晴れ上がる空


満点の星空


流れる雲


ひとすじの影


二人を分かつ天の川

 

 

 

(再掲)

 

たとえこの世で
 

どんな徳を積もうが
 

当のあなたは針の山
 

浮世の塵を何一つ
 

持って来れずに気付けども

 

誰もとりあう者はなし



たとえこの世で
 

どんな善人面をしてたとて
 

ここのお前は舌まで抜かれ
 

悪態つけずに
 

業火に灼かれて
 

叫び声も上げられぬ



たとえこの世で
 

いかな功を遂げようが
 

当のあなたは釜茹での
 

煮え立つ油とともに
 

身悶えしても
 

誰もとりあう者はなし



たとえこの世で
 

どんなに惜しまれようが
 

ここのお前は無間地獄に
 

身を落とし
 

尽きた命を悔いたとて
 

誰もとりあう鬼はなし



たとえこの世で
 

どんなに讃えられようとも
 

当のあなたは
 

煉獄の炎に身を焼かれ
 

その身もろとも灰にもなれず
 

誰もとりあう者はなし



たとえこの世で
 

権力であろうが
 

ここのお前は
 

十把一絡げの魍魎に落ち
 

苦し紛れの戯れ言と
 

誰もとりあう者はなし

 

 

 

毒を吐け
 

毒を吐け
 

腹に溜まった毒を吐け
 

良い子ぶらずに
 

毒を吐け



毒を飲め
 

毒を飲め
 

嫌われ者を叩き出せ
 

ためらうことなく
 

毒を飲め



毒を盛れ
 

毒を盛れ
 

裏切り者を炙り出せ
 

人目を盗んで
 

毒を盛れ



毒をくれ
 

毒をくれ
 

見たくもない世を生きるため
 

人目も気にせず
 

正気を保つ毒をくれ

 

 

 

カノンの店でパンを買い
 

クレディのところでトマトを買おう
 

明日も晴れそうだとか
 

今年の冬は雪が多かったねと
 

言い合って
 

買い物を済ませて



毎日のハナたちの軒下会議は
 

もう今日は終わったようで
 

仲良く並んでイスに座ったまま
 

うたた寝している
 

うららかな日差しを足下に受けて



最近見ないと思ったら
 

ジュディは体調が良くないと
 

サトラのところで聞いたけど
 

心配したところで仕方がないのはわかっている
 

かといって
 

知らん顔もできないし



この前
 

花を持ってソワソワしたニコルを見かけたけど
 

アンドレはどうせ振られるさって
 

笑ってたけど
 

もしそういうことなら
 

上手くいって欲しいし
 

気になるなぁ



少し風が出てきた
 

今日は天気が良かったから
 

あの洗濯物飛ばないといいけど
 

ツバメは風に乗って気持ちよさそうに飛んでいる
 

今日はどこまで飛んでいくんだろう

 

 

そういえば
 

イザリは帰ったのだろうか
 

最近とんと噂は聞かなくなったし
 

便りくらいはあるとも聞かない
 

寂しい思いをしていないといいけど


 

はい、お帰り
 

いつも元気に挨拶ありがとう
 

今日はどんなことを学校で教わった?
 

寄り道しないで
 

ちゃんと家に帰るんだよ


 

そうそう
 

クインシーのところに待望の赤ん坊が生まれたって
 

ワンダーの喜びようったら
 

あぁお祝い
 

何がいいだろう
 

考えとかなきゃ



ささやかなそんな暮らしを
 

たわいもないそんな日常を
 

一瞬の爆風が引き裂いていった
 

燃える煙に巻かれて
 

微塵にも吹き飛んで
 

いってしまった
 

すべてを瓦礫にだけして

 

 

 

たとえ雑踏が互いを掻き消しても

たとえ打ち付ける逆風が邪魔をしたとしても

ただ広がる海原に隔てられてその姿は見えなくても

ふいに届いた厳しくも優しい手紙を前にして

今言わなければ後悔しか残らない


それが
 

それだけが
 

今の自分にわかっていることなら
 

届かなくても
 

届きはしないとわかっていても
 

誰にはばかることもなく
 

叫び声にも似た声ででも言うしかない

ありがとうございます

 

 

 

さまよい歩く街も尽き
 

行き先探しては
 

次の街
 

ふと気付けば
 

プラットホームに立ちすくんで
 

最後の綱の番号は話し中



ためらいは
 

昨日の数だけ増えていく
 

期待を求めて
 

増えていく
 

それでも
 

誰もいない電話だけを傍らに
 

焦点合わぬ空(くう)を見つめている



呼ぶような声は
 

ビル風が起こした空耳
 

誰かを求める絵空耳
 

それでもまだ諦めず
 

ふと気付けば
 

見知らぬビルの上に佇み
 

下からの風に吹き上げられながら

 

 

辛くとも


寂しくとも
 

去っていく
 

歩き出さなければ
 

道はできない
 

人それぞれに見送れば
 

やがて春

誰もいなくなっても
 

その後には春は来る
 

新たな友を呼ぶために

 

 


笑い合えるヤツも
 

酒を酌み交わすヤツもいない
 

泣きごと言えるヤツも
 

悩みを打ち明けてくるヤツもいない
 

元気かと気にかけてくれるヤツも
 

大丈夫かと気にするヤツもいない


 

メールなど送る相手もおらず
 

着信音もとっくに忘れて
 

誰かの声が聞きたいと思っても
 

電話をかける相手もおらず
 

何があっても
 

掛けてこない電話を見つけて
 

もういなくなっても気がつくヤツなどいない
 

と零すだけ

 

 

それが
 

自分が選び取った結果なら仕方がない
 

今まで歩んできた先がこれなら
 

諦めるしかない
 

自分を
 

この人生を
 

諦めるしかない

 

 

恋人たちは互いに絡め
 

知らぬふりをして
 

それぞれの下心と思惑を混じり顔で
 

男は優しさを含んで
 

女は愁いを含んで
 

夕暮れに人の波をぬって


サラリーマンは持ち切れないほどの疲労と
 

一握りの幸せを持って急ぎ足



夜のネオンが花開き
 

田舎者も
 

都会人も
 

思い思いの酒を酌み交わし
 

それぞれの思いを飲み込んでいく
 

厚化粧をまとった女は
 

2つの仮面を持つ男を連れ立って
 

今宵限りの恋人同士
 

恋のルールもお預けにして

 

 

東の闇の白みだし
 

酔いつぶれた男どもと
 

遊び疲れた女どもが
 

始発を待って
 

薄いベンチにうずくまっている
 

空の寒さと人の寒さを感じながらも
 

昼の孤独に立ち向かう
 

夜の顔を心の奥にしまい込んで

 

 

 

その時
 

神は微笑んでいたか?
 

その時
 

神は微笑んでいらしたか?
 

この愚か者め
 

何を見ていたのだ
 

笑っていただけたはず?
 

お前が笑いたかっただけじゃないのか

 

疑う心は
 

お前の内にしかない
 

彼らが奇跡を笑おうが
 

いつ神話を笑おうが
 

誰が神の言葉を焼き払おうが
 

信じて祈り続ける
 

その一点だけでいいはずではないのか



 

あの時
 

神は喜んでいらしたか?
 

あの時
 

神は手放しで喜んでいらしたか?
 

恩知らずめ
 

どこを見ていたのか
 

喜んでいただけたはず?
 

お前が喜びたかっただけじゃないのか


お前はよそ見をしていた
 

そうだな
 

神を見ず
 

神を感じず
 

彼らに捕らわれ
 

頭の中は膨れ上がり
 

怒りに満ち溢れていた
 

神によって試されているとも気が付かずに

 

神はお前を見捨てない
 

お前が神を見放すことはあっても
 

この恥知らずめが

神を見ず
 

神を感じず
 

よそ見をしていたくせに
 

何が信仰だ
 

何が救いだ
 

よそ見は神を信じていないもの同じことだぞ