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"Food for Thought"

日々考えていることを、自分の思考をまとめるためにも書きつづっています。

「チコちゃんに叱られる」は、欠かさずに見るTV番組です。先週金曜日は合宿でしたが、しっかり録画して視ました(「録画」というのは死語なのだそうですが…)。「クリスマス・イブって何?」でしたが、これは「前夜祭」ではないというもの。少しチコちゃんに補足すると、ユダヤでは日没からが一日の始まり。よって、クリスマス・イブは、もうクリスマス当日ということになります。キリストがいつ生まれたかについては「諸説」あり、はっきりとわかっていません。ローマでは、秋から冬にかけて日照時間が短くなると死が近づくと信じられ、「冬至」を境に日が長くなることから降誕祭(クリスマス)になったと言われています。

 

クリスマス・カラーは、「赤」「白」「緑」ですが、

 赤: イエスの愛

 白: イエスの純潔

 緑: 永遠の命(常緑樹)

を表しているのだそうです。

 

毎年、神田明神に初詣に出かけ、今年は母の法事に仏式(浄土真宗)で対応し、ハロウィン(もとケルト人の祝日)を見に渋谷に出かけ、クリスマスで一杯やるという、ほかの国からすれば信じられないような行事をこなしています。日本には、古来から八百万(やおろず)の神がいると言われていますが、ここまで沢山の神様がいれば、一人や二人増えたところでどうということはあるまいと、その都度飲んでいるのが日本人の寛容なところでしょうか。

鳥取に帰省し、仏壇移動前の法要、遺品処分、家屋の売却交渉をしてきました。こうしたことは、経験してみないとわからないことばかりで、まさに右往左往状態。途中、親族にも挨拶に伺い、小さい頃にお世話になった親族と山陰の珍味を堪能してきました。

 

ホットな話題は、従姉(いとこ)が経営している旅館が「ミシュランガイド京都・大阪+鳥取2019」で三つ星認定になったこと。いきなり、ミシュランから電話がかかってきて、「掲載予定だが、経営陣の交代は予定しているか、料理人が異動することはあるか」を聞かれたそうです。特に評価されたポイントは、料理もさることながら、接客のスタッフが素晴らしいと評価された点とのこと。従姉に「何か秘訣はあるのか」と根掘り葉掘り聞いてみました。

 

  社員が会社に来るのが楽しくなるようにしているだけだよ

  お客さまに直接接するのは社員たちだし

  彼らが楽しくなければ、いい応対はできんけんね

 

ミーティングも理念浸透策もなし。いまだ3K職場と言われる業界で離職率はゼロ。インターネットで予約して、安く泊まって安く食べるというモデルに背を向け、相変わらずの昔ながらの部屋食を続けていくのだそうです。自分が楽しくなければ、人を楽しませることはできない。そんなことを、思い知らされた鳥取帰省となりました。

「鉄の女」とも呼ばれた英国のサッチャー首相。強い信念を持って、多くの抵抗に遭いながら、「英国病」とまで言われたイギリスを改革し、成長軌道に成し遂げた人物です。退任後、来日した際に、記念講演会が催されました。講演後の質疑応答の時間となったとき、ある有名な方が手を挙げて質問をしました。「サッチャーさん、日本は、長く経済的低迷の時期にありますが、もし、あなたが日本の首相であったなら、どのようにしてこの国の建て直しをされますか」 その質問に対して、それまでの穏やかな表情を一変し、厳しい口調で、はっきりとこう答えたそうです。

 

  もし私が日本の首相ならば、打つべき手はあります

  しかし、そのことを申し上げるよりも、大切なことを申し上げましょう

  政治に、マジックはない

  そのことを理解されるべきでしょう

 

そして、質問者にはこれだけ答えて、次の質問を受け付けたのです。

 

私たちは、水戸黄門や仮面ライダー、ウルトラマン(古いキャラばっかりですが)のように、あるとき「変身」して、ことが急に解決することを期待します。しかし、政治だけではなく、私たちのいる企業社会においても、「マジックはない」のです。日々の地道な積み重ねだけが、タネも仕掛けもない本物の奇跡を起こすと考えるのは、考えが古いのでしょうか。

 

ナビスコ・カップ2連覇、W杯チーム最多選手供給、(J1から)落ちそうで落ちないジェフ…、とかつてのジェフ・ユナイテッドは強豪チームでした。それを牽引したのはオシム監督。走るサッカーと言われましたが、選手をただ走らせていたのではありません。練習は「3人サッカー」。11人ではなく3人で1チームとし、対戦させます。しかも、グラウンド1面に4組を同時に対戦させるので、走らざるを得ないのと、他の組の動きも気にしなければならず、俊敏性やメタ認知(上空から見てボールや相手がどう動くかを認知する)が自動的に養われます。

 

今季の結果について、ジェフと話す機会がありました。「J2・第14位」と過去最低ランクです。理由は多々あれど、一言でいえば、

 

 勝ちに不思議の勝ちあり、

 負けに不思議の負けなし。

 

「72得点とJ2では大分に続いて圧倒的にゴールしているんです! でも、失点も72失点と断トツに悪く、これが敗因…」 要はディフェンス(DF)が弱いということです。フォワード(FW)がいくら頑張っても、DFがボロボロではやはり勝ち抜けない。逆にDFがガッチリ守っていれば、FWも安心してもっと得点が取れたかもしれません。企業では管理部門がディフェンスとなるのでしょうか。DFが強いチームは負けることはないとも言われますが、管理部門も気を引き締めなければと思った次第です。

 

その他書けばキリないのですが、通訳の問題もありです。スポーツの世界ではまだパワハラは常態化。特にオシム監督の言葉の汚さは有名でした。そのままストレートに繋げると日本人選手の心には刺さらないと、間瀬通訳は意訳して綺麗な日本語で選手に伝えました。現監督はオシム監督ほどではないようですが、通訳がそのままを伝えるので、若い選手は凹むばかり。ここでも、言葉の重要性を感じました。

ニューヨークの街角に、一人の物乞いがいました。首には、こんな札を掛けています。

 

  「私は目が見えません」

 

しかし、施し用のお皿にコインが入ることはありません。ある日、詩人(アンドレ・ブルトン)が通りかかり、彼の許可を得て札の言葉を書き換えました。すると、たちまちコインが山のように降り注ぎ始め、通行人たちはみな同情の言葉をかけていきます。その札は、こう書き直されていました。

 

  「もうすぐ春がきます。

  でも、私はそれを見ることができません。」

 

言葉を少し変えただけで、すごい効果があります。詩心がない自分には、こうした表現は難しいのですが、文章を書くときの心得などをご参考までに書き留めておきます。

 

●なるべく、文を短くする

読みやすい文字数は、45~60文字と言われています。A4では、1~2行。それ以上になると、読み手が文脈についていくのが大変になります。文章を切る(「。」を入れる)ことを工夫するとよいと思います。

 

●「~が、」「~だが、」をできるだけ避ける

この「~が、」は便利な言葉で、後の文章が反対の意味のものでも、続きの文章でも付け足すことができます。文章が長くなりがちなので、いったん文章を切るとよいと思います。

 

●接続詞も控える

「そして」、「しかし」、「だが」など接続詞は、多用するとうっとうしくなります。「そして」「だから」などの順接はなくとも意味が通じるので、できるだけ使わないほうがよいでしょう。

 

●「『主語』と『述語』と『数値』で語る」

「誰が・どうした」は、主語がなくともわかるようにしておくのが鉄則。「たくさん」「かなり」「微量」と言っても、〇○さんと私の捉え方は全然異なるので、〇〇Kg、△△冊、など数値で書くと規模感を共有できます。

 

●否定形はできるだけ避ける

「…できません」「…ありません」といった「not」を使った文章は、読んだあとに受け手に暗い気持ちが残ります(会話でもそう)。ほかの表現を使うと明るい気持ちで受け取られます。

 

●センテンスの順番を考える

対比するとき、前に否定的な文章を持ってくると明るい気持ちで終わることができます。「僕は〇〇は好きけど、△△は嫌いだ」より、「僕は△△は嫌いだけど、〇〇は好きだ」だと後者の方が少し明るい感じがします。

 

自分の場合、文章が長くなりがち。特に、メールでは文章を短くして、箇条書きにするのがお薦めですね。

地球は時速約1,700kmで自転しています。飛行機の速度は、時速約1,000kmなので、毎日飛行機に乗って生活しているのと同じです。さらに、時速約11万km(秒速30km)で太陽を公転し、その太陽系も時速約86万km(秒速240km)で銀河系内を移動しています。もし、時速1kmでも遅れたり、軌道からずれたら、我々はあっという間に宇宙空間に放り出されてしまいます。これが寸分の狂いもなく、何十億年も続いているということを小さいころ読んで、「奇跡だ」と思ったことがあります。

 

高速で移動する物体に私たちがへばり付いていられるのは、言うまでもなく「万有引力の法則」のおかげです。発見したニュートンは、「どうしてこれを見つけられたのか」という質問に、誇示することなくこう語っています。

 

 私が遠くを見ることができたのだとすれば

 それは巨人の肩に上に立っているからです

 

 

「巨人」とは、有名無名を問わず、多くの人たちがそれまでに成し遂げた膨大な知恵と努力のことです。その蓄積があって、万有引力の法則を見つけることができたというわけです。

 

いまいる会社も、組織である以上、完璧ということはありませんが、いまの形は無数の先輩方のご尽力あってのこと。いまの我々に何かできたとしても、それは「巨人の肩」の上に立っているからかもしれません。

 

明日は、会社のOB会があります。宇宙からOB会と極端な展開ですが、明日は、諸先輩のこれまでのご尽力、「巨人の肩」に感謝したいと思います。

日本の幽霊は、恨めしい目で髪をふり乱した女性となぜが決まっています。ただ、幽霊には三つの特徴があるそうです。

 

一つめは、おどろ髪を後ろへ長く引いていること

二つめは、両手を前に出していること

三つめは、足がなく、ふわふわ浮いていること

 

 

「おどろ髪を引いているのは、済んでしまった過去を、いつまでも引きずっているため。両手を前へ出しているのは、『こうなったらどうしよう、ああなったらどうしよう』と、未来を取り越し苦労して前のめりになっているため。足がないのは、心が過去へ未来へと飛んで、今このときに立脚していないため」なのだそうです。

 

過去を生かすも殺すも、未来を開くも閉じるも、「今日只今」の生き方にかかっている。大平首相は、このことを以下の言葉で表現しています。

 

 「永遠の今」を生きる (大平正芳)

 

幽霊とは逆に、過去を引きずらず、未来を思い悩まず、「いま・このとき」にしっかり足をつけて歩む。「楕円の思考」とともに、この「永遠の今を生きる」も、なかなか難しいのですが、心に留めています。

「たまには挨拶にいらっしゃい」。かつての上司からお誘いがあり、先週、飲みにいきました。担当だった時の部長だった方で、故・大平首相のご子息。現在は、大平正芳記念財団の理事長を息子さんに譲って、日本古代史の研究です(飲むと専ら、外交・政治・歴史のお話し)。

 

「著名人を知っている」ことを喧伝するつもりはないのですが、おかげで大平首相や政治家の話を色々伺うことができました。敬虔なクリスチャンで、読書家でもあった大平首相の2つのお考えも教えていただいているので、以下にご紹介。

 

その一つは、「楕円の思考」。世の中は、光と陰、右と左、善と悪など、2つの事象が対極にある二元論にあると言えます。「あっちを立てれば、こっちが立たず」といった二律背反(トレード・オフ)になり、「こっち」と簡単に決められないことがよくあります。その場合、二つの円をどう組み合わせるかではなく、二つの中心のある楕円をきれいに描くことを重視するというお考えです。

 

  行政には楕円形のように二つの中心があって、

  その二つの中心が均衡を保ちながら緊張した関係にある場合、

  その行政は立派といえる。

  統制が一つの中心、他の中心は自由というもので、

  統制と自由が緊張した均衡関係にある場合、はじめて統制はうまくいく。

  その何れにも偏ってはいけない。            (大平正芳)

 

結局、両者のバランスをみて「中庸」に落ちつくというわけですが、普段の生活でもこうしたことは結構あるのではないでしょうか(勉強と遊び、仕事と家庭など)。なかなか難しいのですが、心がけるようにしています。来週はもう一つのお考えを紹介します。

「リードが長い」と言われたことがあります。犬を散歩させるリードが長いということのようで、アバウトという意味か、失敗を許容するという意味か…。後者だとすると、理由は簡単。これまで、足が震えるような失敗の数々を自分自身がやってきました。なぜか、そのときの上司に追求されることもなく、逆に助けてもらったことが多かったと思います。過去の上司への返礼として、同様にと考えている次第です(できているかは別ですが…)。また、小さいころ見た映画の影響もあります。

 

「偉大な生涯の物語」は、イエス・キリストの生涯を描いた映画です。布教中に、マグダラのマリアという女性が、罪を犯したとしてイエスの前に突き出されました。当時のユダヤ教の戒律(律法)では、罪を犯した者は石打ちの刑。村人たちはみな石をもって集まり、イエスにどうするのかを迫ります。もし、石打ちの刑を認めれば、イエスがこれまで批判してきたユダヤ教を認めたことになります。一方、もしこれを認めなければ、ユダヤ教の律法に背いたとして告発できます。「Yes」か「No」かの二択を迫られたイエスは、砂に何かを描きながら、村人たちに静かに語ります。

 

 これまでに一度も罪を犯したことがない人から

 その石をもって投げなさい

 

やがて、村人は一人二人と去り、誰もいなくなりました。「行きなさい、あなたの罪は許された」と無罪放免するのですが、結局、マグダラのマリアはそのまま同行し、イエスが十字架にかけられ復活するまで見届けます(イエスの妻であったとも言われています)。

 

いまなら、「これまでに失敗を一度もしたことがない人から、それを糾弾しなさい」とでも言うのでしょうか。このシーンには、とても感動した覚えがあります。

ビート・たけしは大学を中退して、浅草のストリップ劇場「フランス座」のエレベーターボーイになりました。ある日、浅草の大師匠と呼ばれる深見千三郎氏とエレベーターの中で偶然出会い、深見氏のカッコ良さに惹かれて、その場で弟子入りを直訴。「お前は何ができるんだ?」と聞かれたあと、深見師匠はその場で華麗なタップダンスを見せ、「お前はこれを練習しな」と一言だけ言って、弟子入りを許しました。

 

深見師匠の門下生には渥美清、萩本欽一などそうそうたるメンバーがいました。その中でも、たけしはズバ抜けて「素直」。それも、「とんでもなく素直」だったと言います。

 

ある日、たけしが「漫才で勝負したい」と申し出ると師匠は激怒し、たけしを破門。その後、芸を磨きあげて、たけしは「日本放送演芸大賞」を受賞。破門になっていても、その賞金全額を師匠に「小遣い」と称して渡しました。深見師匠は馴染みの飲み屋で「タケの野郎がよ…生意気によ…小遣いだなんて言ってよ」と、涙を浮かべながら何度も嬉しそうに語っていたと言います。その一ヶ月後、深見師匠は火事で焼死。たけしは「俺たちひょうきん族」の楽屋で師匠の死を聞き、暫く絶句した後、壁に向って、無言でタップを踏み続けたそうです。葬儀で一番、大粒の涙を流していたのもたけし。

 

 オレは少しばかり有名になったが

 芸人としては未だに師匠を超えられない

 これからも師匠の背中を追い続けるよ

 

初めて師匠とエレベーターで出逢ったその日から、「今でも」毎日タップダンスの練習をし続けているそうです。たけしが海外に行く時でも必ず持っていくものはタップシューズ。「とんでもない素直さ」「とんでもない義理固さ」。番組では役柄で毒舌を吐いていても、たけしが成功したのはここに鍵があるのかもしれません。

 

PS

たけしのタップダンスは、YouTube上で検索するとご覧いただけます。