オーナーに声をかけてもらって始まった
ベトナムレストランでのバイト。
最初は、皿洗いから。
皿洗いと言っても、大型のレストラン用の食洗器があって
相当量の食器があらえるのですが、
このレストランは、今でいう「フレンチベトナミアン」と言われる
本来のベトナム料理方式ではなくて、
フランス料理のように、コースでお通し、
今でいうアミューズドブッシュ、前菜、スープ、
メイン、デザート、コヒーかお茶と出すスタイルを
フランスでもいち早く確立して大成功した、
満席で120席の大レストランで、
とにかくそのつど大量の皿や茶碗を出したり
片付けたりする量が半端じゃなくて
その食洗器だと時間がかかり過ぎて
全てを時間内に洗いきらないわけで、
僕の前には土日は、モロッコ人と
アルジェリア人(大学院生)の二人で
洗っていてもなかなか追いつかない・・・。
そんな皿洗いを比較的お客の少ない曜日に
僕一人で皿洗いを任されることになって・・・。
”ホントかよ・・・冗談じゃないな・・・” と
「割に会わない仕事を引き受けてしまった~」
という後悔と
「絶対、一人でやりきってやる!!」
という闘志とが混在しながら
それでも必死に・・・。
ある日の夜、そのころは僕もかなりのヘビースモーカーで
仕事の合間に煙草を プカー・・・
それをこのレストランのオーナーがたまたま見ていて
”オイ、サボってるんじゃないぞ!
煙草をすっている暇はないぞ!!”
とすごい剣幕で怒るので
僕の方も
”えっ? サボってなんかいませんよ!
だってもう洗うものが何もないから” と・・・。
するとオーナーが
”そんなわけないだろ! これだけ忙しんだから!!”
と僕が働いている 皿洗い場までやってきて
”ん~、どれどれ・・・ ホントだ洗い終わってる”
”そんな早く出来るわけがない!!おまえ手 抜いてるだろ!!”
と言いながら、皿や箸、レンゲやスプーン、フォークを
手でいちいち触ってみて・・・
”綺麗に洗えてる・・・・”
ブス っとした顔だったのに、ニヤニヤしながら
厨房の奥さんと何やらブツブツ、
ベトナム語で話しているわけで
まあ、アラブ人二人でやっもなかなか綺麗に早く
皿洗いが終わらなかったのに、僕一人で二人分の仕事を
完璧にこなしてしまったのですから
オーナーにしてみれば一人分のバイト代で
二人分の仕事をしてしまうわけですから
ニヤニヤしてしまうわけです。
そしてそんな、完璧な皿洗いの日が日一日と増えていく中
ある日、オーナーが
”おまえ、バーやってみるか??” と・・・。
突然の皿洗いから、バーへ昇格。
それに伴って、バイト代もアップということなったわけです。
レストランでの仕事が
プロンジャー(皿洗)からバーマン(バー担当)になったのですが
このバーマンの仕事、ただカクテルを作るのではなくて
食前酒のカクテルや食後酒、
デザートの中のアイスクリ-ムを含むパフェ類、
フルーツカットデザートの盛り付けやカフェ、紅茶などの準備も
このバーマンの仕事で、何と仕事量の多いことか・・・。
満席時に、約100人いる人たちのカクテルから
デザートからコーヒー、お茶まで
とにかく慌ただしい=3 =3 =3
それを一人でこなすわけで、
最初は ”このオーナー、むちゃくちゃだ!!”
と本当に思いました。
それにスムーズに必要なものが出ないと、
その前後の予定が、
みんな合わなくなってしまうわけです。
食前酒やカクテルは、
お客の単価を上げるためにとても大切だし
カクテルを飲みながら、
ギャルソンがお客様にいろいろなメニューを説明して
レストラン側にとっても有効なメニューを
決めてもらう時間になるわけです。
デザートも、このレストランは
決められたメニューを
決められた通りにそのまま出すタイプ
のレストランではなく
お客さまのわがままを最大限聞いて出すタイプで
オリジナルのデザートの何かを抜いて
その代わりに別のものを入れるとか
量を増やしたり減らしたり・・・。
それも美しく・・・。
忙しい合間にそれだけ気を使ってサービスするには
それなりの根気と技術とモチベーション!
それに、これも試されたのかな・・・???
本当は二人でやる仕事を結局、
僕一人でやることなって・・・
で、最初は大変だったけど、
やっているうちにいろいろと出来るようになって
ギャルソンが受けてきた注文のものに
更に、お客さんが期待している以上の内容と美しさに
進化させて出すようになると
”お~、凄い!!”
という声が聞こえてきて
その声をまた聞きたいと思って、
更に内容を進化させることで
なんと、帰りにお客さんから直接バーにも
”セテ デリッシュー!(とっても美味しかった!)
セテ トレ ジョリー!(とっても綺麗だったよ!)
メルシー” と言いながら
チップをくれるようになって
そんなことは実際には殆どないことなのですが・・・
でもこのレストランは、
個人的にチップをポケットにいれるのではなくて
全てのチップを一度集めて、
それを人数で割って配分する方法をとっていたので、
直接僕が個人的にもらった時は、複雑な思いもしましたが・・・。
食前酒やデザートとコーヒーや食後酒は
1人当たりの食事をする時間配分を調整する
大切な、実はキーになるわけです。
これって面白くないですか?!
つづく


































