先日、『Suicaにチャージしても行ける範囲が決まっている』と言ったポ
内容をざっくり要約すると
東京から名古屋や大阪までSuicaでは行けない
という意味だったのですが、
『そんなの当たり前じゃないか…』
と思ったものの結構知られていないことなのかなと思い
Suicaとは
Suica(スイカ)は、JR東日本が発行している『交通系ICカード』です。
改札機にタッチするだけで、運賃が自動的に精算され、バスやタクシー、コンビニや飲食店などでも使うことができるので、お財布代わりにもなります。
交通系ICカードは規格が統一されているため、JR東海のTOICAやJR西日本のICOCAを首都圏のSuica端末にタッチしても使うことができます。
電子マネーの先駆けとして2001年に登場し、発行枚数はカードタイプとモバイル版を合わせて約1億1,231万枚(2025年3月時点)に達しており、他の交通系ICカードも合わせると2億枚を超え、生活インフラの一部といっても過言ではありません。
そんなSuicaのキャッチコピーは『日本を、1枚で。』です。
確かにこれを見ると東京から大阪まで行けそうに見えますが、これは日本全国の事業者で使えるという意味であって、Suica1枚だけで行けるという意味ではありません。
確かに東京駅にも名古屋駅にも大阪駅にも交通系ICカードをタッチする端末がありますので、そのまま行けてしまうようにも見えますが、Suicaをはじめ、交通系ICカードにはそれぞれに使用可能な『エリア』があります。
エリアの壁
まず旅行にある程度詳しい人ならば知っているものの、改めて会社ごとの壁、エリアの壁があることをおさらいしましょう。
当たり前のことですが、東京から大阪までを直通する普通列車は無く、必ず乗り換えが発生します。
まず東京から東海道線に乗車した場合、多くの方が最初に辿り付くのが熱海駅です。
ここはJR東日本とJR東海との境界駅であり、早くもここがSuicaで行ける最西端となります。
ここからは緑の電車からオレンジの電車にバトンタッチするのですが、交通系ICカードもSuicaからTOICAへバトンタッチして、次のエリアへ突入します。
何回乗り換えすることで静岡県と愛知県を過ぎ、列車の終点となるのが滋賀県の米原駅です。
米原駅はJR東海とJR西日本の境界駅であり、ここがTOICAエリアの最西端となります。
ここからはJR西日本のICOCAエリアに突入し、『新快速』と呼ばれる特急並みのスピードを誇る列車に乗り換えられるので京都・大阪まで一気に行けます。
ということで、実は東京から大阪までは3つのJRを利用していることになります。
ちなみに大阪駅の窓口で残高から精算することはできません。
基本的には現金での精算になります。
Suicaのエリア
上記でも説明したように、JR各社ごとに交通系ICカードが使用できるエリアが分かれています。
JRおでかけネットより
その中でもJR西日本のICOCAエリアは福井県の敦賀駅から山口県の下関駅まで対応しているのだからそのエリアの広大さに驚きます。
逆に、その会社の中でもエリアが分かれていることもあり、JR東日本は
- 首都圏エリア
- 仙台エリア
- 新潟エリア
- 盛岡エリア
- 秋田エリア
- 青森エリア
の6つに分かれています。
JR東日本からJR東海エリアへそのままSuicaで乗れないのと同じで、東京から仙台までエリアを跨って在来線に乗ることはできません。
とは言え、首都圏エリアは広大で、関東全域に加えて、長野県や福島県の一部までをカバーしているので、一般的な利用者が不便に思うことはほとんど無いものと思われます。
なお、JR東日本は2027年春頃にエリアを統合するとしているため、東京から仙台や新潟までまもなく行けるようになります。
新幹線ではSuicaを使えるのか
在来線では交通系ICカードを長距離で使えない理由としては、各社が独立したシステムを構築したことや複雑な運賃計算ができるシステムの導入コスト、運賃収入のうち『どの会社がいくら運賃を受け取るのか』といった調整など様々な問題があることがその理由となります。
高速バスのように渋滞に巻き込まれない在来線は移動手段として魅力はありますが、新幹線に乗せたい鉄道会社がわざわざそこにお金を掛けるのか?ということです。
一方、長距離の主役である新幹線についてでは多くの方がSuicaをタッチするので
『新幹線はSuicaに対応してる』
と思われる方もいらっしゃると思いますが、それは半分正解です。
JR東日本ではタッチでGO!新幹線というSuicaで新幹線自由席に乗れるサービスを行っています。
これは初期設定が必要ですが、Suicaの残高を使って新幹線に乗れています。
ではなぜ半分正解なのかと言うと、多くの乗客が改札にSuicaをタッチしているのは指定席のきっぷだからです。
東海道新幹線の予約サイトであるスマートEX、東北・上越新幹線のえきねっとをはじめ、新幹線の指定席を予約した際には交通系ICカードを登録・紐づけすることで、タッチするだけで乗ることが出来ます。
予約する際にクレジットカードなどで事前に決済を行っているため、Suicaの残高から引き落としされることはありません。
Suicaで乗れてはいるのですが、在来線とは用途がやや異なるということです。
最後に
最近はモバイルSuicaをはじめ電子決済の普及によって、スマホ1つでお出かけができる世の中になってきました。
私自身も旅行へ行くと一度も財布を出すこと無く、帰宅することが当たり前になっています。
しかしながら、予備知識ゼロでノリと勢いで鉄道旅行をしてしまうとリスクに直面してしまうかもしれないということは是非知っておいた方が良いです。
これをきっかけに、長距離の紙のきっぷを発券して、何度も何度も改札機を通して、少しきっぷがヨレるくらい乗ってみるのも面白いと思います。
おまけ:Suicaが割高になるケース
交通系ICカードをJR東日本管内で使った場合、数円程度ですが紙のきっぷよりも安くなることがあります。
しかしながら、今年3月から大幅に割高となるケースも発生しました。
長野県にある小諸駅にはしなの鉄道とJR小海線が乗り入れており、3月からしなの鉄道がSuicaに対応しました。
しかしながら、JR小海線はJR東日本なのにSuica対応していません。
正確には小淵沢〜野辺山間は対応しており、野辺山~小諸間が非対応です。
そして、JRとしなの鉄道は改札が同じなので、何も知らない人は普通にSuicaにタッチして、小海線に乗ろうと思えば乗れてしまいます。
通常、降りた駅にSuicaの端末が無ければ現金での精算を行うと思いますが、先程も申し上げたように野辺山駅から先にはSuicaの端末があります。
その結果、何が起こるかと言うと、例えば、小諸〜野辺山間で乗った場合、通常は1,230円となりますが…(地図の赤ルート🟥)
Suicaで乗ってしまうと3,729円に跳ね上がります。
なぜこうなるかと言うと、精算の際、Suicaが使えるエリア内の最安値での精算となるためです。(地図の青ルート🟦)
小諸駅ではしなの鉄道に乗ったものとされているため、小諸〜篠ノ井〜松本~小淵沢~野辺山という経路になり、通常の3倍にもなってしまう料金が取られてしまいます。
こういったシステムの穴が発生している状況についてはJRでもしなの鉄道でも把握しており、小諸駅には注意喚起のポスターも貼られているのですが、それを必ずみんな見ていると限りませんので、Suica対応かどうかは事前にチェックするべきです。


















