アイランド・レコードから72年にリリースされた2枚組の初期編集盤です。京都のワークショップさんより格安で入手しました。セカンド・プレスのオレンジ・パーム・ツリーですがいちおうUKオリジナル盤です。表裏がヴィニール・コーティング、見開きには各曲の詳しい解説とトラフィック在籍期のカッチョイイ白黒写真が多数載っています。デイヴのファンなら押さえているであろう、トラフィックの1stアルバム、2ndアルバム、初期ベスト盤やコンピ盤、それにソロ名盤『Alone Together』、『Headkeeper』をもっていればほとんどダブってしまうので必要のないコンピ盤かもしれませんが、実はチョコチョコと貴重なトラック、重要な要素が入っています。そんなわけで(無理矢理)このレコの存在価値を見つけ出したいと思います。まずもしかするとシングル盤以外のレコでは、ここでしか聞くことができないかもしれない”Little Woman”がなんつっても貴重なトラックです。68年2月リリースのシングル”Just For You”のB面だった曲で、ブリティッシュ・トラッド全開のたまらんメロディに、中東かインドあたりを思わせる擦弦楽器がバシバシ入っています。自分の場合、正直いってこの1曲のために手に入れたようなものです。あと有名な”Feelin' Alright?”は、セカンド・アルバムやシングル盤のヴァージョンではなく、再アレンジされる前の最初にレコーディングされたヴァージョンです。まだスワンプ・ロックと化した公式盤のようなリズムではなく、アコースティック・ギターが強調され、ドラムもややおとなしめのフォークロック調となっています。間奏もサックスではなくフルートになっていて、あの印象的なピアノのフレーズもまだ出てこないです。でもこちらの渋いヴァージョンもめっちゃいいですよ。あと『Alone Together』のUKハーヴェスト・オリジナル盤の音質なんですが、膜1枚へだててちょっと遠いところで鳴っているような、あまりいい印象をもっていなかったんですが、ここに入っている『Alone Together』収録曲(”Waiting On You”と”Look At You Look At Me”を除く全てが収録)の方が圧倒的にリアルで生々しくて気持ちよいです。ただし”Sad And Deep As You”はライヴ録音です。