小学三年生で、とってもいい先生に出会えた。
二年生までは、いつもお母さんに近所の友達と比べられて全く自信が持てなかった。
なんか、よく褒めてくれる先生だったような気がする。
男の先生だった。
男の先生ってみんな面白い。
字も計算も自信がついた。
ピアノだって弾ける。
お母さんにはいつも「練習をしなさい。」って叱られたけど。
習い事がどんどん増えて、毎日忙しかった。
でも、勉強ってできると褒められる。
字がキレイだと褒められる。
だから楽しい。
弟は勉強ができへん。
大きな声で泣いて、私と友達が遊んでるのをいつも邪魔する。
お腹痛いってこないだ入院して、私のピアノの発表会にお母さん来てくれへんかった。
一生懸命頑張って練習したのに、信じられへんかった!
身体が弱いってなんなん⁇
全然わからへんわ、それ。
あんた、ラクしてない⁇⁇
計算がわからない男子。
ピアニカが弾けない男子。
なんでできへんの⁇
きっとアホやからやわ。
だって、頑張ったらできるもん。
なんでできへんのかが私にはわからへんもん。
ひまわり学級にいる障害のある男の子。
いっつもどこ見とんかわからへん。
なんかいつも身体が傾いてる。
しゃべらへん。
。。なんか、こわい。
えーなー。
勉強遅れてる子ぉは、いっつもおもちゃがいっぱいあって、冬は暖房効いたあったかい部屋で過ごせて、絶対楽そうやわ。
中一で剣道部に入った。
お父さんが剣道やってて、入部を相談したら喜んでくれたから。
身体が小さいから、みんなから打ち込みで入ってくる面がめっちゃ痛い。後頭部に響く。
男子嫌い。
やたら力強いし、なんでそんな足速いん?
ええなぁ〜。。丸坊主は嫌やけど。
朝練があって、でも寝坊して、防具担いで電車に間に合うために駅まで毎日電車と並走してた。
体力がなくて、授業中すぐ寝てしまってた。
よく先生に怒られた。
そのうちサボるようになった。
。。
タマオキアヤさんが、戦後の教育は「強い男の子を育てるため」の教育だったってどこかで言ってて。
そのとき、ほんとその通りだよなって思った。
みんなに同じことができるように。
みんな同じ方向を向いて協力できるように。
同じ常識の中で、平和に生きられるように。
だけど、その教育の中で、どれだけの子が、どれだけの女の子が、すんなりしあわせに成長してこれたんだろう?
こうして今振り返っても、過去の私には、両親がいて、食べるのにも困っていたわけではなく、すごく恵まれた環境にいたのに。
わかってもらえない、自分だけが頑張っているって、けっこう歪んだ思い込みが支配していたな。
それだけ、子供の私は、毎日必死だったんだ。
こうして、「人に認められてナンボ。」の生き方がその後も定着していったように思う。
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