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サラリーマン社長のムービートラベル

壮大なスケール、壮大なスケールと連呼するのがこの作品です。正直言ってようわからん。宇宙全体を王国同士あるいは貴族同士の争いに見立てたSF作品の第2段「デューン 砂の惑星PARTⅡ」。1984年の監督デヴィッドリンチ、主演カイルマクラクランで作られたこの作品は続編まで持ちませんでした。「エレファントマン」のデヴィッドリンチ監督がメガホンを取り、主演のカイルマクラクランをはじめユルゲンプロポノフ、マックスフォンシドー、ショーンヤング、バージニアマドセン、スティングと結構な顔ぶれであったのに「壮大な」失敗作と言われています。鬼才デヴィッドリンチを持ってしてもであります。正直40年前に観に行こうと思ったけど観そびれました。だから出来がどうのとは言えませんが。

今回のリメイク版は第一作が2021年に公開されました。若手の「綺麗な顔」で人気が鰻登りのティモシーシャラメを筆頭にハビエルバルデム、ゼンデイヤ、レベッカファーガソン、ステランスカルスガルド、ジェームズモモア、ジョシュブローリンとオリジナル版に負けず劣らずいい役者を揃えてます。監督も新進気鋭のドゥニヴィルヌーブとなんといっても40年前より格段に進歩した映像技術があります。「映像化は不可能」と言われたフランクハーバードのSF小説が遠い時を経て果たして「映像化が可能」と宣言できるシリーズになるのか?

ハルコンネン家と皇帝の謀略により名門アトレイデス家は一夜にして滅んだ。アトレイデス家の御曹司ポールと母親のレディ・ジェシカは何とか脱出し砂漠に逃れた。二人はそこで砂漠の民フレメンに出会う。ハルコンネンの圧政に苦しめられていたフレメンは戦士フェイダキンのリーダー、スティルガーたちによって必死の抵抗を見せていた。スティルガーたちと同行していたポール母子はフレメンたちの間では「よそ者」として疑いの目を向けられていたが、リーダーのスティルガーはポールを伝説の「救世主」と思っていた。スティルガーの加護によりフェイダキンの一員となったポールは人々が恐れる砂虫(サンドワーム)を乗りこなす術を身に付けたり、ハルコンネン軍に対するゲリラ戦術を見せつけたりとフェイダキンの仲間達から段々と戦士として認められるようになる。そして何かと彼の面倒を見てくれる女戦士チャニと恋に落ちていく。

一方、母レディ・ジェシカは年老いて命尽きようとしているフレメンの老教母の後を継ぎ新しい教母として指名された。儀式の後、教母の座に就いた彼女はポールをフレメンの伝説の「救世主」にしようと画策するのだった。そんな母にポールは明らかな不満を見せるのだったが日を追うごとにポールの名声はフレメンの間で高まっていく。

その頃、皇女ルイーランはハルコンネン男爵と謀りアトレイデス家を滅ぼした父、皇帝ダッシャム四世に対し不信感を募らせていたが宇宙を支える資源、香料〈スパイス〉が採掘できるこの惑星デューンを支配することになったハルコンネン男爵はフレメンを殲滅せよと甥のラッバーンに命じる。だがラッバーンはポールが率いるフェイダキンの奇襲により翻弄され続け、それにより香料〈スパイス〉の生産にも支障をきたしていく。業を煮やした男爵はラッバーンよりも尚、残虐な性格を持つ弟のフェイドラウサを呼び寄せた。ポールとハルコネン一族との運命の決戦が迫っていた。

 

この作品も2時間46分の長丁場。正直、うーん、なんかタラタラとと言う気がしないでもないけどこのビジュアルだけは一級品だと思います。さすがドゥニヴィルヌーブと言うよりやはり40年間で発展した映像技術でしょう。このあとシリーズは続くんでしようがもっとなんか簡潔に...とはいかんのやろね。作り手の方としたらこのシーンも大事、ここも大事となるとこうなるんでしょうなあ。勧善懲悪の宇宙戦争、SF映画となれば同類の作品として当然「スターウォーズ」となるわけですが私としてはどうしても荒唐無稽、奇想天外なら陽気で明るい「スターウォーズ」の方が...。原作って読んでないんやけど読む気もしない。まあ映画のビジュアルを観てるだけで充分やわ。しかし貴公子として役柄が見事にはまっているティモシーシャラメはいうに及ばず、白塗りスキンヘッドのハルコンネン一族。思いっきり気色悪いハルコンネン男爵のステランスカルスガルド、お頭は少し足らないが異常性抜群のラッバーンを演じたデイブバウティスタ、そして今回ニューキャラクターとしてより一層残虐さが映えるフェイドラウサを演じたオースティンバトラー、「エルヴィス」でプレスリーを演じた彼です。うわぁー、ロックスターからSF映画のスキンベッドの大悪党へ180度の変身です。彼が一番印象に残っています。

長いとは思ったけどね、なんか途中で眠くなったり、飽きはせんかったな。物語は暗い、けどあんまり陽気には描けんやろなアこの作品。しかしハルコネン一族を倒してこれから誰が相手になるんやろ?続編はあるそうやし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先週の映画に比べだら、ほんのわずか、ほんのちょっとでも憂さが晴れる映画です。はぁー、今はホンマ憂鬱...。まっ、それは横に置いといて。今回観た作品は知る人ぞ知る、マドンソク主演の刑事シリーズ「犯罪都市」第三弾、「犯罪都市 NO WAY OUT」。水も滴るいい男、色白の二枚目に群がる韓流ファンの若い娘には目もくれず、ただただ我道を行くこの男、二枚目とは程遠い。全く180度違う異色の韓流スターです。まあ彼の通った後にはぺんぺん草も生えないほどのまさにザ・デストロイヤー、ザ・クラッシャーです。私は映画ファンになって45年、銃を撃たない刑事ヒーローはこの人しか知りません。ダーティーハリーにはマグナム44、「リーサルウエポン」のマーチンリッグスにはベレッタ92FS、「拳銃無宿」のジョッシュランダル(わが師スティーブマックィーンやね)にはウィンチェスターM1892のショットガン(刑事ちゃうけど)。このようにヒーローたちには「これっ」って愛用の武器がある。そうそうインディジョーンズの鞭もそう。そしてこのマドンソク扮するマ刑事(ややこしい)の愛用の武器はなにか...拳一つである。前作、本作とこの人がピストル撃ってるの見たことない。腕っぷし一つで刑事映画を作り上げているわけです。

ソウルの名物刑事マ・ソクトはソウルの広域捜査隊に移動となり、現在、若い女の転落死事件を追っていた。彼はこの事件に新種の合成麻薬が絡んでいると考えていた。そしてその背後には韓国の麻薬組織と繋がる日本のヤクザ組織「一条会」が絡んでいることも掴んでいた。だがその一方でもう一つの組織が日本に流れるはずの麻薬を中国組織に横流ししているようだった。しかしその組織は何者なのか見当がつかない。マソクト刑事は持ち前の腕っぷし一つで目の前に立ちふさがる壁をぶち破っていく。麻薬のディーラーたち、秘密のナイトクラブ、組織の人間を次々と締め上げていくうち別の警察組織と鉢合わせになる。マソクトはその時、警察の組織内に汚職警官がいることを知る。

一方、自らが買い取った韓国の麻薬が横流しされていることに業を煮やした一条会の会長は組織直属の最狂の殺し屋リキを送り込んできた。リキは残虐非道の殺し屋、韓国側の麻薬組織の人間を次々と葬っていく。遂に日本ヤクザ、汚職警官、そしてマソクトのグループとの三つ巴の戦いの幕が切って落とされた。

 

日本から青木崇高、國村準の二人の曲者俳優が出演しています。うーん独特の個性、それぞれの独壇場の役柄ですね。青木崇高の切れっぷりは抜群やね。それと車にまともに跳ねられても相手に殴りかかっていくマドンソクは「コマンドー」のシュワちゃんを思い出しました。

日本は完全に悪役。まあ反社の敵役からしゃあないけど喧嘩上等のマッドヒーローが日本人を叩きのめす様は韓国の日本人大嫌い連中はこぞって大喜びしそうやな、と穿った見かたをしてしまいそうやけど渡辺謙や役所広司と言った主演を張る役者じゃなくて海外じゃさほどネームバリューは無くともバイブレイヤーとして日本の俳優界から貴重な役者が韓国映画に出演しているのは映画ファンとしてはなんか嬉しい。こうやって日本映画、韓国映画の垣根を取り払い、果てはハリウッド、ヨーロッパの映画界の垣根をも取り払ってもっともっとおもしろい、いい作品を作ってほしいものです。

 

そう言えば昨年のアカデミー賞はアジア旋風。中国移民の家族を題材にした「エブリシング・エブリウェア etc」が主要部門を独占。一転して今年は作品賞「オッペンハイマー」が受賞。監督賞も同作品のクリストファーノーラン、主演男優賞も主役のロバートオッペンハイマーを演じたキリアンマーフィー、助演男優賞もロバートダウニーJrとまあ言わば映画人たちが選ぶ、本年度No1に選ばれた作品がこの「オッペンハイマー」と言うことになりますが、しかし日本の2作品が最優秀賞を受賞。視聴覚効果賞を受賞の「ゴジラー1.0」、長編アニメーション賞を受賞の宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」。こっちの方は観てないけど、「ゴジラー1.0」はこのブログでも書いたけどよかったですねぇ。ほんまに。しかしそれにしても「オッペンハイマー」が受賞とは日本人にとっては複雑。なんせ原子爆弾を作った人やからね。我が国は世界で唯一の被爆国。核兵器を使用されたのは日本だけなんです。しかも2発も...。クリストファーノーランは「日本人にこそ観てほしい」と言うけど、はてさて日本にとっては「悪魔の天才物理学者」、オッペンハイマーをどう描くのか、原子爆弾、核兵器をどう描くのか、大変興味深いところ。日本公開は3月29日です。ちなみに原爆より威力の強い核兵器を作ろうとして開発されたのが水爆。その水爆実験で生まれたのがゴジラ。なんかご縁を感じますな。

もう一つ、毎度何かがありますアカデミー賞。今年も受賞後にちょっとしたハプニング。「オッペンハイマー」で助演賞を受賞したロバートダウニーJrが昨年受賞のプレゼンター、キーホイクァンからオスカー像を受け取ったのだがハグもせず目もくれずスルーした。もう一つ、主演賞を受賞したエマストーンが同様に昨年受賞のミッシェルヨーからオスカー像を受け取らず

一緒にステージにいたジェニファーローレンストハグしたと...。まあこれが韓国あたりのプレスからアジア人差別だと言うのですな。まあ自分は考えすぎやと思うんやけど、それからYouTubeやなんかで出るわ出るわ。アメリカでこういう体験をしたとか、ハリウッドのアジア人俳優当りが出演して「ハリウッドじゃ当然」とかなんとか。そりゃあねぇどこの国でもありますよ差別は。少しぐらいはね。日本人だって白人や黒人が気持ち悪いとか体臭がどうとか言う人いません?

ちなみにね、コロナの頃、ニューヨークやロサンゼルスでアジア人を追い掛け回していたのはかく言う〝Black Lives Matter〟の当事者である黒人やスパニッシュ系じゃなかったかな?皆、偉そうに言えんよ。差別を無くそうなんて無理無理。

とにかく垣根、垣根、垣根を取っ払って心ある者だけでも仲良くいい映画を作りましょうよ。

 

 

 

俺は3時間もの間、何を観せられてとったんや!と言うのが観終わったあとの正直な感想。精神疾患? マザコン? 発達障害? 自分が観ているのはこの男の悪夢? 被害妄想? それとも現実? 最後まで分からなかった。物語の筋道、展開も全く納得いきませんでしたね。けどこういう役をさせるとうまいんだ、このホアキンフェニックスは。悪逆非道、狂った男、精神薄弱...。映画の内容はさっぱりわからず、あと味悪い。延々と続きます、この男の真っ暗な世界が... 。

ボーワッサーマンはいつもおびえながら暮らしていた。精神科医のフリール医師のセラピーを受けたあと新しい薬を貰った。その薬は必ず水と一緒に飲まなければならない。ボーは資産家の母と別れて一人暮らし、彼の住むアパートの周りはホームレスや異常者、ストリートギャングたちが朝から晩までうろついている。一日中、不安で仕方がない。だが明日は父の命日、久しぶりに母のモナに会いに行くことになっている。早めにベッドに入ったのだがアパートの周りの騒音が騒がしい。おまけに自分はただ眠ろうとしているだけなのに誰かがドアの下から「うるさい!静かにしろ!」と書いた紙を何枚も差し入れてくる。耳をふさいだまま寝入ってしまったのだが翌朝寝過ごしてしまった。慌てて家を出ようとしたのだが、忘れ物を取りに家に入ろうとした時、ドアのノブに鍵を差し、ドアの外に荷物を置いたままにしてしまった。すると瞬く間に鍵も荷物も盗まれてしまう。母に事の次第を電話で母親に伝えるが分かって貰えない。カンカンである。どうすればいいかわからなくなったボーは気分を落ち着かせようと薬を飲んだが水がない。水道の水を飲もうとしたが断水だ。口に薬を入れてしまった彼は完全にパニックになった慌てて外にでて向かいのスーパーに水を買いに出てしまったのだがその間にボーの部屋は街の不良やホームレスたちに占拠されてしまう。

仕方なく窓の外で一夜を明かしてしまったボーは翌朝、母親が部屋のシャンデリアが落下して命を落としてしまったことを知る。またもや激しく動揺してしまったボーは気分を落ち着かせようと風呂に入るが、天井に見知らぬ男が...もはや正気を失ってしまったボーは全裸のまま外に飛び出し、走って来た車に跳ねられてしまう。

ボーが目を覚ました時、ティーンエージャーのベットで寝ていた。彼を引いてしまったロジャーとグレースが治療して娘の部屋に寝かせていたのだった。夫のロジャーは有名な外科医だったのだ。だが一刻も早く亡くなった母の元へ飛んでいきたいボーであったのだが、次から次へと彼に予期せぬ事態が起こる。

 

現実なのか、妄想なのか...延々と続く負のスパイラルに観ている方としてはほんとつらかった。けどなんか知らんけど最後まで観てしまうんやね。観ている方としてはイライラ、ウンザリのし通し。なのになんでか退屈と言うのはなかったな。けど常に「これ最後どない結末つけんねんやろ?」って思いながらずっと観てました。まあ、この物語の主人公に対する感情移入でしょうねぇ。このボーと言う男は常に生きていくことに、日々の生活に不安を抱えている。観てるこっちも常に不安を持って観ている。それがねぇ最後は怪奇映画みたいになるわ、現実かどうか最後まで分からん世界観みたいになって、ラストはドカンでしょ?いったい何が描きたかったんか?自分自身、今いろいろあって、仔細は言えませんが無茶苦茶、不安な日々をずっと過ごしています。まあそんなときに観る作品ではないことは確か。

この作品の監督、アリアスターって人は「ミッドサマー」と言う作品を作った人。この作品、コロナで映画館が休館になる直前に観た映画。時期が時期であり強烈なインパクトもあってよく覚えてます。まあ悪い意味でね。俗にいう「胸クソ映画」です。この作品と同様、非常にあと味が悪く、本当にウンザリする作品でした。それでも退屈もせず、居眠りもせず最後まで観てしまったのはこの人の腕なんやろね。この作品、この監督のいやーな腕前とホアキンフェニックスの陰気な演技力が妙にマッチした作品です。しかしそれにしても3時間は長い!