落札したBC-458A 送信機はまだ入手していませんが、必要な電源部を作成するためマニュアルをざっと読んでユニット間系統図を作成してみました。
BC-458A送信機ユニットはBC-456A変調機ユニット、BC-451Aラジオコントロールボックス、BC-442Aアンテナリレーユニットと組み合わせて、AM/CW送信機として機能します。
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したがってBC-458AをCW送信機として使用するためには、電源の他に電信用電鍵を接続する機構、一本のアンテナを送信機と受信で切り換えて使用するためのリレー機構が必要となることがわかりました。
上図の系統図からわかるように
1.AM変調ユニットは24V駆動のダイナモを積んでおり、高圧及びヒーター/リレー
などのすべての電源を送信機ユニットに供給します。
具体的には、電力増幅管のプレート電圧、スクリーン電圧、主発振管のプレート
電圧、真空管ヒータ/リレー用DC24V電圧が供給されます。
スクリーン電圧は送信モードが「VOICE」「TONE」の時にはAM変調されたもの
が、「CW」の時には定圧のものが供給されます。
2.送信モードはラジオコントロールボックスのスイッチで知り替えられ、マイクロ
フォン、電鍵もこのボックスに接続されます。
このラジオセットは複数台の送信機ユニットで構成される場合があるので、どの
ユニットを使用するのか選択するスイッチがあります。受信機は1台の装置のバンド
切替で対応するのですが、送信機は周波数設定以外無調整で使用できるようバンド
巾2MHzのものを複数台積むようです。
3.一番気になる「CW」モード時のキーイング方式ですが、電力増幅管のカソードを
24VリレーでON/OFFするカソードキーイングが使われていました。またこのリレ
ーで同時に主発振管のプレート電圧をON/OFFしていました。
主発振管のプレート電圧を動かすと周波数変動が?とかカソードキーイングなの
に固定バイアスでなくグリッドリークバイアスだけなのは事故発生時に大丈夫?
などと疑問を持ちましたが、軍用無線機が採用しているんだからと、そのま使用
することにしました。
またキーイングと同時にアンテナも別リレーでON/OFFしているのも見慣れなか
ったのですが軍用では送信アンテナと受信アンテナを別に張ることがあるからで
しょうか。
いずれにせよ、入手したBC-458Aには修理以外全く手を加えないで使いたいと
思っています。
4.真空管ヒーターとリレー用にDC24Vが変調ユニットから供給されていますが
大容量のDC24V電源を作るのは大変そうで気になりました。
普通のトランスではAC6.3Vのヒーター巻線が複数あるので、直列につなぐこと
ででAC12.6Vは簡単に作れます。このユニットで使われている真空管のヒーターは
すべてAC12.6Vで動くのでヒーター配線を変更すればよいのですが、前述のユニッ
トに手を加えないという原則から現状のまま使うことにしました。
オーディオアンプで使った真空管は一本でDC1A以上食うものが多かったので
心配だったんですが、調べてみると次のようになっていました。
系統1:VT-136ーVT-136 25.2V 0.45A
系統2:VT-137ーVT-138 25.2V 0.25A
VT-138は0.15Aですが並列に抵抗をいれて0.25Aに調整してるようです
リレー2個分を 25.2V 0.5Aと見ても合計DC 26V 1.5Aくらいの電源を作れば
済みそうです。AC12.6V 3Aのトランスの倍電圧両波整流を予定しています。
[使用予定の電源トランス、右側がDC26V 1.5A出力予定のトランス]
今回はマニュアルだけしか見てないのですが、軍用機材は、シンプルで部品点数の少ない回路を採用して、そのかわり機構的な部分に力をいれて、操作性、保守性を重視しているように感じました。戦闘従事間に複雑、精妙な操作はできないですし、
故障探求、修理保守がだれでも容易にできるようマニュアルがしっかりとできているなと感心しました。
- END ー












































