Studio Forest ・・・ 森に暮らす -2ページ目

驟雨


お昼ご飯を食べて、残ったご飯で握り飯を作って

さあでかけようとザックを肩にかけたとたん

さわさわと森が騒ぎだす


テラスの床板に一つ二つと雨粒が落ちたと思ったら

見る間にすっかり濡れて

景色が白く霞む

軒から落ちるしずくが

銀色の糸のように繋がって

タカタカとリズミカルな音を立てる


ーーーー

出鼻をくじかれるとはこのことです。一気にモチベーションが下がった私は、「うそだろ・・・」とつぶやきながらさっきまで座っていたデッキチェアに腰をおろし、ネットで雨雲の様子などを調べたりしました。
疾雨だったのでしょう、1時間ほどで雨は止み、しばらくすると青空になりました。


午後遅くなってから山に入りました。
地元の山の長老に教わって、ある「木」を探しに出掛けたのです。

「いいか、目印は栂林だぞ」

いまはもう、自分の足で山へ入ることができないその方は、若かりし頃に八ヶ岳を歩き回り出会った数々の樹木や野草、生き物たちに思いを馳せるように、詳しくその場所を話してくれました。
おそらく、森の様子は変わっているでしょう。森は生きています。
もしかしたら、その方が思い入れのあるその「木」も、見つからないかも知れません。
でも、目を輝かせて語るその話を聞いていると、きっとあるという不思議な確信みたいなものがわいてきました。



落葉樹の森を抜けてなお登っていくと、あたりは美しい唐松林。山の斜面にはクマザサがふくよかな薄緑の絨毯のようになって、そこからすっと真直ぐのびる唐松の幹たちは凛としていて清々しい。
しかし、いけどもいけども栂林は見当たりません。あきらめかけた頃、目の前に一抱えはあろうかと思える栂の大木が現れました。そこからは、栂も含めた混成林になっています。
この辺だなと森に分け入り、立ち止まっては周りの木に目を凝らす。

果たしてありました、その「木」が。見上げるような大木。

私はうれしくなってしまいました。
数十年前の記憶をたどりながら話してくれた、まさにその場所に、時を越えてしっかり地に足をつけて踏ん張っているその「木」。
風雨に堪え厳しい生存競争を生き残り、なお天に向かって両手を広げ続けるその生き様と、そんな一本の木を、次の世代に伝えようとした山の長老。
私はしばらくその場所を動けずにいました。

山から下りてきて、その足で長老のお宅に寄りました。
私の顔を見るなり「見つかったか!」と満面の笑み。やや顔を紅潮させてその場の様子を聞きながら、満足そうにうなずいておられました。


「木」が具体的にどんな木なのかは、ここでは書かないことにします。
八ヶ岳のみに自生する特異な種とだけにとどめさせて下さい。

私も、次の世代にこの「木」のありかを受け渡すことができますように・・・















無題


屋根を叩く雨音で目を覚ます

冷たい雨の降る森は ずっとし黙ったまま

濡れそぼった葉の先から 糸を引くように

しずくを落としてる


こんな日は山に入る気もしないので

最近撮影したものの整理などしてみる

強い光線の写真が少ないことで 季節の移ろいに気づく


稜線に絡みつくように湧き上がるガスの合い間にのぞく入道雲

真上に鋭くたなびく 絹雲


ダイナミックだった夏から

琥珀色の季節へ



情熱がやがて 情念に変わるように

心の奥に 消えない火を灯そう

ーーーー
少し前に図書館で借りた本の返却期限が近づいていることに気づき
午後からテラスでずっと本を読んでいました。
あたりが薄暗くなって、活字が読みにくくなってきてはじめて、夕暮れ気づきました。

身体も冷えきってるし、温泉いこっと。。。






September

雨上がりの朝 稜線まで登ってみる

夏の終わりを告げる雨は

賑わった登山者の足跡を洗い流し

登山道はまだ誰も踏んでいない


駐車場から「さるのこしかけ」まで

緩やかに登る道すがら

気の早いナナカマドの梢の先が

鮮やかに色づいてる

いつもの岩に腰をおろし 水筒の水を一口

ひんやりした湿り気を帯びた空気が

あたりを支配してる


ーーーー
台風崩れの低気圧が去って、きっと晴れるだろうと踏んで稜線まで登ってみました。
しかし、お山の天気は気まぐれ、晴れたりガスったり・・・

八ヶ岳の麓では、明日明後日とトレイルランニングの大会が開かれます。
今回は麓を走るだけで稜線まで登らないし、今年は季節がまだ暖かい時期だし、おまけに天気は悪くなさそうだし。
楽しく走れるんじゃないかな。

今夜、パノラマの湯にいったら、選手とおぼしき人たちが何人もいました。それらしいいでたちなのですぐわかります。前の晩からそんな格好してなくてもいいのに(笑
清里スタートだろうから、100キロコースの選手かな。

気配の音


真っ暗な森が 雨音で満ちている

ぱらぱぱらぱらぱらぱらぱらぱら

心地よい響きに 身を任せる

壊れた蛍光灯のような遠雷の光が

木々を浮かび上がらせる


デッキチェアに深々と腰掛け ゆっくりと息を吸い込む

吸い込んだ風に

昨日までの むせ返るような命の息吹は亡く

ひんやりと わずかに乾いた感触に

忍び寄る気配


静にに目を閉じる


ーーーー

夜になって降り出した雨。
すぐ止むかと思いきや、もうかれこれ1時間も降っています。
今夜は灯りにもほとんど虫が集まってきません。

夏の盛りに、明らかに空気が変わったと感じる日があります。
涼しい日というのは夏のあいだにも何度かありますが、冷やかな空気にわずかな乾燥を感じるような日があります。
この日以降、暑さがぶり返した日がきても、暑さにどことなく腰が座ってなくて、浮き足立っているように感じるのです。
駆け抜ける夏とでもいいましょうか。
今年は今日がその日かもしれません。

寒くなって、今夜はフリースを羽織りました。


来訪者



向こうの森の

陽のあたるこずえのあたりから

ひらひらと 大きな蝶が舞ってくる

まっすぐ 私に向かってくる

彼女はふわりと踵を返し

浅黄色の裏地を見せて

葉の揺れる森に消えていった


------

オオムラサキのメスが、ログハウスにやってきました。
メスはオスに比べてかなり地味ですが、その舞い方は優雅そのもの。

毎年くるとは限らないのですが、今年は会えました。

個展


床いっぱいに広げた 作品群

こみ上げてくる思いを 押し殺して

じっくりと向き合う


頭の中で組み立てた計算と

心にわいてくる情感


その狭間を埋め尽くそうと

ため息をつく


ーーーー

明日から、八ヶ岳にきて初めての個展を開催します。
このところ準備でおおわらわでした。

でも、みんなに助けられて、応援してもらって、今日のプレオープンにこぎつけることができました。



$Studio Forest ・・・ 森に暮らす-1374238856063.jpg

盛夏


沢筋を歩いてみる

このところ降っていないせいか 水量は多くない

小滝をいくつか越えて 大きな瀞にでた

水はあくまでも透き通り 冷たい風が吹き渡る

ほっと一息 岩に腰をおろして

揺らめく水面を眺めていた



$Studio Forest ・・・ 森に暮らす-1373631517746.jpg


ーーーー
今日は30度越えたかな。
あんまり暑いので、沢に入ってみました。

きらきらの夏が、谷底にも下りてきていました。
生き物たちは、瑞々しく輝いています。
香り、音、空気感。
すべてが躍動していました。

みんながんばれ!


昼下がり


さわさわと 木々を揺らす風

鳥たちのさえずりをかき消すように

葉擦れの音

木漏れ日というには あまりにも強い日差しに

梢が輝いてる

ーーーー

朝ご飯を食べる前にPC作業開始。今日はやることてんこ盛りでした。
午前中に家での作業を終えたら、午後のアポは初対面の人ばかり。

救いは、行く先がみんな、標高900メートル以上のだったということ。

この時期、街には降りたくないもんです・・・



眠れぬ夜を抱いて


日付が変わってから どのくらい経ったのだろう

時計を見るのも億劫な 眠れぬ夜

いつのまにか雲が切れて ゆるやかに流れる天の川

デネブ ヴェガ アルタイル
゛ 
吸い込まれそうな闇に 軽いめまいを感じながら 

心をとらえていた思いを 宇宙に解き放つ


おやすみ

きっといい夢が見られるよ


ーーーー

この記事のタイトルを考えていて思い出した古い映画

「眠れぬ夜を抱いて」

ミシェル・ハイファーがすごききれいだった。

調べてみたら、正しくは「眠れぬよるのために」だった・・・



ほたる

ほたる、出てる?

遠方の友人からの問い合わせ


そういえば、今年は蛍見に行ってなかった。

例年ならもう終わっているころだ。今年は気温が低いから・・・

一縷の望みを抱いて いつもの場所に行ってみる


やっぱりもういないかな・・・とおもって帰りかけたとき

小さなあかりが見えた


すーっと目の前まで飛んできて

ふわりと上にあがって 飛び去っていきました


今年も会えたね。


ーーーー
今夜蛍が少なかったのは、雨のせいだけではないと思います。おそらく時期が遅すぎ。

ところで、梅雨明けしたみたいですね。
しかし当地は雨。
梅雨前線が北にあることは、空気の持つ湿度で実感してました。
でも、夏らしい風が吹かない。

梅雨入りの勇み足っぽかったけど、梅雨明けもそうじゃないの?