【レコ妖怪向けレビュー】

 

これのUKオリジナル盤は人気が高いらしく、なかなか見つからないので国内初版で妥協しました。って結局20何年かぶりの買い直しになってしまったわけですが。ジャケ盤ともほぼミントで2,500円で買えました。ピンク文字の帯もいい感じだし、なぜかレーベル仕様がジャムのアルバムの中でこの作品だけUKオリジナルに倣ったターゲットデザインなんですよね。帯には「イギリスで吹き荒れるニュー・ウェイヴの中でジャムの進むべき道はこれで決まった!!」とあります。全くその通りだったわけで、日本のポリドールは当時気合を入れてジャムを売り出しにかかったが、やはり日本ではあんまり売れず、また次の『Setting Sons』で手抜きジャケ/レーベル・デザインに戻ったっちゅうことでしょうか・・・ 切ないです。オリジナル盤ではおそらくインナーバッグの形になっていた二つ折りのライナーノーツには、初期の彼らの白黒写真やポール・ウェラーのかっこいいジャンプが見られるライヴ写真、60sソウルの7インチ・シングル(ジュニア・ウォーカー)の写真なんかが載っていて、昔はすみからすみまで舐めるように観察したものでした。なんだなんだ?ジュニア・ウォーカー?タムラ・モータウン?田村君が何か関係してんのか?スカってなんだ?とか。FMラジオかFM/洋楽雑誌くらいしか情報のない時代には、こういうのは本当に貴重な情報源でしたよ。ライナー内側には音楽評論家の森脇美貴夫さんによる、今となっては泣かせる解説と全曲の歌詞対訳が載っていて、これも当時はくり返し読んだものです。しかし改めてジャケを眺めてみると、刈り下げ(もみ上げを刈って襟足を伸ばす)ヘアのブルース・フォクストンと火山みたいな頭のリック・バックラーに、コテコテのモッズルックのウェラーっちゅうなんともアンバランスなトリオに見えますが、当時のライヴ映像やテレビ出演時の口パク映像では不思議な統一感があって、みんなカッコいいんだよなあ。おわり