今回は、晃生の踊り子、羽音芽美さんの新作「ルパン三世」について、「ルパンに心を盗まれて」と題してレポートします。

 

 

 

 この週は、メイミンの新作に感銘した。メイミンには沢山の作品があり、多くのファンがメイミン作品を愛してやまない。それはメイミンがデザイナーとして渾身の思いを込めて衣装作りに取り組み、どのステージも衣装の豪華さに圧倒されるからである。まるでNHKの紅白歌合戦で小林幸子の衣装が注目されるのと同じ感覚。そしてメイミンはいつもその期待を裏切らない。(⇒メイミンをストリップ界の小林幸子と呼ぼうかな!?)

 そして、今回の作品こそがメイミン・ワールドの最高峰ではないか。少なくとも私の目にはそう思えた。

 

 今回の作品は、ひとつのファッション・ショーである。最初から最後まで豪華な衣装にこれでもかこれでもかと目を奪われる。

 最初の衣装は、金色のコート・ドレス。上半身は襟と胸ボタンのあるトレンチコートの型を取りながら、ウエストをコート紐で結び、下半身は足元までのロングドレスになっている。こんな斬新な衣装は見たことがない。金色の帽子をかっこよくかぶる。足元の白い靴には毛皮や銀の線が入っていて超豪華。

 次の衣装は、シャツの上に真っ赤な薔薇のような深紅のカーディガンを羽織る。下半身は白いパンタロンに銀色のスカートを巻く。白いパンタロンのサイドには銀の線が入っている。これまた斬新なデザイン。

 赤い上着を脱ぐ。ブルーのシャツに黄色のネクタイが現れる。かっこよくポーズを決める。私は、まさにファッション・ショーとして衣装の素晴らしさとメイミンのポージングをうっとり眺めていた。

 ブルーのシャツを脱いで、ブルーの襟首と黄色のネクタイのみの全裸になって、ベッドへ移動する。

 盆の上に、大きなグレイの袋がある。最後に、その袋から豪華な宝石が散りばめられた赤い王冠を取り出す。その瞬間に、聞き覚えのある軽快なルパンの曲が流れる。

 笑みを浮かべたメイミンが王冠を抱えながら舞台に戻る。そこには王座のような茶系の椅子が置かれている。メイミンは王座の椅子にゆったりと座り、ピンクのピストルを取り出してバーンと発砲して、幕が下りる。

 私は最初、この演目をひとつのファッション・ショー的なストーリーのないものとして観ていたのだが、突然ルパン三世の曲が流れ、この演目がルパン三世を演じていることにハッと気づいた。この演目の目玉は、華麗なファッション・ショーとラストの突然なるストーリー展開にある。

 

 私はステージを一回拝見しただけで、この作品に心酔した。ポラタイムで「この作品は最高だ」と褒めちぎった。「新作褒めてくれてすごく嬉しかったー!」

 メイミンは最初の衣装が銭形警部のコートを意識して作ったことを話してくれた。なるほど!これまた私には新鮮な驚きだった。次の衣装は当然ルパン三世をイメージしている。ルパン三世だと赤いジャケットを思い浮かべるところだが、あえて深紅のカーディガンにするところがメイミンらしい味になっている。また、赤・青・黄という原色がルパンっぽい。

 衣装デザインの斬新さが素晴らしいだけでなく、小道具にも細心の工夫が施されている。最後に登場するグレイの袋の表面にはルパンのユニークな似顔絵が描かれている。また、王冠や座椅子には半端じゃないお金がかかっている。晃生のスナックふくろうでメイミンの作品を絶賛していたら、ママさんが「あの王冠だけでも30万円かかっているのよ」と話してくれて腰が抜けそうになる。(本当かな?⇒実際はトータルで40万円らしい) それだと王座の椅子は一体どのくらいするのかなと思っちゃう。最後のピンクのピストルが玩具みたいで逆にホッとする(笑)。

 

 今回の演目名は「ルパン三世」。(英語ではLupin the Thirdと書くんだね。LupanじゃなくてLupinなのが面白いな。)

 私はルパン三世を単にTVアニメで観ているに過ぎない。実際はたくさん映画化され、音楽も多くのサントラ盤がある。メイミンは30枚もCDを聞きまくって選曲したと話してくれた。私には最後の方の一曲だけでルパン三世を認識したわけだが、実は私が知らないだけで最初から最後まで全曲ルパンだらけなのだ。ある客が「ベッドショーで映画『カリオストロの城』の曲がかかったときにしんみりしちゃった」と話していたよ。

「突然ルパンをやってみたい!!!と思ったの。私がルパンだったら・・・って思っていろいろ考えて作りました。私らしいルパンになれたかな?」

 メイミンがこだわりだしたら半端じゃないね。その探求心が凄い。今回の衣装やステージへのこだわりは「メイミンワールド、ここに極まれり!」として拍手を贈りたい。

 

 力作に脱帽。今回はルパン三世に完全に心を盗まれました。

 

平成29年3月8日                      大和ミュージックにて 

 

 

 

『ルパン三世の知られざる素顔』  

~羽音芽美さん(晃生所属)の演目「ルパン三世」を記念して~

 

 

 みなさんは、ルパン三世が男色(Boys Love)であったことをご存知でしたでしょうか?

 えっ!? ルパンは典型的な女好きのはず・・・実際、峰不二子に何度も肘鉄を食らっていたではないか、と思われたでしょう。ところが、それはカモフラージュなのです。実際にはルパンが峰不二子を相手にしなかったのですよ。

 これから、真実をお話しますから、ここだけの秘密にしておいて下さいね。

 

 ルパンの甲高い軽妙な声質は男受けする。またルパンはフットワークが軽いと言われるが、彼の物腰はまさしく男色好み。

 ルパンには、知っての通り、次元大介と石川五エ門という二人の親友がいる。長い間、男三人だけの生活を送っている。まぁ、これだけで異常な生活ですよね。

 次元大介・・・彼はルパン三世の最強の相棒。射撃の名手である。クールで義理堅く、ロマンチストでもあった。しかし、女性が苦手なのは有名な話。

 彼の持っているガンマンは破壊力抜群。ただ早撃ち過ぎるのが欠点であった。ルパンはその特徴を知り尽くし、彼の顎鬚を時間をかけて手で弄び、顎鬚を擦り合い、じっくりとじらしながらプレイした。。。

 石川五エ門・・・あの有名な大泥棒の石川五右衛門の十三代目の末裔。先祖が釜茹での刑に処されたぐらいだから、本性は釜っぽいはず(笑)。

 彼は斬鉄剣と云われる名刀を持っている。キレ味が鋭いので、ルパンは彼の長髪を名刀に巻き付けて遊んでいた。

 ズドン、ズドン、時にザクッ、ザパッ・・・

こうして三人の男色プレイは延々と繰り広げられた。

 ルパンファミリーの結束は強く、女の峰不二子なんかは相手にされなかった。彼女は単にルパンの財宝だけを狙っていたわけで、所詮女はお金に目がくらみやすい。その点、男たちの友情は熱いものがあった。

 

 ところで、ルパン三世の物語には、銭形警部が登場する。彼は長い間、ルパンを追い続けるわけだが、その関係は単なる怪盗と警部にとどまらない。

 銭形警部はいつもルパンに逃げられているが、作中でルパンが死ぬと聞けば誰よりも悲しんだり、時にはルパンを射殺するも(実際はルパンの演技だったのだが)、そのことを後悔し罪滅ぼしとして警察を止めてルパンの墓を守ろうとする。ルパンが生きていると分かると誰よりも喜ぶなど、ルパンのことを憎からず思っている節がある。こうして、いつの間にか奇妙な友情のようなものが互いに出来上がっていた。

 銭形警部は独身なのだが、実は彼も強烈な男色だった。女の尻を追いかけるようにルパンの後を追いかけた。彼は完全なストーカー症候群なのだ。しかも正義感が強い分、真っすぐなストーカーであった。

 彼はルパンファミリーに取り入れようとするが、マジメ過ぎるためにルパン達に毛嫌いされた。例えば、食事は和風ばかりだし、更にテレビは時代劇を好み、音楽は演歌しか聴かないという堅物ですからねぇ~。ルパンと全く趣向が違う。やはり男色も相性がありますよね。

 でも、きっとルパンも年老いたら、銭形警部の趣向も理解できるような気がします。

 いや、既に受け入れる準備ができているかもしれません。

 TVにはこんな場面があります。銭形警部は、ルパンは盗みを働く際には殺人を決して行わない「純粋な泥棒」であることを認めており、他の警官が「殺人犯め」や「卑劣な手で盗みをした」等と言うと「ルパンは人殺しなどしない」と必死で否定した。ルパンも「本気で俺を捕まえようとしたのはとっつあんだけだったからな。だから俺も盗みまくったのさ。本気でな」と銭形警部とのライバル関係を認めている。それを聞いた銭形警部は「我が選んだ道に悔い無し」と感涙している。

もう少し、二人の追いかけっこをTVで楽しみたいと思います。いつかは結ばれる日を祈って。はい

 

                                    おしまい  

 

 

 

 

【おまけ】銭形警部について

 最初のコート・ドレスがあまりにも素晴らしかったせいもあり、つい銭形警部のことをインターネットで検索してみた。

 TVアニメでは銭形警部のことをドジでおちゃらけた扱いにしている。ところが、原作者のモンキー・パンチさんは原作とアニメでキャラクターが異なると不満を漏らしている。原作では「かなり頭の切れる警部として描いたつもり」と話している。

 この設定の相違は、TVアニメで銭形警部の声を担当した納谷悟朗さんが、登場人物が次元を始めクールなキャラばかりなのに懸念を抱き、銭形警部をコミカルに描いてはどうかと提案したことが発端となっている。

 劇場版の中には鋭い敏腕警部として描いているものもある。宮崎駿監督が描いた名作『カリオストロの城』は有名。原作者のモンキー・パンチさんは「(監督の)宮崎駿さんの解釈がもっとも正しい」と語っている。