斎藤英喜の 「ぶらぶら日記」 -9ページ目

某文庫のゲラを受け取り

金曜日。

写真は、何年かまえの今ごろ、散歩で船岡から眺めた、夏雲と比叡山。

早く、この景色をリアルで眺めたい…。

 

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今日は、入院してちょうどひと月目です。早いような、いつまで続くのやら、と。

最初はのんびり、ゆったりの入院ライフで、けっこうな身分なんて言ってましたが、

やはり、そうは問屋はおろさない。

半ばをすぎて放射線、抗がん剤の「ダブル副作用」で、

食事ができなくなるという「煉獄」が待っていたのでした。

 

「食べること」が人生の楽しみの上位にある僕にとって、

これは最大級にきついですね。

 

とはいいつつも、やっと「ラスト」も見えてきたので、

予定どおりのラストになるように祈るばかり。

 

今夜は、妻が持ってきてくれた冷製の茶碗蒸しが食べられました。でもタケノコとの具材はダメ。固形物は噛んでも味がしない…。

 

こんななかで「仕事」ができる、というのは救いですね。

 

人文書院の三校を渡した、翌日は、某文庫のゲラを病院内カフェで受け取りました。

まだ公開まえのものなので、書名はいえないのですが(早く言いたくてうずうず)、

長らく「品切れ」となっていた、アノ本です。

ゲラを読み直していると、ほんと文体が熱い。

これも、このときでなければ書けなかった一冊ですね。

 

自分の書いた文章に元気づけられます。

ゲラを持ってきてくれた某出版社の編集の方との雑談も楽しかった。いや雑談というか、来年の次の企画の話も出てきて、それで盛り上がりました。

 

こういうふうに「病人」を高揚させてくれる能力って、考えてみると凄い方ですね。

お見舞いにプリンもいただきました(笑)

 

ということで、入院ひと月目の日常です。

 

 

 

 

 

三校のゲラ

水曜日。

一歩、病室の外に出ると、むっとするような陽光です。もう夏ですね。

 

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お昼過ぎ、人文書院の松岡さんに、わざわざ病院内カフェまで来てもらい、

『神道・天皇・大嘗祭』の三校のゲラを手渡ししました。

それをいろいろと点検する作業。そしてちょっと雑談。

松岡さんも、これまで入院先までゲラを取りに来たのは、初めてとか(笑)。

ほんとにいろいろな意味で「記念」すべき本になりましたね。

次の再会は、刊行祝いの打ち上げで!!


人文書院の公式発表以降、X(旧Twitter)とかでも、早くも評判になっている様子です。
 

 



そういえば、Yahoo!ニュースとか見ていたら、「欽ちゃん劇場」とかに出ていた俳優の見栄晴さんが、なんと下咽頭がんで入院していた、という記事がありました。

彼も切除ではなく放射線治療を35回、抗がん剤を3回という治療方針であったとか。

これは僕と同じですね。

記事によると、治療の結果、がんは消滅したとのこと。

なんか同病の人の、こういう記事は、うれしいですね。

ちなみに僕は「上咽頭」ですが…。

やはり彼も副作用で食事ができなくなり、最後は院内のコンビニで買ってくるスイーツを食べていたとか。これも、いまの僕と同じ。

いまプリンとかアイスとかケーキみたいなものが「命の綱」です(笑)

たぶん僕の人生で初めて「食欲」というのがなくなった。

でもカップスープやスイーツだけは、なんとか食べられる。

看護師さんたちからも「好きなものを食べればいい」と。

食欲はないのに、逆に、ラーメン、かつ丼、カレー、ハンバーグみたいなものを

「美味しく」食べたいという要求も。なんてアンビバレンス(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今年の夏は、泳ぎに行けるのか

月曜日。

病室の窓からも見える初夏の雲。ほんと美しいですね。

窓を開けるとさわやかな風も。

 

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今年の夏は、泳ぎに行けるのか…と、そんなことが心配になる、今日この頃(笑)

 

人文書院の校正(三校)の仕事は、一通り終了。

あとは目次とか文献一覧に間違いがないかのチェックをしましょう。

 

  

 

 

 

週末の土曜日は、zoomで「南島諭輪読会」に参加しました。

関西大学、立命館大学、佛教大学などの若い世代の思想史、哲学、

政治学の研究者が、吉本隆明の『南島諭』を輪読していく会です。

 

僕らには見えない、「はっとする」ような意見も聞けて、とても刺激的でした。

 

聞くだけの参加ですが、思わずチャットであれこれ質問、コメントを書き込んでしまい、

ちょっと議論の流れを乱したかも。やはり直接、対話で参加しないとダメですね。