【間違い探しジャケ】

昔載せたやつのリマスター再発ネタです。アシュリー・ハッチングス率いるアルビオン・ダンス・バンドの76年の名作『The Prospect Before Us』のジャケットです。実はこのジャケ、アナログ時代に2種類出回っていたんですが、それがパッと見よく分からないような違いがあるだけでした。どちらかが再発というわけでもなく、レコード番号も同じSHSP 4059です。なしてこんなことしたんでしょうかね?単なるお遊びか、アシュリー独特の変態ユーモアかもしれませんね。英BGOから出ている現行のCDは、おそらく左側で統一されていると思います。矛(ほこ)の代わりにストラトキャスターを持ったブリタニア像の前には、現代の耕運機が、後ろには馬を使った昔の畑の風景が描かれています。アルバムのタイトルは「我々の前途にあるもの」みたいな意味で、つまり古楽とロックを融合したバンドの音楽を、この絵で表しているのだと思います。この2種類のジャケを見て真っ先に気づきそうなのが、まず畑の色の違いですよね。あとこの両者の対比ではわかりにくすぎますが、右側のブリタニア像のサイズが微妙に小さくなっているので、ストラトのヘッド部分がバンド名から少し離れています。そしてその関係で耕運機の左側があいていて、背景の雲が多いです。左側の雲の形も微妙に違いますよ。あと、左右ジャケの畑の溝の数が違います。左のジャケ左側は8本の溝、右側は6本の溝、右のジャケ左側は7本、右側は4本です。溝を数えている時に何ともいえない空しさが襲ってきました。しかし!右のジャケ裏側には「Love-, Shirley Collins」とシャーリーのサインがしてありました!これはうれしかったですね。

昔に載せたやつのリマスター再発ネタです。

78年にキング・レコードから出たSMALL FACESのセカンド「フロム・ザ・ビギニング」の帯の話です。70年代までの日本盤の帯は太過ぎでしたね。おかげで肝心かなめの二人が見えません!計ってみたら幅10センチもあり、なんとジャケの3分1を占めています。帯自体のデザイン・センスにも凄いものがあります。まず字がやたら多くてうるさいです。一番上には「これぞ奇跡!」と書いてあって、それぞれの文字の上に黒点のルビふってあります。その下にはこう書いてあります。「英本国でも入手困難な超貴重盤が完全オリジナルのまま、しかもこの特価で今、君の手に!」 1800円です。帯右には縦に太字で「全アルバム、完全オリジナル盤!!」、その左には「★歌詞、訳詞、詳しい解説付★ 監修=小倉エージ・大貫憲章・伊藤政則・三宅はるお・たかみひろし」、その上にはちっちゃいちっちゃい字でしかも右上がり斜めに帯左右に2つ、「ブリティッシュ・ロックのルーツ」、「ロンドン・ロック名盤1800シリーズ」とあります。一番デカく「フロム・ザ・ビギニング」、とアルバム・タイトルが直角にカーヴしていて、その左上にはこう書いてあります。「あのスティーヴ・マリオットとイアン・マクラガンとロニー・レーンとケニー・ジョーンズから君への過去からの強烈なメッセージ!」右下には、「スモール・フェイセスのオリジナル第2弾!今はなきグレイト・ロックン・ロール・バンド、フェイセスのルーツ野郎たちが、ありったけの熱さを歌に託して君にたたきつける!これが本物の“ビート”ミュージックだ!」 肝心なグループ名を載せるのを忘れていたのか、なぜかその横に思い出したかのように中途半端な大きさで「スモール・フェイセス」、帯左下には全収録曲が邦題、カタカナで・・・なんとも読みごたえのある帯です。プロのデザイナーから見ればおそらく素人丸出しの仕事なんでしょうけど、今となってはこのアナログ感と熱意にグッときたりします。ちなみにこの国内盤の音は非常に素晴らしいモノラル・サウンドです。しかし残念なことに同シリーズのファースト・アルバムの方はカッティング上のトラブルなのかマスター・テープの問題なのか、音がこもっていてかなり悪いです。70年代に擬似ステレオでなかったのは珍しいと思うのでヒジョーに惜しい!以上!

 

アイランド・レコードから72年にリリースされた2枚組の初期編集盤です。京都のワークショップさんより格安で入手しました。セカンド・プレスのオレンジ・パーム・ツリーですがいちおうUKオリジナル盤です。表裏がヴィニール・コーティング、見開きには各曲の詳しい解説とトラフィック在籍期のカッチョイイ白黒写真が多数載っています。デイヴのファンなら押さえているであろう、トラフィックの1stアルバム、2ndアルバム、初期ベスト盤やコンピ盤、それにソロ名盤『Alone Together』、『Headkeeper』をもっていればほとんどダブってしまうので必要のないコンピ盤かもしれませんが、実はチョコチョコと貴重なトラック、重要な要素が入っています。そんなわけで(無理矢理)このレコの存在価値を見つけ出したいと思います。まずもしかするとシングル盤以外のレコでは、ここでしか聞くことができないかもしれない”Little Woman”がなんつっても貴重なトラックです。68年2月リリースのシングル”Just For You”のB面だった曲で、ブリティッシュ・トラッド全開のたまらんメロディに、中東かインドあたりを思わせる擦弦楽器がバシバシ入っています。自分の場合、正直いってこの1曲のために手に入れたようなものです。あと有名な”Feelin' Alright?”は、セカンド・アルバムやシングル盤のヴァージョンではなく、再アレンジされる前の最初にレコーディングされたヴァージョンです。まだスワンプ・ロックと化した公式盤のようなリズムではなく、アコースティック・ギターが強調され、ドラムもややおとなしめのフォークロック調となっています。間奏もサックスではなくフルートになっていて、あの印象的なピアノのフレーズもまだ出てこないです。でもこちらの渋いヴァージョンもめっちゃいいですよ。あと『Alone Together』のUKハーヴェスト・オリジナル盤の音質なんですが、膜1枚へだててちょっと遠いところで鳴っているような、あまりいい印象をもっていなかったんですが、ここに入っている『Alone Together』収録曲(”Waiting On You”と”Look At You Look At Me”を除く全てが収録)の方が圧倒的にリアルで生々しくて気持ちよいです。ただし”Sad And Deep As You”はライヴ録音です。

 

インクレ本『beGLAD』ネタからです。マイクの1stソロ作についていろいろおもろいことが書いてあったのでご紹介します。まずこのヘンチクリンなジャケ・デザインのコンセプトについてマイクはこういってはります;

 

「あれは趣きがあってひなびていて、けっこう美しかったISBのジャケットとは完全に逆転の発想で決めたんだ。ギラギラ輝く真鍮色の『ヴォーグ』みたいなあか抜けない雑誌スタイルの表紙を狙った。ここに入っている音楽はほとんどISBとは関係ないってことをはっきりさせようと思ったんだ」

 

だそうです。そら最初はISBから入ったファンには敬遠されがちでしょうね。今はどうだか知らないですがこの安っぽいジャケ、昔はけっこう中古レコ屋さんで見かけましたし、自分もだいぶあとになってから手に入れましたよ。しかもCDで。そうそう、きっかけはプロデューサーだったジョー・ボイドのCD『White Bicycles』に入っていた”Flowers Of The Forest”をえらい気に入ったからでした。アルバム・タイトルはティモシー・リアリーの著書『Psychedelic Prayers』(マイク自身はリアリー版『チベット死者の書』からといってます)の中の’親しくつきあうことのできるすばらしい人々’として書き出されたリストからだそうです。何のことだかよくわかりませんが、その’悪名高き陽気者たち’が裏ジャケのアラブ系や黒人の人たちのことでしょうね。で、なぜマイクは黒のマントを着てパイナップルをかざしているのか?これについては単に’キリスト降誕劇’を思わせるとしかありませんでした。とするとマイクは教祖様っちゅうことでしょうか。ずいぶんとゆるい教祖さんです。そういえば同時期にリリースされたロビン・ウィリアムソンの1stソロ『Myrrh』のジャケのロビンもユルユル教祖さんみたいな感じでした。ティモシー・リアリーについては60年代後半の音楽が好きな人なら、たいてい一回は耳にした名前だと思います。私もアレン・ギンズバーグやジャック・ケルアックらとともによく聞いた名前でしたが、詳しくは全く知らなかったので調べてみました。辞書には「1920-96;米国の心理学者;麻薬使用で大学を追われ、ヒッピーの麻薬文化の教祖的存在となった」とありました。なるほど~いかにもやないかいと思ってさらに調べてみると、これがけっこういいかげんなのか真面目なのかわからない変人学者さんでした。まあ、天才とかかったい学者っちゅうのは、だいたい私生活はめっちゃくちゃだったりするのは相場が決まってます。しかしおなじみの反戦・平和を目的とした麻薬使用は、ベトナム戦争をやっていた当時のアメリカ政府からすれば危険人物に違いなかったらしく、何度か逮捕されたり干されたりしています。あと彼が実践していた受刑者や精神病患者の集団療法は映画『カッコーの巣の上で』を思い出しました。

 

【レコ妖怪向けレビュー】

 

日本でもけっこうその筋では人気があって、何度か来日も果たしている英80sニュー・ウェイヴ・バンドのアナログ盤入手しました。UKオリジナル盤…といきたいところですが、この3作目は「MADE IN FRANCE」がオリジナルということでフランス盤です。オシャレやの~。今ではフランスっちゅうてもオシャレでもなんでもない国になり下がってしまった感がありますけど、80年代当時ではまだまだオシャレなイメージだったんです。レーベルはチェリー・レッド、レコ番号はBRED 34です。ジャケ両面は皮の表面に似せたテクスチャード加工、裏ジャケにはイギリス、アメリカ、日本の音楽誌とジャーナリスト(たぶん)のレビューがズラーっと並んでいます。たしかにどこかの音楽誌とかレコ会社の推薦文が載った裏ジャケは昔のレコによくありましたが、これだけ集めたレコは珍しいといえば珍しいし、彼らのユーモアセンスも感じます。しかもメロディ・メーカーとかニュー・ミュージカル・エクスプレスなんかの大手の音楽紙はなし!聞いたことがあるのはサウンズ誌とタイム・アウト誌くらいでした。日本からは自分も当時毎月買っていた「音楽専科」です。たったの1行ちょっとなので載せときます―「僕はめったに五つ星はつけないんだけど、こんなワクワクする音楽は絶賛するしかない!」です。90年に出た国内盤のCDに全ての訳が載っているので、一番このアルバムとバンドのことを的確に表わしているデイヴ・ファッジャーという人のコメントをどうぞ!

 

「そうだね、あいつたち、なんでもお手の物って感じなんだよな。風刺あり、お色気あり、若いしね、よく練られてるよ、ルーツが奮ってるよね。ありとあらゆるエッセンスと60年代の良さを受け継いでるし。最近じゃよくある話だけど、君もきっとトップ・オブ・ザ・ポップス(TV音楽番組)の画面に釘付けになって、このインカ帝国から飛び出したみたいな東洋人は一体何が言いたいんだろうなあ、まったく・・・とブツクサ言ってる自分にハッとするよ。すごいいいバンドだよ」

 

【レコ妖怪向けレビュー】

 

これのUKオリジナル盤は人気が高いらしく、なかなか見つからないので国内初版で妥協しました。って結局20何年かぶりの買い直しになってしまったわけですが。ジャケ盤ともほぼミントで2,500円で買えました。ピンク文字の帯もいい感じだし、なぜかレーベル仕様がジャムのアルバムの中でこの作品だけUKオリジナルに倣ったターゲットデザインなんですよね。帯には「イギリスで吹き荒れるニュー・ウェイヴの中でジャムの進むべき道はこれで決まった!!」とあります。全くその通りだったわけで、日本のポリドールは当時気合を入れてジャムを売り出しにかかったが、やはり日本ではあんまり売れず、また次の『Setting Sons』で手抜きジャケ/レーベル・デザインに戻ったっちゅうことでしょうか・・・ 切ないです。オリジナル盤ではおそらくインナーバッグの形になっていた二つ折りのライナーノーツには、初期の彼らの白黒写真やポール・ウェラーのかっこいいジャンプが見られるライヴ写真、60sソウルの7インチ・シングル(ジュニア・ウォーカー)の写真なんかが載っていて、昔はすみからすみまで舐めるように観察したものでした。なんだなんだ?ジュニア・ウォーカー?タムラ・モータウン?田村君が何か関係してんのか?スカってなんだ?とか。FMラジオかFM/洋楽雑誌くらいしか情報のない時代には、こういうのは本当に貴重な情報源でしたよ。ライナー内側には音楽評論家の森脇美貴夫さんによる、今となっては泣かせる解説と全曲の歌詞対訳が載っていて、これも当時はくり返し読んだものです。しかし改めてジャケを眺めてみると、刈り下げ(もみ上げを刈って襟足を伸ばす)ヘアのブルース・フォクストンと火山みたいな頭のリック・バックラーに、コテコテのモッズルックのウェラーっちゅうなんともアンバランスなトリオに見えますが、当時のライヴ映像やテレビ出演時の口パク映像では不思議な統一感があって、みんなカッコいいんだよなあ。おわり

 

初代ヴォーカリストのポール・ジョーンズが映画『傷だらけの天使』、もとい『傷だらけのアイドル』をきっかけに俳優かソロだかに転身するために脱退し、その代わりに入ったマイク・ダボ時代に焦点を当てたBBCライヴ集の2枚組CDです。R&B/ブルースをメインにしつつも、しっかりポップ・ソングで大ヒットを連発していたポール・ジョーンズ時代もよかったですが、今でも時々聴くのは同時期にフォークロックをやっていたキンクスに通じるこちらのダボ期ですね。ドラマーのマイク・ハグがソングライターとして才能開花した頃だし、音楽的/商業的にもバンドとして頂点に達した頃といえると思います。フルートや鉄琴などいろんな楽器をこなすこともできるし、ジャズ・インストなんかもガンガンやってのけてしまう上手いバンドでしたから、ここでもジャズ・スタンダードからエルヴィスから従来のブルースやディラン・カヴァーまで盛りだくさんの内容となっています。ライナーに書いてあるかどうかわからんですが、一時期加入していたジャック・ブルースが参加したトラックももしかするとあるのかしら。わかりません。ヒット曲は全て網羅、ビートルズの”She's A Woman”やボックス・トップスの”The Letter”のカヴァーまで入っていて、ファンにとっては必聴/必携の1枚(2枚)やと思います。それではインタビューを除くトラック・リストを載せときます。

 

CD1 : 1. Mohair Sam 2. Just Like A Woman 3. Wang Dang Doodle 4. Semi-Detached, Suburban Mr. James 5. Morning After The Party 6. Ha! Ha! Said The Clown 7. The Nitty Gritty 8. Sweet Pea 9. Hound Dog 10. So Long, Dad 11. I'm Your Hoochie Coochie Man 12. Mighty Quinn 13. Handbags And Gladrags 14. Cubist Town 15. Sleepy Hollow 16. My Name Is Jack 17. The Vicar's Daughter

 

CD2 : 1. Each And Every Day 2. The Letter 3. Fox On The Run 4. Fever 5. Abraham, Martin & John 6. So Long 7. Clair 8. Sentimental Sunday 9. Ragamuffin Man 10. Oh What A Day 11. The Last Goodbye 12. Just Like A Woman 13. Semi-Detached, Suburban Mr. James 14. I'm Your Hoochie Coochie Man 15. Mighty Quinn 16. My Name Is Jack 17. Orange Peel 18. She's A Woman 19. Summertime 20. You've Got It Made

 

ワーナーからリリースされた『Freeway Madness』に続く7作目で、ツェッペリンのレーベル、スワン・ソングに移籍しての1枚目ですが、内容的には『~Madness』と全く同じ路線です。なんかロックンロールやストリングス入りのバラッドなどの楽曲タイプの並び方まで同じで、たまにどっちのアルバムを聴いているのかわからなくなります。しかし依然ソングライティングの腕は絶好調で前作と同じくらいすばらしいアルバムやと思います。自分もそうでしたが、60年代の彼らから入ったファンにとっては、やっぱりジャケに違和感を感じて敬遠しがちっちゅうか、そのへんで前作とともにちょっと損をしている作品かもしれません。当時は売れなくても今では名作として認識され再評価されている『SFソロウ』や『パラシュート』のあとにも続けてレベルの高いアルバムを数枚発表していたのに、それは広く再評価されるに至っていないという意味では、『Forever Changes』以後のラヴと同じようなパターンです。このへんはあれですね、世間的な評価を測る一つのバロメータとして、オークションでの落札価格や入札数なんかである程度わかるような気がします。手に入れたのはUKオリジナル盤で、45年も前のレコードにしてはジャケ、盤ともによい状態にもかかわらず、せりあうこともなく余裕で4ケタ価格で落とせました。あ、でもこれレコっちゅう今では懐古的骨董的な特殊なケースの話ですね。たしかに60年代までのコーティング・ジャケやらフリップバックなどの工芸品的要素がほとんどなくなった70年代のレコは分が悪いわけで、それほど人気が集中しないのもうなずけます。さらにいえば、もっとテキトーになった70年代後半以降のパンク/ニュー・ウェイヴのオリジナル盤にはそれほどブツとしての魅力を感じないのは無理もありません。なにいってるのかわからなくなってきました。とにかくこの70年代前半~半ばくらいのオリジナル盤に関しては、ちょっとでも気になる人はそれほど大枚はたく必要のない今のうちに手に入れておくことをオススメします。おつかれした。

【レコ妖怪向けレビュー】

 

2020年の第1弾は元ISBのマイク・ヘロンのバンド、というかセカンド・ソロといってもいいアルバムです。これのUKオリジナル盤手に入れました。レコ番号はNBH 80637、リリース元のネイバーフッド・レコードというのは、フォークシンガーのメラニーがもともと自分の作品を発表するために作ったレーベルだそうです。ゲートフォールド・ジャケで表側はヘロン(フォークバンドの方)のファーストのようなぜいたくなテクスチャード加工…と思ったらテクスチャード加工「デザイン」やないかい!まあいいです。見開き部分には全曲の歌詞とメンバー及び参加ミュージシャン、それにエンジニアやスタッフなんかの写真も載っています。残念ながら参加していたリチャード&リンダ・トンプソンの写真は載ってません。このアルバム、大昔にとりあげたやつは2001年にヴィヴィッド・サウンドから出た直輸入CDの国内仕様盤でした。この作品に関してはレコとCDの音質の違いはそれほど感じなかったですが、やっぱりあれですね、ずっと継続してCDを聴いてきた耳にある日突然レコをかけると、私のバカ耳でも「あ、レコの音だ」って思います。しかし逆のパターンだとなぜか「あ、CDの音だ」とは思わないんですね。あれ何ですかね?普段のアンプのヴォリュームが小さすぎるんでしょうか?それともレコをかける時の、CDにはない「よし、これからレコを聴くぞ!」っちゅう単なる意気込みの違いか?そしてよくいわれるように、レコの場合は音量をやや大きめにして長時間かけても、CDの場合と違って、うるさくて耳が疲れるっちゅう現象がたしかに起こらないです。これ最近実感しました。人間には聞こえない範囲の周波数がレコに刻まれているせい?あるいは単にレコは概してCDよりもこもっていて丸い音質だからか?まあでもだいたい2000年以降はレコに近い音質のCDが増えたような印象があります。てことはやな、つまりCD vs. レコはレコの勝利っちゅうことじゃ!おわり。

 

インクレ本『beGLAD』におもしろいことが書いてあったので、またご紹介したいと思います。アルバムの曲順についての話です。今や配信やYouTubeなんかで1曲単位で聴いたり買ったりする時代になってしまいましたが、アルバム1枚分が片面に全て詰まったCDよりもさらに前のアナログ盤は、A面とB面っちゅう構造的限界からくるある意味厄介な制約があったわけです。しかしこれがまたリスナーにさまざまな感慨をひき起こすんですね。「あ~A面が終わったからひっくり返さにゃならんな」とか「A面終わったけどB面には好きな曲がないからひっくり返す気にならんな~」とか「好きな曲はB面に多いからB面からかけようっと」とかです。一方でレコを作る側は、どうやったらみんなに飽きがくることなく全曲を聴いてもらうことができるか、あーでもないこーでもないと悪戦苦闘するんだと思います。でもこれがなかなか楽しそうな作業なんですね。そういえばなにかのブログだったかアマゾンのカスタマーレビューだったか忘れましたが、「アルバム2曲目(アナログだとA面2曲目)がすばらしかったら名盤である!の法則」ってのが載っていて、おお!なるほどいえるいえる!と思ったことがあります。

 

今回のこのアルバムから、プロデューサーだったジョー・ボイドがロビンとマイクといっしょに曲順を考える時に採用した’ボイド方式’が始まったそうです。なんせ2枚組ですから、計4面の曲順を考えなきゃならないわけでそら大変だったと思います。で、まずどうするかっちゅうと、紙切れに各曲のタイトルを全て書くわけです。それから各曲の時間の長さに比例した紙の長さを決めて、各タイトルごとにはさみでチョキチョキ切っていきます。例えばこの曲は約3分30秒だから3.3センチ・・・では短すぎるので倍の6.6センチ、こっちの曲は約4分50秒だから同じく倍の9センチとかです(長さの10進法とか分の60進法とかは無視)。それをダラダラーっと並べて各面ごとにメンバーと相談しながら、曲調やインパクトだけでなく、曲の長さも同時に考慮しながら決めていったそうです。レコの片面は最長で23~25分くらいですから、当然4面のトータルは100分以内でなければ収まりきらないし、極端に長い曲ばかりだとうまく収めるの難しいですよね。いや~うまいこと考えました。が、やっぱり大変だったでしょうし、それでも楽しかっただろうな~。今じゃ現場ではコンピュータ上でチョチョイのチョイなんでしょうか?例えばバンドのライヴをやる時にみんなでセット・リスト考えますよね?あの曲順考えるのけっこう楽しかったです。おわり!