突発性難聴専門 さいとう難聴鍼灸院です。



メニエール病は回転性めまい、難聴、耳鳴りを主症状とする感音性難聴の一種です。

その詳しい原因や病態は解明されておらず、対処療法以外の有効な治療法がない難病です。




図引用 http://www.hosoda-cl.com/


メニエール病の大きな特徴は、回転性めまいであるといいう点です。世界がひっくり返るような激しいめまいであり、命の危険を感じるほどの恐怖感があるめまいです。


耳鼻科では一般的にはめまいを抑える薬や利尿剤を処方するのみであり、慣れてくださいとか、じょうずに付き合ってくださいという話で終わってしまうことがあります。



メニエール病は一般的には段階を踏んで悪化すると考えられています。詳しい原因は不明ですが、内リンパ液の循環不良が症状を引き起こすと考えられています。

ですから、いかに発症初期から内リンパ液の循環不良を改善させていくかが重要となります。


今回は、メニエール病の前駆症状の仕組みについて解説します。





メニエール病の詳しい原因は解明されていませんが、内耳の内リンパ腔とよばれる部分に内リンパ液が過剰に貯留し、内耳全体に水膨れを起こす(内リンパ水腫)ことで起きると考えられています。


図引用  http://morimoto-ent.jp/doctorblog/839.html


内耳は蝸牛と半規管に分かれます。蝸牛は音を感じ取る器官で、半規管は平衡覚を司る器官です。

メニエール病は内リンパ水腫という水膨れが蝸牛と半規管両方に起きるため、難聴、耳鳴り、回転性めまいを起こすと考えられています。




メニエール病の前駆症状は、この内リンパ水腫が蝸牛にのみ起きると考えられています。



図引用 http://medical.eisai.jp/products/menilet/treatment/09.html#mt



蝸牛は聴力を司る器官で、内リンパ腔に整列した有毛細胞が電気信号を脳へと送ることで聴力が作られます。



図引用  http://www.nanchou.jp/mottomotto.html



有毛細胞は内リンパ液の流れによって「動く」ことで電気信号を作り出します。蝸牛内で起きた内リンパ水腫によって内リンパ液の循環不良が起きると、有毛細胞の「動き」が低下するために電気信号を作り出せず、聴力低下が起こります。


この際、低音域を感じ取る有毛細胞の動きのみが低下すると考えられており、この状態を「急性低音障害型感音難聴」と言われます。



図引用 https://www.hosoda-cl.com/ear/300/








内リンパ水腫が内耳の蝸牛のみに起きている状態であれば、難聴と耳鳴りしか起こりません。この状態が悪化し、半規管にまで内リンパ水腫が起きると回転性めまいが出現します。

これが、メニエール病であると考えられています。




いかに早期に内リンパ水腫の状態を改善させ、メニエール病への移行をくいとめるかが重要ですが、耳鼻科では「ストレスが原因である」という説明だけで終わってしまうことが多々あります。



内リンパ水腫がなぜ起きるのかも解明されていませんが、一説には

①内耳の耳石が内リンパ液をせき止めるという説や、

②中年以降になると内リンパ腔の膜構造が硬くなるために内リンパ液の循環不良が起きるという説、

③内リンパ液の大本である脳脊髄液の循環不良が結果的に内リンパ水腫の状態を引き起こすなど、

様々あります。


当院では③の脳脊髄液との関連性を重視し、急性低音障害型やメニエール病に対して、脳脊髄液の流れを整える施術を軸にして治療を行っています。




参考までに。






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