studio7の映像実験室 -11ページ目

今さらですが『大怪獣映画G』

以前、YouTubeで予告篇を観てぶっとび、このブログでチラリと書いた 『大怪獣映画G』。

遅まきながら、DVDを入手して全編を観ることが出来た。

 田口清隆監督…って、『長髪大怪獣ゲハラ』の監督じゃんか。
 ゲハラは偶然にもNHKのオンエア時に観たのだが、あんまり私の好みではなかった。
 製作総指揮は樋口真嗣監督なのだが、何たって企画・脚本がみうらじゅん氏ですからね。微妙に怪獣映画としてのピュアさ(?)を欠くような感じがするのである。

 ただ、劇中で怪獣出現を告げるニュースがNHKニュースである、というあたりは他に例が無いのではないか。
 

 いや、ゲハラの話ではなく、『G』だった。


 田口監督の自主制作なんである。
 1999年に撮り始めて、完成したのは2007年。8年かかっているわけだが、本編はほとんど2000年くらいには撮り終わっていたとのこと。間が空いた時期もあったようだが、その後は特撮カットをひたすら撮っていたらしい。

 日活芸術学院在学中から様々な特撮現場を体験しており、その後も平成ゴジラやウルトラマン、仮面ライダーのデジタルエフェクトを手掛けてきた人である。
 8年の間にスキルは上がるわ周辺のデジタル事情は変わるわ人脈は強化されるわ…と、まあ、エラいことになったわけである。

 舞台は日活芸術学院がある調布と多摩川周辺で、ロケもほとんど実際にそのエリアで行われている。オーディオ・コメンタリーによれば…
 「電車やクルマでロケに行く予算が無かったから」
 スーツアクターへのギャラは、撮影後の生ビール(中ジョッキ)1杯だったようだ。
 どこまで低予算なんだよ。

 だがしかし。

 「この作画合成は、仮面ライダーのエフェクトをやっている人です。『このカット、オレのパソコンにデータを入れておけ』って…仕事中にやってくれまして」
 「この破壊シーンだけは東宝ビルトで撮影してます」
 「僕が仕事を手伝った対価として手伝ってもらったカットです」
 「実家から送ってもらった毛ガニを振る舞って、戦隊ものの効果をやっている人にお願いしました」
 「せっかくだからって、(破壊ミニチュア用の)石膏板を抜いて(=型抜きして)くれた人がいて」

 特撮カットはほぼノーギャラで第一線のプロ(田口監督自身も含めて)が関わっているんである。

 アマチュアが作ってプロが仕上げたと言うべきか。

 出演者のほとんどが素人だし、老け役も20歳くらいの人がやっているので、そのあたりは仲間内の自主制作ノリがバリバリである。
 特撮カットは「すげー良く出来てる部分」と「自主制作としては良く出来てる部分」とが入り混ざっている。


 メイキングと田口監督×樋口真嗣監督によるオーディオ・コメンタリー込みで、面白かったかな。

かいじゅうのなきごえを作ろう(その3)

 ある結論を言ってしまう。

 地声で出せる「最も怪獣っぽい声」というのは、息を吸いながら叫ぶパターン。ってか、強く吸った息で声帯を震わせると言うべきか。
 ちょっと(…いや、かなり…)苦しい発声方法ではあるが、うまくやるとそれだけでも怪獣みたいな声になる。
 喉が丈夫な方は、是非お試しください。健康上の責任は持てませんが。


 しかし、まあ、大変な人というか悪魔がいたもので、ご存知の方はご存知のように、デーモン小暮閣下はかつてラジオの「東宝公認・ゴジラの鳴き真似コンテスト」で優勝している。
 そのあたり、タモリの『今夜は最高』にゲスト出演した時に詳しく語っている。YouTubeにもアップされているが、そういう映像のアップ自体が著作権的にアレなので貼付けない。YouTubeに入って「デーモン小暮 ゴジラ」で検索すると引っかかる。
 ここで、閣下は「キングギドラの鳴き声と科特隊の電話の呼出し音が同じ」なんてマニアックなウンチクまで披露したり、ウルトラマンのかけ声についても語っている。

 記憶によれば、ゴジラの鳴き真似コンテストにはテレビ版もあって、閣下の“悪魔ではない時の顔”と“悪魔ではない時の名前”が出ていたハズ。

 どうでもいいが、私は閣下と同じ大学で、通っていた時期が重なっているが、学内で目撃したことはない。まあ学部も違うしね。


 閣下の場合、悪魔だから怪獣の鳴き声が得意なのかもしれない。
 私は人間なので、閣下ほど簡単には出来ないわけである。

かいじゅうのなきごえを作ろう(その2)

 吠えた。

 叫び系の声やら唸り系の声やら、15種類ほど自分の口から発せられる声やら“音”やらを録音。

 そのなかからいくつかをチョイスして組み合わせる。
 どれかひとつだと、多少加工しても“人が声を出している”というのがかなりバレバレなので、組み合わせるんである。

 この「加工」というのも様々で、音程を変えたりイコライザーで特定音域を強調したり、ギター系のエフェクターで音を歪ませてみたり…と、試行錯誤。

 声帯の絞り方をちょいと変えてみたり、唇や頬や舌の振るわせ方を変えてみたり、“色んな音”を出すことは出来る。が、それが「怪獣の声」に使えるか否かは、実際に録音して、加工&合成してみないとわからない。


 その一方で、怪獣らしい咆哮というのは、(キングギドラのような電子音は別にして…)「最初に強いアタックが来る」パターンと「軽く唸ってから叫ぶ」パターンの2種類に分けられる…あくまでstudio7流の分類ですが。
 わかりやすく言うと「アンギャ~!グルルルルルル…」みたいなパターンと、「グオギャ~ン」みたいなパターンである。…あんまりわかりやすくないか…(^^;

 主に低音を強調してやると迫力は出るが、何と言うか攻撃的な感じが抑えられてしまう。そのあたりのバランスは難しい。
 そもそも、求められている怪獣がどんな性質がわからんので、そこらへんは私の好みでやるしかない。
 “使われ方”もよくわかってないので、咆哮の長さもテキトーというか、長過ぎず短過ぎずという、これまた私の好みでやるしかない。

 とにかく、せっかく自分で吠えたわけだし、何とか声優(声優か?)デビューを果たすべく、頑張っております。

かいじゅうのなきごえを作ろう(その1)

 週末までに、何とか「怪獣の鳴き声」を作らねばならなくなった。
 幸か不幸か、メインとなる咆哮だけで、「唸り」とか「短い発声」までは作る必要ななさそう…。

 ウルトラマンで言えば、「ショワッキュ!」を作るだけで、「ヘヤ!」とか「シャ!」とかまでは作らなくても良い感じ。

 しかし、“その怪獣”を私はよく知らない。
 これまた幸か不幸か、ほとんどの人が“その怪獣”をよく知らないので、とりあえず、怪獣らしい声になっていれば良さそうである。

 怪獣の代表格であるゴジラの咆哮…怪獣の鳴き声のお手本みたいなもので、「鳴き声」としても「技術」にしても、これを参考にするのが良さそうである。


 ゴジラの鳴き声を私なりに分析してみる。
 敢えて文字にすると、『アィン グアゴォ~~~~ン』というのが私のイメージ。
 「アィン」と「グア」と「コォ~~~~ン」という三つの要素から成り立っている。

 「アィン」と「グア」は、恐らく猛獣系の動物の鳴き声を合成したり加工したりしているものと思われる。
 「ゴォ~~~~ン」という余韻みたいなのは、緩めたコントラバスの弦を、松ヤニを付けた手袋でしごいて作ったらしい。

 ん~、ウチの効果音ライブラリー(と言えるほど揃ってはいないが)には、動物の鳴き声は全く無い。
 かと言って今から動物園に行って収集する余裕はない。
 また、我が家は猛獣はおろか犬も猫も飼っていないし。

 しかし、待て。
 人間だって動物である。
 よし、この際だから「自分が出せる“音”」だけで何とか怪獣の鳴き声を作ってみようじゃないか。

 記事のタイトルに、うかつにも「(その1)」などと入れてしまったが、果たしてこの記事は続くんだろうか。
 ちょいと頑張ってみます。

おじさんたちを、ナメんなよ!

 1週間ほど前。

 我々の連は三鷹の阿波踊り大会に参加した。

 のだが、急遽、中野で開催される別のイベントに招聘されて、三鷹のスタートと微妙に時間が重なる。

 “本隊”は三鷹に向かわせ、イベントの方は良く言えば少数精鋭。
 実際、踊りについては連長はともかく、少人数ながらも各パート(男踊り/女踊り/女の男踊り)のサブリーダークラスを出して一定のクオリティを保った。

 問題は鳴り物である。
 その、ぶっちゃけ「いや~、三鷹は長いし、高円寺本番へのエネルギーを温存しておきたいからやめとくわ」という、おじさん中心の鳴り物軍団が急遽集められた。…私も「ん~、三鷹か…どうしよっかな~」と思っていたクチである。
 イベントでの演舞は15分かそこらだし、三鷹に行くよりは楽。それに、このイベントは仲間内のコネで“断れない”という状況だったので、結局は「三鷹には出ない気満々」という、見方によっては(よらなくても)脱力系の顔ぶれである。

 しかも。ウチの鳴り物で練習熱心なヤツらは20代&30代がメイン。上記「中野組」は、ほとんど練習には顔をみせず、寸前になってちょこちょこっと練習に出てイキナリ高円寺の本番に臨むという「アラフィフ」な顔ぶれ。
 まあ、練習に出ているのは私と、おじさんに好かれる笛の女性くらい。

 しかし、上記のように踊りは(我々と同世代の連長を除くと)若手がメインで、せっかく広い宴会場なので色々フォーメーションをやりたいわけである。

 が、事前に事実上ウチの連で実権を握っている幹部から若手の踊りメンバーにある禁止令が出たらしい。
 曰く「あのオジサンたちの鳴り物は、ただ音を鳴らすしか出来ない。だから、絶対に“踊りに合わせて音を出して欲しい”といった注文は一切してはいけない」。


 バカを言っちゃいけない。おじさんたちをバカにした“注意事項”である。

 まあ、最近はあんまり機会が無いのだが、このオジサンたちがトップミュージシャンだった頃は、けっこう色んなことをやったのである。現在の中心メンバーより、よっぽど色々なシチュエーションで場数を踏んでいる。
 確かに技術的な部分で練習不足は否めないが、ノリを踊りに合わせる感覚は失われていない。特に頼まれなくても、個々の判断で踊りの展開に合わせて音を変えることくらい、自然に・当然のこととして身に付いている。
 綿密な打ち合わせは不得手だが、踊りとノリを共有する感性は出来ているといった感じ。

 案の定。

 演舞終了後に若手の踊りメンバーが満面の笑みで駆け寄ってきた。
 「いつもの、ギチギチに打ち合わせをしてやっている時より、その場のアイコンタクトや雰囲気で踊りと鳴り物の一体感があって凄く楽しかったです」


 大きなステージで、(特に入場料をとって)展開される阿波踊りだったら、構成から何から綿密に組んで行く必要はあろうと思う。
 が、宴会場で披露する場合(観客も酔ってるし)、楽しい雰囲気を提供するのが阿波踊りの役割。
 そして、そのレベルだったら、アラフィフ鳴り物チームだって難なくこなせるのだ。
 さらに、「単に音を出す」だけではなく、「踊り手や観客をノリノリにさせる」ことに関しては、おじさん達の方が経験に基づく感覚がしみついている。現役メンバーにはそれが欠けている。

 私も世代はアラフィフだが、関わりとしては30代半ばの連中に近いという中間的なポジションにいる。
 なので、色々と語り継いだり「ノリノリの継承」をすべき立場なのかな、と思う。
 上記“ご法度”を出した幹部の考えとは対立するかもしれないが、私ゃそれをやっていきますよ。