6年ほど前にリリースされたアナログ盤5枚組ボックスセットです。内訳はアルバムのリマスターが1枚、オルタナット(デモ)・ヴァージョン及び同時期シングルのB面の寄せ集め(『Additional Recordings』)が2枚組、そしてライヴ(『Live In Boston』)が2枚組の計5枚です。まずアルバムのリマスターについては、そもそも平板な80sサウンド自体あまり好きではないのでどうでもいいのですが、いちおうジョニー・マーによる立会いの下でリマスター作業が行われたらしいです。楽曲のすばらしさがつまらん80sサウンドを補って余りあるくらいの大名盤なので、どうしてもそのあたりのオリジナル・ミックスとの聴き比べなんちゅう気が起こらんのですわ。おまけに自分のバカ耳では違いなど分からんと思うので、すっ飛ばしたいと思います。また気が向いたらということで… 

 

次のデモ&シングルB面については、後者はスミス・ファンであれば12インチシングルその他でおそらく大半の人は既知だと思います。デモは久しぶりに聴いてみましたが、どれも完成度高くてこちらがアルバム・ヴァージョンとなっていたか、採用テイクとなっていたとしても特に違和感ないほどの出来だと思います。中では特に“Never Had No One Ever”のトランペット・ソロがびっくりしましたね。これも今の時代であれば全然ありだと思いますが、86年当時では時代が許さんかったんでしょう。他は基本的にはまだジョニー・マーのエレクトリック・ギターがダビングされる前の、アコースティック・ギターとリズム隊のみのヴァージョンです。“Cemetery Gates”はアルバム・ヴァージョンよりもわずかにゆったりしたテンポになっていて、こちらも捨てがたい魅力があります。

 

そしてこのボックスセットの目玉はやはり『Live In Boston』やと思います。スミスの正規ライヴ盤といえば『Rank』という名盤がありますが、それが86年10月のロンドンでの収録、こちらが86年8月の米ボストンでの収録ということで、ほぼ同時期のライヴということになります。特筆すべきは、こちらには『Rank』に未収の“There Is A Light That Never Goes Out”が入っておる!ということです。あとは同様に“How Soon Is Now”、“Hand In Glove”、“Never Had No One Ever”なども入っているので、『Rank』とは半数以上が被らないような構成になっています。おそらくそれを念頭においた選曲がされたんだと思いますが、スミスの『Queen Is Dead』期のライヴはこの2枚(正確には3枚)で十分に堪能できる!という点で結果的に意義の大きいボックスセットになりやした。ジャケについては、元々使われていたアラン・ドロンの微妙に異なるポーズや、モリッシーの趣味と思われる映画の一場面がそれぞれのジャケに使われています。私は全く詳しくないですが、モリッシーと同じような映画マニアのファンであればたまらんのではないかしら?おわり

 

元ジョー・コッカーのバック・バンドで、なんと69年のウッドストック・フェスティヴァルにも出演した彼らのセカンド・アルバムで最終作です。手に入れたのは「グッドイアー・レコード」のドイツ・オリジナル盤す。ちなみにアナログ盤は79年に英チャーリー・レコードから再発されています。リーダー格のヘンリー・マッカロウ(ヴォーカル/ギター)はポール・マッカートニーのウィングスに参加したあとだったし、ドラマーのブルース・ローランドは同時期にロニー・レーンのスリム・チャンスでも活動していましたから、前作のデビュー作から4年もあいたことを考えると、「おっしゃ、このへんでみんなもっぺん集まって原点に戻ってみまひょか~」っちゅうノリやったのかもしれませんね。ジャケット・デザインはもろザ・バンドの『ムーンドッグ・マチネー』とか、エッグス・オーヴァー・イージーの1stを思わせるところがあって、そこからイメージできる内容そのまんまっす。つまり典型的なスワンプ・ロックです。初めてレコを手にしたとしても、くるっとジャケを裏返して目に留まるオープニングのディランの“ニュー・モーニング”と、B面1曲目のファッツ・ドミノの“ブルー・マンデイ”で、その筋の人には容易に想像できますよね。デビュー作が好きな人ならまず間違いなし!のいい意味での予定調和的、お約束的、期待を裏切らない代わりにサプライズ全くなしの安心の1枚です。YouTubeで現在見ることができるドイツの音楽番組『ビート・クラブ』での“Let It Be Gone”(1st収録)では、原曲よりもかなりテンポを落とした、さらに泥臭くヘヴィなパフォーマンスを見ることができます。プロのバンドでさえ、普通ライヴはテンポが速くなるもんなんですが、このへんが職人技ちゅうか確信犯ちゅうか、おそらくザ・バンドの影響力はものすごかったんでしょうね。そういえばストーンズのライヴ盤『ゲット・ヤー・ヤー…』も、やたらとテンポを落としてやってました。

 

ミュージカル『ヘア』の挿入歌で、黒人の公民権運動が盛り上がっていた時代らしい歌詞をもつソウルの大名曲です。日本のモッズ・バンド、バックドア・メンがカヴァーしてシーンに広めた曲で、俗称“チーカマ”っす(歌詞の中の「chin! got my~」部分がそう聞こえるところから)。手に入れたのは当時のドイツ盤で、ホーンがバシバシ入ったアップテンポのソウル・ヴァージョンです。アタマから16分を刻むゴリゴリのベースが強烈な印象を残す派手な仕上がりなんですが、この曲には一体いくつあるんだ?!っちゅうくらいたくさんのヴァージョンがあって、現存するライヴ・ヴァージョンを含めると軽く1枚のアルバムができてしまうほどじゃないかと思います。で、今回は楽曲同様、すんばらしい歌詞を紹介したいと思います。ひと言でいえば根源的な人間賛歌ですが、深読みすれば当時も差別されていた黒人たちの実際の奴隷時代を思わせるような、シンプルでいながら深い深い内容をもつ歌詞です。ライヴではおそらくアドリブで歌詞を変えていたりして、‘服もない’とか‘教会もない’とか、「これはさっきいったっけ?」とか歌ってます。なかなか粋っすね。ちなみにB面はクラレンス・カーターも取り上げた“Do What You Gotta Do”です。

 

家もない 靴もない
お金もない 地位もない
友だちもいない 学校もない
仕事もない 働き口もない
恋人もいない

 

お父さんもいない お母さんもいない
子供もいない 信じられるものもない
土地もない 水もない
切符もない 引換券もない
愛もない

 

私には何がある?
じゃあ私はなぜ生きている?
私には何がある?
誰にも奪えないものは?

 

私には髪がある 頭がある
脳がある 耳がある
目がある 鼻がある
口がある 笑顔がある
舌がある 顎がある
首がある オッパイがある
心がある ソウルがある
背骨がある 性別がある

 

私には腕がある 手がある
指がある 足がある
くるぶしがある つま先がある
肝臓がある 血が流れている

 

私は生きている 笑いがある

頭痛もある 歯痛もある

悪い時もある あなたと同じように

 

私は生きている
私には自由がある
私は生きている

私は生きている

私は生きている

 

68年にアトランティック・レコードとの配給契約を解消して、独立レーベルとなったスタックス/ヴォルトのコーラス・グループのセカンド・アルバムです。サザン/ディープ・ソウルでは珍しいコーラス・グループとしては、個人的にはこれとオヴェイションズくらいしか知りまへん。ただオヴェイションズはルイス・ウィリアムズのサム・クック生き写しなヴォーカルのおかげで、グループとしてよりもルイス個人の存在感の方が目立っておりました。こちらはそれほどディープとはいえないジョン・ゲイリー・ウィリアムズのリード・ヴォーカルと同等に、楽曲そのものや、ドラムとプロデュースとアレンジを担当しているアル・ジャクソンに聴きどころがあって、そういうところは彼らのデビュー作『イン・アクション』(66年作)と似た立ち位置です。『イン・アクション』のバッキングは完全にブッカーT & The MGsやったんですが、こちらもアル以外もMGsのメンバーなんですかね?裏ジャケその他にそのへんのクレジットがなく、聴いた感じでもようわかりませんでしたが、いずれにせよグループのカラーに合ったやや軽めなバンド・サウンドとアルのドラミングは最高に違いなく、例えば同時期のステイプル・シンガーズとかソウル・チルドレンのバッキングに通じる心地よさがあります。どの曲も粒ぞろいで、カヴァーではエディ・フロイドの“I’ve Never Found A Girl”、メジャー・ランスの“Monkey Time”、そしてたしかジャニス・ジョプリンがカヴァーしたガーネット・ミムズの“Cry Baby”など、彼らに合った選曲とアレンジが施されていて、ここんとこはアル・ジャクソンの手腕でしょうな!

 

79年に日本独自編集盤として出たレコです。オリジナル・アルバムは77年のデビュー作『Never Mind The Bollocks』(邦題:勝手にしやがれ!!)の1枚だけですから、普通ならベリー・ベスト・オブとはどういうこっちゃ!となるはずですが、実はシングル盤以外ではなかなか聴くことができないアルバム未収のシングルB面曲が4曲入っているレコということで、ファンにとっては必携だったりします。その4曲の内訳は、“I Wanna Be Me”(“Anarchy In The UK”のB面)、“Did You No Wrong”(“God Save The Queen”のB面)、“No Fun”(“Pretty Vacant”のB面でストゥージズのカヴァー) そして“Satellite”(“Holidays In The Sun”のB面)で、特に“Did You No Wrong”と“Satellite”がデビュー作収録曲のどれにも負けないほどの出来なんですね。あと個人的にはそれほど興味をひかないですが、(おそらく)ジョニー・ロットンの参加していない“Here We Go Again”と“Black Leather”がこのアルバムでしか聴けないらしいです。残りの7曲はデビュー作に入っている代表的なナンバー3曲(上掲のA面曲)プラス2枚組のサントラ盤『ザ・グレイト・ロックンロール・スウィンドル』収録の4曲です(“Rock‘N’Roll Swindle”、“C’mon Everybody”、“Silly Thing”、“My Way”)。そんなわけでピストルズはデビュー作と『~スウィンドル』とこの『ベリー・ベスト』の3枚(厳密には4枚)でほぼコンプリートとなるので、大変便利なレコではあります。あ。ひとつマニア向けのネタ思い出しました。『~スウィンドル』は初盤のみに、ライヴ・ヴァージョンでスモール・フェイシズの“Whatcha Gonna Do About It”収録です。ただし!途中で演奏をやめてしまう2分足らずのガラクタ・ヴァージョンす…

 

いったい何種類あるんじゃ?っちゅうくらい多くのライヴ盤が出ているジミヘンの新たなライヴ音源が出ました。購入したのは輸入盤国内仕様のアナログ盤です。今本格的にアナログ盤が復活しているらしいですが、定価4,180円もするってことはまだまだ大量プレスには程遠いってことなんですかね?完全生産限定盤なのでファンは早めに買った方がいいと思います。ハリウッド・ボウルといえばビートルズのライヴ盤が有名ですね。あの伝説のモンタレー・ポップ・フェスティヴァルでの衝撃のステージから約2ヶ月後のこのライヴは、ママス&パパスの前座として出演した時のもので、会場は18,000人もの聴衆で埋め尽くされていたそうです。セット・リストは当然モンタレーと多くダブります。モンタレーでプレイされていた“Rock Me Baby”、“Hey Joe”、“Can You See Me”の代わりに“Sgt. Pepper”(ビートルズのカヴァー)、“Catfish Blues”、“Fire”が入っていて、それ以外は全てダブりです。正直いいますと、全体的には演奏も音質もモンタレーの方がいいと思います。“The Wind Cries Mary”では2ヶ所歌詞が飛ぶし、“Foxy Lady”では途中で音が引っこんだりします。それでも腐ってもジミヘンですよ。個々で見れば“Catfish Blues”ではミッチ・ミッチェルのカッチョいいドラム・ソロが聞けるし、“Killing Floor”はモンタレーの高速ヴァージョンよりも、こっちの腰のすわったドッシリした演奏の方が好みだったりします。12ページのカラー写真満載のブックレット付きで、国内仕様盤にはライナーノーツの完訳と裏ジャケ全体を覆う帯がついていて、値段は輸入盤とそれほど変わらないので、オススメは国内仕様盤す!

 

近鉄奈良駅まん前のビートルズ専門店「ビーセルズ」で、このUKオリジナル・シングルを手に入れやした。店主さんによると、ビートルズのUKオリジナル・シングル盤の中では“Strawberry Fields/Penny Lane”の次に人気が高いそうです。それなんとなくわかるような気がしますね。“ストロベリー・フィールズ”の7インチはビートルズ史上最強のカップリングといわれているし、かっこいいジャケ付きでしたから別格の存在として全く文句ないですが、一方で前年のこれはハードでサイケなギター・サウンドとポールのブンブンうなるベース・ラインを一度はオリジナル・シングルの爆音で聴いてみたい想像をかき立てまくりですもの。60年近く前のブツなので当然それなりに聴き込まれていて、音質の劣化、バックグラウンド・ノイズは見られましたが、実際迫力満点のモノラル・サウンドが飛び出してきました。こうなってくるともっと保存状態のいいオリジナル盤がほしくなってくるといういつもの欲求パターンが出てくるんですね。ただやはりそういうのは1万近くか1万超えくらいに跳ね上がるというわけです。現存する当時のシングル盤にありがちなのが、A面に比べるとあまりプレイされてこなかったB面は劣化がそれほど進んでいないので、A面よりもきれいな音質で聴けることです。なのでここでの“レイン”がまた最高なんですね。ヘタするとファンによってはA面よりも好きや!っちゅうナンバーなので、このシングル盤の人気もよくわかります。

 

ここで7インチ・シングル(シングル盤)について、世間に出回っている誤謬を正したいと思います。ここ何年か何10年の間かよくわからないんですが、例えばヤフオクなんかでシングル盤が出品される時に、よくEPとかEP盤という呼称が使われているようです。おそらく12インチ・サイズのLP(Long Playingの略)盤に対して語呂がいいのが主な原因じゃないかと思います。しかしEPちゅうのはExtended Playingの略で、Extendedは「拡張された」とか「伸ばされた」という意味で、片面に通常2~3曲収録された7インチ盤のことを指します。つまり片面1曲のシングル盤よりも曲数、時間が増やされたという意味です。なのでEPというのはシングル盤とはあくまで別種の存在です。そのへんが誤解されているようなので、若者のみなさん、注意しましょう。まあまあ、オッサン、そんなかたいこといわんでもだいたいわかるがなといわれるかもしれませんが、この誤解、たぶん日本だけだと思うので、例えば海外オークションの場とかでトラブルの元にならないとも限りません。そんなわけで間違いは間違いとして認識しましょう。と思って念のためネットでいろいろ調べてみたらまた別の定義があって、ExtendedはLPの内周部の情報量を拡張させたっちゅう意味で、やっぱり7インチ・シングルも含まれるとありました!あら?こうなってくると何が何やらわかりません。もうどうでもええわ。

 

「鼻血ピュ~~」の“Like A Rolling Stone”収録のアルバムです。アルバムとして聴きたくなり(何周目やねん)、何10年ぶりかでアナログ盤で手に入れました。いちおうUSオリジナルですが、レーベルは最初の360 SOUNDではなくておそらくセカンド・プレスに当たる70年代初頭~半ばのやつです。ディランに関しては多くの人たちと同様、本人のオリジナル・ヴァージョンよりもマンフレッド・マンやフェアポート・コンヴェンションやその他無数の人たちがカヴァーしたヴァージョンの方が好きっちゅう不届き者なので、それほど詳しくないですが、“~Rolling Stone”に関してはオリジナル・ヴァージョンが一番気に入ってます。と思ったらこれをカヴァーした人なんて、もしかしたらほとんどいないかもしれませんね。知る限り英モッズ・バンドのクリエイションしか思い出せんです。改めて聴いてみて大昔この作品を手放した理由を再認識いたしやした。自分にとってはこの頃のディランのストレートなブルースロックがどうにも退屈ちゅうか、それ以外の魅力的な楽曲とのギャップが激しかったんですね。ここでいうと、“~Rolling Stone”が終わってから始まるブルースロック3連発、そしてタイトル・トラックですね。しかし!重いゴスペル調の“Ballad Of A Thin Man”に始まって、“Queen Jane”、“Just Like Tom Thumb’s Blues”(Bluesとつくが、いわゆる3コード・ブルースではない)、“Desolation Row”が最高なんですね。特に最後の“Desolation”は10分超えにもかかわらず全く長さを感じることなく陶酔できてしまいます。そしてこれらの路線が1年後にリリースされる名作『ブロンド・オン・ブロンド』につながるような気がします。なるほどディランにとっては過渡期的な作品だったわけですね。おわり

 

元キング・クリムゾンのイアン・マクドナルド(キーボード、ヴォーカル他)とマイク・ジャイルズ(ドラムス)による唯一のアルバムです。個人的にはクリムゾンのトゥー・マッチな部分は好みではないので、こちらの方がしっくりきます。1曲目の“組曲ハ長調”にはスティーヴ・ウィンウッドがオルガンとピアノで参加しているし、サックスやフルートなんかも出てきて、なるほどトラフィックぽいところもありますね。あくまでエイトビートのリズムが主体となった歌物がメインなので聴きやすいっす。しかも英国らしくちょっとかげったメロディに、ストリングスが被さってきたりしてたまらんですね。B面は5つのパートから成り立つ壮大な組曲1曲で占められていて、さすがプログレ畑の凄腕ミュージシャンらしく、といいたいところですがこちらもけっこうポップな歌が出てくるので、こてこてのプログレやクリムゾン・ファンにとっては物足らないのかもしれませんが、ブリティッシュ・フォークロック好きにはちょうどいい塩梅す。やや強引に例えていうなら、クリムゾンとこのマクドナルド&ジャイルズは、同じバンド(ワイルド・フラワーズ)から派生した演奏主体のソフト・マシンと歌主体のキャラヴァンの関係に近いと思います。ほんで特筆すべきは音の良さですね。特にドラムスとベースのサウンドが心地よいです。69~70年制作で音のいいレコードといえば、真っ先に思い浮かぶのがビートルズの『アビー・ロード』ですが、そこでのリンゴとポールのサウンドにも匹敵するほどやと思います。

 

元マンフレッド・マンのトム・マッギネスが結成したバンド、マッギネス・フリントからギャラガーさんとライルさんが抜けたためなのか、名義を単なる連名にしての3枚目です。プロデューサーはマンフレッド・マン(個人名)とメンバーで、なんと全曲ボブ・ディランのカヴァーです。この世代の英フォーク・ミュージシャンはほぼ例外なくディラン好きなんですが、その中でもこの人らはほんまディラン好きなようです。マンフレッド・マンのヒット曲にもディラン・ナンバーが多いし。あとギャラガー&ライルが抜けてしまい、ソングライティングを担う人がいなくなってしまったっちゅう事情もあるみたいです。このアルバムがリリースされた当時はまだ世に出ていなかったディランの『ベースメント・テープス』(『地下室』)からの曲がたくさん入っています。私の場合、ディラン本人よりも彼のカヴァーの方に愛着があるっちゅう不届き者パターンなので、実はディランは有名な曲しか知らず、所有しているレコも『地下室』と『ブロンド・オン・ブロンド』だけなんす。よってただでさえ、かなりマニアックなこのレコの内容の中でかろうじて知っていたのは、フェアポート・コンヴェンションで聴いたことのある“Open The Door Homer”と“Lay Down Your Weary Tune”だけでした。しかしそれだけに個人的には楽曲が新鮮に響いてくるし、実にいい曲ばっかりで、おそらく本家ヴァージョンでは楽曲の良さが伝わらないんだろうなと思います。なんと失礼な。あ、そういえばヴォーカルに関しても、ディランに影響を受けたルー・リードとかマーク・ノップラーの方が好きですね。ひどい。おわり