回復期リハビリ病棟に転院することができない
前回のブログでは、急性・治療期の治療(一般病棟での入院)から回復期リハビリテーション治療(回復期リハビリテーション病棟への入院)への移行期間は、発病後2ヶ月以内であり、その期間を過ぎてしまいますと回復期リハビリテーション病棟に入院することができず、リハビリの治療が受けられないことをお話ししました。また、回復期リハビリテーション病棟に入院することができる期間が限定されており、その期間を過ぎてしまいますと、強制的に退院させられてしまうことについてもお話しました。このような規制は、患者の治療を受ける権利を損なうものであり、極めて問題のある医療制度です。ここでは、「回復期リハビリ病棟に転院することができない」として、回復期リハビリテーション医療の実態および回復期リハビリテーション病棟のある病院への転院における問題点につき、実体験を踏まえながらお話します。
回復期リハビリテーション医療の実態
回復期リハビリテーション医療制度には、国による規制以外にもさまざまな問題が医療の現場にあります。一般の人が知らないその医療の実態についてお話します。とりわけ、患者の家族の人が、具体的に直面し困惑する実態です。
回復期リハビリテーション医療制度の下、医療現場では患者の家族にとって理解しがたい現実が待ち受けています。第一に、回復期リハビリ治療を受けることができる回復期リハビリ病棟を有する医療機関の数が極めて少ない点です。病院のすべてが回復期リハビリ病棟を有しているのではございません。その病棟を有する病院は非常に少なく、患者の家族にとっては身近にある病院を探そうとするでしょうが、なかなか身近にあるそのような病院を探すのは困難です。また、探すことができたとしても、回復期リハビリ病棟は通常満室となっているのがほとんどで、10人待ちとか30人待ちなどざらです。
脳卒中で倒れますと、救急車で救急搬送されることになりますが、搬送先の病院は、急性・治療期治療を行うことができる救急病院となります。しかし、必ずしも搬送された救急病院に回復期リハビリ病棟があるとは限りません。搬送先病院に回復期リハビリ病棟がない場合、回復期リハビリ治療を受けるには転院が必要となります。ところが、もともと回復期リハビリ病棟の入院ベッドに空きがない状況の下、回復期リハビリ病棟を有する救急搬送先の病院に搬送された患者は、同じ病院の回復期リハビリ病棟への院内転院が優先されるのに対し、回復期リハビリ病棟を有しない救急病院からの転院は、優先されることなく後回しにされます。つまり、原疾患の発症のために救急搬送された病院の違いによって、患者が回復期リハビリ治療を受けることができるか否かという患者の差別化が生じているのです。さらに深刻な問題は、回復期リハビリ病棟のベッドの空きがないために、ベッドが空くのを待つことになるのですが、これを待っている間に、前回お話ししました「2ヵ月規定」を超えてしまい、回復期リハビリ病棟に入院することができなくなってしまうことです。特に、回復期リハビリ病棟を有しない病院からの転院は、この問題が切実なものとなっています。なお、病院の診療科目を記す標榜に「リハビリテーション科」とある病院がありますが、この標榜があるからといって、必ずしも「回復期リハビリテーション病棟」があるとは限りません。外来のみの診療でも、このような標榜となっていますので、この点につきましては注意が必要です。
2つ目の問題は、回復期リハビリ病棟に入院することができる期間が、国の定める期間とは異なり、国の定める期間よりも短い点です。国の定める期間まで、実際には入院することができず、病院は患者を強制的に退院させます。例えば、重度でない脳出血などの脳血管障害では、回復期リハビリ病棟での入院期間の上限は150日と定められていますが、実際には、150日間入院することができず、それよりも短い期間しか入院できません。病院は、上限の入院期間の半分から2/3程度の日数をめどに、患者を退院させようとします。
これは、国が医療機関に対して、短期の入院期間を推奨する「ノルマ」を課しているためです。国の考え方は、一日でも早く患者を退院させ、国の医療費負担の軽減を図ることを意図しているためです。病院のホームページや案内パンフレットをみますと、疾病ごとの「平均の入院期間(日数)」が示されていることがあります。医療機関は、自らの病院での平均の入院期間を見かけ上減らすことで、国からの評価を上げようとしているのです。国もまた入院期間の短縮でその病院を高く評価するという仕組みが働くために、結果として、患者は十分な回復期リハビリ治療を受けることができずに、強制的に退院させられるのです。医療機関が自らの病院紹介で「平均の入院期間」を広報するのは、「当病院は治療能力・技術が高い」ということを、患者や患者の家族に印象付ける目的があり、患者を当該病院に誘導する意図があります。平均の入院日数は、単に見せかけのものであり、真に治療が終了した日数を反映していません。このような表示は、過大表示・広告の可能性があり、法に違反する行為であると言わざるを得ません。
回復期リハビリ病棟のある病院への転院における問題点
急性・治療期の病院に回復期リハビリ病棟がない場合、その病棟を有する病院へ転院することとなります。この転院先の病院をどのように探すのかという点につき、患者の家族が、直接、候補となる転院希望先の病院にコンタクトしても、病院は全く対応してくれません。病院のホームページでは、「連絡先」とか「お気軽にご連絡下さい」などのように記載されていますが、実際に電話をかけても、相談にのることはなく、「現在、入院している病院から連絡をください」という返答がきます。つまり、転院先の病院を探すためには、病院から病院へのコンタクトが要求され、患者の家族には、転院先の病院を探し、決定することはできないという、患者家族の病院選択にかかる権利が失われている実態があります。
病院には、「地域医療連携室」あるいは「医療相談室」などとよばれる部門があり、そこに相談員(ソーシャルワーカー)がいて、転院先病院の探索並びに決定のための交渉を行います。この交渉の過程において、とんでもない会話が病院間で交わされています。その内容は、患者家族には告げられません。転院先につき、相談員から患者家族に知らされるのは、「ここの病院は転院を受け入れない、ここの病院にはベッドの空きがない、遠方の病院であるがベッドが空いているので、転院することができるかもしれない」等です。回復期リハビリ治療のための転院は、即座に決定されるものではございません。
病院間の交渉過程で、以下のようなとんでもない会話が交わされています。例えば、転院先候補病院から「患者家族の年収額」が一定の額を超えないと転院を受け入れないこと、回復期リハビリ治療期間が終了後、転院先候補病院が経営する老人ホーム等の施設に入所しなければ転院は受け入れない、といった金銭上の条件が転院受け入れ条件として主張します。患者家族としては、回復期リハビリ治療で、日常生活ができるよう回復を願っている段階で、転院の交渉では、回復期リハビリ病棟を退院した後の条件までもが、転院受け入れの条件として病院間で話し合われています。回復期リハビリ治療で治るかもしれないのに、その治療後のことまでもが、転院受け入れ条件とすることは、とんでもないことです。医療法人グループ企業の金儲け主義が、転院の可否判断基準となっています。今では珍しくないのですが、私立大学病院を含め、老人ホームや高齢者向け住居等の経営を併せ持つ医療法人の病院への転院には注意が必要です。このような病院は、金儲け主義が転院の受け入れ条件となっています。
転院にかかる病院間の交渉で、もう一つ、びっくりしたことがありました。回復期リハビリ病棟を有し、なおかつ「脳神経外科」の診療科目の標榜のある転院先候補病院に、急性期治療のために入院している病院から転院の可否について打診したところ、笑いながら転院は不可能であるとの返答がありました。その理由として、「脳血管障害」の患者の回復期リハビリ病棟の転院は受け入れないというものでした。その転院先候補病院は、枚方市にある私立大学の付属病院の1つであり、そのホームページには、原疾患を問わず広く回復期リハビリ治療を行うことができる旨の広告が示されていました。それにもかかわらず、脳血管障害を原疾患とする患者を、回復期リハビリ病棟に受け入れることができない理由として、当該転院先候補病院には、「脳神経外科の医師がいないので責任が持てない」というものでした。ところが、この病院、上述のように、病院の診療科目標榜には「脳神経外科」と明記されていて、見かけ上、「脳神経外科」の診療科目でも対応することができることとなっています。よくよくこの病院の「脳神経外科」について調べてみますと、外来の診療は週に1回のみであり、担当医師は大学本部の病院から派遣される非常勤医師であり、しかも不定期的な診察が行われていました。また、「脳神経外科」という診療科目でありながら、当病院内では外科手術を行った実績が全くないことが判明しました。このような「脳神経外科」の診療の実態から、当該病院の相談員は「脳血管障害の患者の回復期リハビリ病棟への受け入れには責任が持てない」と言ったのでしょう。病院の内部の人が、自らの病院の診療科目に責任が持てないといっているのに、なぜ病院の診療科目の標榜にはそのような診療科目を表示するのでしょうか。病院の標榜で診療科目が多ければ、患者や患者家族にとって、総合病院としての安心感を与え、病院の評価が高まります。つまり、病院の診療科目の標榜には、患者を勧誘する広告の役割があるのです。しかし、病院の診療科目の標榜には、上記の例のように、実態を伴わず、過大広告となっていることがあります。責任の持てない診療科目を病院の標榜に記することは、もはや法令に違反した行為です。大学の付属病院でもこのような行為が行われていますので、民間の医療法人でも、きっと多くの病院がこのような法令違反を犯していると考えられます。病院の診療科目の表示のあり方については、国が基準を定め、厳しく監督すべきであると考えます。
現在の回復期リハビリ治療の医療制度は、患者ファーストではなく、診療報酬を基礎とする国の財政上の問題および金儲けの経営に走る医療機関の下で展開されています。リハビリ治療による患者の回復には個人差があり、回復に要する期間は患者それぞれによって異なります。よって、まずは、回復期リハビリ病棟に入院することができる急性・治療期期間の「2ヶ月間」規定の制限を廃止すべきです。第2に、回復期リハビリ病棟に入院することができる期間の制限(例えば150日間)についても廃止すべきです。その理由は、患者の回復進行度合いには、個人差があるためで、一律一定の期間を定めることができないためです。第3に、医療機関による転院のあり方について、当事者たる関連する医療機関を除く、第三者による監視制度が必要となります。転院は、病院間の交渉で行われますが、その交渉の過程に、患者あるいは患者家族の意見を反映させる場がございません。また、転院の病院間交渉において、病院の利益のみを追求し、本来あるべき患者の治療を考慮しないといったことを転院の条件とする病院がありますので、そのような病院を社会から排除する目的で第三者による「転院の評価」を行うべきです。その評価結果によっては、医療法人の社会からの排除も含むものでなければなりません。第4に、老人ホームや高齢者居宅事業(高齢者向けマンション等)等の医療関連事業を営む医療法人において、回復期リハビリ病棟の設置は認めない行政基準を設定することです。高齢化社会を迎え、老人ホーム等の不動産事業を展開する病院が増えてきました。老人ホーム、特別養護老人ホーム、自律型老人ホーム等、その呼称はさまざまですが、その中核には、それを経営する医療法人(病院)があり、「病院」という広告の下、単なる老人ホームとは異なるメリットをうたう病院が数多くなりました。回復期リハビリテーション治療は、それら老人ホームへの移転を目的としたものでなく、あくまでも、「治療」がその目的となっています。ところが、回復期リハビリ病棟を有する老人ホーム等多角化経営の病院では、本来の回復期リハビリ治療の目的と意義を離れ、それをチャンスとばかりに、ビジネスにつなげる病院があとを絶ちません。よって、回復期リハビリ治療の目的を再確認し、それに対応する医療機関は、その目的を遂行するものでなければなりません。治療は治療であり、老人介護は老人介護であることを、明確に区別した法規制のあり方と行政のあり方が求められます。第5に、病院の診療科目の標榜につき、厳格な基準を設けることです。病院内で責任が持てない診療科目を標榜することは、患者や患者家族をだますことになり、また過大広告という法律違反を犯していることになります。診療科目を標榜するには、その科目で必ず常勤の医師がいること、休日を除き毎日診療を行うこと等の条件があって、はじめて標榜することができるという要件を厳格に定める必要があります。1週間のうちに、1日しか診療しない場合のように、診療の頻度が少ない場合には、標榜にその診療科目を表示してはならないという規制が必要です。以上のように、いまや早急なる、回復期リハビリ医療制度の抜本的な改革が求められています。それと同時に、医療従事者および病院経営者に、倫理・道徳に関する教育が求められています。
根菜類に含まれる貴重な天然成分であるイヌリン水溶性食物繊維は、腸内環境を改善し、自然な排便を促進させます。排便に関する苦痛を伴う方、お通じが毎日無い方、宿便気味の方、便が硬く排便が困難な方など、便の排泄にトラブルを抱える方に、とても有用な天然素材です。スティムフローラは、この水溶性食物繊維を極めて高純度(99%以上)に精製し、飲みやすいよう粒にした健康補助食品です。市販の食物繊維とは異なり、水に溶かさず、そのままお召し上がりいただけます。快適な、毎日のお通じのために!
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