ほとんど骨もなく、食べやすい。
麦ごはんは、おかわり自由だ。私は1回おかわりをした。
麦ごはんにかける「じねんじょとろろ」の写真はこちら↓。
20人の食堂車の乗客の内訳は、男が私とすぐ隣の男の鉄道マニア計2名。他の18人は女性客で、年配客中心だ。年配の女性客でも、どんどん「麦ごはん」と「じねんじょとろろ」のおかわりをしていた。
これが目当てで乗ってるんだし、美味しいから、おかわりしたくなる。
【5】メニュー
この日のメニューが配られた。
驚いたのは、日によって作る業者が異なる点だ。
この日の「じねんじょ列車」の料理は、地元のゴルフ場「明知ゴルフ倶楽部」の料理部門が作った。日によっては別の業者が担当することもあり、その際は、「じねんじょとろろ」は同じだけど、箱の中の料理は異なるとのこと。1度乗ると、別の業者の日に乗りたくなる。
【6】車内の様子
基本的に、54分間は、ずっと座っていることになる。
トイレは無いので、始発の恵那駅で済ます必要がある。おかわりは、料理を担当する業者(明知ゴルフ倶楽部)の人に、頼めば運んできてもらえる。
ビールやコーヒーは車内では買えないが、お茶は用意してもらえる。私は缶コーヒーを、あらかじめ用意したが、お茶の方が合うのでお茶ばかり飲んでいた。
沿線の観光案内を、アテンダントさんがしてくれる。絶景はないが、話が面白い人で、楽しかった。
【7】車内販売
全く聞いていなかったが、何と車内販売が利用できた。
飲み物の注文ができないから、車内販売は料理以外に利用できないと思っていた。でも終点が近くなったら、300円でせんべいの販売が始まった。
買ったのは、「極楽せんべい」だ。何種類かあるけど、私が買った品には、ひまわりの種とシナモンが入っている。中津川の業者が作っている。開封したら、シナモンの香りが広がる。
料理や接客に満足した人が多かったようで、多くの客が購入していた。
1000円の饅頭でも、どんどん売れるのでは?
アテンダントの最後のあいさつに対して、車内に感謝の拍手が響き渡った。
私も気分よく、満足できた。
【8】料金
食堂車の料金は、4000円だ。
誤解しやすいのは、1日乗車券が含まれていることだ。単純に往復すると、運賃は1380円だが、往復運賃が含まれていると考えれば、料理に対する満足度がアップしそうだ。途中下車自由だから、降りて沿線の観光をすれば、お得感が増す。
1日フリー乗車券は、絵馬・将棋の駒のような形をしている。
【9】感じたこと
第三セクターのローカル線として、できることを無理せずにしているな、と感じた。
特別な車両を作るのは、何千万円の金がかかる。普通の車両にテーブルを載せて、食堂車にして、料金はリピーターを獲得しやすい4000円。
土曜日曜だけでなく週6日も食堂車を運転して、ほぼ毎回20~30人も乗りに来るわけだから、うまくいっていると言える。
駅員さんたちが、のんびりしすぎている気がしたが、地域性なのだろう。
明知鉄道までの往復した経路などは、近いうちに。