実以のブログ -67ページ目

春の花々 その4 桜(関東編)

 

3月後半、勤め先近くの花屋さんの店先に咲いていた寒桜です。朝だからまだ閉店していたけれど粋なサービスをする花屋さんですね

 

 

これは都心部の桜。背景がビルなのがちょっと味気ないけれど、仕事の疲れも癒してくれます。

 

 

 

 

 これも上記と同じ場所で同じ日の桜ですが日陰にあるせいかまだつぼみが目立ちます。母に写真を見せたら「満開の時よりもこのくらい…八分咲きぐらいがいいねえ」と申します。

 

 

 

3月末から4月初旬の週末に天気に恵まれなかったので、いわゆる桜の名所には連れていけませんでしたが、近所の公園にあるソメイヨシノを母と一緒に楽しみました。またその公園にいく途中の建物の隙間にひっそりと生えている桜の樹があり、手入れされていないためか低いところ、車椅子の母の目線のあたりまで枝があり、花もつけています。桜としては恵まれない環境にあるのでしょうが、このけなげな樹のおかげで私たちは至近距離で花と語り合えたのです。

 

家に帰ってから母はこんな俳句を作りました。

 

春の日の桜をみたり車椅子

 

母も私同様、あまり文学的才能に恵まれていませんね(笑)。

 

 

 

 

春の花々 その3 外出先からおみやげ?

病気と老齢で外出もままならない母のために、出かけた先できれいな

花を見ると写真を取ります。帰って見せてやると「すごいねえ、きれいだねえ!」と喜びますので。

 

これは図書館の庭で咲いていた矢車草。母も私も好きな花なのですが、

他であまり見かけません。切り花で売っていたら買いたいものです。

 

 

これは中華料理店の前で咲いていたハナカイドウ。子供の頃住んでいた家の庭の奥に見上げるように大きなハナカイドウの樹がありました。 梅や桜もありましたが、それらよりも鮮やかな紅色の花で本当にきれいでした。サクランボのようなつぼみをこっそり口にいれてみたこともあったけど…もちろんサクランボの味はしません(笑)

 

 

ピンクの花が続きます。これはコミニュティカフェのテーブルに飾られていた乙女椿。長く咲くタイプの花ですがこれは咲き始めで真ん中がつぼみ状態です。

まさに乙女チックなピンクです。花瓶ともマッチしていますね。

 

春の花々その2 母との散歩で

 

休みの日は天候が良ければ母を車椅子に載せて散歩に出ます。

季節の花を一緒に楽しむために。下の写真は近所の公園のモクレン

ちょっぴり盛りを過ぎてはおりますが。

 

 

これはカラスノエンドウ。雑草の類なのですが母はこの小さなショッキングピンクの花が好きで「きれいだねえ」と申しますので写真を取りました。

 

 

これはもともとはたぶん園芸種なのでしょうけど野生化して家のまわりの道端に

咲いているケシ。「ナガミヒナゲシ」というそうです。この花の群生のそばを

車椅子で進む時、母は「かわいい」と喜びます。

 

来年の同じ季節も母と春と楽しめますように

春の花々 3月の花屋より

今年は文章は短くても週一回ペースぐらいでブログを更新したいと

思っていたのですが……老親が寝ている部屋の棚が上に載せたものの

重さにたえかねて傾いているのを直したり、またそれを地震に備えて壁に

固定したり…歌の発表会のために必死で音域を広げようとしたり、そんなこんなで3月はPCに向き合う時間が取れませんでした。

 

がんで要介護2の母が花が好きなので、この季節、仕事が休みで天気の

よい日にはなるべく散歩に連れ出して公園や道端の花を見せています。また数百円程度のものですが買ってきてリビングに活けています。 

 

この写真は近所の花屋で買った白と黄色のラナンキュラスです。

 

次の写真はピンクのストック。ストックは葉と茎が野菜めいていますがなかなか華やかで花瓶との相性もいいですね。

 

 

沈丁花と桃の花

 

母を車椅子に乗せて買い物兼散歩に出かけた時、保育園の前の

植え込みの沈丁花が咲いていました。 地味な花ですが、

よくみると本当にきれいです。 春の訪れをつげるすてきな

香り。 母も楽しんでいました。  ベランダ用のほうきが傷んで

来たのでこの日買って母に持たせて帰ってきました。何だか

車椅子だけどほうきには乗れる魔法使いのおばあさんといった

風情でした。

 

スーパーで桃の花を300円ほどで売っていました。 これも

母に見せたくて買いました。 濃いピンクが心を明るくしてくれます。

 

子供のころひな人形を持っていたのですが…マンション暮らしとなり、

今後もこれ以上広い家には住めそうにないので、人形供養を

してもらいました。でもこの桃の花でひな祭り気分が味わえそうです。

ひし餅型の寒天菓子にも心ひかれますが、甘いものはできれば

がまんしないと…。

 

本当は梅の花見にも連れていってやりたかったのですが、

やはり寒くて風邪やインフルエンザが心配で…。

 

でも桜の花見には行きますよ。

小さいりんご、斜めな?りんご

最近スーパーに出回っている小さなりんごをよく買ってきます。

先日、5個で300円代の王林を見つけました。 マッチ箱で

大きさがわかっていただけると思います。

 

 

一人で丸ごと一つ食べられるので私には嬉しいサイズです。 精神的につらく

なった時、りんごをかじると癒されます。 オルコットの『若草物語』にも

読書好きの次女ジョーが本を読みながらりんごを4つたべる下りが

あります。 きっとこんなサイズのりんごですね。 90年代にイギリスを

旅行した時にもコンビニや駅の売店などで小さなりんごが一つずつ

売られていました。 今はどうなのかしら?

 

 

下記も5つ300円代でした。 ものの見事に斜めに実っています。

 

 

なんだかかわいくて眺めていると楽しくなります!

 

先日、台所を片付けた時、使っていない砂糖がたくさん見つかったので

安いりんごを多めに買ってジャムでもつくりたいのだけれど、

実現できるかどうか…

 

 

 

二月の客 その4 放送50周年のヒーロー登場

真田幸村: いえね、(実以を指さして)この人が去年録画した私が主役のドラマでまだ視ていない回があるので注意してやろうと思って…最終回はリアルタイムで視たらしいのだが。

 

実以、複雑な表情で幸村を見る。

 

幸村: 君は地上界で私のかっこうをして観光客をおもてなししている青年を見るとキャピキャピとそばへ寄ってサインなどもらうくせに、私に向かってはそんな反抗的な顔をするね。

 

実以: だって複雑なんですもの…私があなたを好きだったのは桑畑に埋もれそうなヒーローだったから…国営放送にかつぎだされるとねえ…何だか…

 

マド: そういうことを言うファンっているものよ。

 

実以: そういうのとちがうのよ、その「日の本一の兵」っていうのはようするに使う側にとって都合のいい人間?っていうか

 

吉田、きまずい雰囲気をやわらげるようにキーボードで『ウル○ラセ△ン』のテーマを弾き始める。ふすまが開いて肩から上が銀色、眼は黄色、胸から下は赤で頭にとさか状のものをつけたヒーローが現れ、幸村に話しかける。

 

セブン: おそれいりますが真田幸村様でいらっしゃいますか?

 

幸村: いかにも。

 

セブン: はかないブームに泣かないためにも我々の業界に進出しませんか? あなたの鎧の色は私の体と同じですし、あなたの兜の角はうちの親父や六番目の弟の頭についているのよりずっと立派なんですから。

 

幸村: それはありがたい御申し出ですが…十勇士の中で誰が変身するか、もめるなあ。

 

セブン: 変身というのは必ず一人ですると決まってはいないんですよ。5番目の弟は美しい女性と二人で変身していた時期もありましたしね。

 

幸村: しかしね、鎧武者というものは巨大ヒーローよりはロボットの方が相性がいいように思うのだが、

 

実以: ロボットアニメなら15人で合体というのがあったわ…登場人物おぼえられなかったけど。

 

セブン: そういえば先程、椿の樹に怪しいことが起きるとか話していましたね。

 

実以: 花を咲かせた大きな椿の樹の下にはピット星人とかマゼラン星人みたいな美人の宇宙人が現れて地球人の男を誘惑しても不思議じゃない気がして…古い椿の樹は科学特捜隊とかウルトラ警備隊とかSRIとかのパトロールコースに入れてもらった方がいいんじゃないかしら?

 

 

 

セブン: しかし椿の花を見てまわるなんて仕事を正規隊員にやらせたら

人件費がかかりすぎますな。

 

実以: OBの方にお願いしてはいかが? 定年後もまだ働きたい方とか…ムラマツ隊長にキリヤマ隊長、代々の隊長の方々は皆、和服を着てステッキを持ってお寺や神社にある椿の下に立ったら絵になりそうな方ばかりですもの。

 

セブン: 相談してみましょう。

 

実以 : ところでセブンさん、私、『湖の秘密』のお話を視て思いましたの。あなたピット星人の円盤を撃墜してしまわない方がよかったわ。あの人たちと和睦してエレキングの育て方をきけばよかったのに…あの怪獣を養殖して発電所を作ったら、もしかして原発作らなくてもよかったかも…私は大真面目でそう思うんです!

 

セブン: (小声で幸村にささやく)このうるさいおばさんのいないところでお話ししましょう。私の話が本放送された頃はまだ小学校にも行ってなかったんですが

いやな女に育ったものです。

 

幸村とセブン、退場。

 

二月の客 その3 去年の主役

実以: そういえばこの間、母を連れて行った神社の参道にも椿の花が落ちていて、でも見回しても椿の樹がないの。お参りしてから神社の外から眺めたら、大きな椿の樹が花をつけているからビックリしたの。ご神木のケヤキの背後にあったから神社の中からは見えなかったのね。椿ってなんとなく普通のお宅の庭に人の背丈ぐらいのがひっそりと植わっているイメージがあるから、あんなに大きい樹を見るのは初めて気がする? 

 

 

吉田: 夏目漱石の「落ちさまに虻を伏せたる椿哉」という俳句があるね。

 

実以: もしかしてその虻は姿を変えられた人間? 椿の花はきれいだけど確かにちょっと不思議。

 

マド: 散る時に花ごと落ちるのが、首が落ちるみたいだから侍はきらうわね。

 

 

 

実以: 花ごと落ちるのは合弁花だからだけど、そうわかっていても不思議ね。あの7センチぐらいもある大きな花、白と黄色の花の芯、何だか作り物めいていて…悪い宇宙人がとりついて近づいてくる地球人を虫に変えちゃうとか…そんなことが起こりそうな花……カメリア星人とかいうのかな?

 

その時、ふすまが開いて鹿の角と六枚の銭のついた兜と赤い鎧をつけ、鬼の面が付録についた節分の豆の袋を持った武将が現れて歌う。

      

   ♪赤い鎧の落ち武者が、はかないブームに泣くとかや。

 

武将、こたつ板のないこたつに腰掛けると豆の袋を眺めてため息をつく。

 

 

 

武将: あーあ、去年の今頃売っていた節分の豆についていた鬼の面は六文銭のついた兜とかぶっていたのに…あれは一年限りだったのか…

 

吉田:(小声で) この人誰?

 

小口: 去年の日曜夜の主役。

 

マドモアゼル謙信: あら幸村さん、あなたの早死にした最初の奥さんを迎えにいらしたのならさっき帰られましたよ。

二月の客 その2―椿の陰で

ギターの青年: 小口太郎です。

 

キーボードの青年: 吉田千秋です。

 

小口/吉田: (実以に)去年はぼくたちの歌を歌ってくれてありがとう…

 

実以: 歌手の加藤某様のように低音がきれいにでなくてごめんなさい。

 

小口: もともと野郎がボート漕ぎながら歌ってた歌だからね。

 

吉田: しかしぼくたちの歌って言っても…小口君とは地上界で会ったことなかったっけ。

 

小口: 歌もメロディーも大正時代とは微妙にちがうしね。

 

実以: 吉田さん、あなたの書いた『人ごろし』という童話、たくさんの人に読んでほしいのだけれど、勝手にネットにアップしたらまずいわよね。

 

吉田: ぼくはかまわないよ。たくさんの人に読んでもらいたくて書いたんだから。

 

実以: あなたがそうおっしゃって下さっても、今生きているあなたの関係者の方々が

どう思うのでしょう…ところであなたがたが楽器を持ってお越しということは…あなたがたも歌手デビューなさるの?

 

小口/吉田: まあね。

 

小口と吉田、ギターとキーボードを弾きながら『琵琶湖周航の歌』の2番を歌う。

 

 ♪松は緑に砂白き 雄松が里の乙女子は

 赤い椿の森陰に はかない恋に泣くとかや

 

小口: ここは「暗い椿の森陰」と歌われていた時期もあるんだ。

 

実以: 失恋した女の心理としては暗い椿の下で泣く方が自然だわ。わざわざ花をつけている木の下で泣くなんて何だかものほしげ、誰かがもしもし御嬢さん、どうしたんですかって話かけて来るのを待ってるみたいで…

 

 

 

マド: 古くて大きな椿の木には時々こわい話があるのよ。樹の精が美しい女性の姿で現れて通りかかる人に息をふきかけて虫に変えて殺してしまうとか。

 

 

 

二月の客―連結コタツの想い出

子供の頃、私が住んでいた寺では婦人会と呼ばれる集まりがありました。普段はいない住職が関東からやってきて近隣のご婦人たち―当時の私の祖母と同じ年代の女性たちを集めて講話と茶話会をするのです。婦人会の前には祖母と母が「佛教婦人会」と書いた大きなやかん、たくさんの湯飲みときゅうす、あられや最中をいれた菓子鉢を用意しました。今も売られているブルボンのルマンド(昭和49年発売)を初めて食べたのは、婦人会用のお菓子をおすそわけしてもらってのことです。中部地方の田舎町においてはおしゃれでおいしいスイーツでした。また買ってみようかな。

 

先月の「年始の客」のブログで紹介した「玄関の部屋」の隣には中の間と呼ばれる八畳、二の間と呼ばれる十畳の座敷がありました。婦人会などの人の集まる時には中の間と二の間の襖をはずし、一つの大きな広間として使います。寒い時期には豆炭こたつのやぐらを

いくつか並べ、それをつなぐようにこたつぶとんと上掛けをおき、一つの細長いこたつのようにします。幼い私はこの連結こたつが出来上がるとはしゃいで上に乗って遊び、祖母に叱られておりました。

 

実以の脳内の座敷。寒中。婦人会の客が帰った後。連結こたつの上にみかん、菓子鉢、急須、湯飲みなど。実以がこたつにあたって疲れ切った表情でお茶を飲み、みかんを食べている。マドモアゼル謙信がこたつ板のうちの一枚の上に載っているものをおろし、片付けはじめる。

 

マドモアゼル謙信: さっき諏訪御寮人と真田左衛門佐の最初の奥方が話していたわ。日曜夜8時の主役の人と若い頃につきあうとろくなことがないって

 

実以: たいてい早死にしちゃうのよね。いくさとか病気とか敵役が放つ刺客に襲われたりして…

 

マド: 男だってことになってる私が唯一人愛したことになっている人も肺病で死んだわ。永禄4年に私が川中島で戦っている間に…(注1)

 

実以: でもたいていの男の人は国営放送の日曜夜8時の主役にはならないから、あんまり心配する必要はないわよね。

 

マド: 来週は変身ヒーローと交際した方々の婦人会ね。

 

実以: 巨大ヒーローに変身する地球防衛隊の人とつきあわない方がいいという話で盛り上がるわね。

 

マド: 宇宙人にさらわれたり、襲われたしてあげくの果てに…

 

実以: 死んじゃうのよね。今までにない新しいタイプの宇宙生物が来た時とかに。なんとかジャックさんの場合は演じていた美人女優さんのスケジュールが取れなくなったのかなって気もするけど。祖母が視てた昼メロでも主役をやってた。

 

玄関座敷につづく木戸が開く。大正時代の学生風の青年が二人入ってくる。一人はギターを抱え、もう一人はキーボードを運んでくる。

 

注1)海音寺潮五郎作 『天と地と』参照