青い鳥を探して(第十回)土井監督の凄さ
TBSテレビ金曜ドラマ「青い鳥」勝手に解説
今回は、第8章「再会」の話しです
トヨエツが刑期を終えて清澄に戻るのと同時に
東京に預けられていた鈴木杏が成長して
山田麻衣子になって清澄駅に到着
しかし、冒頭はその顔を見せずにハーモニカを見せて
成長した姿を見せない(顔を見せないにこだわる土井監督)
あの練習していた曲【峠の我が家】をハーモニカで吹きながら
トヨエツの家に近づく女性(その音で視聴者には詩織と判明)
手前に咲いている赤い花は「彼岸花」か?
「幽霊花」とも「死人花」とも言われ
花言葉の「悲しい思い出」が象徴的
玄関が見える辺りでハーモニカを吹くのをやめて立ち止まる
▼ハーモニカを手に持ち▲カメラがPAN-UPするとまだ顔は見えない
ハーモニカの音色を聞いて外に出て来るトヨエツ
音色の主を探すが見当たらない
「気のせいか…詩織が来るわけないよな…」(台詞は無い)
というような表情
家の中へ戻ろうと踵を返すトヨエツ
両腕で自分の体を抱えて外の寒さを表現
戻ろうとするトヨエツを見て
木の陰に隠れていた詩織は←左にフレームOUT
※1枚目の写真から分かるようにこの位置に隠れるような木は本当は無い!映像のマジック!カキワリの可能性も
その気配を感じたのか、もしくは
「待てよ、ひょっとして…」(台詞は無い)という気持ちからか
立ち止まって振り返るトヨエツ
カメラはゆっくりトヨエツに寄って行く
この辺から主題歌のイントロがかかる
トヨエツの目線の動きが秀逸!
下手(詩織がいた辺り)を見るが▲
▼上手に目線を動かし「そんなわけないか…」(台詞は無い)
カメラはさらに寄っていく
ここはずっとワンカットの緊張感
主題歌イントロに♪ラン、ラララ、ラララ〜ンと歌声が乗ってきて気持ちが盛り上がってくる
▼「いるわけはないが…」(台詞は無い)
♪フゥ〜、ウゥ…
▼「でも、ひょっとして!」(台詞は無い)
の感じで下手を見た瞬間に!OP映像に切り替わり
♪遠くで星たちい〜
たまらん!
シビれまくるこのカット割りと曲との相乗効果!
特にラストの目線移動が
下手を見た瞬間に切り替わるのが天才的!
曲と映像のタイミングを熟知してる土井監督!
ここまでで、まだOP前である
しかし、どうしても連続写真で見てほしかった!
そして、ここまでの間、一瞬も詩織(山田麻衣子)の顔は見えない
顔を見せないにこだわる土井監督!
掲載写真枚数が限界なので(OP前だけで)
続きは次回
このOP前の目線演出は土井監督の得意技なのか
他の演出回も素晴らしいので是非見てください
ただ、筆者はこの第8章「再会」のが最高だと思う
青い鳥を探して(第九回)土井監督の凄さ
TBSテレビ金曜ドラマ「青い鳥」第3章「炎の夜」
今回は娘の詩織(鈴木杏)の話しです
この前の回「第2章 秘密の絆」で学校でイジメにあった鈴木杏を慰めるためトヨエツは自転車で丘に連れ出す
ハーモニカが上手く吹けない鈴木杏
「貸してみて」とトヨエツが見本で吹いてみせて
「はいっ」と返す
そのハーモニカを見てとまどう鈴木杏
「これじゃ間接キスになっちゃうよ」(そんな台詞は無い)ということを考える「間」がある
トヨエツの事を意識していると
この第2章で視聴者には情報が打ち込まれる
そして、第3章
駅のホームのベンチに座ってハーモニカの練習をする鈴木杏
隣に座って見ているトヨエツ
茂みからそれを覗いている詩織の継父役の佐野史郎
第2章と同様にトヨエツが見本で吹いたハーモニカを渡され
「また間接キスじゃん」(台詞は無い)という照れ顔の鈴木杏
ここで、鈴木杏からトヨエツに質問
「駅長さん(トヨエツの愛称)はママのこと好きなの?」
動揺するトヨエツ(注:祭りの前の話しです)
「そしたら三角関係になっちゃうなあ、だって私 駅長さんが好きだもん」
と、突然の告白!
子どもの言う事だな、という感じで
微笑ましいなあというトヨエツの表情
ここで2人の心の距離感を表すように
カメラは横打ちshotに
(この広い画を入れるタイミングが絶妙!)
「お母さんからは、良い友達でいてと頼まれたよ」
と、子ども心を傷つけないよう答えるトヨエツ
「友達かぁ〜」
その晩、トヨエツに嫉妬する佐野史郎が
娘の部屋にやってきてハーモニカを聞かせてくれとせがみ
そのあと、トヨエツと同じように見本を見せようとハーモニカを吹く
冬彦さんのイメージがあるので気持ち悪さ倍増(失礼)
その時の鈴木杏の顔!
テンション下がりまくってます
こんな子どもの顔は見たことない!(笑
どういう指示をしたらこの顔ができるのか(笑
しかも、佐野史郎が部屋から出て行ったあと
ハーモニカの口をハンカチで拭く
汚されたかのように
このくらいの年代の父親嫌いではなく
トヨエツとの絆のハーモニカを汚され落ち込む表現を
鈴木杏の表情で見せる演出!
そして、このあとに
夜の祭りに繋がるという
この第3章はエピソード盛り込み過ぎですわ!
何しろ親娘からトヨエツが告白されるモテエピソードですから
次回は成長した詩織の話しです
青い鳥を探して(第八回)土井監督の凄さ
TBSテレビ金曜ドラマ「青い鳥」第3章「炎の夜」の続きです
列車遅延で待ち時間ができた夏川結衣
跨線橋内の路線図でトヨエツと妄想旅行の話しになる
今いる長野県の清澄駅(本当は信濃境駅)から
海が見たいから日本海側に出ると…
という妄想の話しだ
そこでトヨエツは駅員らしく
直江津駅からどっちに行く?と質問
北へ行くなら海沿いとそうでないルートがあるし
そこに行くなら何時何分発の電車が…と間を持たせるためと
男にありがちな自分の知識をひけらかすのがどんどん止まらない厨二病の感じ
それなのに、急に夏川結衣の手を握って路線の先を誘導する大胆な行動に!
急に手を握られ、ズキュゥゥゥゥゥゥン!(©️荒木飛呂彦)
完全に恋する乙女の目になってしまう(夏川結衣の美人さよ!)
上目遣いで男心もくすぐる構図の匠!
時刻表の情報をペラペラ喋るトヨエツの奥に
目がハートになった夏川結衣が下からフレームイン
(しゃがんでいた→立ち上がる)
『駅長さん(トヨエツの愛称)が一緒なら道に迷う事はないんだろうな』
このセリフが重い!
単に鉄道旅行で道に迷わないという意味だけでなく、
今まで道に迷いまくっていた夏川結衣が、トヨエツならこの先の人生を預けても良いという告白
前回の『私をここから連れ出して』と合わせると
この先のドラマの展開になるキーワードなのだ!
その日の夜に神社で開催される祭りにトヨエツを誘うが仕事を抜け出せるかどうか分からないと返すトヨエツ
ここでスルーしていればトヨエツの人生が狂うことは無かった
おそろしやファムファタール夏川結衣
そして、その晩の祭り
何故かトヨエツはお使いを頼まれて祭りに行く事が出来てしまった
脚本とはいえ神様の悪戯よ
かがり火が焚かれて神楽を上演している
カメラ前をかがり火がナメながらドリー(クレーンかな?)して
炎🔥を印象に残すカット割り!
トヨエツと夏川結衣は2人で観にくる
この時、背後にある「かがり火」がポイント
並んで立っている2人の間に流れる張り詰めた緊張感!好き同士の男女によくある瞬間だ
トヨエツはその緊張を感じているが気にしてないような平静を装う顔(微妙な演技が素晴らしい)
対するファムファタール夏川結衣は
何もありませんよ感を出す能面のような無表情
(ここが女の怖さでもある)
そして、夏川結衣から指を絡ませてくる!
こんなの男的にはたまらない(笑
「どういう事?いいの?」(もちろんそんな台詞は無い)
みたいな反応が顔に出てしまう男の単純さ
トヨエツの微妙な良い演技!
「好きが止まんないよぉ」(そんな台詞は無い)
心の声が顔に漏れている(笑
そして、背景のかがり火は
燃え上がる恋心のメタファー!!
対する夏川結衣も無表情だが
背景では燃え上がる恋心!
土井監督は天才か!?
トヨエツからも手を握らせるように動き出す
しかし、周りの人に悟られてはマズい
恋心は燃え盛っているが
顔は平静を装ったまま表情を全く変えない夏川結衣
トヨエツが迂闊にも顔に動揺が出てしまっているのにこっちは出ない
ここからも銀座ホステスNo.1になった実力が垣間見える
カットバックの度に2人の顔が徐々に寄ったサイズになってるのも心情を表している!
目の前の神楽は見ているようで全く見ていない
頭の中は指先に全集中!
この祭りシーンは観てるこちらも緊張してしまう
名シーンです
この神社が現実のどこの神社かは設定されていませんが
信濃境駅の跨線橋から神社の鳥居⛩️が見えるので
ここのイメージなのかな?と勝手に想像して楽しめた(これ以上写真upできないので画像無しでスマン)
この「第3章 炎の夜」はトヨエツと夏川結衣の恋が燃え上がる回なのだが
こっそり真ん中あたりに娘の鈴木杏との三角関係が始まっているのが脚本の巧さよ
それは次回
青い鳥を探して(第七回)土井監督の凄さ
TBSテレビ金曜ドラマ「青い鳥」のメイン監督
土井裕泰監督の凄い目線演出(気づかないうちに刷り込まれる)の話し、今回は「第3章 炎の夜」です
この前の回「第2章 秘密の絆」のラストで
夜の駅事務所にて、トヨエツと2人きりの「かほり」が
「私を連れ出して」と言う
その言葉が忘れられないトヨエツの朝の勤務が
この第3章の冒頭となる
清澄駅に現れた「かほり」
対面側のホームから見ているトヨエツ
昨夜の事があるから目が離せない
鳥かごの文鳥を見ていた「かほり」が
トヨエツの目線に気がついてこちらを見る
通過列車のブラインドとともに
その顔の角度と同じ角度で昨夜の場面がリフレインする
同じ角度でカットバック、
しかも、あとの方がアップで印象に残る巧妙さ
『私を連れ出して』
リフレインから戻るカットも通過列車のブラインド!天才か!?
列車が通過すると…
鳥かごのそばにいた筈の「かほり」が消えている!
リフレイン前と同じサイズのカットにしている事で
消えた感を出すテクニカルなカット割り!
「どこへ行った?」(台詞は無い)
というような顔でキョロキョロと探してしまうトヨエツ
そのキョロキョロの動きで繋ぐアクション繋ぎで
奥の空(から)の階段から降りてくる女の脚
顔は見せない!(顔を見せないにこだわる土井監督!)
※注:この跨線橋の長さだと列車がホームに入線したタイミングでかなりの猛ダッシュをしないと
この感じで脚からフレームインできません(笑
カメラ前に腕がフレームインしてきてナメshotとなる
その腕の持ち主を見るトヨエツ
腕の動きのアクション繋ぎで階段をピョンピョンと降りてくる「かほり」
トヨエツを見つけている
『おはよう』かほりが声をかける
目が泳ぐトヨエツ
『おはようございます』挨拶を返す
照れている(笑
ニヤけながら目をそらすが見てしまう
『昨日はごめんなさい』謝るかほり
自分は思った事をすぐに口に出してしまうから
あの気持ちは嘘ではないという言葉に
惑わされるトヨエツ
この時から、ファムファタールの実力を発揮するかほり
この感じで今まで何人もの男を虜にして
銀座ホステスのNO.1になったのだ
田舎の純粋な鉄道員のトヨエツがハマってしまうのも無理はない
この時の夏川結衣は美人すぎる
アクション繋ぎを使って、流れるようにカットが進む
まるで、ちばてつや先生のマンガを読んでいるかのように流れに澱みがない
リフレインはともかく、
『おはよう』までセリフ無しでカットが繋がっている
第1章の冒頭といい
カット割りの天才か!?
次回は引き続き「第3章 炎の夜」を分析
この回が一番内容盛りだくさんで見応えがある回です
青い鳥を探して(第六回)土井監督の凄さ
TBSテレビ金曜ドラマ「青い鳥」のメイン監督
土井裕泰監督は、とにかくロングを挟むタイミングと目線演出が凄い(気づかないうちに刷り込まれる)
今回は目線演出について「第1章 許されない愛」のラストシーン
雨が降る信濃境駅
いつものように車のお迎えを駅で待つ詩織(鈴木杏)
OA的には、かほり(夏川結衣)の顔は途中で永作博美の店に来た時に視聴者にはバレているが
トヨエツには番組冒頭から一度も顔を見せていない
このシーンで初めて顔を見る重要な場面
いつもの赤い車が駅前のいつもの場所に到着
雨が降っていても駅舎ギリギリではなく少し離れた場所に停車するという
礼儀をわきまえた女性である事が分かる(他の乗客の動線を塞がないよう気遣いが出来る)
赤い傘をさして降りてくるが顔は見えない
歩いて車のフロント側に移動してくるのを
カメラはフォローするが顔は傘で見えない
顔を見せないまま、こっち(駅舎)に向かって来る
その時!突風に煽られ傘が空へ舞い上がる
「あっ」という表情が一瞬見えるも
まだ顔はハッキリ分からない
横向きになり手でも顔を見えにくくしている
彼女の顔が気になりつつも
空に舞った傘に目が行くトヨエツ
舞い上がった傘が
少しずつ下へ↓落ちてくる
傘の動きに合わせてトヨエツの目線が下へ向く
そういえば、どんな顔してるんだろう?という顔
(もちろんそんな不恰好な台詞は無い)
雨で濡れた髪の横顔
ここまできてまだ顔をハッキリ見せない!
するとカメラ前を一瞬遮る赤い傘で
ブラインドになり…
傘が落ちると、濡れ髪の顔が
トヨエツの目に映る
一瞬「無」になるトヨエツ
雨に打たれて
何故か開放感を感じたのか
「嗚呼、なんかもう濡れてるのは どーでも良いわ」という感じで目を閉じて顔がゆっくり上を向く
この雨のシャワーで
東京の生活を捨て、この土地で暮らすため
何かを洗い流すようなイメージ
上を向いたところで雷が
ピシャァァァァッ!(©️島本和彦)
画面が白く点滅
そして挟まれる駅前のロングshot
ここでも雷の白い点滅効果
ピシャァァァァッ!(©️島本和彦)
まだトヨエツとかほりには、こんなに離れた距離感
という事を表しつつ駅前の雰囲気
しかものちに娘と三角関係(娘だけが思う関係)となる暗示でもある3人の図
この時は娘の方が近い距離感とも言える
そして、
かほりの顔から目が離せないトヨエツの横顔で
また雷の白い点滅効果
ピシャァァァァッ!(©️島本和彦)
まさに雷に打たれたような一目惚れ
このあと、かほりとトヨエツが見つめ合い
カメラがトヨエツに正面からドリーINして顔のUPになったところで第1話終了
第2章への引きが
強い!絶対に強い!(©️黄金バット)
とにかく、カットごとの視聴者の視線誘導が上手すぎる!
視線の話しは次回に続く
例に出すのも おこがましいですが
アニメックに池田憲章氏が連載していた
「特撮ヒーロー列伝」の雰囲気で
カットの連続写真付きで勝手に解説&分析しています



































































