68年にアトランティック・レコードとの配給契約を解消して、独立レーベルとなったスタックス/ヴォルトのコーラス・グループのセカンド・アルバムです。サザン/ディープ・ソウルでは珍しいコーラス・グループとしては、個人的にはこれとオヴェイションズくらいしか知りまへん。ただオヴェイションズはルイス・ウィリアムズのサム・クック生き写しなヴォーカルのおかげで、グループとしてよりもルイス個人の存在感の方が目立っておりました。こちらはそれほどディープとはいえないジョン・ゲイリー・ウィリアムズのリード・ヴォーカルと同等に、楽曲そのものや、ドラムとプロデュースとアレンジを担当しているアル・ジャクソンに聴きどころがあって、そういうところは彼らのデビュー作『イン・アクション』(66年作)と似た立ち位置です。『イン・アクション』のバッキングは完全にブッカーT & The MGsやったんですが、こちらもアル以外もMGsのメンバーなんですかね?裏ジャケその他にそのへんのクレジットがなく、聴いた感じでもようわかりませんでしたが、いずれにせよグループのカラーに合ったやや軽めなバンド・サウンドとアルのドラミングは最高に違いなく、例えば同時期のステイプル・シンガーズとかソウル・チルドレンのバッキングに通じる心地よさがあります。どの曲も粒ぞろいで、カヴァーではエディ・フロイドの“I’ve Never Found A Girl”、メジャー・ランスの“Monkey Time”、そしてたしかジャニス・ジョプリンがカヴァーしたガーネット・ミムズの“Cry Baby”など、彼らに合った選曲とアレンジが施されていて、ここんとこはアル・ジャクソンの手腕でしょうな!