昔に載せたやつのリマスター再発ネタです。

78年にキング・レコードから出たSMALL FACESのセカンド「フロム・ザ・ビギニング」の帯の話です。70年代までの日本盤の帯は太過ぎでしたね。おかげで肝心かなめの二人が見えません!計ってみたら幅10センチもあり、なんとジャケの3分1を占めています。帯自体のデザイン・センスにも凄いものがあります。まず字がやたら多くてうるさいです。一番上には「これぞ奇跡!」と書いてあって、それぞれの文字の上に黒点のルビふってあります。その下にはこう書いてあります。「英本国でも入手困難な超貴重盤が完全オリジナルのまま、しかもこの特価で今、君の手に!」 1800円です。帯右には縦に太字で「全アルバム、完全オリジナル盤!!」、その左には「★歌詞、訳詞、詳しい解説付★ 監修=小倉エージ・大貫憲章・伊藤政則・三宅はるお・たかみひろし」、その上にはちっちゃいちっちゃい字でしかも右上がり斜めに帯左右に2つ、「ブリティッシュ・ロックのルーツ」、「ロンドン・ロック名盤1800シリーズ」とあります。一番デカく「フロム・ザ・ビギニング」、とアルバム・タイトルが直角にカーヴしていて、その左上にはこう書いてあります。「あのスティーヴ・マリオットとイアン・マクラガンとロニー・レーンとケニー・ジョーンズから君への過去からの強烈なメッセージ!」右下には、「スモール・フェイセスのオリジナル第2弾!今はなきグレイト・ロックン・ロール・バンド、フェイセスのルーツ野郎たちが、ありったけの熱さを歌に託して君にたたきつける!これが本物の“ビート”ミュージックだ!」 肝心なグループ名を載せるのを忘れていたのか、なぜかその横に思い出したかのように中途半端な大きさで「スモール・フェイセス」、帯左下には全収録曲が邦題、カタカナで・・・なんとも読みごたえのある帯です。プロのデザイナーから見ればおそらく素人丸出しの仕事なんでしょうけど、今となってはこのアナログ感と熱意にグッときたりします。ちなみにこの国内盤の音は非常に素晴らしいモノラル・サウンドです。しかし残念なことに同シリーズのファースト・アルバムの方はカッティング上のトラブルなのかマスター・テープの問題なのか、音がこもっていてかなり悪いです。70年代に擬似ステレオでなかったのは珍しいと思うのでヒジョーに惜しい!以上!