突発性難聴専門 さいとう難聴鍼灸院です。



突発性難聴の主な症状は急激な片耳の聴力低下と耳鳴りですが、耳閉感を訴える方も多くいます。

耳閉感とは、耳詰まりとも表現されますが、耳の奥に水が溜まっているような圧迫感や、地下鉄やトンネル内の閉塞感、耳の表面の痺れや膜が張った感覚など、そういった不快感を指す状態です。


耳鼻科の検査で突発性難聴と診断され、耳閉感を症状として訴えても、なかなか耳鼻科ではその症状について説明してはくれないし、解決のための治療やアドバイスもしてくれないのが実情です。



耳閉感の具体的な原因や病態は解明されておらず、そのため有効な治療法も確立されていません。しかし、耳閉感の原因となる可能性がある病態はある程度推測できますので、今回はそこを解説します。





まず、大前提として内耳以降の感音器官に異常をきたす原因は解明されていない部分が多いのが実情であるため、「○○が原因である」と断定することは基本的にはできません。


耳閉感の実態も解明されていませんが、有力な原因としては
①耳管の異常
②内耳の異常

が考えられます。



①耳管の異常とは耳管狭窄症が考えられます。


図引用  https://www.minato-ent.com/disease/diseasecat/ear/



中耳炎等の原因によって耳管の開きが悪くなると中耳の換気に異常をきたし、大気圧と中耳圧の差(本来は1:1)が耳奥の圧迫感として感じると考えられます。

これは、耳鼻科で耳に空気を通してもらうことで、ある程度は判断可能な病態となります。




一方、②の内耳の異常はあくまで死体解剖や動物実験による観察から得られた推測ではありますが、これは内リンパ水腫による影響が考えられます。




図引用 http://medical.eisai.jp/products/menilet/treatment/09.html#mt



内耳は蝸牛と半規管に分かれ、それぞれが外リンパ腔と内リンパ腔という二重構造で区切られ、それぞれ外リンパ液と内リンパ液が循環しています。


そのうち、内リンパ液が何らかの原因で循環不良が起きて滞りがおきると、内リンパ腔内に過剰に内リンパ液が貯留し、水膨れを起こします。これが内リンパ水腫と呼ばれる状態です。


内リンパ水腫が起きると、耳の奥の圧迫感として感じ、これが耳閉感の原因として有力視されています。


しかし、内耳は頭蓋内に存在し、直接その病態を確認することができないために、正確なことは解明されていません。


耳閉感を感じる方の中には、低気圧接近時や月経時など、特定の状況時に強く感じる方がいます。




図引用  http://morimoto-ent.jp/doctorblog/839.html



内耳の前庭には気圧を感じるセンサーがあり、月経や低気圧などの影響を受けると内耳の機能が乱れ、その影響で内リンパ液の一時的な循環不良が起きて耳閉感を感じるという可能性があります。






このように、耳閉感の原因としては内耳の内リンパ液の循環不良の影響が可能性として考えられるわけですが、ではどのように治療すればよいのか。




内リンパ液というのは、その大本は頭蓋内で産生される脳脊髄液からきています。



図引用  http://craniobio-seitai.com/cfs.html



脳脊髄液は頭蓋内で産生され、頭蓋骨の動きである一次呼吸によって分泌循環し、内リンパに流れ込んで内リンパ液となります。


内リンパ水腫が起きている状態というのは、その上流である脳脊髄液の循環不良が起きている状態とも考えられます。


つまり、耳閉感の原因が内リンパ水腫であると考えると、その大本である脳脊髄液の分泌循環を整えること、そのためには一次呼吸を正常化させる必要があるということです。



一次呼吸は頭蓋への直接的な外力や、長期的な強いストレスなどを受け続けることによって乱れてきます。

一次呼吸を整えることはセルフケアでは難しく、専門的な施術が必要になります。



当院では、一次呼吸を整える脳脊髄液調整法という手技を用いて、耳閉感や難聴に対する治療(の一部)を行っています。


参考までに。










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