副作用のレベルは5段階で規定され、最悪はグレード5の「副作用死」。
今回の私のグレードは「4」。その結果抗癌剤投与量と期間を抑える事になった。
M080917

4コースの抗癌剤及び鎮痛剤投与量と、クレアチニン、ビリルビンの推移を示す。
教科書的にはシスプラチン80mg/m^2、ジェムザール1000mg/m^2の3週間隔が標準。
が、1コース目の底割れを見ると「絶対ムリ」という判断。

私の希望は「無菌室に入ってもいいから倍量投与」であったが議論の末却下。

理由は、
・外部からの感染を防いでも、血中や腸内の細菌類の増幅を抑えられない。
・血小板低下も顕著。あまりにハイリスク。
とのこと。投与間隔も基本的に4週に延ばさざるを得ない。となった。

1コース目は効いた実感があった。
それに対し、2コース目は殆ど作用している感覚が無かった。
「患部が小さくなったから?」とも思ったが結果的には殆ど効いてなかった。

3コース目、4コース目はなんとか主治医を説得し、少しずつ増量してもらった。
増量に応じて「多少効いている」感はあったが、4週間隔というのは基本的に
「ぬるい」投与だったと言える。痛みも同程度で推移した。

シス+ジェムは抗癌剤治療の中では「最期の切り札」に近い位置づけにある。
が、8割程度の投与量に落とさざるを得ず、効果は「半減」した印象がある。

ちなみに今コース最も懸念されたクレアチニンはなんとか正常範囲を維持。
薬量を抑えたことと、1日平均3L近い尿を出し続けた事が良かったのかも
知れない。(一日に飲んだ水分は大体2~2.5L程度+食事中の水分)

他の副作用と異なり、腎不全の領域に一度達してしまうと短期間での回復は
難しい。事実上の治療中断になる可能性があり、注意が必要であった。
今回抗癌剤治療の2つ目の「山」は2コース目中盤の「貧血」。
B080917

図は6月10日から9月17日までの4コースの採血結果のまとめである。
(治療通算)Day470日付近でヘモグロビンが5[g/dL]程度に落ちている。

抗癌剤をやれば貧血は当然の様に起こる。私もこれまで7[g/dL]程度は経験がある。
経験上、9を下回ると「立ちくらみ」が起こる様になる。8だと階段を昇るのが
苦しくなる。坂道散歩などでふらふらするのがこのレベル。

7[g/dL]になるとトイレに行くのも厳しくなる。ひたすら安静にするしかない。
が、今回突破した6はその10倍厳しい。さらに5[g/dL]は6の10倍厳しい。

1日中寝たきり状態になる。テレビのリモコンすら持ち上げられない。
24時間吐き気と頭痛が続く。安静時ですら立ちくらみの様な状態が続き、
視野は50cm四方ぐらいしかない。これが1週間近く続いた。

正しい換算かどうかは判らないが、ヘモグロビンが標準量の約1/3程度になる
という事は、言い換えれば酸素濃度1/3の8000m級の高山に無酸素で1週間
暮らすようなものかも知れない。

さすがのがんセンターもこのレベルになると「危ない」という認識。

有無を言わせず即座に輸血。2単位(280mlの輸血パック一袋)を3回投入。
通常は輸血2単位でヘモグロビンが1[g/dL]程度回復する目安なので、輸血を
していなければ2~3程度まで落ちた可能性がある。殆ど「死体」である。

さらにこの段階に至っても感染症のダメージが残り微熱が断続的に続いて
いた。食欲も体力も回復せず、ひたすら厳しい状態が続いた。
これまでの治療歴は
・2007年4月から8月まで一度目の抗癌剤
・2007年12月と2008年4月に2度の重粒子線治療
・2008年2月にTS-1を1コース

今回の抗癌剤治療では2度のヤマ場があった。一つめは1コース目の感染症。
図には白血球、血小板及び炎症を示すCRPの推移を示す。
CDDPGem0806


白血球は1コース目でいきなり「底」を割った。G-CSFを5日連続で打っても横ばい。
前回治療のダメージもあるが4月以降の痛みや不眠、運動不足も影響したかも知れない。

Gemの副作用として血小板低下も顕著。がんセンターではPLATが50000/μLでも通常
それ程慌てない。が、さすがに10000/μLになると脳内や腸内の出血が心配される。
私の希望も叶わず、ついに血小板輸血となる。
思ったほど回復しないが上昇に転じている事から1回だけで済ます。

最大の問題は「感染症」。ついに我慢出来なくなり40℃の高熱が出る。
即座に抗生剤点滴を開始するも熱も炎症もなかなか下がらない。
微熱もダラダラと続き、結局4コースが終わるまで延々と尾を引く事になった。

さらに時期が悪い事に4月の重粒子線治療から3ヶ月が経過し、肺内の炎症が悪化。
時々セキが出る様になるが、この「セキ」は通常とは異なる。
肺の奥深くを刺すような感じでどうやっても5分くらい止まらない。

セキの衝撃で腰と太ももには激痛が走る。抗癌剤による食欲低下の時期が過ぎても、
高熱が続き食欲も出ない。血液データはどれも治療継続が困難な事を示している。
「状況」は最悪である。
2008年6月10日骨盤の転移巣を削る目的でシスプラチン+ジェムザールを投与した。

通常、抗癌剤の効果判定には1.5ヶ月程度の期間が必要とされる。が、今回は最長でも3週間、
現実的には毎日「効果vs限界」を見極めることが必要である。

・痛みと運動機能:幸いなことに投与日初日の夜から痛みが減少を始め、ムズムズ感が発生。
     2007年の初回治療で私は腫瘍が縮小し、神経や血管、骨から解離する感じが判る。
     今回の感覚も明らかに「縮小」していると確信。

     ただし、今回day1とday8の抗癌剤投与日の夜中には「焼ける」様な激痛があった。
     特にday8のジェム単剤2回目投与の夜は身動きが取れない程の痛みがあった。
     丁度傷口に消毒薬をかけた時の痛みに酷似しており、安静にすれば軽減する。
     明らかに癌性の疼痛とは異なり、「良い痛み」であると判断した。

     投与後2~3週間後には浮腫や痺れも殆ど無くなり、サンダルを履いて病棟をスタスタ
     歩ける様になった。ロキソニンの服用だけは続けたが痛みレベルは3程度となり、
     睡眠がとれ、かつ仰向けや横向きの姿勢で寝る事が可能になった。

・画像診断:図は投与1週間後の胸部レントゲンである。
CDDP+Gem

     今回の治療主題とは異なるが左肺上葉にCTで撮影して径12mmの再発巣があった。
     が、投与後6日で明らかな縮小が確認された。勿論胸部レントゲンの画像であるので
     例により注釈は付くが、私と主治医の判断は「奏効が期待できる」となった。
     2週目以降はレントゲン上確認出来なくなり、予想に反して抗癌剤が効いている
     事がほぼ確認された

     投与後3週目には骨盤のMRIも撮影し、「僅かに縮小」との判定を得た。
     胸部ほどの顕著な効果は無いが、これほど大きく、かつ増大を続けていた病巣が
     成長を止め、縮小に転じたことは大きな「利益」であった。

今回の抗癌剤治療は「勝算が低く」、尚かつ「もしも失敗した場合致命的なリスクを伴う」
事が心配されたが最低限の「仕事」は期待できるとし、2コース以降の治療を続ける事に
なった。ただし、次回記事で示すように非常に重篤な副作用が発生し、投与時期、投与量を
コントロールせざるを得なくなった。
骨盤転移に伴う障害の場所と程度をまとめておく。
図に示す様に転移箇所は、仙骨、腸骨、及び骨盤内外への進展部。

・痛み:10段階で「耐えられない痛み」を10,「眠れない、鎮痛剤が必要な痛み」を5とすると
    (「耐えられない痛み」を私は今回初めて体験した。呻き声も出せず自殺を考える程度。)
    臀部大腿部ー4月にレベル5、
          5月中旬にレベル7~8,
          5月下旬~6月上旬にレベル10。
          「アイスピックかハサミを10cmくらい24時間ずっと刺したまま」な感じ。
    仙骨、腸骨ー4月にレベル2、
          5月以降レベル5~6。
          溶骨に伴う焼ける様な痛み。

    臀部~大腿部の痛みは坐骨神経を直接浸食される為、通常の「痛み」とは質的に異なる。
    安静時、特に眠りに入る時などに急激に増強し、痛みで呼吸が出来なくなる。
    しばしば「癌は夜間に活性度が上がる」とか表現されるが、私の場合は昼夜には関係なく、
    とにかく「安静時」がひどくなる。抗癌剤治療直前の約2週間は殆ど「寝た」記憶が無い。
    (交感神経を介する内臓痛や皮膚痛とは異なる?)

・痺れ、硬化:坐骨神経を介している事からふくらはぎ、足の甲、足の裏にも痛みがある。
    が、5月以降はしびれが増強し、5月下旬には「硬化」が始まった。
    ふくらはぎや足の裏が「つった」状態のまま固まり動かない状態になった。
    ヒザと足首が曲がらない。以降1ヶ月近く、右足は棒の様な状態になった。

・浮腫:足の付け根のリンパ節を腫瘍が圧迫する事で浮腫も起こった。6月に入ってからは
    ふくらはぎと足首から下の浮腫が起こり、ゾウの足の様に膨張。最初に靴が入らなくなり、
    最終的にはサンダルを足先で引っかけ、引きずりながら歩く状態になった。
  
移動は電車のつり革にぶら下がり、立ったままの姿勢以外は不可能。タクシーも乗れない。
うつぶせで寝た状態なら15分間程度は我慢可能で、昼夜を問わず寝たり立ったりを繰り返した。

使った鎮痛剤は
ボルタレン座薬50mgを3回/日(0時、8時、16時)と、
ロキソニン    を4回/日(1時、7時、13時、19時)の併用。

食事の時間は基本的に朝食7時、昼食12時、夕食19時、な為、何回かは空腹時の
飲用、処方となる。これでレベル10の痛みはレベル6~7ぐらいに軽減できる。

本来この2種の鎮痛剤は併用しても「重ね合わせ効果は無い」とされているが、時間的な
「ピーク位置」をずらす事で、私の場合は随分効果があった。

しかしレベル6~7では結局、夜は一睡も出来ず、立ったままうめいている状態の為、
がんセンターではオキシコンチンの処方を毎日強く勧められた。

ただ、私の場合、放射線治療へのドロップアウトの時期を自分の「感覚」で決める必要がある。
「効き過ぎる」可能性のある麻薬系の鎮痛剤を追加するわけにはいかない。抗癌剤投与前後の
期間、延々と痛みに耐え続け自分の状態を把握し「限界」を見極める必要があった。
私が信頼する癌サイトのひとつに「やぶいぬ応援団」がある。

その中で最近、癌患者にとってはちょっとイヤなニュースが紹介されている。
http://d.hatena.ne.jp/yabuinu5/


癌の遺伝子異常を探す研究は、古くはp53から始まり、これまでにも数多くの報告がある。
大抵は新しい異常遺伝子、もしくはタンパク質を発見した。という類である。

しかしこのニュースのインパクトは、膵臓癌など限られた癌種に対してではあるが、
その変異の数を「調べきった」点にあると思う。

記事にもある様に、その結果は私の予想よりも多い。ちょっと前までは「数個」という
のが良く言われる予想値であったが、今回の結果はその10倍程度の変異があるとの
ことである。

勿論、
・「癌の発症時に50個の変異があったのか?」、あるいは
・「癌の発症後に変異が増え、50個に達したのか?」、
によりこのニュースの捉え方は異なるが、

少なくとも、
「癌を薬物で完治させる為には、数十種類の効果的な分子標的剤が必要」

である事を示唆しているかも知れない。

このニュースの真偽とそれから派生する幾つかの想定については今後も検討がされ、
かつ研究が進む事と思われるが、完治に向けたルートマップを考える際に
「気にかけておくべき事のひとつ」として整理しておく必要がありそうである。
通常、少し癌患者をやれば「未承認薬」や「海外での治験」を考えるようになる。
私もその類にもれず、2007年4月の初回治療以前にアメリカでの治験を考えた。

アメリカの国立がん研究所?の検索サイトで募集中の治験やその簡単な結果を知る事ができる。
http://www.cancer.gov/clinicaltrials/ct-keyword-search

2007年3月時点で私の目に留まったのは
・cetuximab(アービタックス)と細胞殺傷系を組み合わせた治験
(確かテキサス大だったと記憶しているが、、)と、
・グリベックを固形癌に応用してみる、、という治験
(こちらは確かインディアナ大だったハズ、、)

の2つ。

当時(多分まだ会って2回目か3回目の段階で)がんセンターの主治医に相談したところ
・どうしてもご希望なら医療情報を送付し手配する。
・ただ、自分の知見では分子標的剤は効くとしてもその効果は弱く、study2007さんの様に
 既に大きく、さらに増幅を続けている病巣には「焼け石に水」になる可能性が高い。
・既にでかい動脈を圧迫している現状を考えるとせめて2コースはより確実性の高い抗癌剤で
 「削り」にいきたい。

この回答は今振り返っても合理的だと思うし、当時も主治医の意見に従い「取りあえず2コース」
実施する事にした。結果、思いがけず著効し、6コースで寬解に至った為、その後は治験を
探してはいない。

今回の骨盤転移では針生検の際に少し多めに細胞を取ってもらい、一応EGFRとHER2、C-kitの
遺伝子解析を行った。がんセンターから民間会社への外注になる為、実費で7万円かかったが
もしもどれかが当たれば今後の治療がかなり楽になることが期待される。

結果、EGFRは陰性、HER2は無しだった。が、意外な事にC-kitが検出された。
ただしC-kitの遺伝子異常(ミュータント)までは無く、グリベックが奏効する可能性も
低いと判断している。

この1年の入退院を通じて私が周囲の患者の経過から得た知見でもイレッサやアバスチンは
「1cm以下ならなんとか縮小」、「3cmなら現状維持」、それ以上だと「厳しい」と
考えている。

骨盤の中で8cmにもなり、爆発的に大きくなる私の病巣を制御できる分子標的剤は残念ながら
無い。抗癌剤も(以前の記事でも述べた様に)殆ど期待できない。そういう意味で初手に放射線
を考えた主治医の判断は合理的である。

唯一、私の判断との違いは「重粒子線への期待度の違い」である。

この辺りの「ルート取り」の考え方の違いと重粒子が「先進医療」として扱われる現状に
ついては後日、別記事で言及したい。
2008年6月10日をday1とし以下の手順で抗癌剤を投与した。

day1:ジェムザール(1000mg/m^2)0.5時間+水4時間+シスプラチン(80mg/m^2)2時間+水6時間
day2:水8時間
day3:水8時間
day4:水8時間
day5:水8時間
day6:水4時間
day7:水4時間
day8:ジェムザール(1000mg/m^2)0.5時間

分子標的剤を除く細胞殺傷系の肺癌レジメンとしては最も強力とされている。
2005年~2006年の症例研究では「奏効率もカルボプラチン+タキソールより良好」
と評価されている。(いずれも30数%程度ではあるが、、、)

施設によってはファーストレジメンとして「キメ打ち」している様であるし、がんセンター
でもこちらを使いたがる担当医の方が多いかも知れない。

特に年配の医師にとって超ロングセラーのシスプラチンに対する信頼感は根強いモノがある。
ジェムも白金製剤との組み合わせでは「良い仕事」をする事からやはり使いたくなってしまう。


ただ、私の担当医はカルボプラチン+タキソールの方を第一選択肢として採用する事が多く、
私が周囲の患者の経過を見て感じる所でも、その方が「正解」の様な気がする。

初回治療でシス+ジェムをやってる患者を何人か見てきたが、問題無く4回乗り切った
例を私は知らない。良くても薬剤の減量か、投与間隔を4週間に広げるなど、教科書の記述に
反してなかなかに副作用が厳しい事を私は知っていた。

さらに、シスプラチンにより腎不全を起こし、クレアチニンが2.4mg/dLより下がらなくなり、
2週間近く水点滴を打っても回復せず結局治療断念となった例もあった。

「4コース、ガチガチに打てれば奏効率は高い」のかも知れないが、万一面倒な障害が起こると
致命的なダメージを食う、、、。そんなイメージを私は持っており、極力手を出したくない
レジメンだと考えていた。

そもそも5時間点滴で済むカルボ+タキソールに比べ、初日13時間+利尿剤で朝方まで寝れない
&1週間丸々入院となるシス+ジェムは患者の負担もまるで違う。

主治医も私も「好み」では無いが、骨盤の病巣の勢いを止め、少しでも削りに行くには
「背に腹は代えられない」との判断で無謀は承知の上で攻める事にした。

day4以降の水点滴は施設によってはやらない所も有るようであるが、最も警戒すべき腎毒性を
回避するため、ガッチリとケアする事で意見は一致した。
抗癌剤治療は6月10日に開始し、9月3日の4コース目投与をもって一区切り付ける事になりました。

効果と副作用、それに対する対処、さらには入院生活のあれこれ、、、、
等について山の様に記載したい事はあるのですが、まだ血液が本調子でなく
なかなか記事をアップする元気がありません。


・取りあえず、生きて戻って来た。
・明日からのリレー・フォー・ライフは残念ながら不参加とせざるを得ない。

の2点のみご報告させて頂きます。


記事を全くアップしなくなって2ヶ月近くが経過してしまいましたが、
その期間にも毎日500~1000件のアクセスを頂き続けていた様です。

期待を裏切り申し訳ありませんでした、今後は出来るだけ経過等に追いつけるよう
に頑張ります。何卒よろしく御願い致します。
6月9日現在の病状をまとめると
・左肺上葉の転移巣が再発している。径12mm程度。
・原発巣、その他肺内転移は無い。
・肺内の重粒子治療患部に目立った繊維化、肺臓炎はまだ出てきてない。
・治療の主題は骨盤内の骨転移及び腸骨周辺に進展した腫瘤部。

主治医のプランは
1.先ず骨盤への放射線。急ぐ必要がある為がんセンターのリニアックを早急に手配。
  (照射量は3Gy×10回、合計30Gy。目的は病気の進展を止める事と痛み緩和)
2.放射線の経過を見ながらセカンドラインの抗癌剤を決める。
  (候補はドセタキセル)

抗癌剤で寬解後進展してきた病巣であり、もはや抗癌剤はあまり期待出来ない。
骨盤内の播種等が起こると手のつけようが無くなる。今は放射線に期待するしかない。
、、との事。


これに対し私の希望は
1.30Gyのリニアックによる照射は「痛み止め」、もしくは「半年制御」程度しかメリットが無い。
  今慌てて照射し、将来の重粒子線等の可能性を潰したくない。
2.これほど進展の速い患部であれば、有る程度抗癌剤は効く可能性がある。
  また、当然ながら全身に進展している可能性もあり、今放射線でモタモタしたくない。
3.シスプラチンを絡めた「ファーストライン」の抗癌剤を再度試したい。
  (骨髄抑制が増強されるのは覚悟する。輸血等でなんとか制御して欲しい)
、、というモノ。


主治医の回答は、
・もはや重粒子の適応性は全くない。また抗癌剤が少々効いても将来的に照射可能になるとは思えない。
・今は相当危険な状態にある。タダでさえ抗癌剤の奏効率は3割程度。
 再発・転移である事を考えると縮小は殆ど期待できない。
・studyさんが「どうしても」と言うのであれば1度だけ、それも2~3週間程度であれば、
 抗癌剤を試しても良い。「最も後悔が少ない」レジメンはシスプラチン+ジェムザールだろう。
・効果判定は3週間以内に行う。進行が止まらない様なら即放射線。

という事になり治療方針が決まった。

報道では忌野清志郎さんも腸骨転移が見つかった様である。
放射線を先ず照射したとの事であるが、恐らくそれが「標準的な」考え方だと認める。

今回も私の勝手な憶測に基づき、治療方針を決めた。
主治医には迷惑をかける事になるが、ご協力頂ける事になった。
pica