今日、BC-458A送信機が届いたので簡単なチェックをしました。

オークションの説明ではカバー、ネジ等の欠品、外筐のへこみなどがあるので「難あり」とのことでしたが、真空管もすべて付属しており、内部に手を加えた形跡もないので、動作は別として基本的には問題ないという判断をしました。

 

1.打痕の修正

 

 [上面からみたところ、他にネジの欠品はなかった]

 

2.アンテナインダクタンス調整目盛り板の塑性変形

 

 

 この目盛り板は取り外し可能な窓にセットされているので、外してみると下の写真のようになります。

 インダクタンス調整はローラーインダクターで行っており、右側のノブを回すとタイトボビンに巻かれたコイルが回転し、らせん状に巻かれたコイルに接触しているローラーが右または左に動くことになります。これはコイルの巻き数を変化させたのと等価なので可変インダクタンスとして働いていることになるわけです。

 以前使っていたローラーインダクターではカウンターダイヤルでローラー位置を表示していたが、このようにのぞき窓からローラー位置を確認する表示方法もあるのかと感心しました。

 

 しばらくは目盛り板をはずした下の写真のような状態で、動作試験などしようと思っています。最終的には、目盛り板をアクリル板で作り直すつもりです。

 

 [ローラーの金属光沢で、着色目盛り板を通しても確認できます]

 

 [ローラーインダクターを後面から見た様子、その上にコイルが2つ並んでいるが

  これはアンテナリレー」

 

 アンテナリレーの構造も変わっていて電磁石で動くアーマチェアが磁石の鉄心方向ででなくその直角の方向に動きます。したがってゼンマイ状板バネの可動接点は上の写真では上下方向に動きます。なぜこのような構造になっているのかわかりませんが

このアンテナリレーはキーイングのたびに動きますので応答速度を重視しているのでしょうか。

 

3.上部カバーを外して、シャーシ上面をチェック

 一見したところ問題ないようでしたが、アンテナカップリング調整つまみの動きが固いのでkure55をさしました。

 

 [取り外した上部ケース]

 

 [アンテナカップリングコイルの様子]

 

 アンテナカップリングコイルは、巻線方向が直交する2つのコイルからなり、上の写真で見えている1次コイルの中に巻き数2の2次コイルが入っていました。

この2次コイルはフロントパネルの調整つまみで回転するので、1次コイルと2次

コイルの結合度が変えられることになります。

 

 [シャーシ上面の全景]

 

 主発振トランス T53は「開けるな」との注意書きに従いケースをはずしませんでした。熱的影響による主発振周波数の変動を抑えるためと不要輻射防止のためしっかりしたケースに入っているのだと思います。

 

 [真空管と水晶発振子を取り外した様子]

 

 出力増幅管 VT-136はシャーシ上面より沈めて、なおかつ真空管ベースがシールドされるように銅板で囲まれていました。そういえば昔VT-136と同等のUY-807で送信機を作った時も同様の処置をするよう参考雑誌(CQ誌?)に書いてありました。

 

 [取り外した真空管と水晶発振子]

 

4.底板をはずしてシャーシ内部をチェック]

 オリジナルのままであるかどうか簡単にチェックしました。また主な部品と回路図を照合しました。

 

 [シャーシ内部の様子]

 

 [送信機(左)と同電源部を予定しているケース(右)]

 

 今後はこの送信機の電源を作って動作試験と周波数調整をする予定です。

最初、電源は木製の板の上に組む予定でしたが、パネルメータを探しているうちに同価格で30V可変定電圧電源があったので入手してしまいました。

 この大きさですと送信機の大きさとマッチするし、狭くなった無線機ラックになんとか納まりそうなので。

 上の写真の電源ケースは既に可変定電圧回路関係の部品は取り去っています。

開いたところに高圧電源を組み込む予定ですが手狭なので、今のトランス(24V 6A)も取り去って小型のトランス(12.6V 3Aを倍電圧両波整流で使用)に積み替えるかもしれません。

 

                         ー END ー