前回は4つ離れた点の合成抵抗について求めた結果、17/15になりました。
今回は2つ離れた点、面の対角線の合成抵抗について求めます(9/10)。
◯面の対角線として、F(1),G(0)を選びます。
◯各頂点の距離は
・O(2,2)、B(1,1)、O'(3,3)、B'(4,4)
…この4点はFからの距離とGからの距離が等しいので電位は1/2です。
・A,C'(2,3)、C,A'(3,2)
・D(3,4)、I(4,3)
・E(1,3)、H(3,1)
・G'(3,5)、F'(5,3)
・H'(2,4)、E'(4,2)
・I'(1,2)、D'(2,1)
です。
◯F(1)から流れる電流の和は、
(F-B)+(F-E)+(F-I')=(1-1/2)+(1-E)+(1-I')
=5/2-E-I'…(0)
となります。
◯A(2,3)についての式
3A=O+D+E
3A=D+E+1/2…(1)
◯D(3,4)についての式
3D=A+I+G'=A+(1-D)+G'
4D=A+G'+1…(2)
◯E(1,3)についての式
3E=A+F+H'
3E=A+H'+1…(3)
◯G'(3,5)についての式
3G'=D+H'+B'
3G'=D+H'+1/2…(4)
◯H'(2,4)についての式
3H'=E+G'+C'
3H'=E+G'+A…(5)
◯I'(1,2)についての式
3I'=F+D'+C'=1+(1-I')+A
A=4I'-2…(6)
A(2,3),D(3,4),E(1,3),G'(3,5),H'(2,4),I'(1,2)
の6文字についての式が、(1)~(6)の6本立ちました。
連立方程式を解きます。
◯式(6)を式(1)に代入すると、
3A=D+E+1/2
3×(4I'-2)=D+E+1/2
D=-E+12I'-13/2…(7)
◯式(6)を式(2)に代入すると、
4D=A+G'+1
4D=(4I'-2)+G'+1
G'=4D-4I'+1…(8)
◯式(7)を式(8)に代入すると、
G'=4D-4I'+1
G'=4×(-E+12I'-13/2)-4I'+1
G'=-4E+44I'-25…(9)
◯式(6)を式(3)に代入すると、
3E=A+H'+1
3E=(4I'-2)+H'+1
H'=3E-4I'+1…(10)
◯式(7),(9),(10)を式(4)に代入すると、
3G'=D+H'+1/2
3×(-4E+44I'-25)=(-E+12I'-13/2)+(3E-4I'+1)+1/2
-12E+132I'-75=2E+8I'-5
(右辺のI'の符号は-で合っています。+なら14で割れましたが…)
-14E+124I'-70=0
E=(62/7)I'-5…(11)
◯式(11)を式(7)に代入すると、
D=-E+12I'-13/2
D=-{(62/7)I'-5}+12I'-13/2
D=(22/7)I'-3/2…(12)
◯式(11)を式(9)に代入すると、
G'=-4E+44I'-25
G'=-4×{(62/7)I'-5}+44I'-25
G'=(60/7)I'-5…(13)
◯式(11)を式(10)に代入すると、
H'=3E-4I'+1
H'=3×{(62/7)I'-5}-4I'+1
H'=(158/7)I'-14…(14)
◯式(6),(11),(13),(14)を式(5)に代入すると、
3H'=E+G'+A
3×{(158/7)I'-14}={(62/7)I'-5}+{(60/7)I'-5}+(4I'-2)
(474/7)I'-42=(150/7)I'-12
(324/7)I'=30
I'=210/324
I'=35/54…(15)
◯式(15)を式(11)に代入すると、
E=(62/7)I'-5
E=(62/7)×(35/54)-5
E=20/27…(16)
◯式(15),(16)を式(0)に代入すると、電流の和は、
5/2-E-I'=(5/2)-(20/27)-(35/54)=10/9
よって合成抵抗は9/10と求まりました。
辺の合成抵抗19/30より大きいです。
各頂点の電位は、
◯式(15)を式(6)に代入すると、
A=4I'-2
A=4×(35/54)-2
A=16/27…(17)
◯式(15)を式(12)に代入すると、
D=(22/7)I'-3/2
D=(22/7)×(35/54)-3/2
D=29/54…(18)
◯式(15)を式(13)に代入すると、
G'=(60/7)I'-5
G'=(60/7)×(35/54)-5
G'=5/9…(19)
◯式(15)を式(14)に代入すると、
H'=(158/7)I'-14
H'=(158/7)×(35/54)-14
H'=17/27…(20)
よって、
・F(0,2)…1=54/54
・E(1,3)…20/27=40/54
・I'(1,2)…35/54
・H'(2,4)…17/27=34/54
・A,C'(2,3)…16/27=32/54
・G'(3,5)…5/9=30/54
・D(3,4)…29/54
・B(1,1),O(2,2),O'(3,3),B'(4,4)…1/2=27/54
・I(4,3)…25/54
・F'(5,3)…4/9=24/54
・C,A'(3,2)…11/27=22/54
・E'(4,2)…10/27=20/54
・D'(2,1)…19/54
・H(3,1)…7/27=14/54
・G(2,0)…0=0/54
となりました。
概ね距離の比の順になっていますが、
・A,C'(2,3=1.5)…32/54とG'(3,5~1.67)…30/54が逆転しています
(直線距離の比では√2と√1.5で逆転しない)
・比が同じである、
I'(1,2)…35/54とH'(2,4)…34/54では、
遠いH'(2,4)の方が僅かに1/2に近いです(直線距離の比でもφで同じ)。
と多少注意すべき点があります。
次回は最後の3つ離れた点について扱います(16/15)。上から2つ目です
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