今から数十年前に・・・マイクさんは、アメリカのある州に生まれました。
明るく前向きな性格の彼は・・・子供の頃から友達が多く・・・のびのびと成長していきました。
彼の両親は、敬虔なキリスト教徒で・・・日曜日には両親と一緒に教会に行き・・・牧師さんの話を聞いていました。
他の子供達と同じく、その時間はほとんど退屈でしたが・・・唯一、牧師さんがよく言う「神はいつも最善をお与え下さる」という言葉だけは・・・不思議と彼の心に深く残りました。
マイクさんが27歳の時・・・愛情深いリサさんに出会い・・・間もなく二人が結婚すると、可愛らしい娘のメアリが生まれました。
彼は家族を心から愛し・・・持ち前の明るさと向上心を活かして、新聞記者になり・・・多くのスクープ記事に携わりました。
この時、マイクさんの人生は幸せの絶頂で・・・あらゆる面で上手くいっていました。
しかし、仕事が忙しくなるにつれて・・・次第にマイクさんの精神状態は悪化していきました。
それもそのはずで・・・社内では記者同士の競争が激しく・・・多くの面で、無理をしなければ評価されない状況だったのです。
しかも、新聞社が記者に求める記事の内容は・・・まず発行部数を伸ばすためのもので、大衆の感情を刺激する内容が多く・・・けしてよい内容ばかりではありませんでした。
それどころか・・・時に政治的な事柄を扱う場合は、真実を歪める必要すらありました。
マイクさんは次第に、ストレスを溜めこみ・・・リサさんとの関係も上手くいかなくなっていきました。
そんなある日、マイクさんが家に帰ると・・・リサさんはメアリと共に姿を消していました。
目の前が真っ暗になった彼は・・・心が固く閉ざされてしまったように感じ・・・全てを忘れるために、ひたすら仕事に打ち込み始めます。
しかし・・・それによる負担は非常に大きく、精神状態はさらに悪化していきました。
そんなある日・・・ついにマイクさんの疲労はピークに達し、朦朧としながら道を歩いていると・・・大きな車にはねられてしまいました。
完全に意識を失い、病院に搬送される中で・・・マイクさんの魂は肉体から離れ、特殊な空間に辿り着きました。
そこは荒涼とした世界で・・・曇り空の下・・・広々とした寂しい大地に・・・枯れた木々が並んでいました・・・。
マイクさんはそこで・・・ただ呆然と佇むことしかできませんでした・・・。
しばらくして・・・フと・・・目の前の枯れた木に目を移すと・・・まだ僅かな生命力が残っていることに気付きました。
木の枝の先端に・・・いくつかの小さな葉と・・・一つの花のつぼみが見えました。
その花のつぼみは・・・優しく・・・美しく輝いていて・・・これから花を咲かせようとする喜びが感じられました。
するとその時・・・天から美しい光が差し込み・・・つぼみを優しく照らし始めたのです。
それを見たマイクさんは・・・自分にまだ僅かな希望が残っていることを感じました。
自分も、もう一度このつぼみのように・・・純粋に・・・優しく生きたい・・・。
この切実な願いが・・・マイクさんの内側から湧き出てきた次の瞬間・・・彼は別の空間に移動していました。
そこは、澄んだ清らかな空気に満ちた空間で・・・マイクさんは綺麗に敷き詰められた石畳の上に立っており・・・遠くには神殿のような建物も見えました。
視線を横に移すと・・・白いローブを着た長髪の男性が立っています。
その男性を見た瞬間・・・マイクさんは・・・「イエスだ」と思いました。
おそるおそる近づいてみると・・・なぜか彼の心は和らいでいき・・・心にあたたかいエネルギーが甦ってきました。
その感覚を、彼はどこかで感じたことがあると思い・・・少し考えてみると・・・それは子供の頃に教会で感じた感覚と同じでした。
この時、彼の中で・・・「神はいつも最善をお与え下さる」・・・という牧師さんの言葉が思い出されました。
すると彼の心と体に・・・さらに大きな神の愛が満ち溢れてきて・・・自然と涙がこぼれ落ちました・・・。
目の前の男性・・・キリストさんは、泣いているマイクさんを優しく見つめ・・・「待っていましたよ」・・・と言いました。
そして・・・「あなたの望みはなんですか?」・・・とマイクさんに問いかけました。
マイクさんは涙を抑えることなく・・・。
「イエス様・・・私はもう一度生きたいです。
昔の自分のように・・・純粋に輝いて生きたいです。」
・・・と・・・溢れる想いのままに伝えました。
キリストさんは彼を優しく見つめ・・・こう言いました。
「わかりました・・・。
ただ・・・あなたは・・・愛を生きる勇気を持たなければなりません・・・。
そのことは・・・忘れないで下さい・・・。」
気が付くと、マイクさんは病院のベッドの上で寝ていました。
そして・・・彼の側には・・・リサさんと・・・娘のメアリが来てくれていたのです。
マイクさんは微笑み・・・「来てくれてたんだね・・・ありがとう。」・・・と伝えました。
リサさんはうつむき・・・少し疲れた顔で・・・「今は休んで」・・・と返しました。
マイクさんは・・・彼女に言いました。
「リサ・・・すまなかった・・・。
私は・・・愛を見失っていた・・・。
愛を生きる勇気を忘れていた・・・。
許してほしい・・・。
もう一度・・・君と一緒に生きたい。」
リサさんは、彼の言葉から・・・今まで感じたことのない、真実の響きを感じました。
自然と・・・リサさんの目から涙が溢れてきました・・・。
リサさんは涙を拭いて、マイクの手を握り・・・そして・・・「ありがとう」・・・と返しました。
娘のメアリは、そんな二人の様子を見て・・・心から嬉しく感じ・・・優しく微笑んで見守っていました。
この事故をきっかけに、マイクさんは新聞社を退社しました。
その後、営業の仕事を経て・・・彼は、教会の牧師になりました。
彼の心の中には、いつもキリストさんの微笑みがあり・・・そのお顔を思い出すと・・・あたたかな愛が甦ってくるのでした。
牧師として、心を込めて人々に向き合う中で・・・さまざまな苦労がありましたが、彼は次第に地域の皆さんに愛され・・・信頼されるようになっていきます。
人生を振り返ってみれば・・・確かに・・・「神はいつも最善をお与え下さる」・・・のでした。
リサさんとメアリもまた、そんな彼を見守りながら・・・共に少しずつ愛を育んでいきました。
その背後には、キリストさんがいて・・・全てのことが愛の中で守られ・・・導かれていたのです。
マイクさんが愛を生きる勇気を忘れない時・・・困難の中でも愛で向き合おうとする時・・・キリストさんはいつも彼の心に寄り添い・・・支援してくれました。
それはまさに・・・荒涼とした大地で見た花のつぼみが、美しく咲き誇り・・・周囲にもその生命力を届け・・・共に花を咲かせて生きることのようでした。
実際、彼が見たあの空間では・・・すでに多くの花々が咲き・・・荒涼とした大地は豊かな大自然となり・・・あらゆるところに生命の輝きが満ちているのでした。
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関連サイト
・YouTube版「神様達と共に」
・「ピースのnote」・・・最近の記事→「愛と共に生きる」、「命はいつも咲いている」
・ウェブショップ「神様達のアトリエ」(現在「神様からのお手紙」を断続的に販売中です。)
おしらせ
販売中の「神様からのお手紙」ですが・・・一件、お客様よりお問い合わせがありましたので・・・念のため追記させて頂きます。
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現在、神様達のアトリエにて、断続的に販売中ですので・・・もしご縁を感じて頂けまして・・・タイミングが合いましたら、この機会にどうぞよろしくお願いいたします(^^)