犯罪都市 NO WAY OUT | kazuのブログ

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先週の映画に比べだら、ほんのわずか、ほんのちょっとでも憂さが晴れる映画です。はぁー、今はホンマ憂鬱...。まっ、それは横に置いといて。今回観た作品は知る人ぞ知る、マドンソク主演の刑事シリーズ「犯罪都市」第三弾、「犯罪都市 NO WAY OUT」。水も滴るいい男、色白の二枚目に群がる韓流ファンの若い娘には目もくれず、ただただ我道を行くこの男、二枚目とは程遠い。全く180度違う異色の韓流スターです。まあ彼の通った後にはぺんぺん草も生えないほどのまさにザ・デストロイヤー、ザ・クラッシャーです。私は映画ファンになって45年、銃を撃たない刑事ヒーローはこの人しか知りません。ダーティーハリーにはマグナム44、「リーサルウエポン」のマーチンリッグスにはベレッタ92FS、「拳銃無宿」のジョッシュランダル(わが師スティーブマックィーンやね)にはウィンチェスターM1892のショットガン(刑事ちゃうけど)。このようにヒーローたちには「これっ」って愛用の武器がある。そうそうインディジョーンズの鞭もそう。そしてこのマドンソク扮するマ刑事(ややこしい)の愛用の武器はなにか...拳一つである。前作、本作とこの人がピストル撃ってるの見たことない。腕っぷし一つで刑事映画を作り上げているわけです。

ソウルの名物刑事マ・ソクトはソウルの広域捜査隊に移動となり、現在、若い女の転落死事件を追っていた。彼はこの事件に新種の合成麻薬が絡んでいると考えていた。そしてその背後には韓国の麻薬組織と繋がる日本のヤクザ組織「一条会」が絡んでいることも掴んでいた。だがその一方でもう一つの組織が日本に流れるはずの麻薬を中国組織に横流ししているようだった。しかしその組織は何者なのか見当がつかない。マソクト刑事は持ち前の腕っぷし一つで目の前に立ちふさがる壁をぶち破っていく。麻薬のディーラーたち、秘密のナイトクラブ、組織の人間を次々と締め上げていくうち別の警察組織と鉢合わせになる。マソクトはその時、警察の組織内に汚職警官がいることを知る。

一方、自らが買い取った韓国の麻薬が横流しされていることに業を煮やした一条会の会長は組織直属の最狂の殺し屋リキを送り込んできた。リキは残虐非道の殺し屋、韓国側の麻薬組織の人間を次々と葬っていく。遂に日本ヤクザ、汚職警官、そしてマソクトのグループとの三つ巴の戦いの幕が切って落とされた。

 

日本から青木崇高、國村準の二人の曲者俳優が出演しています。うーん独特の個性、それぞれの独壇場の役柄ですね。青木崇高の切れっぷりは抜群やね。それと車にまともに跳ねられても相手に殴りかかっていくマドンソクは「コマンドー」のシュワちゃんを思い出しました。

日本は完全に悪役。まあ反社の敵役からしゃあないけど喧嘩上等のマッドヒーローが日本人を叩きのめす様は韓国の日本人大嫌い連中はこぞって大喜びしそうやな、と穿った見かたをしてしまいそうやけど渡辺謙や役所広司と言った主演を張る役者じゃなくて海外じゃさほどネームバリューは無くともバイブレイヤーとして日本の俳優界から貴重な役者が韓国映画に出演しているのは映画ファンとしてはなんか嬉しい。こうやって日本映画、韓国映画の垣根を取り払い、果てはハリウッド、ヨーロッパの映画界の垣根をも取り払ってもっともっとおもしろい、いい作品を作ってほしいものです。

 

そう言えば昨年のアカデミー賞はアジア旋風。中国移民の家族を題材にした「エブリシング・エブリウェア etc」が主要部門を独占。一転して今年は作品賞「オッペンハイマー」が受賞。監督賞も同作品のクリストファーノーラン、主演男優賞も主役のロバートオッペンハイマーを演じたキリアンマーフィー、助演男優賞もロバートダウニーJrとまあ言わば映画人たちが選ぶ、本年度No1に選ばれた作品がこの「オッペンハイマー」と言うことになりますが、しかし日本の2作品が最優秀賞を受賞。視聴覚効果賞を受賞の「ゴジラー1.0」、長編アニメーション賞を受賞の宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」。こっちの方は観てないけど、「ゴジラー1.0」はこのブログでも書いたけどよかったですねぇ。ほんまに。しかしそれにしても「オッペンハイマー」が受賞とは日本人にとっては複雑。なんせ原子爆弾を作った人やからね。我が国は世界で唯一の被爆国。核兵器を使用されたのは日本だけなんです。しかも2発も...。クリストファーノーランは「日本人にこそ観てほしい」と言うけど、はてさて日本にとっては「悪魔の天才物理学者」、オッペンハイマーをどう描くのか、原子爆弾、核兵器をどう描くのか、大変興味深いところ。日本公開は3月29日です。ちなみに原爆より威力の強い核兵器を作ろうとして開発されたのが水爆。その水爆実験で生まれたのがゴジラ。なんかご縁を感じますな。

もう一つ、毎度何かがありますアカデミー賞。今年も受賞後にちょっとしたハプニング。「オッペンハイマー」で助演賞を受賞したロバートダウニーJrが昨年受賞のプレゼンター、キーホイクァンからオスカー像を受け取ったのだがハグもせず目もくれずスルーした。もう一つ、主演賞を受賞したエマストーンが同様に昨年受賞のミッシェルヨーからオスカー像を受け取らず

一緒にステージにいたジェニファーローレンストハグしたと...。まあこれが韓国あたりのプレスからアジア人差別だと言うのですな。まあ自分は考えすぎやと思うんやけど、それからYouTubeやなんかで出るわ出るわ。アメリカでこういう体験をしたとか、ハリウッドのアジア人俳優当りが出演して「ハリウッドじゃ当然」とかなんとか。そりゃあねぇどこの国でもありますよ差別は。少しぐらいはね。日本人だって白人や黒人が気持ち悪いとか体臭がどうとか言う人いません?

ちなみにね、コロナの頃、ニューヨークやロサンゼルスでアジア人を追い掛け回していたのはかく言う〝Black Lives Matter〟の当事者である黒人やスパニッシュ系じゃなかったかな?皆、偉そうに言えんよ。差別を無くそうなんて無理無理。

とにかく垣根、垣根、垣根を取っ払って心ある者だけでも仲良くいい映画を作りましょうよ。